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Posted by ブクログ
土が岩石からの砂と生物(植物もそう記載)の有機物≒遺体が分解されたものが混ざったものであり、その地域の環境により12の大分類に分けている。
粘土集積土壌、強風化赤黄色土、オキソシル、ポドゾル、黒ぼく土、水田土壌、チェルノーゼム、若手土壌、泥炭土、永久凍土、未熟土、砂漠土
日本の土は若手土壌、黒ぼく土。高温多湿で土の中の生物の活動が活発で、土が生まれやすいが、二酸化炭素を多く放出するため酸性度が高く、必ずしも肥沃な土壌とは言えない。ここは石灰により中性にするとよく植物が育つ。水田土壌も水を引き込むことで中性になり、鉄についているリンが還元されることで肥沃な土壌になる。
一番肥沃な土壌はチェルノーゼムであり、ウクライナ、北米プレーリーの土壌。中性で、粘土と植物遺体が程度に混ざっている稀有な土壌である。
Posted by ブクログ
痛快な本だ。学問するのは、楽しいと思わせる。世界中をスコップを持って飛び回り、蚊に刺されながらも土を掘る。そこで、土の何かを発見する。まさに、学問は現場にあるのだ。
人口爆発、食糧危機、環境破壊、砂漠化、土壌汚染。土は、地球最後の謎と言われている。
藤井一至は100億人を養う土壌を求めるのである。土だけで、これだけ楽しく語るのは素晴らしい。世界の土壌には大まかに分けて12種類ある。大まかに分けると黒い土が三つ。赤い土が一つ。黄色い土が一つ。白い土が二つ。茶色い土が一つで、残りは、凍った土、水浸しの土、そして何の特徴もないのっぺらぼうの土。まさに、多様な土が存在する。
とにかく、12種類の土を、スコップで掘って確かめるのだ。地球上で、最も肥沃な土地が、チェルノーゼムだと言われていた。それは、私もそう思い込んでいた。チェルノーゼムは、①黒海からウクライナのチェルノブイリ辺りで、ウクライナが世界の30%が集中している。ロシアの侵攻は、豊かな土を欲しがった。 ②北アメリカの五大湖近辺から南北に貫くプレーリー、③南アメリカのアルゼンチンにあるパンパである。チェルノーゼムは、黒い土なのだ。 日本の黒い土や泥炭土に比べて、ずしりと重い。粘土や砂の粒子を覆うように腐食がくっついている。土は中性である。プレリードッグ、ジリス、ミミズが土を掘り返している。それでもチェルノーゼムは毎年1センチメートルづつ減少している。
ところがである、農作物が一番とれ、そして人口密度が高いのは、黒ぼくの土だった。甲子園の高校球児の白いユニフォームを黒く染める土。松尾芭蕉も「足袋 ふみよごす 黒ぼこ土」と詠んだ。黒ぼこ土は、北海道から東北、関東、九州に至るまで全国に分布している。その分布は、火山や温泉の分布と一致する。土が黒いことは、腐食の多い肥沃な土の証しだ。実は、チェルノーゼムより腐食が多い。(知らなかった)結局、CO2が一番蓄えられているのが黒ぼく土だった。
チェルノーゼムの腐食と比べて、黒ぼく土は10倍の埋蔵量だった。素晴らしい。
日本は、国土の70%が森林で、黒ぼく土は30%ある。ある意味ではCO2を一番蓄えている国でもある。黒ぼく土の発達が異常に速い。平均すると1万年の間に1メートル、100年に1センチメートルの厚さができる。これは南米やアフリカのできるの10倍速なのだ。縄文時代の人々が暮らしていた1メートル下の地面から盛り上がってきた。年中湿潤で温暖な日本生まれ、日本育ちなのだ。食べ物が腐りやすい気候は、土壌の微生物が旺盛なのだ。レタスがたくさんとれる野辺山高原サラダ街道は、縄文時代からの土の作り上げた土だったのだ。黒ぼく土は落ち葉が一年もすれば跡形なくなる。チェルノーゼムでは、五年経過しても落ち葉の半分が残存する。水が足りなく、微生物が働かないのだ。
人口増加の時代に、人口減少する日本の土が、一番人間を養うことができるのだ。
結局、腐食の多い黒い土と雨が多く降る地域が人を養うことができ、また水田が連作障害が起こらない農法だった。
この土を巡る物語と人口100億人を養う土が日本の土だったという結論は、大きな希望を持たせる。この土を大切にしていないなぁと痛感して、地球規模で土を巡る研究が旺盛になされていることに、藤井一至の大きな活躍の意味があった。いい本を読んだ。そして、いい気づきがたくさんあった。もう一度土をしっかり見つめて、土の期待に応えよう。
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