辻真先のレビュー一覧

  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    昭和36年。作家という肩書きだけでは食えない勝利は、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった高校の同級生、大杉に声をかけられ、ミステリ短編ドラマの脚本を手がけることになる。
    なんとか脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。
    ほぼ生での放送。いくつものアクシデントを乗り切り、さあフィナーレというとこ...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    推理小説としては、まぁこんなもんかという感じだったんだけど、全編流れるなんというか、ノスタルジーともちょっと違う、そうだな、多分語り口なんだろうな。それがなんとも良くて、話の筋はそんなに追いかけずに終わってしまった。昭和36年なんて生まれてもいないから正直懐かしいなんて感じが起こるわけでもないのにな...続きを読む
  • 迷犬ルパンと「坊っちゃん」 『四国殺人Vルート』改題
    辻真先の長篇ミステリ作品『迷犬ルパンと「坊っちゃん」(原題:四国殺人Vルート)』を読みました。
    ここのところ、国内の作品が続いています。

    -----story-------------
    四国松山の名門中学出身の少女が東京で殺された。
    朝日正義刑事は四国へ向かったが、偶然道後温泉を訪れていたルパンた...続きを読む
  • 北海道・幽霊列車殺人号
     北海道のよく聞く地名がそこかしこに出てきて面白かったー!!

    この著者の本は初なんですが、読みやすいミステリーで他のも読んでみたくなりました!!!

    赤川次郎のような会話多めミステリーでもあるし、土地柄がでてくるところは櫻子さん的でもある。

    ミステリー入門としてとーっても入りやすいです。

    リア...続きを読む
  • アリスの国の殺人<新装版>
    本書もたまたま見かけたものである。
    ファンシーなデザインや、大小さまざまのフォントや鏡文字など、見かけ上でも楽しい工夫がされていたし、アリスの世界における謎解きも、不思議の国におけるある意味筋の通った(?)推理が展開されていて面白かった。ただ、不思議の世界の醸し出す雰囲気と、「現実」との最後の落差に...続きを読む
  • アリスの国の殺人<新装版>
    ワンダーランドと現実世界を行き来しながら繰り広げられる2つの事件。ラストは逃避なのか、それとも病的な何かに飲まれたのか。
    アリスの世界観ならではの言葉遊びやタイポグラフィー等の工夫が面白い。
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選
    お座敷列車殺人号/夜行急行殺人号/
    ブルートレイン殺人号/a列車殺人号/郷愁列車殺人号/
    白い闇の駅/オホーツク心中/遠い日、遠いレール/
    終電車の囚人/鉄路が錆びてゆく/
    東京鐵道ホテル24号室/轢かれる

    鉄道好きな人には面白いかもしれない
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選
    国鉄がでてきて懐かしい。
    鉄道に関するミステリを集めた短編集。
    辻真先さんのイメージがポテトとキリコとカリオストロの
    ノベライズのイメージしかなかったので、楽しい気楽な話が多いのかなと思ってたけど、心の複雑さというか男女の心のすれ違いというか、なんというか大人向けなのかなと思いました。
  • 義経号、北溟を疾(はし)る
    天皇の乗るお召し列車の妨害計画を阻止せよ!その任務につくのは元新撰組の斎藤一こと藤田五郎と清水次郎長の子分、法院大五郎。このコンビがそれぞれのキャラがなかなか良いのに加えて、そこに起きる殺人事件、土方歳三の置き土産のアイヌ娘メホロ、メホロVS春乃、元八丁堀の個性豊かなメンバーたち、そしてどうやってお...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    テレビ創生期の虚実入り混じったエピソードが時代の空気を伝える。一種のノンフィクションといえるだろう。それだけで読み応えがある。

    ミステリは…… なにもこれでなくても。切ない。
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
    昭和12年の銀座と名古屋が舞台のミステリー。実際に1937年に開催された名古屋汎太平洋平和博覧会が物語に取り込まれており、読む楽しさを倍増させてくれます。読み終わったあと、当時の会場の写真を検索してしばらく見入ってしまいました。
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    昭和シリーズ第3弾。生放送中に主演女優が殺された。
    というわりに、事件の話はちょっとしかでてこず、昭和36年のテレビ局の話が主かな。若かりし頃の黒柳徹子さんをはじめ、昭和のスターがたくさんでてくる。
  • 殺人の多い料理店
    ミステリとしてみた場合、トリックがかなりちゃち。作中に使い回しのトリックであることを仄めかす描写があるので、これは言い切ってよかろう。フーダニットとしても、ロジックとは無縁に、多分、この辺が犯人だなあで、なんとなく(動機込みで)分かってしまうタイプ。とはいえ、プロのお仕事で読んでる間は充分楽しませて...続きを読む
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    卒寿記念作品とは…。現役最高齢のミステリー作家だろうな。いつもの独特の節回しの文章と昭和の空気感、実名の芸能人のエピソードは楽しめたが、肝心のミステリーはその分、疎かにされてないか?次の作品に期待。
  • 日本・マラソン列車殺人号
    極めて凝ったトリックが用いられているので、こういうことを言うのは気が引けるが、やっぱり読み飛ばすものの気がする。トラベルミステリーってそういうものかも知れないし。
  • ルパン三世 小説版<新装版>
    兄妹愛とルパン一味の掛け合いが面白い。
    途中の挿絵が描写を捉えている。
    不二子ちゃんは悪い人だよね。
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
    時代描写が長く、事件に入るまでに挫折しそうになりました。内容もグロテスクで、自分の好みには合いませんでした。
  • 夜明け前の殺人
    舞台上演中に服毒死した主演女優。本当に自殺だったのかと疑問を持った弟が調査を始める。タイトルにも含まれる島崎藤村の『夜明け前』と演劇業界の裏側を描きながら、真相に迫っていくミステリ。

    謎とヒントのバランスがとても絶妙で読んでいて自分も謎解きを味わうことができました。そして登場人物もとても魅力的で・...続きを読む
  • 夜明け前の殺人
    演劇界の裏側や、藤村の謎、最近は珍しくなったスーパーマンな主人公や、これは今風のヒロインと、色々盛りだくさんだけれども、本質は端正なフーダニット。犯人の名にそこまでの意外感はないが、何故、その人物が犯人なのかの論証は実に楽しい。でも、その後の幕切れはなあ。
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
    あまり好きではなかった、誇れなかった愛知が、名古屋が極彩色で描かれる。エネルギッシュで華やかで退廃的な昭和一桁の魅力あふれる人々に、不安の翳りを感じる戦争の気配。
    若干エログロ寄りミステリー何だけど、それ以上に当時の息遣いの感じられる紀行文みたいで愉快千万。
    今は亡き、祖父母に贈りたい物語。