馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
馳星周は久々に読んだ。ハードボイルトや警察小説というよりコメディ(オフビート)に近い。
公安内部の確執、北朝鮮スパイのテロ容疑というメインのストーリーはしっかりあるし、その狙いは?と言う点でラストまで読ませはする。しかしこのオチはどうだろうか?ドタバタとしてはアリだろうが現実的には…?
まあ、それを言えば主人公の設定からして規格外。意味のないヒロインとの絡みやH描写も退屈だし、しつこいぐらい繰り返される主人公の性格描写も冗長。
と思ってたら連載小説。なるほどならば仕方ないかも。
キャラは立ってると言えば立っているので続編もありそう。
ただガチガチのハードボイルトを期待してたら外れる。 -
Posted by ブクログ
馳星周のノワール小説。
フランコ政権下のスペインを舞台にして、過去(1970年代)、現在(2005年)軸でバスク独立のテロ組織(ETA)に身を置く筋。
主人公は日本人吉岡良輝、その息子のバスク人アイトールヨシオカが過去と現在のパラダイムシフトにおいてそれぞれの主役。
吉岡は連合赤軍より、世界革命の連携目的で派遣された。アイトールはそのスペインで生まれた吉岡の遺児。
ETAとは関係をもたずにそだったアイトールの周辺に過去の亡霊がつきまとい、また当時の吉岡とETAとしての活動にスコープして展開される筋。
馳星周ぽいテンポの良さが健在。
吉岡の革命への決意、父性の葛藤。
1970.年代に何があったのか。
不夜城などと違い決定的に主人公の孤独感が足りなかった気がする。
暴力、展開、孤独を書くのがうまいと思っているので、そこは残念だった。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ厚くて重い本。ジャンルは「ハードボイルド」としたが、本当は「ノワール」という、「犯罪者小説」というジャンルだそうな。ハードボイルド小説っていうのは、アイテムの描写にこだわりがあったり、主人公のこだわりが強いことで、キャラクターが立ってくるところが有るのだが、本作にはない。自分の知っている言葉で表すのなら「ヤクザ小説」。
本作は、台湾に渡った日本人野球選手が、ヤクザがらみで八百長をして云々というストーリーであり、検索するとそれなりに物議をかもしたようだ。
そしてこの作品、登場人物が全て嫌なやつ、いや、人間のクズと言っても良いのしか出てこない。前半は特に「もう読むの止めようかな」というくらい嫌になるような話が続く。そしてちょうど半分くらいに来たところで小休止し、そこからは描かれているシーンとは裏腹に、かなりスムーズに読めた。慣れというよりも描写が軽くなったからではないかと思う。
そう、全体を総じて、文章は軽い。メリケンサックで頭を割られたり銃で撃たれたりする割に軽い。そういう意味で、厚さの割に読みやすいと感じる。かと言って、繰り返し表現が鼻についたりすることもないので、語彙力も有るようだ。
ただその分、葛藤なんかの描写が「あれ?」と感じるほど無く、伊坂幸太郎や安部公房のように、同様に嫌なやつが活躍する作品よりも浅く感じてしまう。ましてや、こだわりでキャラクターをつくり上げる大藪春彦には遠く及ばない。
井上三太の「Tokyo Tribe」や、Vシネマ的な映画もそうだけど、理由もなく銃をぶっ放したり、仲間だと思っていた人間が突然裏切って殺されそうになるような、闇討ち的な恐ろしさはあるが、人間としての恐ろしさは全く描かないのが、現代のヤクザ小説なのかもしれない。
読むのは大変ではなかったが、量も内容も結構疲れさせられた。まあ、自分とは関係ない世界の小説という意味で収穫はあったし、悪い小説でもないのだけど、もう1冊買ってみるかと言われると微妙。