馳星周のレビュー一覧

  • 美ら海、血の海

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    東日本大地震。
    物語はあの震災の瓦礫の中を彷徨うところから始まる。死屍累々としら光景を見て、かつての戦場と似通ったところから回想へ。

    太平洋戦争末期の沖縄戦。
    沖縄戦において、ひめゆり学徒隊は有名だが
    鉄血勤皇隊というものがあった。
    戦争に駆り出されるのは二十歳以上のものであったが、この鉄血勤皇隊は17歳未満の14〜17歳の子供達で編成された部隊だ。

    2024年でこの鉄血勤皇隊の存命者はいなくなったとのこと。

    戦時下における極限状態においての、理性と生存本能の間に苦悩する描写が胸を抉る。

    徐々に戦争経験者がいなくなってゆくが、史実として語り継がれてゆかねばならないと心から思う。

    巻末へ進むと、戦争と震災の対比がリンクしてゆくが
    どちらも決して風化させてはならないと念を押された気がした。

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    2025年04月26日
  • 月の王

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    想像してたより全然ファンタジーで戸惑った。
    話が短絡的すぎな気もする。雪の話とか特に。
    伊那さんが気の毒過ぎる。

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    2025年02月28日
  • 煉獄の使徒 下

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    地下鉄サリン事件はこんな風に起こったのではないかと思えるくらい生々しい。
    教祖が狂気に堕ちていることが分かっていながらも、教団内の権力を保つため、考えることを放棄したため、裏切り者として制裁される恐怖、盲信しているためなど様々な理由によって誰も止められなかった。
    ものすごいボリュームで、内容もとてもしんどいものですが、一度は読んで良かったかと思います。

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    2025年02月23日
  • 煉獄の使徒 上

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    明らかにオウム真理教をモチーフにした作品ですが、もしかしたらこんな背景や信者の日常があったかもと思わせる作品です。警察官僚と政治家の権利争いまで追加すると流石にリアリティがなくなっていますが、とにかく気合いを入れて描いていることが分かる大長編です。
    ここまで来てまだ半分とは流石に少し疲れてきましたが、どのように締め括るか楽しみにしつつ下巻へ。

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    2025年02月16日
  • 神の涙

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    面白くて休日に一気読みした。作者は不夜城のイメージが強いけれど、真逆のソウルメイトのような家族愛に溢れている作品もある。初対面同士のやりとりで、どこの出身かを話題にすることが多いので、悠や雅比古のように自分の出生に疑問を感じたり差別を受ける側にいたら、不自由な社会だろな。。

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    2025年01月23日
  • フェスタ

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    ストーリーはシンプル
    競馬に関わる人がこんな大勢いるとは!
    いつか日本馬が凱旋門賞で勝つところを見たいのう

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    2025年01月08日
  • 不夜城

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    台湾人と日本人の半々の主人公を軸にして、歌舞伎町に蠢くチャイニーズマフィアの抗争とそれに絡む悪党共の混沌とした物語。
    誰一人として同情出来ないのがいっそ清々しい。

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    2024年12月01日
  • 雨降る森の犬

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    この人の作品を読むのは、少年と犬に続いて2冊目。
    少し、長くてくどい所もあったけど、主人公の女子中学生と母親、男子高校生、おじさんとの関係がありきたりな展開にならなかったのがすごく良かった。

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    2024年10月04日
  • 復活祭

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    生誕祭、
    という作品の続編と知らずに読んだからか十分に楽しめなかった。10年前の恨みを晴らすため雇われママの麻美、OLとして働く早紀が男達を騙すため動き出す。

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    2024年09月21日
  • 帰らずの海

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    馳さんの暗黒系。函館で警察の話。故郷の北海道本として、若い頃の思い出を語り、旧友との再会を喜ぶような、小生のような人には、しっかりとハマります。

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    2024年09月04日
  • ゴールデン街コーリング

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    小説家を目指して上京し、芸術家の集まるバーで働くという自伝的小説。ゴールデン街の暗黒を描く。作中、ちょっとタバコ吸い過ぎですが。高校時代を語るシーンは、小生の青春でもあります。

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    2024年09月03日
  • 神奈備

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    馳さんの、③山系。山の厳しさ、美しさが巧みに描かれている。時間的・空間的な広がりは少ない分、読後も辛さが残る。いかにも、馳さんワールド。

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    2024年08月24日
  • 美ら海、血の海

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    馳さんによる、沖縄本土決戦の学生隊の記録です。小生の亡祖父が、沖縄戦からの帰還兵で、地下壕の中、米軍の射撃が顔を掠めていったと言っていたのを思い出しました。記憶をつないでくれた、馳さんに感謝です。

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    2024年08月16日
  • 淡雪記

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    典型的な、馳星周さんの暗黒小説ワールドですが、北海道の自然の中での主人公と少女の交わりが美しく、犯罪の展開のテンポも良くて、グイグイと引き込まれました。

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    2024年08月12日
  • 長恨歌 不夜城完結編

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    ついに完結!ですが…
    やっぱり1作目の疾走感が積み重なるに従い…
    でも、今っぽさ?より現代感が終わりとなって出てきました。

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    2024年08月11日
  • ソウルメイト

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    我が家には、いつも生き物がいた。

    金魚は年がら年中いたし、猫を拾ったこともある。
    亀と文鳥がいて、一人暮らししてもハムスターとトカゲを飼っている。

    犬も、もちろんいた。
    10年、時間をともにした。

    犬種は本作にも出てくるジャックラッセルテリア。

    マスクという映画を見た母が、
    犬を飼うならこの犬種じゃないと飼わないと、
    ただ飼いたいだけでおねだりした私と姉への条件をつけて連れてきた犬だった。


    愛らしい見た目に反して暴れん坊で、神経質。
    一度嫌と思ったらその日は1日動かない。
    ご飯も散歩もいかない。

    手を焼いた、愛らしい子だった。

    本作は、犬を飼ったことがある人なら
    誰しも経験するようなエピソードが多い。

    その中でも、この本のすごいところは、
    犬種の特性に沿った話のところだ。

    ジャックラッセルテリアは、
    小さい身体に可愛い顔をしてかなりタフで暴君だ。
    一度興奮したら止められない。

    そんな特性を濃く描いている。
    そして、出てくる人間たちがその特性をもった
    犬たちに選ばれて、最良のソウルメイトになっていく。

    読み終わって考える。
    人生で一度の飼い犬だった彼女は、
    私と、私の家族といて幸せだったのだろうか。
    私たちの欲のままにしてきたつもりはないが、
    彼女にとって、私たちとの出会いが最高だったのか。
    ソウルメイトに、なれていたのだろうか。

    もう会えない、でももう一度会いたい。
    大切なソウルメイトに想いを馳せる。

    そんな本だった。

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    2024年08月08日
  • フェスタ

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    馬にかけるロマン。
    馬は本来全力疾走をしない動物だったが、サラブレッドが品種改良されて競走馬が生まれたとは知らなかった。
    走りたくなく、走りたい時に走るわがままな馬にかける夢。競馬の世界の裾野の広さとそこに関わる人たちの熱意を十分に感じた。
    どの馬もそんな人たちに支えられて戦っている。
    小説の中だけでも勝たせてあげたかったなぁ。

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    2024年08月03日
  • 殉狂者 上

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    日本赤軍の吉岡がスペインのETAでテロ活動。

    1973年に殺されるが、2005年にその息子のアイトールの母親が失踪。

    彼女を探し出すと昔のETA仲間が殺されていく。過去と現在の事件が絡み合う

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    2024年07月30日
  • 蒼き山嶺

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    新宿と犬と山の作家、馳星周。

    後立山連峰は、北アルプス北部に連なる長大な山域で、麓は安曇野高原などの避暑地や数多くのスキー場を有する場所。
    もちろん、山を歩く連中で夏は稜線もにぎわっている。が、冬山はとても厳しい。日本海からの寒気が湿気を帯びて雷とともにやってくる。

    そんな冬景色の稜線を主人公達は北へ歩く。

    この手のストーリーとしては目新しいものではないが、やっぱり“水戸黄門”的に見入ってしまった。
    井上靖『氷雪の門』や漫画『岳』が読みたくなった。

    夏に白馬岳へ登る最も一般的なルート“白馬大雪渓”……2年続けてクレバスの巨大化で立ち入り禁止となった(2023・24)。
    温暖化の影響からか、年々雪渓も痩せ細って危険度が高くなっている。
    また、どの山も一般登山道は踏み跡が抉れ、場所によって崩落が発生している一方で、人気の無くなった道は荒れて歩けなくなっている。

    永遠と思っていた山は、現実に変わり始めている。

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    2024年07月21日
  • 暗手

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    まぁハードボイルドに惚れた女のためってのは定番だけど、ちょっとやり過ぎ。
    せっかく魅力あるキャラが何人か登場してたのに後半はただの殺し合いになってしまって残念。

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    2024年06月05日