辻真先のレビュー一覧

  • 本格・結婚殺人事件
    キリコと薩次、ついに結婚?!
    薩次(ポテト)が文学賞の大賞をとってのプロポーズ、やったー。
    で、選考会の記録での大賞候補作が3本。
    どれも選考委員には評価が芳しくないんだけど、どれがポテトの作品?
    受賞者は当面明らかにしないというのも、なんなんだろう?
    殺人に交通事故に失踪と、選考委員に災難が襲い掛...続きを読む
  • 盗作・高校殺人事件
    キリコと薩次のコンビは高校生になっても健在。
    そこに、あんなシーンもあるなんて、やるねぇ。
    探偵2人の軽妙さに比べて事件はなんとも重い。
    高校生カップル2組とのやり取りはそれぞれに個性的で楽しいのに。
    作者は被害者で犯人で探偵というのはどういうことか。
    幕間に挟まれる一見関係なさそうな話はどう繋がる...続きを読む
  • 改訂・受験殺人事件
    受験戦争か。
    辛いね。
    キリコと薩次にはそういう悲壮さはまったくないのが救い。
    でも、事件の真相は、、、
    2人なら、きっとそれを乗り越えていける。
    卒業後の2人を描いた作品がないのは残念。
  • 仮題・中学殺人事件
    ザ昭和な感じがたまらない。
    雰囲気にどっぷり浸って堪能した。
    その上、犯人は読者って、どんな仕掛けがあるのか、わくわくする。
    主人公は、中学生の薩次とキリコ。
    気が強くて有能な美少女と、ちょっと気弱なポテトくん。
    この2人の掛け合いがまた楽しい。
    キリコの兄もナイスキャラ。
    幕間に挟まれる、一見関係...続きを読む
  • 焼跡の二十面相
    乱歩の描く少年探偵団の空白の時代を埋める、辻真先版小林くんと二十面相。めちゃくちゃ面白かった。

    終戦直後の8月の東京、明智先生の復員を1人待つ小林くんの前に、暴走する輪タクを追う旧知の中村警部と出会い、追跡を手伝うものの、池に落ちた輪タクからは死体が。

    戦後すぐの生々しい焼け跡とそこに住む人々、...続きを読む
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
    「犯人はお前だ!」から始まり「ヘェ、私が犯人?」に終わる小説でした。
    鉄道ファンの私も唸る当時の鉄道描写もさることながら終戦後の混乱期のままならなさがとても印象的でした。
    偶々手にした本でしたがとても面白かったです。辻先生のほかの本も読んでみます。
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
     コロナ禍真っ只中の2020年、年末ランキング3冠を達成。当時、著者の辻真先さんは御年88歳。91歳となった現在でも作家として活動中であり、頭が下がる。というわけで、文庫化を機に、初の辻作品を手に取ることにした。

     サブタイトルに「昭和24年の推理小説」とあるように、時代は戦後間もない頃。何となく...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    ああ、昭和だ。
    私が生まれるよりはひと昔前の昭和。
    テレビが台頭し始めた頃。
    今でも知られた名優たちの名前がちりばめられている。
    辻氏がテレビのお仕事をされていたそうで、当時の内情が詳しく語られているのも興味深い。
    登場人物もなかなかに個性的で面白い。
    みはる嬢がどれほどのものを抱えていたのか、想像...続きを読む
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選
    氏の過去の鉄道ミステリ集。
    瓜生夫妻もの、懐かしいなぁ。辻作品に触れるきっかけは、赤川次郎氏の三毛猫ホームズに対抗した『迷犬ルパン』シリーズだったのを思い出す。
    収録の作品は、ホラー?と思わせるものもあったりして、テイストが色々で楽しい。
    1作、先日TVで見た星新一氏の作品の結末を連想するものもあり...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    昭和シリーズ3作目。昭和36年、まだ生放送中心のテレビ局が舞台。高度成長の直前の時代。これまでの作品の登場人物も登場するが、12年おきの登場なので、立場も違っている。私が生まれた年のことなので、覚えていないけれど、時代の雰囲気はわかる気がする。テレビ番組や芸能人の名前もたくさん出てくるので、記憶と照...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    生放送中のテレビドラマ。スタジオで主演女優が殺される。草創期のテレビ業界を舞台とした密室殺人事件。

    筆者が実際に携わっていたというテレビ業界。当時はビデオテープも普及しておらず、ドラマでさえ生放送だったという。3台のカメラを切り替えて複数のセットを活用。一瞬の隙に主演女優が殺されるという話。

    ...続きを読む
  • 魔球エース1

    投げてみたい

    ドラベースや巨人の星に憧れて魔球を練習していた自分を思い出しました。野球すきな大人を熱くさせる作品なので読んでください。
  • あじあ号、吼えろ!
    1945年8月9日払暁、ソ連は第二次世界大戦に参戦。満州への攻撃を開始した。迎える関東軍は戦力の大半を南方に向けており殆ど戦力として機能せず、ソ連機械化部隊は燎原の火の勢いで侵攻を開始した。その時、活劇俳優の神住恭は映画撮影の為にハルピンにいた。ソ連参戦を聞いてハルピンから退避しようとした神住は、混...続きを読む
  • 盗作・高校殺人事件
     メタミステリーの類であるスーパー&ポテトシリーズ第二弾。前作の「読者が犯人」であるのに対し「作者は被害者です犯人です探偵です」というキャッチフレーズに惹かれて読み進めたが、スーパー&ポテトの話が面白いのはもちろん、メタ要素と上手く絡めた二重構造になっているのが印象的だったし、タイトル回収も「なるほ...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
     十二年周期の昭和物ならば、60年のミステリを望むのは酷かな。
     でも、48年は、その後のみんなの様子を知りたくなる。
     推理小説というよりも、小林信彦さんの初期テレビ物に近い感じ。
  • 盗作・高校殺人事件
    前作に引き続き朝日ソノラマ文庫で何度も読んだ想い出とともにノスタルジックな心持ちになりながら。

    ポテトの早業がこの作品のクライマックスだなぁ。
  • 仮題・中学殺人事件
    リアル中学生の時に当時の朝日ソノラマ文庫で何度も読んだ思い出の作品。

    今読むとも微妙に感じる部分ももちろんあるのだが、それ以上に郷愁と思い出補正もあることは認める。

    ポテトがまだ「ジャガイモ」という表現だったことにちょっと驚き。
    買って良かった。
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
    戦後すぐの名古屋を舞台にしたミステリ。民主主義に移行したものの、それまでの軍国主義から抜け出せない大人たちが醜悪で、また戦争で真っ先に犠牲になる女性たちが憐れで悲しい。当時10代だった作者の怒りと戸惑いが感じられる小説だった。一方でミステリ(トリック)は私の好みではない。どちらの殺人も可能かもしれな...続きを読む
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
    戦後の男女共学が始まった時代を背景につらく切ない青春物語と年配者が喜びそうな戦争前後の往年のハリウッドスター達の話し、そうした話の筋とはやや違和感を感じる密室とバラバラ殺人。そうしたプロットが上手く融合して楽しめる。
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    昭和三部作の三作目。前作までのネタバレもろに食らうので注意。駆け出しミステリ作家となった風早がシナリオを書いたミステリドラマの生放送中に主演女優が刺殺された。スタジオは締め切られていたため犯人はその中にいるはずなのに該当者が浮かばない。風早と美術担当の那珂がこの謎に挑む。前作高校生の風早が一気に大人...続きを読む