川村裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
平安時代の女子たちも人間国宝の文化人や何かではなく、自分と同じような普通の女子であったことに、今更ながら驚いた。
彼女たちも服装や恋愛に悩みながらも生きていたと思うと、親近感がわいてくる。
和歌の手紙をメールなどと言い換えていて、とても分かりやすかった。
ただ、「ださださ」など、今の目線で見ると「チョベリバ」のような、もう使われていないような少し古い言い回しが現代の学生が使う一般的な言葉として使われていたのが残念。
和歌も、現代では学校で学ぶ格式ばったものであっても、当時からすればLINEやTwitterのような感覚だと思うと、和歌の文章が新鮮に感じる。
だからといって古典の勉強に精が出るか -
Posted by ブクログ
非常に読みやすい。
装いの王朝文化というので、女性の衣服が中心かと思ったら、むしろ男性の衣服が中心だった。
狩衣は、狩りのための衣装であるだけでなく、旅の衣装であり、身分をやつしての恋の衣装。
直衣は平服、リラックスウェアでなく、それなりの人に会い、それなりの場所にも出られる服装であったこと。
そんな話が出てくる。
興味が引かれたのは、仕立てや着替えの時間の話。
仕立ては結構直前に依頼されることもあり、着替えは意外と時間がかからないものであるらしい。
まあ、そうでなければいかに貴族とはいえ、服装も早く廃れてしまうはず。
理屈ではそうなんだけれど、書き残された作品の引用でそれがしめされている -
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Posted by ブクログ
2011/08/12
まだ女性に名前のなかった平安時代、
考標の娘という、幼い頃から物語に憧れ、
日がな読書だけをしていたいという夢を持っていた女性の日記。
物語を読み耽るという夢は叶ったものの、
現実には源氏物語のように素敵な未来が訪れることはなく、
夫の死別後、後年にはそのことを
『よしなき(何の役にも立たない)物語』などと
切り捨て、後悔しているのがとても悲しい。
古典は主語が往々にして省略されるので、
原文だけで読み進めるのは非常に難しいと思った。
また、更級日記の名前の由来が姥捨山だということには、
驚かされるとともにとても切ない思いがする。 -
Posted by ブクログ
一つ一つの喜びも悲しみも、人の一生という長いスパンで考えると、長い川の途中にある滝や急湍のように一瞬のことで、海につくころには緩やかな流れとなって・・・老年になって自分の人生を振り返るのはどんな気持ちだろう。
自分の人生を失敗・反省としてこの日記を書いているような印象を受けた。小説の世界にばかり思いを馳せ、実生活でやらねばならないことを疎かにするあたりは耳が痛いが、やっぱり愚かなことだ。
でも、解説にもあるように、どこか楽しい思い出として過去を思い出しているのがイイ。自分にとって「失敗だ、黒歴史だ」とおもっていることはもちろんあるが、数十年後の自分がそれを振り返った時、自分は何を想うだろ -
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『枕草子』『紫式部日記』『和泉式部日記』『蜻蛉日記』『更級日記』といった、平安時代の女性が作者と言われる日記・随筆を紹介する本。
古文は元々好きで、古文についての多少の教養が私にはあるが、この本なら古文の知識がなくても楽しんで読めると思う。本文の言い回しだけでなく、装丁やイラストも、敷居が低くなるよう工夫されていると思った。
本文で述べられていることの根拠に、段数などが書かれてはいるが、随所随所でどの文献を参考にしたか、は、書かれていない。本の巻末にひっそりと参考文献一覧があるだけなので、この本の著者の憶測なのか、本当に作品に書いてあることを引用しただけなのかが分かりづらい。正しい知識として身 -
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千年前の内容だから当たり前かもしれませんが10年前に出版された本ですが古さは感じませんでした。たぶん自分が中学生だったら読まない本だと思いますが、ちょうど今のタイミングだったので手に取りました。初めて知る内容も多く楽しく読めました。大人からの意見になるのでしょうが、和歌は原文もあった方が良かったです。それまで全く興味がありませんでしたが鎌倉殿から大河ドラマを見始め、光る君へも前作より面白いと思って見ています。ちなみに朝ドラはてっぱん以降、かなりの確率で全部ではありませんが時々見ていますが、虎ちゃんだけは全て視聴しました。もちろん今のおむすびは最初の3回くらいでとっくに止めてます。
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Posted by ブクログ
「光る君へ」を観ているので、紫式部、道長、伊周、藤原道綱母などが登場することもあって、非常に楽しめた。
古典からの引用も現代語訳してあって読みやすいし、現代にも共通するところなどをポイントに語られているので古典の世界にも親しみがわく。着るものや建物についても、今までちゃんと知らなかったことが書いてあって面白かった。下に着るものの方がサイズ(布の面積?)が大きいって、ゴワゴワしそうというか、不思議。
ひとつ気になったのだが、平安時代において、ある人が夢に出てくるのは、相手が自分のことを思っているから、という解釈だったのではなかっただろうか。逆のように書いてある気がしたが…? -
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