藤井一至のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    ・土壌というものをどう見たらいいのか学べました。土というものが酸性化(≒貧栄養化)しやすく、それに生物や人間がどう適応してきたのかという視点が軸となっています。そして、硫安に代表される窒素肥料の施用、石炭の露天掘りといった人為が土壌の劇的な酸性化を引き起こす、ということも学べました。

    ・本書を読んだ後で土壌関連の議論を深めてみたいと思い、『稲のアジア史』第1巻における久馬一剛さんという人の論文を読んでみた。日本において水田稲作が普及した一つの背景として、酸性土壌である黒ボク土での畑作が難しいという議論がなされていて面白かった。

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    2025年03月23日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    土から紐解く生命の誕生と進化、更には人工的に土が作れるのかについてまで話を広げる。これが面白い。いつも当たり前にある土なだけに、土の大事さに気づいていなかったが、この本をきっかけに土がいかに人類の発展に寄与したのかを知る事になった。人間が土に振り回されてきたという表現も納得できる。
     難解な文章もなく、面白おかしく読む事ができ良著だと思う。

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    2025年03月18日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    ブルーバックスは楽しい!
    土の研究者の本。
    この人、文才がある。リズム感がある。読んでて楽しい。
    しかも「人間は土を作ることができない」から始まっている。
    岩を砕いただけでは土にならないのだ。
    そこには微生物の存在が欠かせない。
    そのあたりのからくりをおそらくわかりやすく説明してくれているのだろうが、
    理解が追いつかない。ま、これはしかたない。
    でも楽しい。
    土のありがたみは認識できた。

    第1章 すべては粘土から始まる
    第2章 生命誕生と粘土
    第3章 土を耕した植物の進化
    第4章 土の進化と動物たちの上陸
    第5章 土が人類を進化させた
    第6章 文明の栄枯盛衰を決める土
    第7章 土を作ることは

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    2025年02月28日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    そういえば土って何から出来ているんだろうと疑問に思って手に取ってみた。
    ユーモラスな例えがあって読みやすい。
    土に関する気づきや発見があって非常に面白かった。

    読んでいる最中、Xで葉っぱを被った著者の写真が万バズしてて、個人的に不思議な読書体験だったw

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    2025年02月19日
  • 土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る

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    筆者にお会いしたことはないけれど、すごく楽しそうな方と推測。笑いながら、でも真剣に読んだ。土って凄い!と素直に思った。これからはミミズにも敬意を払おうと思う。

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    2025年01月02日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    普段はほとんど気に留めない「土」をテーマにした面白くてためになる本。

    豊富なカラー写真と見やすいイラスト、ウィットに富んだ語り口の文章など、随所に魅力あふれ、ふーんそうなんだと頷き、くすっと笑いながら読み進められた。

    肥沃な土を求める人類の歴史・歩みの話も交わり、これからの人口増に否が応でも真剣に世界の人と協調していかねばならない農業・農地の社会課題にも繋がる、視野を拡げるのに最適な一冊。

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    2025年01月02日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    ノンフィクションで、目から鱗がぼろぼろ落ちる本がたまにあるのだが、これはまさにそういう本だった。
    「土」という観点から自然科学だけでなく、歴史や文化、環境問題まで見るなんてことを、なかなか考えつく人も書ける人もいないと思う。以前稲垣栄洋の『イネという不思議な植物』にも似た感想を持ったが(実際重なるところもあった)、よりスケールが大きく、深く、詳しかった。稲垣さんのは中学生にもわかるように書いてあったが、こちらはもう少し難しい分、面白さも深まっている。読めるなら中高生にもおすすめしたい。
    世界に分布する土は大陸移動によって説明できるとかはまだ「なるほど」レベルだが、大河に近い乾燥地が一番肥沃だと

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    2024年11月24日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    知らないことばかりでした。よんでいて、自分自身植物の進化に疎いことがよくわかった。
    1.土ができたのでのは5億年前。(それまでは無機物だけの岩、砂礫)
    2.ダーウィンは土壌の研究をしていた。
    3.日本の土をドイツ人研究者に見せると、それは土ではないと言われる。
    4.シロアリはアリではなくゴキブリの仲間。
    5.柏木由紀のシングルデビュー曲は火山灰だった。
    6.植物は有機物からではなく無機から栄養を得ている。
    7.カブトムシの幼虫の胃は強いアルカリ性で、セルロースを消化できる。
    8.ブラキオザウルスの主食は針葉樹アロウカリアの葉であったが、現存する爬虫類で針葉樹を、食べるものはいない。
    などなど。

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    2024年09月05日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    土の成り立ち、土と私たちの生活、土と環境問題がフラットな立ち位置から語られる。文体も読みやすいし、内容も興味深いからすぐに読んでしまった

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    2024年04月17日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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     痛快な本だ。学問するのは、楽しいと思わせる。世界中をスコップを持って飛び回り、蚊に刺されながらも土を掘る。そこで、土の何かを発見する。まさに、学問は現場にあるのだ。
     人口爆発、食糧危機、環境破壊、砂漠化、土壌汚染。土は、地球最後の謎と言われている。
    藤井一至は100億人を養う土壌を求めるのである。土だけで、これだけ楽しく語るのは素晴らしい。世界の土壌には大まかに分けて12種類ある。大まかに分けると黒い土が三つ。赤い土が一つ。黄色い土が一つ。白い土が二つ。茶色い土が一つで、残りは、凍った土、水浸しの土、そして何の特徴もないのっぺらぼうの土。まさに、多様な土が存在する。
    とにかく、12種類の土

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    2024年03月23日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    土が文字通りあらゆる生の土台として重要な役割を担っていることを思い知らされた。写真も多くてビジュアルな一冊。専門知識がなくてもスイスイ読み進められる。

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    2024年02月27日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    土壌を切り口とした、地球史、動物・植物の進化、人間の歴史

    面白かったロマンだった

    全ては循環しているんだ
    川に戻って熊に食われる鮭のみならず、洪水や噴火すらも栄養分の循環の一端なのだ

    その循環が人間によって崩れている
    環境問題に対する解像度があがる

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    2024年01月10日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    地球上のすべての人間を食わせることができる豊かな土壌を求め、世界中を旅して土の謎を解き明かそうとする筆者の自伝的な研究紹介。
    私の大好きな、研究大好きクレイジー系科学者。もう少し本人の人間臭い部分が出ていても良かったとは思うが、土壌大好きの筆者に飲み込まれて一緒に土が好きになる。

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    2023年09月27日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    筆者の土に対する愛情が溢れる本。
    たかが土の話というなかれ、未来の地球を考えさせる壮大な作品だと思います。

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    2023年08月29日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    「地球にしか土がない」というのは、勉強を始めたばかりの頃、私にとっても意外だっ



    私たちは、記憶や愛が〝風化〟すると 喩えるように、風化=劣化・消失と捉えがちだが、風化はただ岩を分解するだけではなくて、そこから土を生み出す現象を含んで



    まだ見ぬ世界には農業に適さない土があるという。北欧が一例だ。サンタクロースの故郷であるフィンランドは、寒冷で肥沃な土壌も少ない。フィンランドの人々は、なぜ自分たちの祖先がフィンランドを選んで定住したのか? と自分たちの生活を面白おかしく笑いの種に



    フィンランド人の起源は明確ではないが、岩と沼地が多いという土に関する記述は正しく、凍って

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    2023年07月21日
  • 土の大研究 5億年の大地のなぞをさぐろう

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    土についてよくまとまっている「調べ学習」にぴったりな本。小学校高学年に良いが、土に関する本は多くないので中学生が使っても良いと思う。大人が読んでも勉強になる。授業で子どもの興味を喚起した後、子どもたちが自身で調べると良い学びになりそう。

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    2023年05月27日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

    匿名

    購入済み

    面白い

    土についてだけでこれだけ語れるのか、
    土はなにげなくみているが万物のもとだということがわかった。これからは種類にも気をつけてみたい

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    2023年05月14日
  • ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち

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    ネタバレ

    「土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~』が素晴らしかったので、この著者の本を2冊目として買った。

    前書にな無かった、植物の上陸から土壌の生成をphの観点から考える、は今まで触れたことのない新鮮なものだった。

    さりげなく豆知識が多く出てくる。
    ボルネオのジャングルの木、フタバカギは知っていた。
    が、フタバカギ=沙羅双樹=ラワン材 だとは知らなくビックリした。さらにフタバカギに外生菌根菌が付いているとは(マツ林の松茸と同じ)、そりゃ熱帯雨林の再生は難しい。

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    2023年02月10日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    土がそんなに奥深いとは知りませんでした。間違いなく知的好奇心を掻き立てられます。また、日本人がどうして稲作にこだわったのかも納得

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    2022年01月06日
  • 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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    大学時代に少々勉強した土壌学であったが、現実の問題に触れ(園芸も始めて)、改めて勉強すると非常に奥深い。人生学びを深めていくと、知りたいことが山程出てくる。
    持続可能な食料システムへの転換、そして土壌中への炭素固定の問題など、これから土壌学はますます重要になりそう。

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    2021年09月26日