川村裕子のレビュー一覧

  • 枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    現代語訳と原文付き。
    『枕草子』で描かれるのは、華やかな貴族文化、美しい自然の描写、鋭い人間観察など・・・五感を駆使して自然を味わうような描き方がいいなーと思いますね。

    この段が好きです。
    ただ過ぎに過ぐるもの。帆かけたる舟。人の齢。春、夏、秋、冬。
  • 平安女子の楽しい!生活
    本当にわかりやすく、面白い。
    自分が中高生の頃こういう本があったらどれだけ古典を好きになったか、と悔しい気がするくらい。
    『和泉式部日記』などの日記ものは「ブログ」。経験したこと感じたことを「人に読まれる前提で」書いているから、とか。
    著者が、若者に古典を身近に感じてもらうため、どれだけ心を砕いてい...続きを読む
  • 古事記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックスは、古典文学の原文と訳文が共に掲載されているところがいちばんのお気に入り。訳文を読んでいると、「ここって原文ではどう書かれているのかな?」と気になることがよくある。やっぱり訳文は訳文であって、理解しやすさのために原文を親切丁寧に噛み砕いてみせるから、どうした...続きを読む
  • おくのほそ道(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    有名すぎて近づきがたかった、或いは知ったつもりになっていた。こうしてわかりやすく解説してくれて、芭蕉も身近な人となった。このビギナーズシリーズは私にとってとても役に立つ。学生時代にあったならば、読書も人生ももっと楽しめただろう。
  • 方丈記(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    時代背景を記す部分が言わば長い前書きのよう。方丈の庵について描いた28〜34章は読み応えがあったが、最後の2章で執心をめぐる問答となって、ずっこけた。平安末期〜鎌倉の時代にもかかわらず、人々の感じ方や考え方は、現代とそれほど変わらないのだなと感じた。

    ビギナーズ・クラシックスのシリーズは現代語訳が...続きを読む
  • 源氏物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    おおよそのあらすじがわかる。だが細かいところは省かれているので、やはり全文を読まないとわからない部分がある。これをきっかけに全文を読みたいと思わせてくれたので、入門書としてよかった。
  • 枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    教科書以来の枕草子。春はあけぼの~の第一段の美しさに惹かれて、いつかもっと読みたいと思っていた。全段ではないもののこの本に出会ってそれが少し叶った。読んでみてきらきらした才気と言われるが、むしろ鼻持ちならない。同意もあれば不同意もあり。しかし解説にあるようにその時代背景、置かれた立場を考えればそれも...続きを読む
  • 平安女子の楽しい!生活
    平安時代の作品を分かりやすく口語訳したものを多く交え、共感できたり意外性に驚いたり、平安貴族文化をさっくり捉えるにはかなり読みやすい一冊。
    説明の例として『蜻蛉日記』の引用が多くなっちゃうのは仕方ないのかしら。立場も感情の表出も分かりやすいし。
    全体は良いのですが、一つだけ、明らかに「夢」の解釈が違...続きを読む
  • 梁塵秘抄 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    平安時代の流行歌「今様」を後白河院が編纂した作品、梁塵秘抄。
    たぶん一番有名な「遊びをせんとや」から興味を持ち、法文歌が読んでみたくて手に取った。ビギナーズクラシックスは気軽に読めて、その頃の雰囲気が感じられるのがうれしいです。

    鵜飼いに同情する歌が印象的だった。
    食糧供給も安定せず、病気を治すの...続きを読む
  • 今昔物語集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    入門編として最適。現代語訳の後なので、原文も何となく理解出来るし、ピックアップされてる話も面白かった。
  • 古事記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    日本の神話をよく知らなかったので。
    地方の伝承との刷り合わせから日本書紀ほどその神性や正当性はないらしい。
    どのようにこの国という体制が出来上がったのか、言葉は語られることによって、人にその存在を信じさせる。ないけどある。とても不思議な力を持ったもの。言葉による国の物語。序文でも注意している。「巨安...続きを読む
  • 徒然草 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    本書は古文の知識を必要とせず、原文・現代語訳付きなので読みやすいのではないのでしょうか。
    卜部(吉田)兼好は、深い洞察力とバランス感覚に優れていた人物であったことが本文から感じ取ることができます。
    また、各段でオリジナルの表題がつけられております(例えば、「いい男の条件」、「女の色香の威力」、「孤独...続きを読む
  • おくのほそ道(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    全文を原文でちゃんと読んでみたくなって買いました。
    改めて、日本語の美しさ・豊かさ・奥深さと、芭蕉という人の博学さ・感性の鋭さにふるえました。
    旅行に行っても写真をパシャパシャ撮って終わりにしてしまうことが多いけれど、
    見たもの・聞いたもの・感じたことを、私も今度からちゃんと言葉で書き記していきたい...続きを読む
  • 土佐日記(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    平安期の大歌人、紀貫之が侍女になりすまし、帰京の旅をかな文字で綴った紀行文学の名作。国司の任期を終えて京へ戻る船旅は長く苦しい日々の連続であった。土佐の人々に温かく見送られ出発したものの、天候不順で船はなかなか進まない。おまけに楫取はくせ者。海賊にも狙われる。また折にふれ、土佐で亡くした娘を想い悲嘆...続きを読む
  • とりかへばや物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    わかりやすいですが、ところどころ飛ばしています。
    内容ですが・・・なんか、こう、頭が良くて才能がある人が、自分ではどうしようもない理由(性別など)で思うように生きられない話はなんだかモヤモヤする。
    あ、話としてはとても面白いです。斬新な着眼で。

    あと、好色手籠め男には本気でイラッとした。
    チ○ポも...続きを読む
  • 伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    昔の日本の風流に触れ、いまの自分にはまったく無い趣ある詩に感服した。
    あえて多くを語らないことで余韻を持たせ読者の想像力を掻き立てる。
    逆に全てを語りすぎてしまうと、それは「無粋」というものになってしまい、味わいがなくなる。
    粋な心を持った登場人物達による贈答歌には大変興味を惹かれ楽しく読むことがで...続きを読む
  • 誰も書かなかった 清少納言と平安貴族の謎
    清少納言は大好きな女性なのでジャケ買いしました。
    少納言の感性豊かな文章を抜粋しながらの解説、とても読みやすい内容であっという間に読み終わりました。
    平安時代の生活もカテゴリにわけて少しずつ解説があり、今まで以上に雅な世界にどっぷり浸かりたい気分にさせてくれます。
    「はなとゆめ」も読みたくなります^...続きを読む
  • 竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    いまはむかし、竹取の翁といふものありけり――竹取のおじいさんが竹の中で見つけた小さな女の子、なよ竹のかぐや姫。大勢の貴族に求められた彼女は五つの難題で求婚者をはねのけ、帝の寵愛さえも拒む。しかしその中で、彼女は人間らしい愛を学んでいく。けれどももう、時は、いいえ、月は満ちた――還る時が、やってくる。...続きを読む
  • おくのほそ道(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
     Eテレで放送している「100分de名著」は10月の名著が「おくのほそ道」であった。これを視聴して「おくのほそ道」の概略をつかむことができた。しかし本編を読んでいなかったので、これを機会に手に取ったのがこのビギナーズ・クラシック版である。

     この「おくのほそ道」は紀行文だとばかり思っていた。しかし...続きを読む
  • 伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    一年で最も夜の長い日に、本書を読むという粋な会があると聞き、買って読みました。

    私が気になったのは、初段の以下の箇所です。

    「この男、かいま見てけり。思ほえず、古里に、いとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。男の着たりける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる。その男、信夫摺の狩衣をなむ、着たり...続きを読む