野村克也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「書くこと」は「考えること」と、試合後だけでなく事あるごとにメモしてきた"野村ノート"を体系立ててまとめ直したもの。
エッセイのようにくだけた文体だが、実態はまさしく野球理論書・野球技術書である。
プロ野球界で生きていくための選手向け指南書であるが、観戦中心の野球ファンにとってもプロ野球選手がプレー中に何を考えているかがわかって面白い。
目次は以下のとおり(カッコ内はページ数)
野球と人生(30)
野球とは(28)
投手論(104)
捕手論(98)
打者論(78)
走塁・作戦論(32)
守備論(26)
ノムさんだから捕手論にボリュームを割いているが、走塁・作戦論と守備論が面白かった。
例えば、走者1,3塁の場面。
1塁走者は何を考えるか、3塁走者は何を考えるか?
バッターは?
守備側のセカンドは?ショートは?ライトは?
1点勝っている場合、1点負けている場合、最終回の場合、1アウトの場合で優先することがどう変わるか。
バントのサインが出た場合、ヒットエンドランのサインが出た場合はどうか。
単に走者1,3塁と言っても同じ状況は殆どない。
イニング、アウトカウント、走者の脚力、球場の広さ、ピッチャーの調子、守備力、打者の力量、監督の采配などにより変化する。
走者が出た場面でのプレイをよく見ることで、チームがどれだけのことを考慮し、実践する準備をしてきたかも見えてくる。
2塁のベースカバーにはセカンド、ショートのどちらが入ったか?
ライトに打球が飛んだ時、センター、レフトはどう動いたか?
高校野球や少年野球では特にプレイに直接かかわらなかった選手の動きに注意して野球を見るとチーム力が分かります。
どの場面でも「投手vs打者」の比重が大きいのが野球ですが、時にそれ以外の選手に注目してみるのも面白いです。
今年度のプロ野球の開幕がようやく近づいてきました。
日本シリーズまで中断されることなく実施されることを祈るばかりです。 -
Posted by ブクログ
感動した!一貫して、謙虚に、学習する。この繰り返し。中々出来ない
野村ノートと併せ読むと理解が深まる
1.毎日メモ→Note→考える野球Thinking Baseball
ブレイザーから大リーグ野球を指導受ける
外部環境の情報 外部環境の変化への対応
メモの効用 聞き上手 データ重視
2.弱者の視点 謙虚
強者といえど完全無欠ではない
アバウトに全体イメージで見るのは不十分
戦力を分解し、弱点の部分を探す 必ずある
常に考え続ける そこにメモ
3.勝つための作戦を考え、実行する
①Data②分析③観察④⑤
根拠に基づく「予測」がプロたる所以
4.ギャンブルという決断
確率データに基づいて決断するのも勝負
プロセスに価値があれば結果が失敗でも可
5.選手の成長
他人から教えられたのではダメ
選手が自分自身で気付くまでじっくり待つ! -
Posted by ブクログ
"日本球界の至宝"ノムさんの著作はこれまでに何冊か読んだが、その元祖とも言えるこの本は実は未読だった。
ということで、満を持して読んだ一冊。
読む前から想像していたとおり、やっぱりこの本はただの野球本ではなくて、ノムさんの人生哲学が読める。
例えば、こんな箇所。
人として生きる以上、人生と仕事は切っても
切り離せないものとなる。人間は仕事でもって
人生を生き抜いていき、仕事のなかで人間形成
がなされる。裏を返せば人格が仕事の成否を
左右するのである。
人間形成、人格形成。そういうことは仕事を
やっていくうえでいちばんの基本になる。
だから昔から、世のため人のために一生懸命に
頑張れ、といわれてきた。それが結果的には
全部自分に返ってくるのだからと。だが自己愛
に生きている人間は、なかなかそこまで人格者
にはなれない。
さらには、ワタシが感銘を受けた『かばんはハンカチの上に置きなさい』に登場したある言葉が、この本の中に「私が心打たれた言葉」として登場 してくる。
自己啓発本に分類されてもまったく遜色のない内容に、ひたすら唸る。
もちろん、野球そのものについて書かれた箇所も唸る箇所があちこちに。
「あぁ、そういうことか」とストンと落ちたのは清原についての分析。説得力十分。
驚いたのは、先日現役引退を表明した阪神・赤星についてこの本の中で触れていたこと。(本書が単行本として出たのは2005年) 引退表明に関するノムさんの談話を、マスコミが「師弟愛」と評していたが、それを裏付ける内容 がこの本の中に!
それにしても、この"至宝"をグラウンドで見る ことができないのは残念すぎる。 -
Posted by ブクログ
■ヤクルトの二軍のロッカールームに貼ってあった上所重助さんの「おかげさまで」
夏が来ると「冬がいい」と言う
冬が来ると「夏がいい」と言う
太ると「痩せたい」と言う
痩せると「太りたい」と言う
忙しいと「暇になりたい」と言う
暇になると「忙しい方がいい」と言う
自分に都合のいい人は「善い人だ」と言う
自分に都合が悪くなると「悪い人だ」と言う
借りた傘も雨が上がれば邪魔になる
金を持てば古びた女房が邪魔になる
所帯を持てば親さえも邪魔になる
衣食住は昔に比べりゃ天国だが
上を見て不平不満の開け暮れ
隣を見て愚痴ばかり
どうして自分を見つめないのか
静かに考えてみるがよい
一体自分とは何なのか
親のおかげ,先生のおかげ,世間様のおかげの固まりが自分ではないか
つまらぬ自我妄執を捨てて
得手勝手を慎んだら
世の中はきっと明るくなるだろう
「俺が」「俺が」を捨てて「おかげさまで」「おかげさまで」と暮らしたい
■夫婦というものは,20代は夢中のうちに終わり,30代は子育て,40代は我慢,50代はあきらめ,60代からが本当の夫婦
■「功は人に譲れ」
■若い人に行ってはいけない一言
「最近の若い奴らは…」
「昔はこうだった」 -
Posted by ブクログ
示唆に富んでいる。さすがノムさんだ。
■ベテランを起用しなければ勝てない。
・長いペナントレースを勝ち抜き優勝するための6つの条件。
①接戦をものにる
②お得意さんのチームを作る
③先発ピッチャーが崩れた試合をものにする
④連敗を最小限に食い止める
⑤データの収集と活用
⑥生え抜きのベテランをうまく使いこなす
■とりわけ大事なのはベンチにいる控えのベテランの扱い。
・控えのベテランがベンチでふてくされているようだとチーム全体が暗くなる。逆にベテラン元気なら負けていてもチームの士気は落ちない。
・どの組織にも盛りを過ぎたベテランはいるだろう。はつらつとした若手に比べ,地味に見える彼らの経験は,組織が追い込まれた時にこそ力を発揮する。このことはよく覚えておいた方がいい。
……カープでいえば新井さんだね!!
■短期決戦で有効なことは日本野球が得意とするスモールベースボール。
■財を遺すは下,事業を遺すは中,人を遺すは上なり(後藤新平)
■茶髪や長髪やピアスなどの見た目の乱れは野球選手としての体力・気力・知力の乱れを示している。
■勝ちに不思議の勝ちあり,負けに不思議の負けなし(松浦静山)