柴田よしきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ女性刑事を主人公にした小説はいくつかあるが、その主人公たちは、警察という男社会の中で男に馬鹿にされないように男以上にストイックに生きる女性ばかりだった。
本作の主人公、緑子のように女を武器にして男に復讐をする女性は珍しい。
選考した佐野洋氏が言っていたように、緑子という女は「読者の顰蹙を招きかねない女性」であり、彼女に共感できるか否かにより、この小説の評価は大きく変わってしまう恐れがある。
実際、私は村上緑子という女性に一ミリも共感できなかった。
それは緑子という女性が実に「女」丸出しだからだ。
女であることを自覚し、それを利用し、性愛で男に復讐をする…。
「女性刑事は潔癖である」という先入観を見事に打ち砕き、私の中に黒いものを残した。
それは嫉妬であり、不快感であり、嫌悪感であった。
つまり私は村上緑子が「嫌い」なのだ。
しかし最後まで読んだのは、柴田先生の作品だからという希望があったからだ。
徐々に浮き彫りになる人間像、男女の愛憎劇、バラバラのピースが一つになる瞬間…それらを見たくて読み進めた。
そして、それらはこの作品でもしっかり描かれており、「柴田節はこのときから出来上がっていたのだな」と感嘆した。
改めてこの作品のことが大好きだと思った。
好きと嫌いの共存という複雑な読後感。
初めて味わった感覚かもしれない。
それは気持ちが良いものではないが、だからこそ記憶に残る作品である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ阪神大震災から5年後の神戸を舞台としたミステリー。
3.11以前なら全然別の印象をもったのだろうけど、やっぱりあの地震は社会にとって色んな所で大きな転換点になっているんだなと痛感した。神戸で人間の無力さとそれでも再生するしぶとさを肌で感じてきたんだけど、3.11はもう全く別次元の災害なんだなと
前半から謎が解き明からされるまでの展開はなかなか読ませる。読み始めに思っていたものと違ってきて、そのギャップがエエように作用してるなと思ったのだけど。
物語の構図が分かり出した後半から、ちょっと行き過ぎたご都合主義や新興宗教に対する遠慮気味の描き方が鼻につき出し、結果的に中途半端な感じがぬぐえなかったことは残念。
完全に恋愛小説にしてしまった方が良かったのかなぁと思った -
Posted by ブクログ
RIKOシリーズ第二弾。
前回と同じく共感できない部分、いきすぎ感もありましたが、母親となったりこには同じ女性として共感できる部分もでてきたかな。
すごく面白い訳ではないのだけど、なんとなく読んでしまうシリーズ。
【一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾】 -
Posted by ブクログ
このシリーズは全部読んでて、順番違いだけど、RIKOシリーズも先に読んじゃったんだけど、とりあえず、ワタシは麻生より練が好き。どんだけ鬼畜でも変態でも、そんだけの魅力が彼にはある。頼むから練に優しくしてやって欲しいのに、助けてあげて欲しいのに、麻生、何やってんだ!って思ってしまう(苦笑)。で、二人とも不器用すぎるところにモヤモヤして、続きが気になってしまうんだなあ・・・。ぶっちゃけ麻生が警察やめて探偵としてどんな仕事してるかとか、別に興味ないし(笑)。そこに微妙に練が絡んでくることが気になるわけで。
柴田さん、読者のツボわかってますよね(苦笑)。