濱田浩輔のレビュー一覧
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橋詰と理子の試合はこう決着したかぁ…と驚きの印象。
序盤こそ橋詰が圧倒した。それは元々の実力差を考えれば当然の展開。なのにインターバルに入る頃には5点差まで縮められていた。自分の実力を信じられている者なら、「それでも5点差ある」と立ち直れるだろうけど、橋詰は自分を立ち直させる事が出来なかったね。それどころかワンゲーム目の途中で弱点すら露呈してしまった。「ちょっとサボっている」、この言葉には橋詰が抱え続け、そして直すに至らなかった問題が詰まっている
でも、それ以上の問題点はあの独白か…。これまで正面からぶつかった事が無いから試合結果は判らない。けれど周囲が持ち上げてくれるから同等だと欺瞞できる。でも、それは本当の意味で自分の力の高さを証明する言葉になるわけがなく
その意味ではなぎさとぶつかり続け、それでも折れなかった理子こそが強者に至る素質を持っていたと言えるのかもしれないね…
横浜翔英との団体戦が始まる前、立花は「勝利だけが貢献じゃない」と教えた。その言葉通り、この試合では勝利の数よりも最後のコートに立った理子・橋詰を仲間達がどう支えていたのか、その支えを本人はどう受け止めていたかが如実に現れた気がするよ
だからこそ、もう戻れない場所を知ってしまった橋詰と重盛がこれからを取りこぼさない為に「ホントの友達」になる様子に目頭が熱くなってしまいましたよ……
北小町は横浜翔英との団体戦を通して掛け替えのない何かを手に入れた。そう思えただけにあっさり過ぎる程に終わってしまった港南との試合には高校スポーツの儚さを見てしまったな
これで理子の夏は終わった。それでも遣り切った感慨が伝わってくる。対して、遣り切りすぎてしまった事で綾乃は再び心に迷いが生まれてしまったようで
逆にコニーは迷わない境地へと達したか
有千夏との再会は綾乃とは全く異なり、彼女に家族としての繋がりを齎してくれるもの。それは現状に満足しているようなもの。有千夏が綾乃に満足できない状況として離れて暮らす環境を用意したのとは対称的
かといってコニーの思惑はそこまで現状への満足だけで締められている訳でもないようで。コニーはコニーで有千夏を救おうとしているのか…
綾乃と母・有千夏の関係性が明かされてからはどのように再会を期するのかという点は気になるポイントだっただけに綾乃が「今更会ってそれで何かを得るとは全く思ってない」と発する様子には衝撃を覚えてしまったよ
元より綾乃と有千夏はバドミントンによって繋がっていた。綾乃がバドミントンを通して別の繋がりを手にしてしまった現状では、有千夏に母としての繋がりを求めては居ないという事なのかもしれない。ただ、そう感じるにしては綾乃の表情が邪悪寄りになっている点に恐ろしさを感じてしまうが
バドミントンに何を求めるか。個人戦決勝を通してバドミントンの楽しさを自覚できたからこそ、綾乃が抱く迷走。薫子は全国へ向かう前に最後に超える壁として立ちはだかる構図と成ったね
バドミントンを楽しいと思える綾乃はバドミントンを好きになろうとしている。けど、思いっきりやると誰かに不幸を齎してしまう。かといって負けると大切なものを失ってしまう
綾乃が己の人生をしっかりしたものと扱いたいなら、無様な負けは許されない。すると橋詰のように他者を見下すバドミントンとなってしまう。嫌な存在に
だとしたら、綾乃に刺さるような自分の醜さを口にして「こういうところなら共有してる」と告げてくれた薫子はちょっと風変わりな親友として綾乃を判ってやれる存在と成れたのかもしれないね
綾乃はようやく自分の形が判り始めた。自分が向かう先も定めたくなる。そうして綾乃が選んだ道は驚きに満ちたものでしたよ…
綾乃は部活を通してようやく人との繋がりを手にした。それを自ら手放すなんてね…。綾乃の選択は巣立ちのようにも勇者の旅立ちのようにも思えたよ…… -
Posted by ブクログ
前巻段階では相当な食わせ物感で登場した橋詰だけど、その実態は才能がありつつもメンタルに不安があるタイプだったようで
これ、才能は無いが同じようにメンタルが不安定に成りつつ合った理子の延長線上にいるキャラのように思えるね。ただ、理子が抱えすぎて不安定に成るタイプなら、橋詰は精神的な支えの有無によって不安定に成るタイプか
そうした両者が揃うダブルス1はそれこそ精神面をどう構えるかという勝負に成るのか
試合前の立花の構え方が面白いね
彼は木叢監督がこちらのオーダーをどう読んで対策してくるかを読んでいたのに相手の策に敢えて乗った。彼が重視しているのは勝てそうな試合を確保する事ではなく、団体戦の流れをどう定めるかという点か。
「何も勝利だけが貢献じゃない」という彼の言は印象的。立花の中ではきっとエレナは捨て駒などではなく、また柱である綾乃にも頼り切るつもりはないと見えてくるね
立花の発言を受けて綾乃は考え始める。そうしてダブルス1だけでなく団体戦としての勝ちを目指す
理子を守り橋詰を疲れさせる作戦があんまり良いとは思えないのが試合の流れを面白くさせてくれる。相手の主力を披露させる、これは綾乃だけでなく相手も同時に可能な作戦。メンタルが不安定な橋詰の相方として登場した重盛が良い感じに敵コートに安定を齎してくれるね
ただ、そうして横浜翔英が二人でダブルスをちゃんとやっていると、綾乃に守られてばかりの理子が浮いてしまう。けど、綾乃のメンタルは安定していても理子のメンタルフォローが出来るようなタイプではない。だからここは理子が自分で復調しなければならない
まあ、そのようなどちらへ向かうか曖昧な局面でも大暴れを辞めない綾乃は本当に恐ろしい存在、というか敵にしたくないなって思えるけども
立花が示した”4本の指”は良い切り替えポイントとなったね
「バドミントンはズル賢くやらなきゃ」、当然のようで居て時折忘れてしまう大原則。相手の視界から自分が消えているなら利用する。そしてダブルスであるからには自分とて綾乃をフォローする。その先で守られる事ではなく、自分で戦う事に拠ってシングルス3での橋詰攻略に活かそうとする理子の姿勢はそれこそ綾乃が思い浮かべた「負けた相手も強くなる」という原則を象徴するもの
そうしたタイミングだっただけに元から強い者である綾乃のメンタルがここに来て不安定に成りかけるのは意外だったな
彼女は強い、苦戦する相手も殆ど居ない。故に持てない向上心とリスペクト。なら、立花の教えはそれこそ天啓のように彼女へ刺さったんじゃなかろうか。綾乃にとってバドミントンとは人生と深く繋がるものだった、だから人生が揺らいだ時にバドミントンへの情熱も揺らいだ。逆にバドミントンをより愛する事で己の人生をも変えられるかも知れないわけだ
スポーツ漫画って才能ある者が映えある活躍をするシーンをどう描くかが作品の売りとなっていくのだろうけど、一方で凡才がどう天才へ立ち向かっていくかを描くかも重要だと思っていたり
その意味ではシングルス2の綾乃と重盛の勝負は良いものだったなぁ。試合そのものは綾乃のワンサイドゲームに等しいし、重盛も勝てる自信があるわけではない。それでも「勝つぞ…!!」と意気込み強くコートへ向かっていく
それは無謀だからではなく、C特待という期待されているという口振りで期待していないとの評価を受けた少女が辿り着いた諦めない境地
その在り方は諦めないとか遣り切るだとか本気に成るとかが出来ていなかった橋詰にどう映ったのだろうね…?
また、努力や練習を重ねても綾乃に届かなかった重盛の在り方はバドミントンと向き合い始めた綾乃にどう響いてしまったのだろうね?
どちらにせよ、多くを託された理子と橋詰の試合は心の戦いとなりそうだ -
Posted by ブクログ
この表紙絵、どう見たって主人公の姿ではないよねぇ……。今巻から変質を本格的に始めた綾乃。ただ、それは勝手に変質していったのではなく、なぎさという好敵手がすぐ近くにいたからこそ発生したものなのだと改めて感じられたよ
前巻では綾乃に容赦無い戦いを仕掛けながらもその眼前に姿を表さなかった有千夏。けれど、義実家近くには拠っていたのか。てか、旦那を見る表情に年不相応な少女っぽさが見えて、この人はちゃんと家族を大事にしてるっちゃしてる人なんだなぁなんて感じられたよ
それでもバドミントンの才を持つ綾乃に対してはバドミントンを通してしか愛情を与えてやれないのは歪みとしか表現できないのだろうけど
綾乃へ届けられた手紙、そこには何が書かれていたのかな?
綾乃となぎさは県大会準決勝へ向け準備を怠らない様子
綾乃が戦った相手が世界ランク1位と知ったなぎさのリアクションが目を引くかも。下手をすれば綾乃をより大きな存在と感じ、彼我の実力差に打ちひしがれても可怪しくない。けれど、なぎさは綾乃の実力を客観視出来た事で前年の負けを正しく消化できたようで
綾乃は「凄い奴」であると知れた。だからこそ、なぎさは何の憂いもなく彼女へ挑む為に鍛えに鍛えられる訳だ
そして綾乃の方も自分に追い付かんとするなぎさの姿を見て、研鑽をより強めると…。これに似た構図は2巻でも発生していたけど、あの頃とは違って真っ当に相手へと立ち向かおうとしている意気込みが感じられるね
ただし、県大会では綾乃以外にも強敵は存在する。逗子総合の石澤はその代表例か
石澤のコーチって嫌悪感を覚えるタイプなのだけど、学生年代の指導者にはこういうタイプって珍しくないんだろうなとも思える絶妙なラインとなっているね…
石澤はコーチに押し潰されそうな境遇。試合中に直感から得られたプレイをしようとしても、コーチがすぐに叱責してくる。そこに自由なプレイングは無い
でも、教えは的確。相手に勝つには試合展開をどう進めれば良いかという正解を石澤に教え込んでいる
なら、対する立花もなぎさを勝たせる為の試合展開を彼女に教え込む必要がある…のだけど、まさか一聴しただけでは判らないアドバイスをするなんてね
立花の教えそのものに間違いはない。けれど、その教えをなぎさの答えとして昇華させるにはなぎさ自身が考えなければならない。ここでのなぎさの考え方が良いね。直近で見た素晴らしい選手から自分に反映できる要素を探し出し、辿り着いたのはコニーのプレイング
そこからのなぎさの反撃は目覚ましい変化を起こしたね。なぎさを苦しめんとしていた石澤のプレイを物ともせず気持ち良いまでの押し込みをしている。だから石澤も釣られてしまったのだろうね。あれだけ石澤の自由意志を押し潰していたコーチの声が一切耳に入らなくなって、自分のバドミントンを見つける為に単身でなぎさへとぶつかりに行った。その姿に己の過ちを悟ったコーチの姿が良かったよ……
リベンジと言えるなぎさと綾乃の対決は始まる前からピリピリした雰囲気に。とても同じ部に属しているとは思えない
だからか、試合序盤も意外性に満ちたものに。慎重を期したなぎさの抑えた展開、なぎさのスマッシュを警戒し反応が遅れる綾乃。課題は相手のペースに呑まれない事。逆に言えば、相手を呑み込んでしまえば勝ちが近づく。立ち上がりは口撃を回避したなぎさに分があるのか、なぎさが打ちたいスマッシュを披露した綾乃に分があるのか?早くも手に汗握る展開に成りつつ有るよ -
無料版購入済み
大作!
世界観がかなり煮詰められ、細かく描かれている大作。
雰囲気は「ベルセルク」にかなり似ている。
特に「化け物」の描写は大きな影響を受けていそう。
一方、絵は細かいところまで描かれており、キャラもいい。
特に女性キャラはかなり美しい。
ストーリーも、2巻まで無料で読んだ限りでは大きな破綻なくより世界観が広がるような展開となっている。
一方、設定も含めてまだ詳細が語られていない点も多く、この先どう持って行くか非常に楽しみ。
という事で、これはかなりの秀作だと思う。
この作者が、つい最近までバドミントンの学園ラブコメを描いていたとは信じられないくらい。 -
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鬼気迫る
話が進んだ、というほど進んだわけではないが、セルバン王の戦闘シーンが素晴らしかった。描き込みというか筆圧というか、とにかく素人目でも鬼気迫るものを感じるものだった。話も面白かった。数ページとはいえ結構キツめの陵辱を想起させるシーンがあるので苦手な人はご注意を。
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Posted by ブクログ
ネタバレ横浜翔栄とのダブルス戦。この試合が作中で一番好き。
羽咲の圧倒的な実力に対し、横浜翔栄は巧妙なコンビネーションで食らいつく。やたら挑発してきたりと、主人公が完全にヴィラン化していて面白い。相手の対応を基に自分の戦術を切り替え、更に次の試合を見越して、ラリー勝負に持ち込んで相手の体力を削ったりと、試合展開が次々と切り替わっていくのが面白かった。
また、4人の精神的なドラマも楽しめる。実力が高すぎる為、他人に共感できない羽咲。実力に見合っていない評価に怯える橋詰。重森と泉は実力が足りないと感じながらも、諦めずに最大限の力で戦い抜こうとする姿が描かれる。
この巻では、バドミントンの試合の中で展開される緻密な戦略と、キャラクターたちの内面の変化が巧みに織り交ぜられており、試合の緊張感とキャラクターの成長を同時に楽しめた。 -
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なんというか…
中世ヨーロッパ風のおとぎ話です。
王とか城とか龍とか魔法?とか出てきます。
絵は見やすいですが、ちょっとキモち悪い絵も出てきます。
王は人間離れした強さで、弓矢で射られても動けます。
つまり…よくある感じです。 -
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既視感のある変貌
母親の醜態、父親の醜態、国の重鎮たちの醜態と身内の醜態をこれでもかと見せつけられた心優しくも気弱な姫は強き女帝へと変貌なされた。
この変わり様、とあるバドミントン漫画の主人公を彷彿とさせます。
ロザリカがアルシノエの前だけはまだ女の子らしくいられるのは唯一の救いでしょうか。
また変わった女の子がもう1人。子どものままではいられなかった彼女は、この戦いを経てどう成ってしまうのか。セルバン王気を確かに…。 -
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可能性は感じた
コミックス全3巻、新装版にして全2巻。内容が内容だけに少年誌では伸び悩んだというのもわからなくはありませんが、美麗な絵、魅力的なキャラクター、作者のポテンシャルを感じずにはいられませんでした。連載当時は終わったことが受け入れられなくてしばらく引き摺ったものです。
作品の終了が決まったのか、終盤の展開はかなり急。まくら引越し→計祐が追いかけて結ばれる→そして先輩は泣く。
すすのさんはきっと3人目のヒロインになるはずだったんだろうなーとか、青春部活ものとしてやっていく路線もあったんだろうなーとかいろいろと先の構想を妄想せずにはいられませんでした。
先輩に至っては初めての恋で浮かれに浮かれてたっていうのがめちゃくちゃ伝わってきていたので、振る場面はやっぱ辛かったです。
そして最後の描き下ろし。これは初見でした。
絵柄がかなりはねバドでした。終わり方も、ただ甘酸っぱいだけじゃない、ちょっとビターで大人な雰囲気。ジャンプでは見ない、一歩下がったところの恋愛描写が実に良かったです。別作品みたいだな、とは思いましたが。
人気になれるポテンシャルはありました。時代が追いついていなかったとはいえ、こういう先の展開が見たかった作品はいっぱいあります。
はねバドやレ・セルバンと、作者様が他誌で大活躍されているのが私はとても嬉しく思います。 -
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かわいそうな姫
兄を失い、父親は正気を失い、母親は傾国の最中に父以外の男と褥を共にしていた。流石にロザリカ姫の心中が…。どんどん嫌な方へと物語が流れていっている気がします。セルバン王に少年漫画のファンタジー主人公みたいな真似ができるとも思えませんし、ここからの逆転は実に困難なモノではないかと思わざるを得ません。
まあそれはそれとして、アルシノエもなんだか力関係で不穏な雰囲気がありますし、セルバン王が戦力としてアルシノエを見ていないのは、娘を戦わせることへの抵抗以外にも、こういう部分があるからなのではないかと思えてなりません。もはや希望は、既成事実を狙ってあわよくば王妃を名乗る可愛いミネルファだけですが、狼野郎が復活したのでまたいつ寝取られるのかと心配事はつきません。 -
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これは驚愕
ジャンプで幼馴染と年上の先輩との三角関係ラブコメを、アフタヌーンでバドミントン漫画を描いていた濱田先生が今度はハードなファンタジーとは。なんでも描けるんだなぁ、と。面白いですこれ。