藤井一至のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大変面白かったです。
結構、世界観、モノの見方が変わり得る1冊でした。
著者の言葉を借りれば、本の前半は研究者目線のお話で、かなりワクワクしました。5億年前からどうやって土が生まれて、生命と共に進化してきたのか語られています。
後半は専門家目線で、人の営みと土との関わり、現代の環境問題についても語られています。
土がこんなにも多様で、気候、岩などの無機物、植物や動物、人間の営みと密接で、変化している、させられているのだと、理解できました。
環境問題では、思いもよらない所で、土にも深刻な影響を与えて、後戻りできない状況にもなっていますね。
最善最高だと個人的に思ってる手段が、論理的に正当だと -
Posted by ブクログ
「人間に土を作ることができるか」という問いを掲げ、作るためには理解しないといけないと、土の誕生と進化を解き明かす本である。まず土とは何か、土とは岩石が崩壊して生成した砂や粘土と生物遺体に由来する腐食の混合物である。そのうち粘土は、アルミニウムやケイ素などからなる結晶構造を持つ鉱物で、生命のゆりかごでもあるという。そして、5億年前に植物が陸地に上陸して生物遺体が加わり、ついに土が誕生した。土は、今も多様な粘土と無数の微生物が相互作用する複雑なシステムとして進化している。しかし、人類は土を消費し続けてきた。著者は、インドネシアで土の再生に取り組んでいる。土は人類の危機を警告し、未来への希望も語る。
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Posted by ブクログ
土が岩石からの砂と生物(植物もそう記載)の有機物≒遺体が分解されたものが混ざったものであり、その地域の環境により12の大分類に分けている。
粘土集積土壌、強風化赤黄色土、オキソシル、ポドゾル、黒ぼく土、水田土壌、チェルノーゼム、若手土壌、泥炭土、永久凍土、未熟土、砂漠土
日本の土は若手土壌、黒ぼく土。高温多湿で土の中の生物の活動が活発で、土が生まれやすいが、二酸化炭素を多く放出するため酸性度が高く、必ずしも肥沃な土壌とは言えない。ここは石灰により中性にするとよく植物が育つ。水田土壌も水を引き込むことで中性になり、鉄についているリンが還元されることで肥沃な土壌になる。
一番肥沃な土壌はチェルノー -
Posted by ブクログ
ノンフィクションで、目から鱗がぼろぼろ落ちる本がたまにあるのだが、これはまさにそういう本だった。
「土」という観点から自然科学だけでなく、歴史や文化、環境問題まで見るなんてことを、なかなか考えつく人も書ける人もいないと思う。以前稲垣栄洋の『イネという不思議な植物』にも似た感想を持ったが(実際重なるところもあった)、よりスケールが大きく、深く、詳しかった。稲垣さんのは中学生にもわかるように書いてあったが、こちらはもう少し難しい分、面白さも深まっている。読めるなら中高生にもおすすめしたい。
世界に分布する土は大陸移動によって説明できるとかはまだ「なるほど」レベルだが、大河に近い乾燥地が一番肥沃だと -
Posted by ブクログ
知らないことばかりでした。よんでいて、自分自身植物の進化に疎いことがよくわかった。
1.土ができたのでのは5億年前。(それまでは無機物だけの岩、砂礫)
2.ダーウィンは土壌の研究をしていた。
3.日本の土をドイツ人研究者に見せると、それは土ではないと言われる。
4.シロアリはアリではなくゴキブリの仲間。
5.柏木由紀のシングルデビュー曲は火山灰だった。
6.植物は有機物からではなく無機から栄養を得ている。
7.カブトムシの幼虫の胃は強いアルカリ性で、セルロースを消化できる。
8.ブラキオザウルスの主食は針葉樹アロウカリアの葉であったが、現存する爬虫類で針葉樹を、食べるものはいない。
などなど。 -
Posted by ブクログ
痛快な本だ。学問するのは、楽しいと思わせる。世界中をスコップを持って飛び回り、蚊に刺されながらも土を掘る。そこで、土の何かを発見する。まさに、学問は現場にあるのだ。
人口爆発、食糧危機、環境破壊、砂漠化、土壌汚染。土は、地球最後の謎と言われている。
藤井一至は100億人を養う土壌を求めるのである。土だけで、これだけ楽しく語るのは素晴らしい。世界の土壌には大まかに分けて12種類ある。大まかに分けると黒い土が三つ。赤い土が一つ。黄色い土が一つ。白い土が二つ。茶色い土が一つで、残りは、凍った土、水浸しの土、そして何の特徴もないのっぺらぼうの土。まさに、多様な土が存在する。
とにかく、12種類の土 -
Posted by ブクログ
1012
「地球にしか土がない」というのは、勉強を始めたばかりの頃、私にとっても意外だっ
私たちは、記憶や愛が〝風化〟すると 喩えるように、風化=劣化・消失と捉えがちだが、風化はただ岩を分解するだけではなくて、そこから土を生み出す現象を含んで
まだ見ぬ世界には農業に適さない土があるという。北欧が一例だ。サンタクロースの故郷であるフィンランドは、寒冷で肥沃な土壌も少ない。フィンランドの人々は、なぜ自分たちの祖先がフィンランドを選んで定住したのか? と自分たちの生活を面白おかしく笑いの種に
フィンランド人の起源は明確ではないが、岩と沼地が多いという土に関する記述は正しく、凍って