あらすじ
正直に言う。私はイチローが好きではない。
しかし、彼の才能に最初に目をつけたのはこの俺だ。
名将がはじめて書いた 天才イチローvs凡人野村 究極の野球人間論
【もくじ】
第1章 イチローは本当に天才なのか イチローのバッティングを分析する
天才とは何か/選球眼ならぬ「選球体」/変化球を待ちながらストレートを打つ/
つまらせるのも技術のうち?/イチロー・ルーティーンに意味はあるのか?/努力の天才 ほか
第2章 イチローと私
「ええ選手やな……」/首脳陣に否定された“振り子打法”/「お手上げです」/
イチロー攻略法はあるのか/もしイチローがヤクルトに来ていたら…… ほか
第3章 イチローがメジャーに与えた衝撃
海を渡ったはじめてのバッター/スモール・ベールボールの復権/
ワンバウンドをファールして、「もらった!」/“持っている”男 ほか
第4章 イチローの「言葉」を読み解く
「結果はあとからついてくるという感覚は、たぶん持てないだろうし、持ちたくもない」
「楽しんでやれとよく言われますが、僕にはその意味がわかりません」
「僕のなかのスランプの定義というのは、感覚をつかんでいないことです」
「初心を忘れないことっていうのは大事ですが、初心でプレーしてはいけないのです」 ほか
第5章 イチローはONを超えたのか?
首位打者に左バッターが多い理由/イチローが憧れた天才/二代目ONの器だった松井/
攻・走・守 すべて超一流はイチローだけ/“人の気”をつかめなかった落合/イチローはONを超えたのか ほか
第6章 イチローは変わったか
イチローを認めなかった私/フォアボールはつまらない/チームで浮いていたイチロー/
マスコミ軽視はファン軽視/原因は仰木に甘やかされたこと/WBCで変わったイチロー ほか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本球史に残る成績を残した野村さんが、今なおメジャーリーグでプレイし続けるイチロー選手を評価した一冊!!個人の記録がチームの勝利につながると考えているイチロー選手と個人の記録よりもチームを優先すべきと考える野村さんのどちらが正しいのかは私にはわからない。ただ、相反するふたりでも日々の小さなことを重要視し、日々変わり続けていることは人類の進化に必要なことだと感じた!!
Posted by ブクログ
さすがに野村監督、よく見ておられると感じた一冊。
天才的な技術と努力。
バッティングに対する考え方。
ONとの比較。
若い頃のイチローには、チームの勝利よりもプロとして個人成績を重視していた。
ベテランになってからWBCの主力としてチームに貢献できないジレンマをかかえたとき、勝利を義務付けられたヤンキースの一員となりそのことをジータから学んだ時の変化。
などを解説。
唸らせる一冊。
Posted by ブクログ
一流の野球監督が、一流の野球選手を見て語った内容が、分かりやすく書かれています。
「そこまで細かく分析できるんだぁ」とビックリします。野球のことはほとんど分からない私でも、どんどん引き込まれました。
① 「小事に気づくこと」「小事を大切にすること」は、一流選手に共通する条件。小さなことを大切にしていかないと、頂点には立てない。
② 「パワーはいらない。それより大事なのは、自分の『形』を持っていないといけない。」
③ いい結果は、正しいプロセスを経てこそもたらされる。
④ 「小さいことを重ねるのが、とんでもないところに行くただ一つの道」
⑤ 「打たなきゃいけない」と思うとプレッシャーになる。しかし「打ちたい」と思えば楽しみになる。
⑥ 「自分が無知であると自覚している人間は、自分が無知であることを知らない人間よりも賢い」
⑦ 「失敗と書いて成功と読む」。失敗を振り返るのは、気分がいいものではない。しかし、失敗を遠ざけるものは、成功をも遠ざける。
⑧ 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
⑨ 壁にぶつかった時に、「もうダメだ」とあきらめてしまうか、それとも「どうすれば乗り越えられるか」と徹底的に考えるか。それが一流と二流を分ける。
Posted by ブクログ
キャッチャーであったノムさんがバッターのタイプを分類してるのがなるほどと思った。●ストレートを待ちながら変化球も対応しようとするA型●インコースかアウトコースか打つコースを決めてるB型●レフト方向かライト方向か打つ方向を決めてるC型●球種を絞るD型。イチローは長嶋とおなじように身体が勝手に動く天才A型だ。40歳を越えたイチローがいまだ成長しようとする意志を持ち続け、そのための努力や試行錯誤を厭わない。ちゃんとノムさんは評価してた。ノムさんの元にいたらもっとプロらしい選手になっていたのではないかと思った。
Posted by ブクログ
イチローの野球選手としての能力には最大級の賛辞を惜しまないけれど、プロ野球選手としての心構えに疑問符を打つ野村克也。
自分のベストパフォーマンスを見せる事がファンサービスであり、プロフェッショナルの仕事だというのがイチローのポリシーであり、著者は「チームの勝利のために知識と技術を駆使するのがプロとしてのベストパフォーマンス」というスタンス。
どちらが正解かは人それぞれの基準や嗜好によるので一概には言えないが、ノムさんが言うようにイチローレベルの選手だからこそイチローの発言は説得力がある。
いずれにせよ「有言実行」を体現し続けたおよそ20年のプロ野球選手としての生活は、想像を絶する苦しさだったに違いない。
それはそうと、ノムさんの著作はどれも読みやすく首尾が一貫している。
ライターが居たのか自身で書いていたのか…野球だけでなく文才もあったのかもしれない。
深い読みに感心した
野球人としてのイチローと社会人としてのイチローを、鋭い分析で、さすがノムさんである。
団体競技に身を置く者としての心構えができているのか、そこがポイントであろうか?
Posted by ブクログ
イチローは、人一倍努力する虫であることは、別の本を通じて知っていたが、まさか個人主義であったとは。最初のオリックスでの教育、万能すぎる故に人間教育が行き届いていなかったことが影響していたが、年齢を重ねることにプレーも人間も一流になっていく。でも、やはりイチローは、偉大です。
Posted by ブクログ
20180121 読む人の感情を計算した展開はさすがだと思う。イチローの感想も出で来るだろうがそこで又試されるような伏線の引き方も見事。プロ野球での実績がある野村さんだから言えることも多く読む側としては受け止めるしかないのが評価の分かれ目かも。