綾里けいしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近同作者の新作を味わった関係でこちらも読みたくなる欲に耐えられずつい読み始めてしまったよ
読んだのはかなり昔の筈なのにちょくちょく覚えているシーンがあるのは結構心に刺さる作品だったからなんだろうなぁ
紅い唐傘を差すゴシックロリータ姿の繭墨あざか、腹に鬼の子を宿す小田桐勤
メイン二人の設定だけでも強烈に惹き付ける力を持っているのに、作中に依頼人や関係者として登場する人物がそれぞれに狂気を宿しているものだから何もかも強烈
依頼人や関係者は登場時こそ発言が支離滅裂な事が多い。けれどあざかによってその思惑が解説される事で、それは狂気のままに一本気の通った人物であると判る
ただ、それは他者の理解を許す存在ではないから理解してはいけない。だというのに小田桐が生来持つ気質や腹の鬼が彼らと感情や記憶をリンクしてしまうが故に小田桐は狂気に接する苦痛を得てしまうという展開は恐ろしい
もう地獄から逃れられないと実感した小田桐はそれでも地獄を避けようとするね
それは生物として当たり前の行動なのだけど、地獄を忌避しながら地獄そのものの身体で地獄のような繭墨あざかの傍に侍る小田桐は矛盾の塊
だから基本的に彼は受動的で狂気は相手の方からやってくるか、小田桐は知らず知らずの内に引き寄せてしまう
その最たる例が繭墨あさとか
最初は友人の顔をして近づいて来たのに、彼が小田桐に齎したのは破滅と地獄と裏切り
彼の狂気が小田桐も静香も壊してしまった。その経験が小田桐の人生から全てを奪った
そんな彼が地獄の中で望んだのが「死にたくない」であり望んだ相手があざかだった。なら、それは一種の約束で
彼が地獄の中で選んだ一つが有るならば、その一つだけには誠実に有るべきで
今までも、そしてこれからも地獄ばかりな小田桐がそれでも自分の意志であざかの傍に戻ってきたシーンにはジーンと来るものがあったし、何よりも鬼の子と対面するシーンは本当に良かったよ
彼にとっては災厄の象徴で自分が普通ではないと意識付ける重石。腹が疼いた際には殴りつける事さえ有った
それでも無邪気な子供に静香と自身の面影を感じて、鬼の子を自分達の子供だと認知した。そして彼女に唯一の名前を付けた
その経験は小田桐にとって自分の人生を改め直す転機となるね
だから、あれ程に恐怖を覚えた静香さえも抱き締められた。それらは彼が自身の地獄を認められた象徴的なワンシーンだと感動してしまったよ
久し振りに読んだけど、想定以上に情緒を揺さぶられたというか結構楽しめてしまったよ
やはり良い作品は良いものだね -
購入済み
愛のあるノベライズ
(レインコードをDLCまで含めて全部プレイしてから読みました)レインコードファンの友人に勧められて読みましたが予想していたよりも数倍良かったです。こういう言い方をするのはあまり良くないかもしれないですが、コスパで言えばDLC買うよりもこっち買った方が良いのではと思うくらい、超探偵がレインコードの世界においてどういう存在なのかや各キャラの探偵としての有能さなどがよく分かるし、それぞれのエピソードがしっかりその探偵のキャラクターに沿った内容になっていて、すごく各キャラへの深みが出たなと感じます。(DLCも良かったのですが、価格からするともっとボリュームがあっても良いのではと思うくらい短かったのが残念でした)
レインコードの予約特典の小説(ヤコウの過去話)が正直キャラの掘り下げとしてはなんか弱いなぁと感じていたので、このノベライズもきっと当たり障りない内容なんだろうと読む前は思ってましが、この作者の方はゲームのメインシナリオを担当された方では全くないのにそれぞれのキャラの理解度が深くてすんなりとストーリーを受け入れられました。しかもヤコウがそれぞれの探偵に対して感じていた想いについても触れられてるし。それぞれのエピソードにゲストキャラが居ますが、しかし微妙にユーマくんよりも冷たかったり頼りがいがなかったり、踏み込んでほしいとこまで踏み込んでくれないという足りなさがあって、だからこそ、それぞれの探偵がどうしてユーマくんに対して心を開いてくれたのか、彼が踏み込んできてくれることがどれだけ貴重だったか、その理由がしっかり補足されているなぁと思います。とにかくレインコードのメインの探偵たちの中に好きなキャラクターがいる人はみんな読んだ方が良いと思う作品です。オススメです! -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは良い人外×少女。元々は、タイトルの『幻獣』に惹かれて購入し、読んでる最中も少女と幻獣が関わっていく1話完結タイプのお話だと思っていたので、人外×少女よりも世界観というか作品の空気を楽しんでいたのだけど、最後まで読むとこれは闇の王様と白い少女の物語だとわかって印象が一変した。「闇の王様のお話」の真実と「旧き竜の狂気」が0話である意味に泣いた。切なくも、とても素敵なお話でした。しかしこれは続編を読みたいような、これはこれで終わってほしいような…。もし続編が出るのならば、白い少女についての話や、他の幻獣調査員と絡む話とか読んでみたい。単体のお話としては4話の「妖精猫の猫裁判」と、5話の「水に棲む馬」が好きでした。
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Posted by ブクログ
るろおさんのイラストに惹かれて購入。
ダーク・ファンタジーってファミ通文庫じゃ珍しい部類に入るんじゃ……とか思ったり。
で、るろおさんのイラストってことで手に取って、あらすじと冒頭数ページを読んで、
「あ、おもしろそう」
と思ったのでした。
うん、やっぱりおもしろかったですよ。
こういうストーリーは好きですー。
「名前のない化け物〈グラウエン〉」の青年と、「穴蔵の悪魔〈アリストクライシ〉」の少女のお話。
二人の出会いは墓地で、グランは生きたまま棺の中に入れられていて。
グランは傷の回復量が異様で、舌を噛み切っても死ねない体質で。
エリーゼは同族を激しく二組、「穴蔵の悪魔」を狩るために旅をしていて。
この二人のやり取りが本当にツボで(*´Д`)ハアハア
淡々としているようで、二人とも共存してるよなあ、と思いました。
グランは感情がないから結構思ったことを口にするタイプで、そのためエリーゼはちょっと苦労してそうww
っていうか、だいたい「おなかすいてる」ってww
仮にも女の子だからww
デリカシーのないwww
でもそんなグランが大好きです。
笑
さて――
二人が立ち寄った村では、神隠しみたいな事件が起きていて。
神隠しというか、「人肉料理屋」という事件があって。
でも料理人本人は事件の関与を否定していて。
ただ村人たちはそんなことお構いなしに詰めより、罵倒し、怒りをぶつけていた。
それにキレちゃった料理人は店員を人質に錯乱状態になってしまって。
そんな状態のところをエリーゼたちが真犯人を滅ぼしてしまうのです。
そう、つまり犯人は「穴蔵の悪魔」だったわけで。
これで一件落着かと思えば、そうではないようで。
人質となっていた店員・ケンジーから、この村の異常性を教えられる二人。
こうして、事件はエリーゼとグラン、二人の過去が大きく関わってくるようになるのです。
本当におもしろかった。
文章の構成とかも結構独特で。
間章でのエリーゼとグランの会話が、本編にも少しずつ関わってきて。
ダーク・ファンタジーと銘打ってはいるけれど、私の苦手な鬱展開などではなかったですし。
次も楽しみですね(*´▽`)
それにしても、ラストのラストまでサブタイトルの「for Elise」の意味を取り違えていました。
エリーゼのお話的な感じで受け取っていた……。
いくら英語が壊滅的だったとしても、これはあまりにもあんまりだ°・(ノД`)・°・
反省します(スライディング土下座) -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回のお話は繭墨から見ると多少の予想外はあったようだけど、どれも退屈なエピソードだったんじゃないかと思う。
基本的に読者は小田桐視点になると思うで、これはこれで良かったのだけど、やはり狐に代わる大物の登場が欲しいかなぁ。簡単に彼の目覚めを覚ますようなつまらないことはしないと思うので、第2幕をしばらく引っ張ってくれる屋台骨が必要だと思う。と思ってたらあとがきで、チョコレートデイズ第2巻出した後、新章開始とのこと。期待ですな。
白雪さんの接近はこの世界観の中では違和感に近いものがあったけど嫌いじゃなかった。あっさり拒むあたり小田桐の甲斐性ないのを再認。彼女の望みの本質は結婚じゃないのだから考えてやれと言いたい。ひとりも救えない小田桐だからこそやれることはやっておくべき。
顔と手だけという点でイラストが残念だったStory IIで、無戒のじじいが「下(シモ)の世話」という言葉を口にしたとき、ハッとしたのが、繭墨のこと。まあ下賤な話なのでこれ以上言わないけど、普段、世界のすべてを知っているかのような澄まし顔の彼女も下の際にはヒトと同じになるんだろうかと。神話では性交の話はあっても脱糞(言っちまった)の話はなかったと思うが、繭墨は異界を自由に開く力があるようなので、直腸付近に異界を繋げておいて・・・。(酔うと脱線がとまらない)