辻真先のレビュー一覧
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ポテト&スーパーのシリーズも、とうとう完結かぁ。
こんなに長く続いたシリーズだけに感慨深い。
新装版で改めて読み返して、色褪せない面白さを再確認したし。
今作では、なにしろ、キリコがいよいよ母になる!
しかも、冒頭がいきなりあれで、まさかの出産を間近に控えて嵐の山荘になるのか、とどきっとしたわ。
ポテトは海外に出張中のようだし、しっかりしていても、ほんの少女とキリコが2人きりでは、と。
そこでは、過去に神隠し事件があり、謎は解決していないし、小さな集落で人間関係は複雑だし。
それが、すっきり解決するのは、素晴らしいカタルシス。
思いもよらない展開だった。
まさに、シリーズの完結にふさわしい大団 -
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キリコと薩次、ついに結婚?!
薩次(ポテト)が文学賞の大賞をとってのプロポーズ、やったー。
で、選考会の記録での大賞候補作が3本。
どれも選考委員には評価が芳しくないんだけど、どれがポテトの作品?
受賞者は当面明らかにしないというのも、なんなんだろう?
殺人に交通事故に失踪と、選考委員に災難が襲い掛かるし。
何がどうなってるんだか読むほどに混乱。
ポテトとキリコの熱々っぷりは読んでるこちらが照れるw
殺人のトリックは、いつものことながら思いつきもしなかった。
しかし、あの社長、ちょいと情けない、というかだらしないな。器じゃないよ。
とはいえ、とんとん拍子の謎解きのカタルシス。
他作品からの出張 -
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ネタバレコロナ禍真っ只中の2020年、年末ランキング3冠を達成。当時、著者の辻真先さんは御年88歳。91歳となった現在でも作家として活動中であり、頭が下がる。というわけで、文庫化を機に、初の辻作品を手に取ることにした。
サブタイトルに「昭和24年の推理小説」とあるように、時代は戦後間もない頃。何となく避けていた理由だが、読み始めるとぐいぐいと引き込まれる。古臭さは一切感じない。むしろ瑞々しい。活字が小さい創元推理文庫だが、早く読みえた。
占領下の学制改革で、新制高校3年として1年間だけ共学で過ごすことになった主人公・風早勝利。辻さんは終戦時に13歳だったそうなので、勝利はほぼ辻さんご本人と同 -
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1945年8月9日払暁、ソ連は第二次世界大戦に参戦。満州への攻撃を開始した。迎える関東軍は戦力の大半を南方に向けており殆ど戦力として機能せず、ソ連機械化部隊は燎原の火の勢いで侵攻を開始した。その時、活劇俳優の神住恭は映画撮影の為にハルピンにいた。ソ連参戦を聞いてハルピンから退避しようとした神住は、混乱するハルピン駅で撮影旅行列車と偽って特別編成された列車に飛び乗ることになる。その列車とは、運転休止になったはずの『あじあ号』を牽引していた「パシナ型蒸気機関車」に編成された列車であった。ソ連空軍、中国ゲリラ兵、そして関東軍から離脱した中国反乱軍の追撃をかわし、大連めざして『アジア号』が鉄路を駆ける