藤井一至のレビュー一覧

  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    研究者が美しい論文や人生を変えた論文を語るアンソロジー。時にそれは高い壁であり励ます存在でもあるのだと感じた。論文を「作品」と表現した箇所があり納得。理学系に馴染みがない方にはやや読みにくいかもしれないが、研究者の人生、論文への愛を感じられる稀有な一冊だ。

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    2025年11月28日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
    大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて

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    2025年11月24日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    「生物学者なら遺伝子から40億年の生命史を、地質学者なら鉱物や化石から5億年の大地の歴史を私よりうまく語るかもしれないが、土の研究者が語る違いは、これからの生活に生かそうとする執念にある」(P182)そもそも「土の研究者」って光を浴びたことがあるかな?砂漠の緑地化のプロジェクトでは植林の専門家が、農地の土壌改造には農業の専門家が、出てきたような印象、「土の専門家」という存在を初めて知ったかもしれません。その専門家が「土は人間に作れない」とはっきり宣言するのに動揺しました。命でさえ実験室で埋めれるかも…という時代に、足の下の誰も知らないワンダーランドの扉を開けてもらったような気がします。そもそも

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    2025年11月10日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    土ってなんて複雑で面白いんだ…!面白かったんだけど、今まで知らなかったことが多すぎて、書いてあることの全てを理解できたとは言えない。46億年間地球の環境が変化しつづけているのは様々な循環や反応や蓄積の結果だということが分かったけど、どう変化してきたかテストで書けと言われたら書けない。ともあれ、そうして変化してきた今生きてる地球の環境は人間にちょうど良くなっている。けれど、人間自身の活動で二酸化炭素の循環のバランスを崩してしまうと酢酸からメタンを生成して酸素欠乏に陥らせたメタン生成古細菌のように地球環境を激変させてしまう可能性もあるのだなと思った。

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    2025年10月21日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    カラー写真ばかりでめちゃくちゃ贅沢な本です。これが文庫でたったの920円(税抜)。すごい時代ですね。
    内容としては、土壌学の基礎を学ぶことができます。私に指導してくれた人の土壌学と内容的にそれほど大きな違いはない(『土壌サイエンス入門』)けど、それでもポドゾルとかチェルノーゼムとか、黒ぼく土とか、最新の研究など、色々細かい情報も含めて書籍になっているので、初学者の人にもやさしく、オススメできる内容になっています。
    最近では土壌を売る、ということもやっているらしい。良くないねぇ。

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    2025年10月12日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    土からみると恐竜の絶滅も人類誕生もカブトムシに比べてクワガタムシの種類が多いのも、わかって面白い
    久しぶり、続きが気になって止められない本を読んだ

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    2025年10月09日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    地学、生物学などにまたがって「土」と言うものについて考えたもの。
    読みやすくしようとして入れた「例え」が、かえって煩わしさを生んでいるような気もするが。

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    2025年10月07日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    何となく知っているような気になっていた身近な土の奇跡。スプーン一杯に100億個の細菌やその気の遠くなるような年月をかけての土壌変化など、とても興味深い。土の再生の未来は人類や地球の未来に繋がる。研究者の方々に頑張ってほしいです。

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    2025年09月30日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    学生の頃に読んでいたら理科系がもっと楽しかっただろうなぁと思う。自然は一つ一つ意味があって繋がって、今見えてる世界になるんだなぁとため息が出ました。面白かった。

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    2025年09月19日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    大変面白かったです。
    結構、世界観、モノの見方が変わり得る1冊でした。

    著者の言葉を借りれば、本の前半は研究者目線のお話で、かなりワクワクしました。5億年前からどうやって土が生まれて、生命と共に進化してきたのか語られています。
    後半は専門家目線で、人の営みと土との関わり、現代の環境問題についても語られています。

    土がこんなにも多様で、気候、岩などの無機物、植物や動物、人間の営みと密接で、変化している、させられているのだと、理解できました。
    環境問題では、思いもよらない所で、土にも深刻な影響を与えて、後戻りできない状況にもなっていますね。
    最善最高だと個人的に思ってる手段が、論理的に正当だと

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    2025年09月16日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    土の歴史や進化の謎、これからの可能性がとても解りやすく書かれていて、とても興味深かった。
    講談社科学出版賞受賞作

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    2025年09月15日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    「人間に土を作ることができるか」という問いを掲げ、作るためには理解しないといけないと、土の誕生と進化を解き明かす本である。まず土とは何か、土とは岩石が崩壊して生成した砂や粘土と生物遺体に由来する腐食の混合物である。そのうち粘土は、アルミニウムやケイ素などからなる結晶構造を持つ鉱物で、生命のゆりかごでもあるという。そして、5億年前に植物が陸地に上陸して生物遺体が加わり、ついに土が誕生した。土は、今も多様な粘土と無数の微生物が相互作用する複雑なシステムとして進化している。しかし、人類は土を消費し続けてきた。著者は、インドネシアで土の再生に取り組んでいる。土は人類の危機を警告し、未来への希望も語る。

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    2025年09月14日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    作者の「土」の本を読んで、次にこの本を読んだ。
    「深い」と思った。たかが土されど土。地球史から俯瞰した視点は、科学館で見る地球の成り立ちの先にある今の足元からの見かたということで、興味深いものがあった。
    土を考えることは地球に生きる人のことを考える。それも過去から未来まで、、、

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    2025年09月06日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    感動的に面白かった!
    地球の歴史を辿り、土が作られていく様を解説していくのですが、途中途中、脱線したり、ふざけたり、まるで面白い先生の授業を聞いているようでした。
    地学を学ぶには理科の他分野の知識(化学、物理、生物)が必須ということが改めてよく分かりました。今まで私が断片的に学んできたことが、この本によって一つの体系的な知識として編成し直されたような気持ちです。
    ただ、情報量が多いから読むのには時間がかかりました。でも面白かったです!

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    2025年08月26日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    ネタバレ

    「土」について、生物にとって重要だろうとは認識していたが、生命の誕生、動植物の進化と絶滅、人類、文明の栄枯盛衰に密接に関係していると考えたことはなかった。
    本書では、「土」とは何か、どのようにせきたのか、から、生命の誕生、植物の進化、動物の進化、人類の進化、文明の栄枯盛衰を土との関係から解説し、土を作る試みまで幅広く論じている。
    土とは「岩石が崩壊して生成した砂や粘土と生物遺体に由来する腐植の混合物」である。
    現代の科学技術をもってしても作れない二つのものが「生命」と「土」。
    一見地味な学問である「土」の研究だが、地質学はもとより、生物学、化学の広範な知識と豊富な現場経験をもとに読みやすい科学

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    2025年07月24日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    人は土からはなれては生きていけない。
    さも独立しているかのように錯覚し、一方的な搾取を行ってきた関係を修正しなければいけない。その希望があることがわかった。

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    2025年07月17日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    土が岩石からの砂と生物(植物もそう記載)の有機物≒遺体が分解されたものが混ざったものであり、その地域の環境により12の大分類に分けている。
    粘土集積土壌、強風化赤黄色土、オキソシル、ポドゾル、黒ぼく土、水田土壌、チェルノーゼム、若手土壌、泥炭土、永久凍土、未熟土、砂漠土
    日本の土は若手土壌、黒ぼく土。高温多湿で土の中の生物の活動が活発で、土が生まれやすいが、二酸化炭素を多く放出するため酸性度が高く、必ずしも肥沃な土壌とは言えない。ここは石灰により中性にするとよく植物が育つ。水田土壌も水を引き込むことで中性になり、鉄についているリンが還元されることで肥沃な土壌になる。
    一番肥沃な土壌はチェルノー

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    2025年07月06日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    面白い。当たり前にそこにあると思っている土が46億年の地球の歴史で作られてきたものであること。土の中には数えきれない生命や物質の繋がりがあってバランスを保てなければ土は土でなくなっていってしまうこともまたその逆もあり得ること。人間が土を作り出すことは(少なくとも今は)できないこと。
    普通に読んでいると多分2割くらいしか理解できてないんじゃないかと思うくらい文章の中に情報が詰め込まれている。著者の冗談も含めて。
    もう一度ゆっくりと1ページごとにノートを取るくらいに丁寧に読んで地球の歴史を土の視点から体験しなおしたい。

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    2025年06月13日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

    購入済み

    3冊分のボリューム

    土の話だけでなく、生命がいかに育まれてきたか。生物学でもあり地学でもあり、人間の歴史でもあり。気象学でもありました、大変深い内容でした。読むのにも時間がか、ったが、幸せな時間でした。土の中身を知ることができて良かったです。

    #タメになる #深い #アツい

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    2025年06月06日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

    Posted by ブクログ

    すごいです!

    現代の科学技術をもってしても作れない二つのもの、
    生命と土。

    このキャッチーな帯のコピーに誘われて、
    手軽な薄さのブルーバックスを開いて、
    ところどころにオヤジ的語呂合わせが散りばめられている読みやすい文章、わかりやすい例えに助けられて
    なんとか本のあとがきまで流れ着きました?
    今まで考えたこともなかった
    土の歴史や正体を教えてもらいました。

    粘土が生命誕生に深く関わっていた、という話も
    壮大で本当に楽しかったです。
     窒素がほしいとか、カリウムイオンを動物は求めるとか、自分不器用なんで自覚したことないですが、
    そんな話のあれこれがとってもとっても面白かったです。

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    2025年04月02日