辻真先のレビュー一覧

  • 殺人の多い料理店

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    ミステリとしてみた場合、トリックがかなりちゃち。作中に使い回しのトリックであることを仄めかす描写があるので、これは言い切ってよかろう。フーダニットとしても、ロジックとは無縁に、多分、この辺が犯人だなあで、なんとなく(動機込みで)分かってしまうタイプ。とはいえ、プロのお仕事で読んでる間は充分楽しませてくれる。うまいですねえ。それより宮沢賢治のダークサイドについて、作者さんは語りたかったのかなという気もする。

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    2022年08月15日
  • 日本・マラソン列車殺人号

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    極めて凝ったトリックが用いられているので、こういうことを言うのは気が引けるが、やっぱり読み飛ばすものの気がする。トラベルミステリーってそういうものかも知れないし。

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    2022年06月07日
  • ルパン三世 小説版<新装版>

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    兄妹愛とルパン一味の掛け合いが面白い。
    途中の挿絵が描写を捉えている。
    不二子ちゃんは悪い人だよね。

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    2022年05月07日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    時代描写が長く、事件に入るまでに挫折しそうになりました。内容もグロテスクで、自分の好みには合いませんでした。

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    2022年03月30日
  • 夜明け前の殺人

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    ネタバレ

    舞台上演中に服毒死した主演女優。本当に自殺だったのかと疑問を持った弟が調査を始める。タイトルにも含まれる島崎藤村の『夜明け前』と演劇業界の裏側を描きながら、真相に迫っていくミステリ。

    謎とヒントのバランスがとても絶妙で読んでいて自分も謎解きを味わうことができました。そして登場人物もとても魅力的で・・・そして結末には涙でした。

    TVドラマを観るように一気読みしてしまう面白さでした。

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    2022年03月17日
  • 夜明け前の殺人

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    演劇界の裏側や、藤村の謎、最近は珍しくなったスーパーマンな主人公や、これは今風のヒロインと、色々盛りだくさんだけれども、本質は端正なフーダニット。犯人の名にそこまでの意外感はないが、何故、その人物が犯人なのかの論証は実に楽しい。でも、その後の幕切れはなあ。

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    2022年02月18日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    あまり好きではなかった、誇れなかった愛知が、名古屋が極彩色で描かれる。エネルギッシュで華やかで退廃的な昭和一桁の魅力あふれる人々に、不安の翳りを感じる戦争の気配。
    若干エログロ寄りミステリー何だけど、それ以上に当時の息遣いの感じられる紀行文みたいで愉快千万。
    今は亡き、祖父母に贈りたい物語。

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    2021年12月21日
  • 焼跡の二十面相

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    江戸川乱歩の有名短編はだいたい読んでる筈だが、怪人二十面相と少年探偵団のお話は、ちゃんと読んだことがないので、たぶん、半分くらいしか楽しめて無いと思う。
    筋書きは、荒唐無稽と奇想天外の中間のような感じか。
    駒沢の配水塔の描写が印象的だったので、写真を調べてみたら、なかなかカッコ良い。行ってみようかな。

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    2021年11月28日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    ネタバレ

     2021年1月刊(親本は2018年刊)。アニメ作品の脚本家としても名高い筆者が、齢86歳にして著したミステリ。2020年に発表され、史上最高齢でのミステリ年間ランキング三冠を達成した『たかが殺人じゃないか』に連なる物語と側聞し、『たかが~』を読む前に取り寄せた。筆者の本を手に取るのは、25年ぶり。1937年に開催された、名古屋汎太平洋平和博覧会を取材する女性記者に同行した利発な少年・一兵が巻き込まれる奇怪な事件の顛末が描かれる。
     この博覧会を実際に訪れた経験のある筆者(愛知県出身)だけに、戦前の博覧会の絢爛たる模様、当時の空気感をあますことなく描き出していると思う。乱歩的な怪奇趣味が詰め込

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    2021年11月18日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    ネタバレ

    昭和12年。太平洋戦争前夜だね。不穏な気配を感じつつ、まだまだ銀座や名古屋は賑わう。そう、名古屋なんだよ、メインな場所は。
    那珂一兵は似顔絵かきだが、探偵もする。新聞記者のモガ瑠璃子。満州大富豪と纏足の妻。ケシ畑のおかげで大金持ち。愛人は日本人。その妹が銀座のマッチガール澪。一兵片思い中。満州大富豪と友人の日本人伯爵。
    伯爵がお金をかけた館と猟奇殺人。パノラマ島奇談ぽいエログロ昭和。
    澪は恋人と王道楽土満州へ渡るつもりでいたが、恋人が負傷したため、やめる。それは伯爵の策略。世界をまわった伯爵は王道楽土ではないことを知っていたから。
    あらすじをつらつら書いたが、昭和初期の雰囲気が良い。

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    2021年06月15日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    昭和10年代の名古屋を舞台にしたミステリーで、岐阜出身、名古屋で働いていたことがある私にとっては、聞き慣れた固有名詞も出てきて、そこが面白かったです。
    怪人二十面相シリーズを彷彿とさせる作風でした。

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    2021年05月05日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    「たかが殺人じゃないか」の前日譚と思ったが、同じ探偵役の本は沢山あり、そういうわけでもないらしい。

    高齢の作者が描くせんぜんの名古屋は現実感が強く、当時の世相は確かにこうだったのだろうと思わせる。

    トリックや人物相関などは、空想の羽根を広げた作者らしくケレン味に溢れたもの。
    リアリティを追ってはいけない。

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    2021年04月04日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    「たかが殺人じゃないか」読んだばかりなのに、後半になってやっと登場人物の繋がりがわかったという間抜けな私。
    ということで、続けて読まなくても十分楽しめます(笑)

    空間認知が弱い私には、この推理はピンとこなかったものの、時代の面白さと現代にも通用するトリックが、帰って新鮮で面白い。おどろおどろしいところも。

    昔の推理小説を紐解いてみよう、読み返してみようと思ったのだ。

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    2021年03月16日
  • 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

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    著者の集大成的な作品となる<昭和ミステリ>三部作の第一弾ということで、拘りが随所に感じられる。戦前の昭和という時代を立体化する為に当時の情景描写、世相、風俗、蘊蓄の数々が散りばめられており興味をそそられるが、肝心な物語の本筋は駆け足で、著しく奥行きに欠けている。著者の経歴とこの猟奇的で大仕掛けな舞台設定ならば、キャラクターの魅力とストーリーテリングの妙、その両方を如何様にも発揮出来そうなだけに何とも物足りない仕上がり。しかし、刊行当時86歳という御年齢でこの作風を執筆出来るパワフルさには感服するしかない。

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    2021年02月20日
  • 銀河鉄道の朝

    ネタバレ 購入済み

    少年と少女と賢い犬の探偵物語

    探偵物語としてはそれなりに面白かったが、タイトルにある銀河鉄道はどこにも出てこなかったのでなんだか題名詐欺にでもあったかの様な残念な読後感しか残らなかった。

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    2020年06月21日
  • 残照 アリスの国の墓誌

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    新宿ゴールデン街にあるバー『蟻巣』は、ミステリー好きの常連客がやってくる。そんな常連客たちによって真相が語られる、亡き漫画家に繋がるふたつの殺人事件。漫画好きの団塊の世代には、懐かしい漫画作品を思い出させるかも。

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    2016年06月13日
  • 残照 アリスの国の墓誌

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    熱心なファンではないが、若い頃から、ポテト&スーパーらの活躍に触れてきたので、こういう集大成ものはやはり感慨深い。

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    2016年06月09日
  • 迷犬ルパンの東京暗殺マニュアル

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    読書録「迷犬ルパンの東京暗殺マニュアル」3

    著者 辻真先
    出版 光文社

    p120より引用
    “「密室」のないミステリーなんで、ミステリ
    ーにはいらないーーと思っている読者が多いせ
    いか(あるいはそう頭から思い込んでいる作者が
    多いせいか)、日本の推理小説にはやたら密室が
    登場する。”

    目次より抜粋引用
    “銀座の休日
     二子玉川情話
     深川江戸殺人蔵
     隅田川ジャック
     怪談青山墓地”

     頭のいい雑種犬と生真面目な刑事を主人公と
    した、連作ユーモアミステリー小説。
     日本の首都・東京の中でも、とりわけ格の高
    い商業地・銀座。生真面目な主人公・朝日刑事
    とその相棒は、あるお姫様の護衛任務につ

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    2015年03月22日
  • 迷犬ルパンと里見八犬伝

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    読書録「迷犬ルパンと里見八犬伝」3

    著者 辻真先
    出版 光文社

    p35より引用
    “「テレビの後日談でいってたわ、お婆さんの
    話がワイドショーで流れたら、ついでにうちの
    犬や猫も世話してくれってテレビ局に電話して
    きた人が、三十四人いたんだって」”

     目次より抜粋引用
    “さとみと「八犬伝」の巻
     我王と福の巻
     タケシとヤスシの巻
     ルパンとサファイアの巻
     梓と「八犬伝」の巻”

     頭のいい雑種犬と生真面目な刑事を主人公と
    した、長編ユーモアミステリー小説。
     新春番組の制作が終わり、スタッフたちとバ
    ーで打ち上げをしてたプロデューサー。気持よ
    くカウンターにキスをしている彼にかかってき

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    2015年03月22日
  • 四国・坊っちゃん列車殺人号

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    しばらくぶりの辻真先の推理小説。今度、四国へ行くので題名に惹かれて決めた一冊。祖谷峡と松山の坊ちゃん列車は外せないなぁ。次読むのは漱石の"坊ちゃん"に決定。

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    2012年07月23日