綾里けいしのレビュー一覧

  • B.A.D. 9 繭墨は人間の慟哭をただ眺める

    Posted by ブクログ

    ヒルガオが首を吊った原因の1つ絡繰舞姫、彼女の足を粉々のたたき折り、死ぬことを考える雄介は行方を眩ませる。主人を守れなかった飼い犬は復讐を果たして、死ぬべきだと考える久々津。2人の目的を阻止しようと動く小田桐。その小田桐に執着するように現れる紅い女。誰が自身の目的を達成できるのか。
    7、8割が雄介の話でそれに付随して舞姫の話になっていて、雄介の怒りと悲しみ、過去の行いへの自責の念と自己愛を捨てきれない絶望、いろいろな感情が渦巻き、雄介に共感し応援する自分がいた。そして、独特な感性と考えを持つ舞姫に嫌気がさしていたが、彼女の覚悟と矜持に驚き、見方が変わった。
    9巻はそれだけでよかったと思う。久々

    0
    2021年07月08日
  • B.A.D. 8 繭墨は髑髏に花を手向けない

    Posted by ブクログ

    ヒルガオが首を吊って死んだ。それをきっかけに壊れてしまった雄介は死の原因の一端の絡繰舞姫、繭墨あさとの殺害を試みる。舞姫とあさとを守ろうと動く小田桐だが、守る対象は所在不明、それぞれがどう考え、どう動くのか。
    雄介の話だが、前作に続き舞姫が出突っ張りだ。そして、異能者は考え方がぶっ飛んでいて、もはや小田桐すらも普通ではない。なので、雄介の悲しみに共感出来し、寄り添える人がいないのが切ない。強制的に気分のスイッチを切り替えて生活する雄介は日常生活でON/OFFを繰り返す読者と感覚はそう変わらないのかもしれない。それだけに読者としては雄介の言動に共感し、心配し、この先の幸せを望む気持ちが生まれた。

    0
    2021年06月27日
  • B.A.D. 7 繭墨は人形の悲しみをかえりみない

    Posted by ブクログ

    繭墨の元に来た依頼は弟の死の真相を知りたいと言う女性。そして、弟の恋人だった少女は彼の髑髏を持って逃げた。依頼を受けたと同時に繭墨の部屋にはその少女が忍び込んでいた。
    新しい登場人物・唐操舞姫、懐かしい人物・久々津が登場し、繭墨家では狐が目覚める。1つの依頼から謎が始まって、次々と謎が絡まり繋がる。新しい異能者の舞姫がキーパーソンだが、繭墨が嫌がるくらいの曲者で厄介だ。目的達成のためなら何でも利用し、犠牲し、笑顔でそれの何が悪いというのが怖い。今回は全ての登場人物が彼女のわがままに振り回された印象を受けた。

    0
    2021年06月23日
  • B.A.D. チョコレートデイズ(2)

    Posted by ブクログ

    白雪の話、小田桐・雄介・幸仁3人が巻き込まれる話、雄介と七海が交わる非日常の話、あさとの話、全4話の短編集。
    それぞれの話が、本編に入らない部分で何をしていたのか覗くことが出来るサイドストーリーになっている。ただ、それぞれの話を読んだ後の気持ちはみんなバラバラだ。
    白雪の話は物悲しさが滲み出ていて悲しさを抱える白雪を応援したいと思った。
    男3人がわちゃわちゃする話は読んでいて楽しめるが、人間の悪い部分と良い部分を感じるB.A.Dらしい所も盛り込まれていた。だが、珍しく不快感のない話だ。
    B.A.Dの中随一の怖さを誇るキャラは頭の中が歪んでいる。話は雄介と七海だが、七海の異常さと雄介の正常さの対

    0
    2021年06月14日
  • B.A.D. 6 繭墨はいつまでも退屈に眠る

    Posted by ブクログ

    眼球の話、床を這う女の話、綾の悩みの話、鴉の話、4話構成で成り立ち、それぞれの話が独立している。
    今回のテーマは幸せの形。人によって何を幸せと感じるか、何が辛いのかは違う。周りからしたらとても幸せだとは思えなくても、本人が幸せだと感じているのならばそれは良いことなのだろうか?そして、自分の幸せのためなら他を犠牲にしてもいいのか?自分の幸せは他人の不幸の上に成り立っているのかもしれない。

    0
    2021年05月29日
  • B.A.D. 4 繭墨はさしだされた手を握らない

    Posted by ブクログ

    集団自殺事件が多発し、その裏では繭墨あさとがいた。これまでの出来事で自責の念に囚われ動きを止めた小田桐。そんな彼のために狐の挑発にあえて乗った白雪は捕らわれてしまう。自分のために動いた白雪を救うために小田桐が動き始めたが、繭墨のもとを離れたがために戻って来た彼の目の前にあったのは繭墨の死体だった。
    まさか、繭墨が死ぬとは思わなかった。これまでなんのかんの言っても繭墨は無敵だと思っていたが、本当に14才の少女だとある意味感心した。そして、小田桐の悩み、葛藤する時と踏ん切りのよさとのギャップが激しい。共感出来るのに恐怖すら感じる彼が面白かった。

    0
    2021年04月11日
  • B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる

    Posted by ブクログ

    ホラーとミステリーが混ざった救いようがない物語。狂ったホームズと平凡な善人のワトソン、5つの話で繭墨の性格と性質、小田桐の性格と性質が分かる1冊になっていて軽いご挨拶といった印象を受けた。

    0
    2021年03月15日
  • 異世界拷問姫 1

    r

    ネタバレ 無料版購入済み

    世界に愛され無かった者達が傷つきながらも日常を手に入れる話。
    ただ、グロ系が大丈夫ではない人が読むのは難しいかもしれません。

    0
    2020年12月31日
  • 終焉ノ花嫁【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    86−エイティーシックス-の感じに近いかな、と思って買いました。学園、主従、ループ物、と好物多かったのですが、バトル物は好物でない、という自分を発見しました。ラブコメ、食べ物、女の子主人公の話をよく読むので、買っても、パラ見で済ませてしまう私。文体は読みやすく、中学生くらいから見れますかね。でも、三十代周辺がターゲットかもしれません。

    0
    2020年09月27日
  • 魔獣調教師ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき

    Posted by ブクログ

    中世ファンタジー風ミステリー。人間と獣の外見を有する魔獣が存在する世界。最高位の魔獣調教師であるツカイと、ツカイに関係した人物がどうなったかが書かれる。
    基本退廃的なエログロで進行するため、読み手は選びそう。その辺りを抜きにすれば丁寧なミステリーなので、個人的には楽しめた。
    しかし、ツカイとウヅキの関係はここからが面白そうなのに。続編の可能性はあるんだろうか。

    0
    2019年10月14日
  • 魔獣調教師ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき

    Posted by ブクログ

    身体に『人』に酷似した部分を持つ、魔獣。
    彼らを調教し、人の手に渡す職業の頂点に立つ人物と
    知り合った事により、好奇心は満たされていく。

    連続短編、なのですが、もう最初からすごい。
    ミステリーかと思ったら、ものすごく綺麗に
    計算しつくされていました。
    この人を糾弾とか、陥れようとか、無理無理。

    危機感がない好奇心旺盛な医者の主人公…ではなく
    軸は調教師たる彼。
    他の人間がその都度主人公になっていくのかと思ったら
    そうでもなかったです。
    彼が語り手なのは、しましま状態。
    間には、別の人間が主人公として頑張っています。

    1話目から、穴に気が付かない仕掛け。
    2話目は、納品先での家族問題。
    3

    0
    2018年06月01日
  • 幻獣調査員

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作品の雰囲気がかなり気に入った。完全なハッピーエンドが好きな自分にとっては終わり方が少しあれかな~。この著者の他の作品を読んでみたくなった。

    0
    2016年07月10日
  • B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる

    Posted by ブクログ

    チョコが主食かと聞きたくなる少女と
    それに付き合う男性。

    連続短編5話分。
    一体彼らがどういう関係で、どうして一緒にいるのか。
    『兄』とは何なのか。
    ちらちらと出てくる彼女の『家』についても
    兄についても、男性の腹の中身にも。
    一応すべての謎が判明してくれます。

    が…昼どらとは違うどろぐっちゃな人間関係。
    特殊と言えば特殊ですが、理解できるような
    できないような…。
    最後の話だけ、どの人の事か、と考えていたのに
    きれいさっぱり騙された。
    というか、引き込まれた?
    誰というより、どれも信じてはいけません??w

    0
    2016年03月17日
  • B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる

    Posted by ブクログ

    グロテスクと儚い美しさ、奇跡の共演
     開始早々、空からxxが降ってくるなど、猟奇的な描写の連続。しかし、現実感のない幻想的な雰囲気が強いからか、気持ち悪い・恐ろしいとは感じなかった。
     異能で冷酷な少女・あざかと、感情を表に出さない青年・小田桐。2人に舞い込んでくる依頼は救いようのないものばかりだが、絶望の中から僅かな希望を掬うように、美しい情景を切り取って見せてくれた。

    0
    2015年11月25日
  • B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない

    Posted by ブクログ

    一巻とは異なり、別の異能者一族とその裏切り者との話がメインでした。失われた人を取り戻す為に神を作ろうとする狂気、決して許されない事ですが共感できます。

    0
    2015年03月08日
  • B.A.D. 9 繭墨は人間の慟哭をただ眺める

    Posted by ブクログ

    雄介は、ヒルガオの復讐のため、舞姫の足を襲撃して遁走します。一方、彼女を守れなかったことに責任を感じた久々津は、雄介を殺して自分も死ぬことを誓い、雄介の居場所を探します。

    憎しみの応酬を断ち切るため、小田桐は2人の後を追い求めます。ところが、久々津があさとに、舞姫の足を取り戻してほしいと願っていたことが分かります。約束どおり舞姫の足は元に戻りますが、その代償として、小田桐、雄介、久々津の3人の中から一人が、彼らの前に現われた、どことなくあざかを思わせる女性に、自分の足を差し出さなければならなくなります。舞姫の足を傷つけた雄介と、彼女を守りきれなかった久々津は、ただちに自分の足を差し出そうとし

    0
    2014年11月27日
  • B.A.D. 8 繭墨は髑髏に花を手向けない

    Posted by ブクログ

    ヒルガオを失い、あさとと舞姫を殺害する決意をした雄介に対して、小田桐は身体を張って彼を止めようとしますが、雄介はそんな彼の説得に耳を貸さず、彼のもとを飛び出していきます。

    その後、あざかと小田桐、そして舞姫と現在彼女の「犬」となっている久々津の4人は、菱神昭の家に招き寄せられ、閉じ込められてしまいます。人間ではなく人形でないことに不安を覚えた彼は、人間と人形の違いを知るため、人の身体を解体したいと言い募ります。小田桐たちの活躍により菱神の事件は解決しますが、そこへ雄介から小田桐に連絡が入ります。

    雄介が、ヒルガオを売買した人買い業者のところへやってきたことを知った小田桐は、ただちにその場へ

    0
    2014年11月19日
  • B.A.D. 7 繭墨は人形の悲しみをかえりみない

    Posted by ブクログ

    繭墨霊能探偵事務所に、一人の女性がやってきます。彼女の願いは、死んだ弟の髑髏を持っている少女を見つけ出して欲しいというものでしたが、事情を明かすことに戸惑いを覚えた彼女は、けっきょくあざかたちに依頼することなく、事務所を出ていきます。ところが、その女性が探していた少女が、あざかたちのもとに現われます。彼女は、異能者の家系に生まれながら、身柄を売り渡されてしまったのでした。けっきょく、雄介がその少女を引き取ることになり、彼は少女に「ユウガオ」という名を与えます。

    その後、幸仁の生み出した「神」が増殖してしまい、その対応に小田桐たちが振り回されるという事件を挿んで、人形使いの異能者でユウガオの実

    0
    2014年11月19日
  • B.A.D. 6 繭墨はいつまでも退屈に眠る

    Posted by ブクログ

    今回は、連作短編仕立てになっています。

    第1章では、妹と自分自身の視線から逃れようとして狂気に陥った男の物語。小田桐は、あざかを男から守ろうとして目を攻撃され、ショックで一時的に視力を失ってしまいます。

    第2章は、死にゆく異能者の依頼を受けて、あざかと小田桐が彼の最後を看取る話です。

    第3章は、小田桐と雄介、七海、綾が闇鍋をする話。

    第4章は、異能者の鴉越雛(うごし・ひな)が自殺した後、彼女の眷属であるカラスの様子がおかしいことに気づいた鴉越樹(うごし・いつき)が、あざかに調査を依頼する話。

    今巻は、白雪が小田桐のもとに押しかけてきて、ラブコメ色がかなり強くなっていますが、ストーリー

    0
    2014年11月18日
  • B.A.D. 4 繭墨はさしだされた手を握らない

    Posted by ブクログ

    この巻で、繭墨あさととの戦いに決着がつけられることになります。

    前巻のラストで、心を閉ざしてしまった小田桐ですが、そんな彼の前からあさとが水無瀬白雪をさらっていったことで、小田桐はふたたび立ち上がります。その後、小田桐の下宿先に、あさとの意を受けた白木綾がやってきます。小田桐は、七海を味方につけて綾を幽閉し、あさとに関する情報を聞き出そうとします。

    その後、事務所へと足を運んだ小田桐は、あざかの死体を目にすることになります。あさとによってあざかが殺されたと信じた小田桐は、お腹の雨香とともに、あさととの決着へと挑みます。

    ストーリー展開は、前巻からの流れを引き継いで、自然な形で進行していき

    0
    2014年09月30日