辻真先のレビュー一覧

  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
    昔のテレビのサザエさんで、脚本として画面で名前を見たこともある辻先生の作品。皆川先生、辻先生と言えば、御年90歳代で精力的な執筆活動をする凄い先生方なのだけど、一読者としてはただただ敬服するのみ、ほんと畏れ多いです。
    ジュビナイル的な雰囲気を残しながら、時代の変遷と当時の状況の描写が印象深く書き込ま...続きを読む
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
    昭和24年の名古屋、きっと作者の体験が反映された風景なのだろう。リアリティを感じさせる。
    トリックは突飛な気がするし、いろいろ都合よくものが運ぶ面はある。でも、青春ものの、どこかあっけらかんとした感じが心地よく、どんどん読めてしまう。
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
    戦後の色濃い、探偵推理小説。
    タイムスリップした様な感覚で読みました。
    今の時代からはちょっと想像しにくい様な、教科書でしか知らない昔。時代によって価値観も常識も変わるんだと当たり前の事に気づかされます。

    舞台は名古屋、わたしも以前住んでいたので広小路や栄などの地名が沢山登場するのは懐かしい気持ち...続きを読む
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選
    今でもヒット作を上梓する息の長いミステリー作家、短編の中から鉄道をテーマとした作品だけを集めた作品。

    全て短編、短い中にどんでん返しをうまく散りばめた名人芸が楽しめる。1980年代の作品も多くそれだけで郷愁を掻き立てられる。

    大垣夜行からムーンライトながら、そして父子の葛藤を描いた「遠い日、遠い...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    昭和ミステリーの第3弾?中盤までは、高度経済成長期にテレビ業界が飛躍していくであろう、当時の情景が詳しく記されていて、読んでいて単純に面白い(さすが現役の脚本家でもある作者らしい)。ただし、そんな話題の中にも、事件の鍵となるいくつかの仕掛けもしっかりあって、最後はなるほどと唸らさせるのはさすが。
  • ルパン三世 小説版<新装版>
    ルパン三世の小説
    アニメ見てたから本屋で見つけて即買い
    短編集かと思ったら、話が全て繋がってて、楽しく読むことができた。
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    『深夜の博覧会』『たかが殺人じゃないか』に続く、昭和ミステリシリーズの三作目。毎回異なる趣向だが、主要人物の一部が共通しているので、順番に読むとより楽しめる。個人的には本作がこれまでで一番好きかもしれない。

    今回の舞台は、活気にあふれる黎明期のテレビ業界。○HKのスタジオで起きた殺人事件の謎に挑む...続きを読む
  • 焼跡の二十面相
    乱歩の少年探偵団シリーズに捧げられたオマージュ作品は数多いが、小林少年以下のキャラクターが名前だけ登場するような、適当な作品も多い中で、本作は本家の堂に入ったトレースぶりで、群を抜く。ですます体の文体をトレースするだけでも充分に楽しいが、お話の面でも、例えば、小林少年とある人物が読者の目にはバレバレ...続きを読む
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
    『たかが殺人じゃないか』を読むために読んだ。

    ミステリー小説ながら、時代小説として充分読み応えがあって面白かった。当時の空気感が濃くて、逆に現代の常識が通じないところに気持ち悪さを感じた。すごい。

    実際の事件が起きるまでが、予想よりも待たされ、特に早く知りたいというモチベはなかなか湧かなかった。...続きを読む
  • チャンピオンRED 2021年7月号
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
    読書好きの友人から貰った探偵小説。面白く読めました。ありがとうございました。

    著者は名古屋生まれの脚本家、辻真先さん。昨年、「たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説」で年末ミステリーランキング3冠を達成。昭和7年のお生まれなので88歳というご高齢。本作は「たかが殺人じゃないか」の前日譚という位...続きを読む
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
     この前読んだ「たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)」の前日譚になる。今作は那珂一兵が探偵役を務める<昭和ミステリー>シリーズの第1作にあたり、彼以外にも主要人物が重複して登場する。昭和12年、彼はまだ似顔絵書きの少年である。しかし以前から活躍しており、知る人ぞ知る名探偵である。

     東京...続きを読む
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
    パズラーとして丁寧な造りだけれど、ミステリ色はあまり強くない。事件そのものも半ば近くまで起きないし、メイントリックもこの長さの長編を支えるには、少し弱い気がする。だから昭和初期を舞台にした風俗小説を読むきでないと当てが外れるかも知れない。個人的には大佛次郎を連想した。時代を先どっていた伯爵の、乾いた...続きを読む
  • にぎやかな落葉たち
    グループホーム「若葉荘」でのお話
    関係者の家族が過去に早くに亡くなっている
    のが多く感じました
    殺人現場の状況がいまいちわかりにくかったです
    過去の話も多く感じましたが
    それはあとの展開のためということで
    終盤の展開は・・・よかったです
    楽しめました
  • 義経号、北溟を疾(はし)る
    史実絡めた「あの時、あの裏にはこんな事件が!」系が大好きで。
    これは明治十四年、明治天皇が北海道へ行幸し義経号へ乗車する際に起きた列車運行の妨害事件と、屯田兵村で起きた首吊り事件の謎とを絡めた『歴史冒険推理』。
    正直、ミステリ部分については現場の図解が欲しい感じでしたが(笑)、それを補って余りある活...続きを読む
  • にぎやかな落葉たち
    最近ライトなものばかり読んでいたせいか、事件が起こるまでの過程をややまどろっこしく感じてしまったが、舞台となる土地やグループホーム、そして登場人物たちの関係を丹念に描いている。読み終わってみれば、なるほど納得の出来だった。
  • 未来S高校航時部レポート 戦国OSAKA夏の陣
    「子供のころ悔しかったのです。こんな強い真田軍団が、なぜ狸親爺の首をとれなかったんだ?人生の不条理をはじめて思い知ったぼくは、この物語を自分の胸がスッとする結末でしめくくることにしました」
    作者の言葉より

    昨年の大河ドラマ「真田丸」を見て、同じように思った視聴者も多かっただろうけど、そういう人に読...続きを読む
  • 迷犬ルパンと里見八犬伝
    新春ドラマとして放映するはずだった里見八犬伝。ところが進行役の女優・玉木梓が不慮の事故で命を落とす。代役に抜擢されたのは、どこか浮世離れした女優・滝沢さとみ。しかし彼女は房総に旅行中。そのさとみとひょんなことで知り合った朝日刑事とルパン達。さとみと共に犬や猫たちを保護してきた老女の不審な死を巡ってい...続きを読む
  • 北海で殺そう(電子復刻版)
    家出をした中学生の娘が残した置き手紙に、ミンキーモモの絵の封筒が 使われていたというだけで買ったが、二転三転する内容で面白かった。シリーズものらしいので他のものも読んでみたい。
  • ニッポン旅行の殿様~軍資金は少なくても、余は満足の裏ワザ~
     予算の高低に関係なく旅の醍醐味を味わうにはどうすればよいのか? 旅行の計画から道中の楽しみ方、旅籠での過ごし方等々 旅行後「世は満足」と言えるようになる事間違いなし!