辻真先のレビュー一覧

  • 残照 アリスの国の墓誌

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    ネタバレ

    辻真先の作品に登場するキャラクターたちが集う「蟻巣」が閉店。可能克郎がデスクになってるとか時間が経っているんだな~。那珂一兵の遭遇した事件が2つ。那珂一兵を偲びながら事件の真相を明かしていくメンバー。ちょっと悲しい気持ちになってしまった。ポテトとスーパーのシリーズも終わってしまったし寂しいな。シリーズのキャラクターがたくさんいすぎてちょっと何処で誰が登場しているのか分からなくなってるし色々シリーズ読み返していきたくなるな。

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    2025年11月23日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    杉江松恋さんから、たくさんのミステリを教わっています。本書でも「ガイド」と銘打ったコラムで、またまたいろいろ教わり、時間が足りない…とうれしい涙目になっています。

    「ガイド」は、4回目までミステリマガジンに連載され、5.6回目は書き下ろし。ミステリについて教わるのも、何歳になっても楽しい。

    オマージュの短編も粒揃い。
    個人的にはネロ・ウルフものが一番好みでした。
    本家を読んでないので、来年(笑)の課題図書にしようと思ったところ。
    扉絵は、エラリイが特に雰囲気良し。
    007も、まあパンチとお色気は控えめだけど、かなり良い線に感じました。

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    2025年11月17日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    ネタバレ

    楠谷佑「パブリック・スクールの怪事件」
    辻真先「アルセーヌ・ルパンのお引っ越し」
    斜線堂有紀「キャロル・ハートネル大いに憤慨す」
    水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」
    青崎有吾「シチリアオレンジジュースの謎」
    阿津川辰海「オムレツは知っていた」
    福田和代「南洋のアナスタシア」

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    2025年09月14日
  • 殺人の多い料理店

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    宮沢賢治について取材をしている記者・可能が、盛岡で「銀河ステーション」なるレストランをオープンさせた後輩の後藤に会いに行くことから事件ははじまる。

    宮沢賢治作品の朗読会のシナリオに紛れ込んだ、贋作童話「プラネトーとマグネトー」。
    大学の賢治サークル「羅須地人クラブ」のメンバーが、賢治作品になぞろえられて殺害されていく。
    宮沢賢治の「アメニモマケズ」の境地に、生きながら辿り着いていた三木司郎という青年の死。

    殺人事件ミステリとして、というよりも、宮沢賢治作品のすばらしさを改めて感じさせてもらえた。
    そういう意味でのおもしろさが上回った。
    ラストは、ありがちな感じするけど、悲しい恋の結末。

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    2025年08月11日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    1949年の戦後間もない名古屋を舞台にした高校生達のお話。
    推理小説研究会の部長である勝利は、
    映画研究会との合同旅行で湯谷温泉へと向かうことに。
    そしてそこで遭遇してしまう、密室殺人事件。
    この事件を筆頭に、夏休み最終日、
    キティ台風が襲来する夜に起こる首切り殺人事件。
    この二つの不可解な事件に巻き込まれた勝利たちは、真相を追うことになる。

    学制改革による旧制中学卒業後の特別な1年間の高校生活を描いていて、
    男女共学が始まったばかりということもあって、学生達の戸惑いが新鮮だった。
    こういった時代背景を下地にしながらも、
    とても大昔の出来事とは思えない、現代に通じる人間描写の数々。

    『たか

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    2025年08月09日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    新旧含め話題のミステリ作家が定番の名探偵を使って短編を書き、杉江松恋がミステリ論を展開する入門書。最近のミステリのみを読んでいる大人にも超おすすめの一冊です。なんとなくスルーしている昔の定番名作も紹介されていて、読みたい本が増える危険な一冊でもあります。ルビあり、229ページ。中学年ぐらいから大丈夫ですが、多くの子が読めるようになるのは高学年くらいからかなぁ。各中表紙に探偵挿絵あるのと、ミステリ論ごとに四コマまんがあり、手に取りやすくなっています。紹介される小説は完全に大人向け。
    「パブリック・スクールの怪事件」 楠谷佑
    ホームズとワトソンが男子寮で起こった事件を解決します。
    「アルセーヌ・ル

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    2025年07月29日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    タイトルの「たかが殺人」の意味が昭和24年という時代とオーバーラップしていることに気づいたとき、初めてこの作品の面白さが伝わってきた。参考文献の多さが、戦後間もない頃の殺人事件を巧妙にまとめあげた熱意を物語っている。

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    2025年07月21日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    海外ミステリの有名な名探偵たちを取り上げたパスティーシュ作品のアンソロジー&ブックガイド。子供向けのように思えますが、大人も充分に楽しめます。初心者向けのようでもあるけれど、ミステリファンにとっても読みごたえは充分にあります。読み終えたらさらにミステリを読み漁りたくなります。国内ミステリ版も出していただけませんでしょうか。
    お気に入りは水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」。他の作品は面白かったけれど、だいたい真相がわかったのですが。これだけぜんっぜん解けませんでした。ミス・マープルの脱線したかのような話がきちんと関わってくるところも見事だし。
    ブックガイドも古典的な定番を押さえているように見え

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    2025年06月06日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    豪華で楽しいミステリ入門。
    古典メインの海外ミステリ作品の紹介、名探偵パスティーシュ、豆知識など、楽しみ方満載。既にミステリに慣れ親しんでいる身にも、改めてまとめられたものを読むことで再発見があります。

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    2025年04月17日
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ

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    ノリとしては『深夜の博覧会』に近い感じで、ミステリ色はかなり薄め。冒頭でのチラ見せはあるものの、実際に事件が起きて、物語がミステリ的に動き出すのは終盤に至ってから。それまでの展開に伏線的要素はもちろん含まれているものの、無関係な部分の方が圧倒的に多い。そんなわけで、草創期のテレビの内幕を(当事者が)生き生きと描いた風俗小説と思って読んだ方が楽しめるかも知れない。辻氏の実体験に基づくのだろう描写の数々は記録としても貴重。

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    2025年04月08日
  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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    序盤と中盤の「なんか事件が起こってるっぽいけどよく分からねぇ」からの、終盤の「え。あれってそういう意味だったの?!」の流れが秀逸で癖になりそう。明智小五郎が出てくるし、怪人二十面相も実は登場してるのがいい!!面白かったです。

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    2025年04月03日
  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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    大正を舞台に明智小五郎とある人を絡めながら辻作品のキャラの先祖を含めて紡いだミステリは複雑ですがなかなか面白かった。
    大正だからこその因果や因習を背景にした物語はいいし、90を超えた作家の作品とは思えない。
    ほんわかとした語り口と事件自体の陰惨さは辻さんらしい。

    2817冊
    今年45冊目

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    2025年02月17日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    昭和12年7月7日夜、中国北京の盧溝橋で鳴り響いた発砲音。やがて日中は戦争状態となり、昭和20年8月に無条件降伏するまで続く。

    アメリカ軍との太平洋を舞台にした戦闘に比べ、中国との戦争はあまり知られていない。
    中国、台湾、韓国といった東アジアの人々から見たら、当時日本という国が何を考え何をしたかは、知っておくべきこと。

    昭和12年に名古屋で開催された博覧会を舞台にしたミステリー。
    あまり物語には馴染まない名古屋で、怪しげな“〇〇館の殺人”的カラクリ満載で、思春期の少年が主役で、なんだか小説の描写自体もノスタルジーを感じる仕掛けだ。

    次作の副題「昭和24年の推理小説」に対し、本作が「昭和1

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    2025年02月07日
  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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    御歳92歳の辻翁の最新作。

    大正年間の世田谷の館を舞台にした連続殺人事件。

    若き日の明智小五郎や怪人二十面相も登場する。

    叙述、密室、当時ならではの道具立て、名探偵、どんでん返し等々、時代の雰囲気とミステリーの要素満載の快作。
    記述やアイディアの若々しさは年齢を全く感じさせない。

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    2025年02月01日
  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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    ネタバレ

     辻真先さんっておいくつでしたっけ?自分らが子供の頃のアニメの脚本をやられていたような。

     そういう大御所だけに、大正時代の描写がリアル。そこが最近のうすっぺらい推理物とは大違いですわね。

     明智小五郎の探偵誕生譚ってことになるのかな。そういうのって著作権とかもういいのかしらね。

     さて、本題ですが、「以心伝心」(テレパシー)とかが普通に出てきて、まあ大正だからいいかあと寛容な態度で読ませていただきました。怪しい奴は最初から予想ついたし、謎解きで初めて明かされることばかりですが、まあ、いいかあ。

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    2025年01月08日
  • 焼跡の二十面相

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    さすが辻さんらしいパスティーシュでありながらその時代をキーにしたミステリであり、ラストのオチも含めていいね。

    2759冊
    今年198冊目

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    2024年12月17日
  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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    大正時代、奇妙奇天烈な「むの字屋敷」で起こった事件を追え #命みじかし恋せよ乙女 #少年明智小五郎

    ■あらすじ
    大正時代、新聞記者の可能勝郎は富豪の屋敷に取材に来ていた。当主である余介が屋敷になかむら座を招いて「番町皿屋敷」を上演するためだ。

    開演日まで関係者に取材を続けていた勝郎だったが、ある酔った宵、女性の死体を見かけてしまう。しかしドタバタの中、いつの間にか死体が消失してしまって…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    大正ロマンにしっとり浸れる作品。若干の艶っぽさがスパイスになって、独特の雰囲気に包まれますね。まるでお芝居を観てるかのような場面の移り変わりや台詞のやり取りで、大御所先生な

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    2024年12月07日
  • 改訂・受験殺人事件

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     スーパー&ポテトシリーズ第3弾の本作は、大学受験を控えた高校生が次々に校歌を示唆するような見立て通りに殺され、「私が真犯人なのだ」という不可解なはしがきも考察し甲斐があるメタミステリーで、受験戦争が激化し始めた時代で起きた殺人事件に加えて、犯人の心情に考えさせられた。

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    2024年11月09日
  • サイボーグ009 太平洋の亡霊

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    サイボーグ009、テレビ作品と共に育った。
    元々彼らの成立には、強烈な反戦感情があると思う。
    そして、本作品は、太平洋戦争を題材にした強烈な反戦作品。
    日本人が冷静になって考えれば、きっと心の奥底に持つその心に訴える。

    ただ、反戦は武装解除ではない。
    サイボーグ戦士たちは、強力な戦士である。

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    2024年11月04日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    3部作の1作目。名古屋が舞台であり満州国や阿片や関東軍などひと言では表せないくらい激動の時代なので一兵たちの会話が明るかったとしても内容も事件も重い。エログロと表現されこの時代にそういうものが流行っていたとは言え、人の考えることやることはエグい。気球から降ってきた血液や犬が咥えていた足、杏と澪に起きたことなどトリックの謎解きもきちんとされ解決はされるけど、切ないような物悲しいようなこの後日本が辿る昏い歴史が更に重たくのしかかる。だけどやっぱり知識として得るものは多いし探偵くんには楽しませてもらった。

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    2024年10月29日