藤井一至のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
土に含まれる無機物や有機物、地球の歴史などの説明に作者独特の擬人法的なユーモアが多分に含まれていてその雰囲気も楽しい。
粘土って生命の誕生に不可欠なものだったんだね。化粧品やカーボン紙その他もろもろのものに使われてる。造板鉱物の粒子よりも、小さな粘土の粒子は、表面積が大きく電気を帯びているから、いろんな物質が集まる。
石炭って、落ち葉や倒木を今みたいに分解できる微生物が生まれていない時代だったから、未分解の植物遺体が堆積し続けて泥炭土になって、それが6000万年続いた結果、化石化したから石炭になったんだね。微生物の歴史!
植物の根が栄養を取る為に酸化物質を出すから植物が育てば育つほど、土が酸性化しちゃうんだね。落ち葉や倒木を分解しないとカルシウムやカリウムが土にリサイクルされなくなる。酸性に強いキノコ類が落ち葉などの防御物質リグニンを分解できるようになり、石炭期が終わった。
ネアンデルタール人が絶滅してもホモサピエンスが生き残ったのは雑食だったから「好き嫌いせず食べなさい」は人類史に基づく教訓笑
スプーン一杯の土に一万種百億個の細菌がいる。人の腸内細菌は千種類、すごい量。
人工的に土を作るのはまだ難しいが、宇宙に土を持っていけないし、土がないと植物は育ちにくいので、研究は続くだろう。
鉱物、植物死体、菌類、有機物、色んなものが混ざり合って土になる。地球の歴史って壮大だな。 -
Posted by ブクログ
土ができてからの5億年を、土を取り巻く環境の変化と、「酸性」を切り口に語っていく本。話があちこち飛んだり構成が分かりにくかったりやや読みにくい部分はあったけれども、藤井先生の土の本を読むのは2冊目なので、土について何も知識がなかった一冊目よりはさくさく読むことができた。(なにしろ土についてどころか「酸性」とはどういう状態なのか、化学の知識がさっぱり無いところから読んでいるので…)
一見豊かに見える日本の土の特性とは何か?草木があれだけ生い茂っている熱帯雨林の土も肥沃に見えるけどそうではないのか?肥沃だったナイルが失われたのはなぜか?酸性土が植物に与える問題と、そこに生える植物の戦略とは?ハーバー・ボッシュ法の問題点とは何か?などなど、今まで知らなかったテーマがたくさん読めた。都会で生活していると一日の中で土を目にすることはわずかだけれども、人間は土を離れては生きていけない。水耕栽培では食糧は賄えない。土のことはもっと考えねばならないと思う。
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Posted by ブクログ
土と切り離されて人間は生きていけないんだよなぁということは漠然と感じていたが、その奥深さに読みながらのめり込んでいく。
我が家のささやかな生ごみ堆肥ですら、虫がわくだの、ニオイが気になるなど嫌悪される昨今。どんだけ土離れが進んでいるのか危惧される。土に還るという言葉があるが、人は土から生まれているんだということを、改めて考えた。そして、土が育んだ米や野菜その他諸々を糧としている以上、土を蔑ろにできない現実がある。水に困らない土に困らない暮らしを実感するには、現代の生活は程遠い。食い潰すだけではダメ。生態系サービスを享受するには、それなりの教養が必要だと痛感。
後日追記。
土壌の危機を感じたのは東日本大震災の被災地の除染作業のニュースを見てのことだった。何代もかかって作ってきた土が廃棄物として目の前からなくなる。この喪失感が伝わる人がどれだけいるのだろうか。