野村克也のレビュー一覧
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日本プロ野球界の偉人が、どのように成長し成果の残してきたか、その思考の裏側を顕にしている。
テレビで見ると、どこか可愛げのあるキャラクターに見えるが、計算高く、頭脳派であることがよくわかった。
特に印象深かったのは、思考の深度である。
一つ一つの事柄について、掘り下げて理解している。
挨拶とは挨(ひらく)、拶(せまる)ものであり、自身を開き、相手の心に迫るものだと説く。感動とは「感じて動く」ものとし、よく読めば当たり前だが、普段当たり前と思っている言葉、所作に対して、深く考える姿勢が筆者の歴史的な記録に結びついたものと理解した。
この深い思考は、どのような行動様式、習慣によって生み出された -
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野球を超えた人間学の書である。彼が提唱したID野球は技術と頭脳を融合させた戦略の結晶だ。その哲学は「考える野球」として知られデータ分析と知性による勝利の追求が基盤にある。
野球の枠を超えた彼の教えが読む者に深い感銘を与える理由は人格形成に重きを置いた点にある。野村氏は「性格は変えられないが人格は変えられる」と説く。性格とは生来の特性、人格とは生き方や姿勢の表れであり後者は努力で磨けると信じた。
野球のように戦略を練り自分を高めることができるのだ。この教えは勝利への道筋を示すと同時に豊かな人生を築くヒントである。苦労人ゆえに野球の選手とは、指導者とはを追い求めた。人生の師として多くの人に影 -
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非難されてこそ一流という野村さんの、昭和から平成までを彩る名選手名監督たちの評論集という感じ。
テレ朝だったかな、野村スコープを用いた解説の面白さを知ったのは。
一時期この人の書く本は、ボヤキはボヤキでも自分をもっと認めてくれよ的な感じが鼻について敬遠していたのだが、久しぶりに読んでみれば、非難されてこそという野村さんの野球に対する愛情が伝わってくる良い本だった。
でも、なんでだろう、原辰徳だけは愛情が感じられない話で終わってしまった。
宮本のところで言ってる、努力の方向を間違えずに努力しろという話は、今の自分にとって大事な考え方のように思う…
また、落合には人の見えないものが見えていたという -
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一流の野球監督が、一流の野球選手を見て語った内容が、分かりやすく書かれています。
「そこまで細かく分析できるんだぁ」とビックリします。野球のことはほとんど分からない私でも、どんどん引き込まれました。
① 「小事に気づくこと」「小事を大切にすること」は、一流選手に共通する条件。小さなことを大切にしていかないと、頂点には立てない。
② 「パワーはいらない。それより大事なのは、自分の『形』を持っていないといけない。」
③ いい結果は、正しいプロセスを経てこそもたらされる。
④ 「小さいことを重ねるのが、とんでもないところに行くただ一つの道」
⑤ 「打たなきゃいけない」と思うとプレッシャーになる。し -
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「運が良かった」としか思えない瞬間や、結果的にあの時のあの出来事に出会えたことは運が良かった、そういうことは生きている中でいくつもあると思います。
そういった瞬間や出来事について、なぜそういう結果になったのか、を考え抜くことで、「運の正体」に迫ります。
野村さんの運に対する哲学や姿勢は
・日ごろから準備・練習を重ねること
・人間力を高める生き方を貫くこと
・目標や目的を定め、その達成に向けて何が必要かを明確にすること
と受け取りました。
ロアール・アムンゼンも「完璧な準備のあるところに勝利は訪れる。人はそれを幸運と呼ぶ」と言っていますし、日ごろから準備を怠らない生き方は、運・幸運を掴むた -
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〈投手編〉
シュートをなげる選手が意外に少ない。
標準的な球種は、直球とスライダーとシュート、決め球にフォークかチェンジアップ。
コントロールがなければ投手と言えない。
内角あるいは外角一辺倒の配球は球質が良くても打たれる。
球の緩急もそうだが、投球フォームの緩急も必要。
変化球は、急速と制球の不足を補う。
〈戦術編〉
野球選手は、野球博士になること。
野球は強い者が必ず勝つとは限らない。
常勝西武は、データ野球に長けていた。
負けゲームでも選手のモチベーションをあげることが大事。
センターラインが重要。キャッチャー、ショートは打撃二の次。
「のびのび野球」は何年も続かない。
長距離バッターで -
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言葉の力を著者本人が感じ、その力について述べられた書。
言葉の裏に何があるか。それが一番大事。
殻を破れずにいる人へ。
進歩とは変わること。変化とは何かを失うのではなく、何かを得ること。
成長をはばむものは、もしかすると変化を受け入れない自分自身かもしれない。目の前の現実を好転させるには、まず、自分自身が変わるしかない。
自分の能力の限界に落胆している人へ。
技術的限界にぶつかって、初めて新たな可能性が見えてくる。技術的限界があっても、自分の可能性を探求することにおいては無限である。
上司の評価に不満を持つ人へ。
人間は人からの評価の中で生きている。
評価されない不満を述べるのではなく、 -
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生涯を野球に捧げた生粋の野球人、野村克也。今や、数々の輝かしい記録を打ち立てたことで有名であるが、プロ入り当初は全く期待されておらず、身体的・技術的に秀でた選手ではなかった。そのため、著者が厳しいプロの世界を生き抜く方法は、徹底的に考えることを置いて他に無かった。こうした背景の中で、選手から監督時代に渡って、著者がどのように考えてきたのか。本書ではその形跡を事細かに知ることができる。
選手としてだけでなく、指導者としても素晴らしい成績を残した著者の考え方は、野球界のみならず、ビジネスの世界にも通用する部分が多々あり、非常に興味深い教えが詰まっていた。
著者に対しては、以前から自分とどこか似たよ