貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ後東いい奴過ぎる&可哀想過ぎるだろ!
「烙印」の改訂版小説です。貫井作品では初期の作品が元となっているだけあって、ちょっと不慣れ感があるかな?
緊張と緩和のバランスがいまいち取れていないような・・・倉庫での麻薬受け渡し辺りから緊迫感がようやく出てきたかな。
迫水の未熟さは好感持てました。自分の行動が他人に迷惑をかけている。それは間違いない事実なんだけど
「こうしていれば・ああしていれば」と甘えを捨て切ることができないのは、人間として仕方のない部分でもありますよね。
迫水・絢子・後東。この人たちの行動については同意しかねるぞ。小説的なご都合主義を感じてしまうよ。
絢子が「どうせ途中 -
Posted by ブクログ
ネタバレ桜の咲き誇る四月。
日本の教室でわたしは彼に出会った――。
これは「さよなら」の先にある物語。
忘れられない思い出を抱くあなたに贈る、青春ミステリ。
Part1:帰国子女の栄美が、日本の高校に転入してくる。
幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたのだが、
やがては辛い別れの日が訪れる。
Part2:六本木にて。ユージは黒人のアンディに出会う。彼の人間性に惹かれたユージだったが……。
Part3:ふたたびのエイミー。大学入学後、彼女に迫る危機を山崎という男に助けられる。彼の語る過去とは――。
短めのお話で、登場人物が少ないところからある程度予測のついたお話でした。
解説で「乱反射 -
Posted by ブクログ
主人公は帰国子女の高校3年生、エイミー。
父親の助言に従い、あまり目立たないように、日本的な協調性を大事に、と
慎重に日本での高校生活を送り始めたのだが、それほど気負うこともなく
みんなと馴染むことができ、さらには気になる同級生と接近することも。
しかし、その同級生とデートをしようとすると、なぜかいつもすれ違う。
明らかに人為的な妨害が入っているのだが、なぜそんなことができるのか、
そして、その目的は一体何なのか分からないままとなり、、、
といった感じの謎を残したまま、全然別の男二人のエピソードに移ったり、
またまたエイミーを主人公に戻して大学生活を描いたりしながら、
最終的に謎が明かされ -
Posted by 読むコレ
ズゥーンと重たい方の貫井作品。やはり読んでいても
なんだか精神的疲労を伴うのですが、それが決して
不快じゃないんだから、やはり凄い。
ミステリ作家の描く宗教作品の場合はどうしても
カルトに寄ったものが多いイメージですが、今作は
もうガチでテーマが救済だけあって、まるでイメージ
したものと違ったのも自分にとっては良かったような
気がします。
本当の絶望の中から抜け出すという事。救済とは
どういう事なのか。そして新興宗教というシステム。
様々な事が絡み付きながら、ゆっくりと静かに
ストーリーは常に破滅ち終焉を孕みながら進んでいく様は
ある意味圧巻で、ページを捲る手と目を