辻真先のレビュー一覧

  • 二十面相 暁に死す

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    語り口は変わらずに少年探偵団なのだけれども、プロットの方は完全に辻真先になっているところがミソ。乱歩氏はこんな感じの少女キャラは描かなかったンじゃないかなあ。お約束のラストシーンにはニヤニヤしてしまう。

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    2023年10月29日
  • 日本海・豪雪列車殺人号

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    脱力系アガサ・クリスティーの『オリエント急行殺人事件』で、マンガチックな登場人物たちが右往左往する。
    そして、「誰もいなく」なるほどの怒涛の展開。

    時々ふと食べたくなる〈どら焼き〉のような小説でした。

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    2023年10月21日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    最初に驚いたのは、1932年生まれの著者が今も現役バリバリで新刊を書いていること。
    正に人生100年時代だ!

    題名通り、舞台は昭和24年、敗戦の傷が人々に影響している。

    主人公の風早勝利は新生高校3年…作者の分身であろう。旧制中学は5年間だったので、1年間限定の初男女共学高校生(著者の実体験) 。

    推理小説研究と映画部員5人と顧問教諭で行った夏合宿で、密室殺人事件に遭遇する。
    そして、また新たな殺人事件が…。

    時代の重苦しさを、青春真っ只中の軽快な若者たちが救ってくれていた。犯人の予想は当たった。
    愉しめた。

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    2023年09月27日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    ネタバレ

    トリックとしては可能としても、建物の構造に仕掛けがあるのは、フェアではない気がする。動機もかなり無理があるような。

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    2023年08月17日
  • 村でいちばんの首吊りの木

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    辻真先氏の初期短編集。やたら薄いが、これは元本が表題作の映画化に合わせて急遽編まれた短編集だったからという。そんな経緯や、表題作は辻氏の自薦ベストに含まれる作と言うことでハードルを上げすぎると多少肩透かしかも知れない。完成度の高い好短編なんですがフツーなのね。自薦ベストなんて問われると、妙に鼻息が荒くなって、むやみに奇をてらったようなメタメタミステリを挙げるなんて恥ずかしいことはしませんってことでしょうかねえ。どうもそんな気がする。

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    2023年08月15日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    一番犯人でいてほしくなかった人が犯人だったなぁ。
    戦後の青春推理小説。初作家さんだった。
    シリーズ2作目だったらしい。

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    2023年08月02日
  • 仮題・中学殺人事件

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    ネタバレ

    当時としては挑戦的な内容だったかもしれませんが、今読むとそこまで驚く構成ではなかったかなと。
    文章の稚拙さをカバーする理由付けとして、作中内作家による小説という体を取っているのは逆に潔くて好感を抱くものだった。
    キリコのキャラクターはとても魅力的に感じられたし、全体的に軽いノリで読みやすいのは良かった。

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    2023年07月03日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    終戦後、昭和24年を舞台としたミステリ
    犯人は明白
    トリック寄りも時代描写、価値観などに面白味を感じた

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    2023年06月03日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    昭和独特の描写や世界観が心地よく、なつかしいような少しあたたかい気持ちになりながら読んだ。
    長期休暇(できれば夏休み)にちびちび読むのがよさそう。舞台設定が今の時代ではないので、本が遠くの世界に連れて行ってくれ、頭の心のリフレッシュになりそうだと思った。


    ただ、昭和時代の物語なので、言葉が入ってきづらく、またイメージが浮かびづらい場面が多く、読むのに少し時間がかかってしまった。

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    2023年05月24日
  • たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

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    ミステリとして展開が遅く、ほとんど風俗小説だった『深夜の博覧会』から一転して、本作はガチガチのミステリ。早い段階で殺人、それも密室殺人が起こるのはマニア向けのサービスだとしか思えない。第一の殺人が不可能興味だとすると、第二の解体殺人は、なぜそんなことをしなければならなかったのかというホワイダニット。ただ、ミステリとしてみればフーダニットの部分も含めて甘い。推理なんかしなくても、辻ミステリをそれなり読んできた人にはなんとなくで見当が付いてしまうんじゃないか。辻氏が手癖みたいなものをまるで隠してない気がする。これはもう意図的ですね。それも含めて読者へのメッセージなのだと思う。僕はこんなものを書いて

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    2023年04月24日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    先に「たかが殺人じゃないか」を読んで興味をもったが、本格ミステリとしての面白さは上記に及ばなかった印象。
    不思議な建物と大がかりなトリックは十分に面白いものだったが、動機部分(や登場人物の行動)があまりしっくりこないのと、本の分量に対して謎解きの比重が少ないように感じられた。
    おそらく、時代背景の描写やほろ苦い青春の表現に力が入っていたためと思われ、好みは分かれるだろう。
    前半が全くストーリーに入り込めずモヤモヤしたが、後半はかなり引き込まれるものがあった(最終盤になるとややくどい気もしたが)。

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    2023年02月20日
  • 赤い鳥、死んだ。

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    トリックは小粒だし、犯人を追い詰めるのはロジックと言うより、物語の流れ。こう来たら犯人は○○でしょう、というパターン的なものがありますが、それを当て馬に使うようなツイストもなく、そのまま○○が犯人の形。正直、ミステリマニアが額に青筋を立てて読むようなものではなく、気楽に愉しむもの。で、ちゃんと楽しませてくれます。

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    2023年02月19日
  • 迷犬ルパンと「坊っちゃん」 『四国殺人Vルート』改題

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    辻真先の長篇ミステリ作品『迷犬ルパンと「坊っちゃん」(原題:四国殺人Vルート)』を読みました。
    ここのところ、国内の作品が続いています。

    -----story-------------
    四国松山の名門中学出身の少女が東京で殺された。
    朝日正義刑事は四国へ向かったが、偶然道後温泉を訪れていたルパンたちと合流、捜査を開始した…。
    松山は、ご存じ夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台だが、なんと朝日の会う先生たちは、そろって「坊っちゃん」の登場人物そっくり。
    巧妙なトリックにルパンの推理が冴える。
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    1987年(昭和62年)に刊行された迷犬ルパン・シリー

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    2022年12月24日
  • 北海道・幽霊列車殺人号

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     北海道のよく聞く地名がそこかしこに出てきて面白かったー!!

    この著者の本は初なんですが、読みやすいミステリーで他のも読んでみたくなりました!!!

    赤川次郎のような会話多めミステリーでもあるし、土地柄がでてくるところは櫻子さん的でもある。

    ミステリー入門としてとーっても入りやすいです。

    リアリティはあまりないですが、へーくらいのラストで、笑、割とトリックも犯人もなんでもありありな感じではありますが、読んでて楽しいのでよし。

    精神的な深さが感じられないので、アニメのように軽々読める楽々ミステリーです!笑笑

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    2022年12月01日
  • アリスの国の殺人<新装版>

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    本書もたまたま見かけたものである。
    ファンシーなデザインや、大小さまざまのフォントや鏡文字など、見かけ上でも楽しい工夫がされていたし、アリスの世界における謎解きも、不思議の国におけるある意味筋の通った(?)推理が展開されていて面白かった。ただ、不思議の世界の醸し出す雰囲気と、「現実」との最後の落差に少し驚いたというのが正直なところであった。著者の作品はほかにも多くあるようなので、他のものもぜひ読んでみたいと思う。

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    2022年11月28日
  • アリスの国の殺人<新装版>

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    ワンダーランドと現実世界を行き来しながら繰り広げられる2つの事件。ラストは逃避なのか、それとも病的な何かに飲まれたのか。
    アリスの世界観ならではの言葉遊びやタイポグラフィー等の工夫が面白い。

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    2022年11月22日
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選

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    お座敷列車殺人号/夜行急行殺人号/
    ブルートレイン殺人号/a列車殺人号/郷愁列車殺人号/
    白い闇の駅/オホーツク心中/遠い日、遠いレール/
    終電車の囚人/鉄路が錆びてゆく/
    東京鐵道ホテル24号室/轢かれる

    鉄道好きな人には面白いかもしれない

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    2022年11月08日
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選

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    国鉄がでてきて懐かしい。
    鉄道に関するミステリを集めた短編集。
    辻真先さんのイメージがポテトとキリコとカリオストロの
    ノベライズのイメージしかなかったので、楽しい気楽な話が多いのかなと思ってたけど、心の複雑さというか男女の心のすれ違いというか、なんというか大人向けなのかなと思いました。

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    2022年10月20日
  • 義経号、北溟を疾(はし)る

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    天皇の乗るお召し列車の妨害計画を阻止せよ!その任務につくのは元新撰組の斎藤一こと藤田五郎と清水次郎長の子分、法院大五郎。このコンビがそれぞれのキャラがなかなか良いのに加えて、そこに起きる殺人事件、土方歳三の置き土産のアイヌ娘メホロ、メホロVS春乃、元八丁堀の個性豊かなメンバーたち、そしてどうやってお召し列車を守るか。まさに息もつかせぬ怒涛の展開で思わず一気読み。この藤田五郎さん頭がキレッキレだけど意外に可愛い面もあって思わずニヤニヤしちゃった。作中には無かったけど、メホロと藤田五郎がマジでやり合ったらどっちが勝っただろうか?

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    2022年10月02日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    昭和12年の銀座と名古屋が舞台のミステリー。実際に1937年に開催された名古屋汎太平洋平和博覧会が物語に取り込まれており、読む楽しさを倍増させてくれます。読み終わったあと、当時の会場の写真を検索してしばらく見入ってしまいました。

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    2023年02月28日