金城一紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『太陽がいっぱい』と『ドラゴン怒りの鉄拳・前編』が描かれた映画篇1は小説を読んでいると二倍楽しめる作品になっていました!自分が好きなのはどちらかというと『太陽がいっぱい』です。(ドラゴン怒りの鉄拳はまだ後編が残っていますし、、、笑)主人公の僕と親友の龍一(リョンイル)は無類の映画好きで在日朝鮮人で父親がいないという共通点を持っており、気の合う二人は小学生の頃から親友でした。しかし龍一は継父の虐待が原因でだんだんと逃げ場が無くなり、暴力を振るう毎日に。一方、僕は小説家になる夢を叶えるために龍一とは違う高校へ。二人の距離はおのずと遠くなっていき、最終的には全く会わない状態に。その後、龍一は高校を中
-
Posted by ブクログ
多分二度目かな。読むの。
2007年7月の本。
筆者は僕とほぼ同年代。近い地域で生まれたのかな。
あんまりほんとのとこを体験したことはないけど、「差別」やそれに対する反作用の凄さも耳にはしていた。
世の理不尽が、文化や文学を高めるために不可欠、という話は太宰治さんも何かの本に書いていた。
「昇華」というのだろうか。
言葉にすると簡単だけど、普通はそうはならない。
でも、時折そんなことがかたちになることがあるのか。この本にはそんな匂いを感じた。
踏み躙られた痛みが、優しさや強さになること。
多分、同じ時代を同じような地域で生きていないと
嗅ぎ取れないものな気がする。
まず第一に、僕の錯 -
Posted by ブクログ
──あがけ、もがけ、闘え。
オチコボレ男子校を卒業を機に、それぞれが己の道をあゆむために解散したゾンビーズ。
彼らとの約束のために大学生となった南方。退屈なある日「行方不明になった親友をさがしてほしい」と依頼される。
高校生の頃の仲間はもういない。それでも、南方は己が培ったもの全てで闘う。
ゾンビーズ時代の無鉄砲さや馬鹿さは少なくて、言動の端々に成長を感じさせる。
読み進めは少し寂しかったけれど、時折大切な友人たちの影が感じられて、南方のなかであの馬鹿馬鹿しくも眩しい日々がちゃんと大切なのが伝わってきてグッときた。
かわっていくもの、かわらないもの、すべて抱き締めて生きていく。 -
Posted by ブクログ
一時期金城一紀さん読んで大好きだった。しばらく小説は執筆してなかったようですが、この度ゾンビーズシリーズの続編が出たとのことで、早速読みました。読み始めてすぐ、懐かしいハードボイルド小説だなぁ!と思いました。でも、ただのカッコいい男の子がカッコよく活躍するだけのハードボイルド小説ではありません!行方不明の友だち(の友だち)を追っていくうちに、人間の欲望や、社会の裏側が垣間見えてくる。
私も自分で選んだ気になって、実は誰かに欲望を掻き立てられて欲しいと思わされたり、満足した気にさせられたりしてるだけ、なんてことがたくさんあるんだろうな。ちゃんと自分の目で見て考え、正しいことを選んでいきたい。
主 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作『GO』は、在日コリアンの主人公・杉原が民族の壁に葛藤しながらも、ヒロインとの出会いを経て成長していく青春物語。筆者金城一紀氏は在日コリアンとして生まれ、慶應義塾大学を卒業。本作で第123回直木賞を受賞。彼の作品には、映画化・ドラマ化されたものも多く、『GO』もその一つ。
・・・
いやあ、良かった。
甘酸っぱい青春小説という要素をふんだんに取り入れながら、そこに正面から民族・出自の問題を取り扱っているところがわたくし的には琴線に響きました。
同じ日本生まれ・日本育ちでありながら、国籍が違うだけで差別される現実。
その現実を半自伝的に捉えた本作は、ほとんどの読者を当事者に置かせること