小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日常が丁寧に紡がれてる。
日常を言語化する教科書みたいな本だった。
心の内で瓦礫のように無秩序に折り重なる感情と感情の間から、光を求めて地上に顔を出す花のように、私も明るい方を目指して生きていきたい。
どうして、こう言葉を操れるのか。
舞台となる谷根千の古き良き空気感と、着物ショップを経営する栞(おしりちゃんとラッコちゃんから呼ばれるのが可愛かった)が日々を通して、図らずも不倫をしてしまいその葛藤みたいなのも描かれてる。
けど、ドロドロと薄暗いものではなくて、季節の移ろいや美味しいものがほくほくと描かれてる。
登場するお店は実在するのかな。
巡礼したいな。 -
Posted by ブクログ
寒い日には体と心まで温まるじゃがいもと鱈のグラタン、春になったら芹やクレソンのしゃぶしゃぶを。石垣島から届いたパイナップルでタルトを焼いたり、ペンギンの仕事場にトンカツの出前をすることも。一人の夜には、スパイスを煮込んだホットワインを楽しむ。大切な人、そして自分のために、洋食小川は大忙し。台所での日々を綴ったエッセイ。
本のイベントや取材のために、国内外のあっちこっちに出掛ける小川さん。でもそんな忙しい日々の中でも、お気に入りのお店を見つけたり、犬のゆりねに癒やされたり…と、ご自身にとって必要なものを周りに置いて、楽しむ工夫をしている。そんな暮らし方はいいなぁーと思うし、自分にもできそうな気 -
ネタバレ 購入済み
ろうそくの火が消えるまで
しーちゃんの一生が綴られた物語、楽しく読ませていただきました。
お父さんと梢ちゃんが会いにきてくれたとき、辛くて泣いてしまった。でも会えて良かった。
私にとっての思い出のおやつは何だろう。
小さい頃に母と作ったフルーツ白玉かなぁ。
久しぶりに作ってみたくなりました。
小豆粥も美味しそうだったから食べてみたいな〜。 -
購入済み
うーーん
前半は楽しく読んでいたのですが、後半は急に話が進みすぎていまいちついていけない感じがしました。
前半の感じで物語が進んでいけばすごく好きな本なのにと思いました。
嫌いではないのですが、なんだかモヤモヤする本でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好きな小川糸さんの2011年のエッセイ。
丁寧で優しいのに、しっかり芯のある表現がとても好感がもてる。
空いた時間にちょこっとずつ読んで、いろんな気持ちをおすそ分けしてもらえるのが嬉しい。
糸さんのエッセイはどの作品も、丁寧でシンプルな暮らしや食が豊かさに通じていて、読んでいて共感したり、憧れる部分がたくさんある。
ただ、今回は震災の年に書かれたもので、読んでいて苦しかった。
そんな中の「ベルリンに2ヶ月暮らしてみる」ということが、果たして「お金をかけず楽しく暮らす日々」なのか。ちょっと疑問。
ベルリナーのようなシンプルな生活こそが豊かで、そんな生活が大切で贅沢なものだと改めて震災で気づか -
Posted by ブクログ
ムヒカさん。ウルグアイで大統領をした人。初めて知ったけど、素晴らしい言葉の数々。ま、ストレス発散に物欲食欲まみれの私には耳の痛い言葉になるんだろうけど。
「私が思う貧しい人とは限りない欲を持ち、いくらあっても満足しない人のことだ。でも私は少しの物で満足して生きていける。質素なだけで貧しくはない。」
「物を買う時人は金で買っているように思うだろう。でも違うんだ。その金を稼ぐ為に働いた人生という時間で買っているんだよ。生きていく為には働かないといけない。でも働くだけの人生でもいけない。ちゃんと生きることが大切なんだ。たくさん買い物をした引き換えに人生の残り時間がなくなってしまっては元も子もない