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Posted by ブクログ
大満足の読後感。特にラストの『愛の泉』は、優しい家族たちの愛がこれでもかと詰め込まれていて、上映会が無事決行されるシーンでは思わず泣いてしまいました。孫たちがこんなにも一生懸命支えたい、元気づけたいと思うなんて、本当に素晴らしいおばあちゃんなのでしょう。おじいちゃんとのエピソードも素敵でジンと来ました。
これまでの短編や、別作品の対話篇で、映画に救われたり勇気づけられたりしたひとたちが、『ローマの休日』上映会に集っているのを想像して幸せな気持ちになりました。
本作や、対話篇のお話それぞれが少しずつリンクしていて、また読み返したくなる2冊になっていました。
とりあえず読み返すべきは、対話篇の『花』ですね。
Posted by ブクログ
過去に読んだ入間人間の六百六十円の事情とは比べ物にならないくらい洗練された群像劇。
各エピソードそれぞれなにかしらの映画が出てくる。
"太陽がいっぱい"にて最後の数ページが段落下げされている内容、それは実際の龍一の話なのか、それとも主人公がもう会えない龍一に対して物語の中だけでも龍一を救おうと書いた物語なのか。
"ペイルライダー"は後半の演出がやりすぎかな?と感じたが、この恐怖演出のおかげでペイルライダーという存在をより際立たせるために成功している。
特に自分が読み込んだのは最終章"愛の泉"で、特にそこに登場する浜石教授の言葉がとても良かった。
「君が人を好きになったときに取るべき最善の方法は、その人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳をすますことだ。そうすると、君はその人が自分の思っていたよりも単純ではないことに気づく。極端なことを言えば、君はその人のことを実は何も知っていなかったのを思い知る。そこに至って、普段は軽く受け流していた言動でも、きちんと意味を考えざるを得なくなる。この人の本当に言いたいことはなんだろう?この人はなんでこんな考え方をするんだろう?ってね。難しくても決して投げ出さずにそれらの答えを出し続ける限り、君は次々に新しい問いを発するその人から目が離せなくなっていって、前よりもどんどん好きになっていく。と同時に君は多くのものを与えられている。たとえ、必死で出したすべての答えが間違っていたとしてもね」
や
「easy come, easy go」 : 簡単に手に入るものは、簡単に手から離れていく
など。
また直接物語には関係してこないが、映画の豆知識やメタファーの説明も出てくる。例えば映画ショーシャンクの空にの挿入歌の説明など。
Posted by ブクログ
多分二度目かな。読むの。
2007年7月の本。
筆者は僕とほぼ同年代。近い地域で生まれたのかな。
あんまりほんとのとこを体験したことはないけど、「差別」やそれに対する反作用の凄さも耳にはしていた。
世の理不尽が、文化や文学を高めるために不可欠、という話は太宰治さんも何かの本に書いていた。
「昇華」というのだろうか。
言葉にすると簡単だけど、普通はそうはならない。
でも、時折そんなことがかたちになることがあるのか。この本にはそんな匂いを感じた。
踏み躙られた痛みが、優しさや強さになること。
多分、同じ時代を同じような地域で生きていないと
嗅ぎ取れないものな気がする。
まず第一に、僕の錯誤でしかないかもしれないんだけど。
「いまでも、僕はこの日のことをよく思い返し、こう考えてみる。もし、こんなひどい茶番劇に巻き込まれなければ、僕と龍一はもっと早く友だちになれただろうか、と。
逆に、この日の出来事が結果的に僕と龍一の結びつきを強くしたのではないか、と。」
p19
友人になるきっかけは、なにか強い嫌なことを共有することからも始まることがあると思う。
石地蔵、激しすぎる良い子ちゃん合戦。
それだけ記しても誰にも伝わらないが…
「準備のできていない人間の前では好きな人は転ばないのではないだろうか。」
P380
出会いについての話。レトリックにすぎないといえばそのとおりだが、後から思えばそういうことだったんだと、素直に思う。人との出会いに限ったはなしでもないけど。そう思うことで、気持ちよく得心できるように思う。
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