あらすじ
クライマックスシリーズ、日本シリーズ、WBCやオリンピックなどの国際試合――これら短期決戦はどのように戦うべきなのか。本書は、著者にとって初の短期決戦論であり、自身の経験はもちろん、歴代の勝負を徹底分析して論じている。巻末には、「ID野球」の象徴とも言うべき、短期決戦の全データを付した。野村野球の集大成がここにある。
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Posted by ブクログ
示唆に富んでいる。さすがノムさんだ。
■ベテランを起用しなければ勝てない。
・長いペナントレースを勝ち抜き優勝するための6つの条件。
①接戦をものにる
②お得意さんのチームを作る
③先発ピッチャーが崩れた試合をものにする
④連敗を最小限に食い止める
⑤データの収集と活用
⑥生え抜きのベテランをうまく使いこなす
■とりわけ大事なのはベンチにいる控えのベテランの扱い。
・控えのベテランがベンチでふてくされているようだとチーム全体が暗くなる。逆にベテラン元気なら負けていてもチームの士気は落ちない。
・どの組織にも盛りを過ぎたベテランはいるだろう。はつらつとした若手に比べ,地味に見える彼らの経験は,組織が追い込まれた時にこそ力を発揮する。このことはよく覚えておいた方がいい。
……カープでいえば新井さんだね!!
■短期決戦で有効なことは日本野球が得意とするスモールベースボール。
■財を遺すは下,事業を遺すは中,人を遺すは上なり(後藤新平)
■茶髪や長髪やピアスなどの見た目の乱れは野球選手としての体力・気力・知力の乱れを示している。
■勝ちに不思議の勝ちあり,負けに不思議の負けなし(松浦静山)
Posted by ブクログ
故・野村克也氏による、文字通り短期決戦、具体的にはCSや日本シリーズ、そして国際戦において勝つ方法を分析した一冊。
故人をしのぶと同時に、日本代表監督としての野村監督を見たかったと感じた。
Posted by ブクログ
日本のプロ野球は143試合の長いシーズンで勝敗を競い合うスポーツだ。しかし、シーズンを終えて次に挑むのは日本シリーズなどの短期決戦。また、WBCなどの国際試合も短期決戦だ。
野球において、短期決戦をどう考えるのか。そしてチームや監督はどのような準備、心構えで挑むべきなのか。数々のプロ野球の短期決戦を経験した著者が、その極意を語る。
短期決戦に強いチームや監督の分析にはじまり、著者お決まりの弱いチームや監督への毒舌も忘れない。日本代表チームで実力のない監督たちの就任批判はその通りだと思う。
その一方で、愛弟子、古田へのダメ出しは辛辣だ。ケチだ、人望がない、派閥大好きと、先輩としての「愛のムチ」のつもりだろうが、言われた方はたまったもんじゃない。
そんな愛弟子批判をしておきながら、ライバルの西武、森祇晶監督の教え子たちが次々と監督となり、実績を残していることをうらやましいと感じる。
それなら、弟子たちへの発言に注意したほうがいいんじゃないの。と、本書のテーマ「短期決戦の勝ち方」よりも気になってしまった。