松岡圭祐のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
松岡圭祐『ウクライナにいたら戦争が始まった』角川文庫。
日本人女子高生の凄絶な体験を描く実録的ノンフィクション風ノベル。
平和呆けした日本。自然災害への危機意識はある程度あるが、戦争への危機意識は相当低い。日本が米国の庇護下にある以上はいつ何時、ロシア、中国に攻撃を受けるか解らないし、北朝鮮のミサイルによる攻撃も油断出来ない。米国ですら自国の国益のためなら日本を見限り、再び武力支配に転じる可能性がある。
本作はそんな平和呆けした日本を嘲笑うかのように、日本の女子高生がウクライナに滞在中にロシアの軍事侵攻に巻き込まれるという恐ろしい物語である。
ロシアのプーチンがウクライナが自国の一部であると主張し、軍事侵攻を始めて2年になる。余りある国土を持ちながら、ナンセンスな理論をかざし、非人道的な軍事侵攻を続けるプーチンは気が狂っているとしか思えない。一方で米国や欧州、日本をはじめとする各国から支援を集め、ロシアに抵抗するウクライナのゼレンスキーの行動も如何なものだろう。極端な言い方になるが、ゼレンスキーが物乞い戦争を継続しているせいで、世界を二分させ、対立を深めているようにも思える。
コロナ禍の渦中、ウクライナに単身赴任中の電力会社社員の父親と3ヶ月間、現地で過ごすために、女子高生の瀬里琉唯は母親と妹の3人でウクライナに入国する。ウクライナに到着して直ぐに父親と母親が口論を始め、初めてのウクライナに大きな不安を抱く琉唯だったが、次第にキエフ郊外にある外国人学校にも慣れて来る。
ある日、ロシアによるウクライナ侵攻が近いというニュースが流れ、一家は慌ただしく帰国の準備を始める。しかし、4人分の航空券を手に入れ、何とか空港に到着した琉唯たちだったが、妹の梨央奈がコロナの陽性と判定され、やむなくブチャの自宅に引き返す。
自宅に籠もるうちに状況は次第に悪化し、日本大使館とも連絡が取れず、ネットは寸断され、唯一の情報源であるテレビ放送も停止してしまう。そんな中、ロシア軍による攻撃が突如として始まり、琉唯と梨央奈は逃げ惑ううちに両親と逸れてしまう。
本体価格800円
★★★★ -
Posted by ブクログ
古典的な展開? って思いつつも、そんな簡単に行くわけ無いよねって
でも意外と物語は淡々と古典的展開に基づいて進んでいってる感じに取れました
ちょうど、ちょっと前に「ある閉ざされた雪の山荘で」を見ていたので・・・
それの影響が大きかったかもしれません
でも、さすが松岡先生、一端大振りしてこういうことかぁ〜って
とことん納得させてくれた後で・・・
どーんともう一回正反対に振ってくれる・・・やられましたね
いや、なんとなくそんなんじゃないの?って揺れてるところを
ちょっとした力で傾けられた感じですね
にしても、小説家って・・・なかなか大変ですね
職業と捉えるか、芸術家と捉えるのか
どちらにせよ、ただ「好き」、では生きていけいないですもんね
あと、やっぱり他人に、世間に、認められたいですから・・・
でも、人のルールを破っちゃ、やっぱりだめですよ
人間社会で生きていく以上は
とまぁ、文芸に疎い自分はいろいろ出てくる文芸ネタはピンっと気ませんが、
解説であったように、李奈がたくましく成長していく様を楽しませていただくのでした。 -
Posted by ブクログ
松岡圭祐『高校事変 19』角川文庫。
第19巻。日暮里高校の事変だけでも驚きなのだが、話の規模はどんどん大きくなるばかりだ。今回、死刑を免れて生き延びていた優莉匡太との対決は無かったのは物足りない。
東京スカイタワーが中華革命戦線を名乗る武装集団により占拠され、新聞部の取材に訪れていた日暮里高校2年生の鈴山たちと他校の生徒、一般客が身柄を拘束される。
その一報を聞き、元クラスメイトの瑠那は凜香と共に彼らの救出に向かうが、中華革命戦線は東京スカイタワーに核弾頭を仕掛けていた。関東一円が壊滅の危機という絶体絶命の状況で瑠那は凜香、そして結衣、伊桜里は中華革命戦線に立ち向かう。
本体価格840円
★★★★