最初のページから主人公のラスコーリニコフ
の背負う鬱蒼とした混沌が本の中から
滲み出てくる様である。
狭く重苦しい屋根裏部屋とソファにうずくまる
ラスコーリニコフを目の前で自分が
見ている様で息苦しさを感じるリアルがある。
ラスコーリニコフの気分の上下の先には
何が潜んでいるのか此方も彼の背後に
こっそりと潜み付いていくしか無い。
そして老婆を殺戮する場面に遭遇し
そこだけはハッキリと彼の姿が見えるのだ。
そこからまた霧の様に彼の思考は途切れ
次に何が彼の心の衝動が起きるのか
背後で見守って行きたい。