野村克也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
非難されてこそ一流という野村さんの、昭和から平成までを彩る名選手名監督たちの評論集という感じ。
テレ朝だったかな、野村スコープを用いた解説の面白さを知ったのは。
一時期この人の書く本は、ボヤキはボヤキでも自分をもっと認めてくれよ的な感じが鼻について敬遠していたのだが、久しぶりに読んでみれば、非難されてこそという野村さんの野球に対する愛情が伝わってくる良い本だった。
でも、なんでだろう、原辰徳だけは愛情が感じられない話で終わってしまった。
宮本のところで言ってる、努力の方向を間違えずに努力しろという話は、今の自分にとって大事な考え方のように思う…
また、落合には人の見えないものが見えていたという話は、「嫌われた監督」を読んだ時にも思ったのだが、野村さんに解き明かして欲しかったな。
にしても、もう、この人はいないのだなぁ… -
Posted by ブクログ
一流の野球監督が、一流の野球選手を見て語った内容が、分かりやすく書かれています。
「そこまで細かく分析できるんだぁ」とビックリします。野球のことはほとんど分からない私でも、どんどん引き込まれました。
① 「小事に気づくこと」「小事を大切にすること」は、一流選手に共通する条件。小さなことを大切にしていかないと、頂点には立てない。
② 「パワーはいらない。それより大事なのは、自分の『形』を持っていないといけない。」
③ いい結果は、正しいプロセスを経てこそもたらされる。
④ 「小さいことを重ねるのが、とんでもないところに行くただ一つの道」
⑤ 「打たなきゃいけない」と思うとプレッシャーになる。しかし「打ちたい」と思えば楽しみになる。
⑥ 「自分が無知であると自覚している人間は、自分が無知であることを知らない人間よりも賢い」
⑦ 「失敗と書いて成功と読む」。失敗を振り返るのは、気分がいいものではない。しかし、失敗を遠ざけるものは、成功をも遠ざける。
⑧ 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
⑨ 壁にぶつかった時に、「もうダメだ」とあきらめてしまうか、それとも「どうすれば乗り越えられるか」と徹底的に考えるか。それが一流と二流を分ける。
-
Posted by ブクログ
「運が良かった」としか思えない瞬間や、結果的にあの時のあの出来事に出会えたことは運が良かった、そういうことは生きている中でいくつもあると思います。
そういった瞬間や出来事について、なぜそういう結果になったのか、を考え抜くことで、「運の正体」に迫ります。
野村さんの運に対する哲学や姿勢は
・日ごろから準備・練習を重ねること
・人間力を高める生き方を貫くこと
・目標や目的を定め、その達成に向けて何が必要かを明確にすること
と受け取りました。
ロアール・アムンゼンも「完璧な準備のあるところに勝利は訪れる。人はそれを幸運と呼ぶ」と言っていますし、日ごろから準備を怠らない生き方は、運・幸運を掴むための指針なのかもしれません。
受動的に幸運が舞い込むのを待つのではなく、能動的に幸運に働きかけることとはどういうことか。
野村さんの経験やその観察・考察を通じて学ぶことができました。 -
Posted by ブクログ
〈投手編〉
シュートをなげる選手が意外に少ない。
標準的な球種は、直球とスライダーとシュート、決め球にフォークかチェンジアップ。
コントロールがなければ投手と言えない。
内角あるいは外角一辺倒の配球は球質が良くても打たれる。
球の緩急もそうだが、投球フォームの緩急も必要。
変化球は、急速と制球の不足を補う。
〈戦術編〉
野球選手は、野球博士になること。
野球は強い者が必ず勝つとは限らない。
常勝西武は、データ野球に長けていた。
負けゲームでも選手のモチベーションをあげることが大事。
センターラインが重要。キャッチャー、ショートは打撃二の次。
「のびのび野球」は何年も続かない。
長距離バッターでない者がホームランを打つと勘違いし、スランプに陥る。
〈その他〉
他人がくだした評価こそが正しい。
小事が大事を生む。
若い時に苦労しなかった者は歳をとってから苦労をする。
将来性ほどあてにならないものはない。
社会人野球に高校生を育成してもらう(プロ野球ではなかなか育成できないから)。
社会人野球は、プロ野球の屋台骨を担っている。
いきなり監督になるのではなくコーチ期間が必要。
小学生のコーチが、野球指導者の原点。そこには、チームの強化、育成、指導、管理、実践の全てのエッセンスが詰まっている。
中曽根元総理大臣いわく、「光ばかりでなく影の部分が必要」。
地位が人をつくる。
勝率5割以下のチームがペナントレース3位でクライマックスシリーズに進み、それを勝ち抜き、日本シリーズをも制覇した場合、それを真の日本一と呼べるか⁉︎
-
Posted by ブクログ
言葉の力を著者本人が感じ、その力について述べられた書。
言葉の裏に何があるか。それが一番大事。
殻を破れずにいる人へ。
進歩とは変わること。変化とは何かを失うのではなく、何かを得ること。
成長をはばむものは、もしかすると変化を受け入れない自分自身かもしれない。目の前の現実を好転させるには、まず、自分自身が変わるしかない。
自分の能力の限界に落胆している人へ。
技術的限界にぶつかって、初めて新たな可能性が見えてくる。技術的限界があっても、自分の可能性を探求することにおいては無限である。
上司の評価に不満を持つ人へ。
人間は人からの評価の中で生きている。
評価されない不満を述べるのではなく、評価者が何を望んでいるのか、そして評価を上げるにはどうすればいいか考える方が、人生を切り開く近道。
伸び悩んでいる人へ。
全ての始まりは、感じる力。
日々周囲への注意を怠らず、その因果関係や背景を考えるクセをつけることが感性を磨く第一歩。
夢にくじけてしまいそうな人へ。
努力に即効性はない。
愚直なまでに最後まで努力すること。
その努力には明確な目標、目的が必要。
ミスした人へ。
言い訳は進歩の敵。
失敗は成長のチャンス。
伸び盛りの新人へ。
何事も必死に取り組む期間がないと大成しない。
選手を化けさせる言葉。
信頼関係が思ってもみなかった力を発揮する。
自分を信じ、人を信じ、人に信頼されることで思わぬ力を人は発揮する。
技術習得に励む人へ。
真似ることから始める。
才能豊かだが、思い上がった人へ。
人間的成長無くして、野球技術の進歩なし。
プレッシャーに押しつぶされそうな人へ。
味方のチャンスは、相手のピンチ。
信頼関係を築く言葉。
言いづらいことをいうことで、信頼関係が生まれる。
相手のことを思っての厳しい言葉は必ず相手に届く。
指導。ではなく、問いかけで人は伸びる。
~と私は思うが、あなたはどう思うか?という言い方を著者は心がけたとのこと。
潜在能力を引き出す問いかけ。
あなたはどうなりたいんだ?
そしてそのために何をすべきか。という問いかけをし、目標設定を促す。
成長しようとする人の背中を押す問いかけ。
そもそも論を問いかけて、腰の重い人材を動かす。
組織で機能しない人材を変える問いかけ。
君は何を求められているか考えたことがあるか?
適正を見極める問いかけ。
好きかどうかを聞く。
好きこそものの上手なれ。という言葉に従っている。
成長を促す問いかけ。
根拠を問う。
ミスをしたときの問いかけで人は伸びる。
なかなか結果が出ない人への問いかけ。
本質的な問いかけが、壁を乗り越えるヒントになる。
平凡なことを繰り返すことが、非凡を生む。
まず己を知ること。チームの中での役割を知る。ということ。
結果だけ見ていると大切なものを見失う。
代わりの人間はいくらでもいることが組織の本質。
技術力不足をスランプの一言で片付けない。スランプがあるのは一流だけである。
細かいことを感じない人間は大きなことは絶対にできない。
長所を伸ばすには、まず短所を鍛える。これは私には新鮮であった。
固定観念は悪である。
聞く前に、まずやってみる。
指導者の最も大事な仕事は、部下の意識改革。
よく聞く言葉だが、考え方が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。
プロであるからには、専門家になれ。
感情を動かす言葉だけが、人を動かす。
指導する人は、相手より先に答えを言ってはいけない。
練習で1成長し、実戦で9成長する。
指導者は結果論で叱ってはいけない。準備不足を叱る。
指導者が派閥を作ると、組織はだめになる。
組織の力量は、リーダーの力量以上にはならない。これは身の引き締まる言葉。
どれだけの人を育てたかが、リーダーの価値。
人を育てるには、今言っても分からないことを教え続けなければならない。
人を見て法を説け。つまり、どんな人間にも同じ言い方、同じアプローチをしては駄目だということ。
野球を中心に書かれた本ではあるが、様々なことに役立つと感じた。
様々な言葉を身に着けておくことは指導者に欠かせない能力であり、またその大いなる助けとなるのが読書である。 -
Posted by ブクログ
生涯を野球に捧げた生粋の野球人、野村克也。今や、数々の輝かしい記録を打ち立てたことで有名であるが、プロ入り当初は全く期待されておらず、身体的・技術的に秀でた選手ではなかった。そのため、著者が厳しいプロの世界を生き抜く方法は、徹底的に考えることを置いて他に無かった。こうした背景の中で、選手から監督時代に渡って、著者がどのように考えてきたのか。本書ではその形跡を事細かに知ることができる。
選手としてだけでなく、指導者としても素晴らしい成績を残した著者の考え方は、野球界のみならず、ビジネスの世界にも通用する部分が多々あり、非常に興味深い教えが詰まっていた。
著者に対しては、以前から自分とどこか似たような性格だと感じ、個人的にロールモデルとして尊敬していたが、本書を読んで野村克也という人間をますます好きになった。彼の生き様を見習って、自分もこれからの人生をしぶとく生きていきたいと心から思った。 -
Posted by ブクログ
野村監督の言葉は野球と繋がってるから頭に入りやすいし身に沁みやすい。
特に残ったところを記録
p.37 岡目八目=横から見ている人の方が8目優れて見えているように、大局的な視点で捉えると違ったものが見えてくる。仕事でも2.3年目くらいから出来なかったことがスムーズに進行できてくる。
p.59 負けた時、上手くいかなかった時こそ「なぜ負けたのか?」「どうして上手くいかなかったのか?」を考えることが重要。小心者の方が考えるため成功しがち。
p.105 全てに勝たなくても良い、違う方法が見えてくる。取捨選択も成功に繋がっていくから悪いことではない。
p.178 学ぶことは真似ることからスタートする
真似を繰り返すとやがて自分らしい色があらわれ、いずれその人のスタイルとなっていく
p.200 他人から教えてもらったことは忘れてしまう。逆に自分で気づいて習得したこと、苦い思いをしたりしたことはなかなか忘れない。 -
Posted by ブクログ
「野村克也」の『高校野球論 弱者のための勝負哲学』を読みました。
「二宮清純」の『最強の広島カープ論』に続き、野球関係の作品です。
-----story-------------
高校野球は野村ID野球の原点。
「弱者の兵法」はここから生まれた!
時間の許す限り甲子園は常に見ているという「野村氏」の初の高校野球論。
自身は高校時代、弱小野球部に所属していたため甲子園の経験はないが、それだけに憧れは強い。
問題も多く抱える現在の高校野球にもの申す!
-----------------------
「野村克也」が高校野球・甲子園への熱い想いを語り尽くした作品です。
■はじめに
■第1章 人はなぜ高校野球に魅せられるのか
・地域密着のお手本
・おらがチーム ほか
■第2章 私の高校野球
・兄のおかげで高校に進学
・母に内緒で野球部に入ったけれど… ほか
■第3章 弱小校が強豪校に勝つために
・私立校全盛の時代
・優秀なピッチャーとキャッチャーをスカウトする ほか
■第4章 こんな怪物がいた
・私に巨人入りを断念させた強健強打の捕手―藤尾茂
・世界のホームラン王は元優勝投手―王貞治 ほか
■第5章 私が選ぶ甲子園名勝負
・世紀の大逆転劇 報徳学園×倉敷工
・三度目の正直 浪商×法政二高 ほか
■第6章 高校野球への提言
・回数制限、球数制限は是か非か?
・球数・回数制限より分業制を ほか
■第7章 プロ野球よ、高校野球に学べ
・プロにとっての一所懸命とは?
・監督はもっと自分自身を成長させよ ほか
■おわりに
甲子園を沸かせた怪物選手、懐かしい名勝負や高校野球への提言等、愉しく読める内容が満載でしたが… 印象に残ったのは『第3章 弱小校が強豪校に勝つために』ですね、、、
「強いチームを作るには「集める」「教える」「鍛える」の三つを並行して行うことが必要」
「集めるべきは一芸を持つ選手」
「人間教育に力を入れよ」
「試合では「観察」し「推理」する」
「「変化」と「心理」に敏感であれ」
「自信をいかに植えつけるか」
「もっとも大切なのは指導者が成長すること、組織はリーダーの力量以上には伸びない」
高校野球だけでなく、他のスポーツにも通ずるところがあったし、仕事にも生かせる内容が織り込まれていましたね… 愉しく読めて、勉強にもなりました。