金城一紀のレビュー一覧
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続編のフライ、ダディ、フライが原作実写含め大好きで、鈴木さんのサポート役でありながら異様な存在感を放っていたザ・ゾンビーズが気になって仕方がなかったので読みました。
落ちこぼれ高校に通う男子達が知恵と人脈と各々の得意分野でトラブルシューターとして活躍する話。
似たような系統で池袋ウエストゲートパークが受け付けなかったので少し不安だったけど、最後まで面白く読めた。一歩間違えたらラノベというかオタク向けっぽい中二路線になりそうなのにならないのが凄い。
米倉先生ことDr.モローが素敵。
私ももっともっと若い頃、できたら子供の頃に出会いたかった…涙
ちなみにフライ、ダディ、フライの実写を観てか -
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大満足の読後感。特にラストの『愛の泉』は、優しい家族たちの愛がこれでもかと詰め込まれていて、上映会が無事決行されるシーンでは思わず泣いてしまいました。孫たちがこんなにも一生懸命支えたい、元気づけたいと思うなんて、本当に素晴らしいおばあちゃんなのでしょう。おじいちゃんとのエピソードも素敵でジンと来ました。
これまでの短編や、別作品の対話篇で、映画に救われたり勇気づけられたりしたひとたちが、『ローマの休日』上映会に集っているのを想像して幸せな気持ちになりました。
本作や、対話篇のお話それぞれが少しずつリンクしていて、また読み返したくなる2冊になっていました。
とりあえず読み返すべきは、対話篇の『 -
Posted by ブクログ
僕もお父さんも不器用だけど、情に厚くて、どこかキュートで、魅力的な人物だった。
語り口がとても読みやすくて面白くてスイスイと進んでしまった…!
今でこそ色々な場所と行き来が増えて、色んな人との繋がれるようになって、それはそれでまた新しい問題が出てきたりしているけど(問題がゼロになることなんてないんだろうけど)、この頃はとにかく自分たちが正しくて、他を受け入れると色々な不都合が出てくるから、差別が存在して、巻き込まれて苦しむ人がたくさんいたんだなあと思う。
友達の正一と僕の会話は賢くもあり、温かさを感じることもあり、ずっと見ていたいなと思った。
お父さんも息子が大好きで、守ろうとしている気持 -
Posted by ブクログ
強い男とは、ヒーローとは、娘の父親であることとは。
暴力をふるわれ、高校生の娘を傷つけられたさえない父親が、喧嘩の達人の高校生と、真っ当に戦うために特訓に明け暮れるひと夏の物語。
大怪我をした娘のために怒れなかった、戦ってやれなかった無力さを感じるおじさん。
誰だってそうなる。しょうがない。
でもそこで終わらなかった。おっさんが、喧嘩の特訓のために、ひと夏仕事を休むとき、同期の上司に語った娘への思いが、不器用でまっすぐでじんときた。
喧嘩の達人、舜臣との絆が深まっていくのもいい。
師匠と弟子の関係だけど、特訓のお礼にスニーカーを買ってあげるところ。この照れくさいやらなんやらで落ち着かな