辻真先のレビュー一覧

  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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    大正時代の荏原郡世田谷村。荏原の方が世田谷より地域として広かったのにまず驚く。駒沢駅から歩いて1時間というから、今で言うと田園調布か上野毛あたり?もっと多摩川に近い描写があるが、地形も多摩川の流れも変わっている可能性がある。郷士の住宅「むの字屋敷」が舞台。名前の通り、増築を重ねたり、舞台を作ったりした結果、上から見ると「む」の字のような形の屋敷。何度も図面を見直しながら読んだ。本格推理としても整っている一方で、少年少女のやりとりが楽しい。面白かった。

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    2025年09月09日
  • 命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎

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     スーパー&ポテトシリーズの可能キリコの先祖やかの有名な明智少年が訪れた『むの字屋敷』で起きる連続殺人事件を捜査する本格ミステリーで、館×特殊設定のミステリー好きを擽る構成と大正時代の鮮明な情景描写や江戸川乱歩御大を彷彿とさせるストーリー展開など最後まで面白かった。改めてスーパー&ポテトシリーズや昭和三部作を読みたいと思った。

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    2025年01月08日
  • 戯作・誕生殺人事件

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    ポテト&スーパーのシリーズも、とうとう完結かぁ。
    こんなに長く続いたシリーズだけに感慨深い。
    新装版で改めて読み返して、色褪せない面白さを再確認したし。
    今作では、なにしろ、キリコがいよいよ母になる!
    しかも、冒頭がいきなりあれで、まさかの出産を間近に控えて嵐の山荘になるのか、とどきっとしたわ。
    ポテトは海外に出張中のようだし、しっかりしていても、ほんの少女とキリコが2人きりでは、と。
    そこでは、過去に神隠し事件があり、謎は解決していないし、小さな集落で人間関係は複雑だし。
    それが、すっきり解決するのは、素晴らしいカタルシス。
    思いもよらない展開だった。
    まさに、シリーズの完結にふさわしい大団

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    2024年12月01日
  • 盗作・高校殺人事件

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    「作者は 被害者です/犯人です/探偵です」の文言に偽りなし。意外性のあるトリックに騙された。メタミステリは構造が複雑で、変化球のトリックが使えることが魅力だと思う。

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    2024年10月16日
  • 戯作・誕生殺人事件

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    ミステリーは卒業したと思っていましたが、辻真先さんの作品を読んでみたいと思いました。大人のミステリーでした。泣いてしまいました。感動しました。

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    2024年08月21日
  • 仮題・中学殺人事件

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    犯人=読者という、前代未聞のミステリ。小説の「読者」に語りかけることから、メタミステリの要素を多く含んでいる。そして「真犯人は読者である」というフレーズの意味が終盤に反転するどんでん返しには唸った。

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    2024年05月30日
  • 本格・結婚殺人事件

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    キリコと薩次、ついに結婚?!
    薩次(ポテト)が文学賞の大賞をとってのプロポーズ、やったー。
    で、選考会の記録での大賞候補作が3本。
    どれも選考委員には評価が芳しくないんだけど、どれがポテトの作品?
    受賞者は当面明らかにしないというのも、なんなんだろう?
    殺人に交通事故に失踪と、選考委員に災難が襲い掛かるし。
    何がどうなってるんだか読むほどに混乱。
    ポテトとキリコの熱々っぷりは読んでるこちらが照れるw
    殺人のトリックは、いつものことながら思いつきもしなかった。
    しかし、あの社長、ちょいと情けない、というかだらしないな。器じゃないよ。
    とはいえ、とんとん拍子の謎解きのカタルシス。
    他作品からの出張

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    2024年04月03日
  • 改訂・受験殺人事件

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    受験戦争か。
    辛いね。
    キリコと薩次にはそういう悲壮さはまったくないのが救い。
    でも、事件の真相は、、、
    2人なら、きっとそれを乗り越えていける。
    卒業後の2人を描いた作品がないのは残念。

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    2023年12月03日
  • 盗作・高校殺人事件

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    キリコと薩次のコンビは高校生になっても健在。
    そこに、あんなシーンもあるなんて、やるねぇ。
    探偵2人の軽妙さに比べて事件はなんとも重い。
    高校生カップル2組とのやり取りはそれぞれに個性的で楽しいのに。
    作者は被害者で犯人で探偵というのはどういうことか。
    幕間に挟まれる一見関係なさそうな話はどう繋がるのか。
    40年以上前の作品とは思えない面白さ。
    色褪せないって素晴らしい。
    さて、3作目に突入。

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    2023年12月03日
  • 仮題・中学殺人事件

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    ザ昭和な感じがたまらない。
    雰囲気にどっぷり浸って堪能した。
    その上、犯人は読者って、どんな仕掛けがあるのか、わくわくする。
    主人公は、中学生の薩次とキリコ。
    気が強くて有能な美少女と、ちょっと気弱なポテトくん。
    この2人の掛け合いがまた楽しい。
    キリコの兄もナイスキャラ。
    幕間に挟まれる、一見関係のなさそうなパートはどう絡むのか。
    楽しかったので、引き続き2作目に突入。

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    2023年12月02日
  • 焼跡の二十面相

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    乱歩の描く少年探偵団の空白の時代を埋める、辻真先版小林くんと二十面相。めちゃくちゃ面白かった。

    終戦直後の8月の東京、明智先生の復員を1人待つ小林くんの前に、暴走する輪タクを追う旧知の中村警部と出会い、追跡を手伝うものの、池に落ちた輪タクからは死体が。

    戦後すぐの生々しい焼け跡とそこに住む人々、戦中軍部から甘い汁を吸っておいて、戦後にはすぐ駐留軍に尻尾を振る悪い奴ら……そんな世相をこれでもかと活写する、こんな小説本当に辻真先にしか書けないと思う。

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    2023年09月12日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    「犯人はお前だ!」から始まり「ヘェ、私が犯人?」に終わる小説でした。
    鉄道ファンの私も唸る当時の鉄道描写もさることながら終戦後の混乱期のままならなさがとても印象的でした。
    偶々手にした本でしたがとても面白かったです。辻先生のほかの本も読んでみます。

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    2023年08月21日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    ネタバレ

     コロナ禍真っ只中の2020年、年末ランキング3冠を達成。当時、著者の辻真先さんは御年88歳。91歳となった現在でも作家として活動中であり、頭が下がる。というわけで、文庫化を機に、初の辻作品を手に取ることにした。

     サブタイトルに「昭和24年の推理小説」とあるように、時代は戦後間もない頃。何となく避けていた理由だが、読み始めるとぐいぐいと引き込まれる。古臭さは一切感じない。むしろ瑞々しい。活字が小さい創元推理文庫だが、早く読みえた。

     占領下の学制改革で、新制高校3年として1年間だけ共学で過ごすことになった主人公・風早勝利。辻さんは終戦時に13歳だったそうなので、勝利はほぼ辻さんご本人と同

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    2023年06月29日
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選

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    氏の過去の鉄道ミステリ集。
    瓜生夫妻もの、懐かしいなぁ。辻作品に触れるきっかけは、赤川次郎氏の三毛猫ホームズに対抗した『迷犬ルパン』シリーズだったのを思い出す。
    収録の作品は、ホラー?と思わせるものもあったりして、テイストが色々で楽しい。
    1作、先日TVで見た星新一氏の作品の結末を連想するものもあり、ちょっとにやり。
    収録作品に登場する路線も全国あちこちだし、今となってはすっかり見かけない「急行列車」も登場して懐かしい。
    新シリーズの発表も続いていることだし、迷犬ルパンシリーズも復刊してくれるのを期待しちゃおう。

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    2022年09月30日
  • 魔球エース1

    購入済み

    投げてみたい

    ドラベースや巨人の星に憧れて魔球を練習していた自分を思い出しました。野球すきな大人を熱くさせる作品なので読んでください。

    #カッコいい #エモい #アツい

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    2022年07月03日
  • あじあ号、吼えろ!

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    1945年8月9日払暁、ソ連は第二次世界大戦に参戦。満州への攻撃を開始した。迎える関東軍は戦力の大半を南方に向けており殆ど戦力として機能せず、ソ連機械化部隊は燎原の火の勢いで侵攻を開始した。その時、活劇俳優の神住恭は映画撮影の為にハルピンにいた。ソ連参戦を聞いてハルピンから退避しようとした神住は、混乱するハルピン駅で撮影旅行列車と偽って特別編成された列車に飛び乗ることになる。その列車とは、運転休止になったはずの『あじあ号』を牽引していた「パシナ型蒸気機関車」に編成された列車であった。ソ連空軍、中国ゲリラ兵、そして関東軍から離脱した中国反乱軍の追撃をかわし、大連めざして『アジア号』が鉄路を駆ける

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    2011年08月19日
  • 盗作・高校殺人事件

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    ネタバレ

    新宿駅の爆発事件に遭遇し、病院に担ぎ込まれた牧薩次。病院で同室の三原恭助と上野武と意気投合し、退院後恭助の実家がある鬼鍬温泉へみんなで出かける事になる。
    春休みに盗まれた恭助のバイクでひき逃げされ死んだ従姉弟の怜子の幽霊が恭助の周囲い現れる。
    薩次たちが帰った後、密室状態の部屋で殺害された恭助。
    恭助がバイクと盗まれた小説。

    ポテトとスーパーのシリーズは軽い雰囲気の中でも事件の真相が辛かったり、寂しかったりする。
    仕掛けの方も面白いので好き。

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    2025年12月21日
  • 改訂・受験殺人事件

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    ネタバレ

    大学受験直前の秋。牧薩次と可能キリコは残りの高校生活を謳歌していた。11月の学園祭の翌日、学校一の秀才・有原が校舎から飛び降りた。しかし遺体は消え、4時間後に発見された。12月にはクリスマスパーティで薩次たちの友人・田辺進一郎が殺害された。薩次は2つの殺人が校歌に沿った見立て殺人と気が付くが…。

    受験戦争だったり、万引きだったり青春の中でも暗い部分が…。薩次とキリコ、克郎とかのやり取りは明るかったり楽しかったりするのに、事件の真相は歪んでいる。
    ちょっと切なくなるシリーズで好き。

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    2025年12月21日
  • 仮題・中学殺人事件

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    ネタバレ

    人気マンガ原作者が佐賀県で殺された。2人の少女マンガ家に容器がかかるが、2人にはアリバイが…。容疑者2人にインタビューをする克郎について事件の捜査をする牧薩次と可能キリコ。
    キリコと薩次が通う中学の女子トイレで起きた生徒の刺殺事件。密室状態の現場。
    飛行機事故を起したパイロットが滞在先のホテルから転落した。転落前に何者かに刺された被害者。

    ポテトとスーパーのコンビ。ここでは「ジャガイモ」って呼ばれている。
    ソノラマ文庫版とは少し結末が。

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    2025年12月21日
  • 殺人小説大募集!!

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    楽しかった。
    ある雑誌社に応募された小説の中から選んだ10作品。
    一つひとつ面白いのですが、すべてを読んでさらに面白さが増しました。
    あれ?と思うところが多々あったのですが、最後まで読むとそうだったのかと。
    すらすら読めてほんと楽しかったです。

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    2025年12月02日