金城一紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ原案は金城一紀で主人公を端から「小栗旬」と決めてつくったお話だとか。主人公、確かにぴったりです。
設定がしっかりしているからということもありますが、なかなかに面白いです。初めて読む作家さんでしたが、文章はシンプル。抵抗なく読めました。(好き嫌い多いのです…)まああえて言うなら、なんてことない会話がもっとナチュラルだったらな!とは思います。伊坂幸太郎とかはその名手だと思う。どうでもいい会話をほんと面白く読ませるんですよね…伏線までもぐりこませるし。
ドラマでご存知のかたも多いでしょうが一応、設定ぐらいはさらっときましょう。
主人公は石川安吾。
警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班の刑事…だそうです。うん、覚えきれない…。捜査の最中に銃で頭を撃たれ、意識不明となるも奇跡的に生還。ただし弾丸は脳内に留まっており、手術するのかというのも今後気になるところ。手術は難しいが残ってても鉛中毒で死ぬかも…って、にっちもさっちもいかないですね。その弾丸のせいなのか、彼は死者と話せるようになってしまう。小説は石川が追った事件のひとつとして展開。ドラマ・コミックとも違うストーリーのようです。時間軸としてはドラマのあと。コミックは読んでないので分かりません(読むかも…)。
まっとうな刑事としての捜査か、死者からの情報を使った捜査か…金城さんによると彼は「いろんな境界で悩む」そう。正義と悪とかいろいろ。勧善懲悪の話じゃないってことですね。
この、「死者と話せる」というところをドラマも小説も上手く使ってますね。単に「幽霊と話せる」とかじゃなく。また、犯人や手がかりを死者から得たとして、それをすぐに生かせないというジレンマもいいです。バディである立花や上司の市倉に頭おかしいといわれちゃいますからね。そこで裏の情報屋ともつながりを深めてしまう。簡単な、それこそ「死者と話せる刑事」ならもっと軽くて洒脱なお話だってできたはず。なのにあえてこの「ヒューマンサスペンス」というべき「重さ」にしたのがいいなあ。小説もドラマも(観てます!)1回じゃなくて、2回3回と読んでも(観ても)面白い。
最後にひとこというとすれば「やっぱ小栗旬かっこいい刑事役似合うスーツ似合う」かな。
小栗さん好きな方、是非読むべし。 -
Posted by ブクログ
やっぱり金城一紀はすごい!
と実感させてくれる一冊でした。おなじみゾンビーズシリーズ完結編。完結編なのにゾンビーズが始まるお話、というのがまたたまらない。
暴力教師マンキーのおかげで最初から最後まで暴力描写いっぱいで、なおかつ閉鎖空間での重圧に満ちた空気に息苦しくなりました。それでも最後まで読めたのは、魅力的なキャラクターたちと主人公の軽やかな語り口のおかげ。終盤、主人公たちが走り出したときから物語も一緒に加速して、最後の数ページにたどり着く頃には頭の中に明瞭な風が吹き込むようでした。金城一紀は最後の数ページを伝えたかったんだろうなあ。
彼らと同じ年のころに、この作品に出会いたかった。 -
Posted by ブクログ
「生物の進化は常に危険とともにある」
「人は誰でも天からギフトを授かってる。早くそのことに気づいて使い方を覚えないと、一生泥とアザを体につけて生きてくことになるぞ」
『舜臣が独り言のように、言った。
「生物の進化は常に危険とともにある」
みんなは驚いたように舜臣を見た。
そして、あれは幻聴じゃなかったんだ、といった感じでへらへらと笑った。
さぁ、進化の時間だ。』
『そして、数秒後に米倉の口から発せられた言葉を聞き、僕たちはやっと気づく。
この世界には、僕たちを再びグレイトエスケイプへと導く要素と兆候が満ち溢れていることに。
足りないのは、それらを見つけ出す目と、聞き取る耳と、感じ取るセンスだけなのだ。
退屈なのは、世界の責任じゃない。
怠惰な僕たちの創り出している世界が、退屈なだけなのだ。』
『すべてを捨て去れ。
リセットボタンを押し続けろ。
何度でも、ゼロに、戻れ。』
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」