辻真先のレビュー一覧
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犯人=読者という、前代未聞のミステリ。小説の「読者」に語りかけることから、メタミステリの要素を多く含んでいる。そして「真犯人は読者である」というフレーズの意味が終盤に反転するどんでん返しには唸った。Posted by ブクログ
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受験戦争か。
辛いね。
キリコと薩次にはそういう悲壮さはまったくないのが救い。
でも、事件の真相は、、、
2人なら、きっとそれを乗り越えていける。
卒業後の2人を描いた作品がないのは残念。Posted by ブクログ -
「犯人はお前だ!」から始まり「ヘェ、私が犯人?」に終わる小説でした。
鉄道ファンの私も唸る当時の鉄道描写もさることながら終戦後の混乱期のままならなさがとても印象的でした。
偶々手にした本でしたがとても面白かったです。辻先生のほかの本も読んでみます。Posted by ブクログ -
コロナ禍真っ只中の2020年、年末ランキング3冠を達成。当時、著者の辻真先さんは御年88歳。91歳となった現在でも作家として活動中であり、頭が下がる。というわけで、文庫化を機に、初の辻作品を手に取ることにした。
サブタイトルに「昭和24年の推理小説」とあるように、時代は戦後間もない頃。何となく...続きを読むPosted by ブクログ -
ああ、昭和だ。
私が生まれるよりはひと昔前の昭和。
テレビが台頭し始めた頃。
今でも知られた名優たちの名前がちりばめられている。
辻氏がテレビのお仕事をされていたそうで、当時の内情が詳しく語られているのも興味深い。
登場人物もなかなかに個性的で面白い。
みはる嬢がどれほどのものを抱えていたのか、想像...続きを読むPosted by ブクログ -
氏の過去の鉄道ミステリ集。
瓜生夫妻もの、懐かしいなぁ。辻作品に触れるきっかけは、赤川次郎氏の三毛猫ホームズに対抗した『迷犬ルパン』シリーズだったのを思い出す。
収録の作品は、ホラー?と思わせるものもあったりして、テイストが色々で楽しい。
1作、先日TVで見た星新一氏の作品の結末を連想するものもあり...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和シリーズ3作目。昭和36年、まだ生放送中心のテレビ局が舞台。高度成長の直前の時代。これまでの作品の登場人物も登場するが、12年おきの登場なので、立場も違っている。私が生まれた年のことなので、覚えていないけれど、時代の雰囲気はわかる気がする。テレビ番組や芸能人の名前もたくさん出てくるので、記憶と照...続きを読むPosted by ブクログ
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生放送中のテレビドラマ。スタジオで主演女優が殺される。草創期のテレビ業界を舞台とした密室殺人事件。
筆者が実際に携わっていたというテレビ業界。当時はビデオテープも普及しておらず、ドラマでさえ生放送だったという。3台のカメラを切り替えて複数のセットを活用。一瞬の隙に主演女優が殺されるという話。
謎...続きを読むPosted by ブクログ -
十二年周期の昭和物ならば、60年のミステリを望むのは酷かな。
でも、48年は、その後のみんなの様子を知りたくなる。
推理小説というよりも、小林信彦さんの初期テレビ物に近い感じ。Posted by ブクログ -
リアル中学生の時に当時の朝日ソノラマ文庫で何度も読んだ思い出の作品。
今読むとも微妙に感じる部分ももちろんあるのだが、それ以上に郷愁と思い出補正もあることは認める。
ポテトがまだ「ジャガイモ」という表現だったことにちょっと驚き。
買って良かった。Posted by ブクログ -
戦後すぐの名古屋を舞台にしたミステリ。民主主義に移行したものの、それまでの軍国主義から抜け出せない大人たちが醜悪で、また戦争で真っ先に犠牲になる女性たちが憐れで悲しい。当時10代だった作者の怒りと戸惑いが感じられる小説だった。一方でミステリ(トリック)は私の好みではない。どちらの殺人も可能かもしれな...続きを読むPosted by ブクログ
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戦後の男女共学が始まった時代を背景につらく切ない青春物語と年配者が喜びそうな戦争前後の往年のハリウッドスター達の話し、そうした話の筋とはやや違和感を感じる密室とバラバラ殺人。そうしたプロットが上手く融合して楽しめる。Posted by ブクログ