ジェイン・オースティンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
19世紀初頭のジェントリたち…とりわけその子女たちが抱いた野心、けん怠、不自由、無知、理性と誤認。オースティンの作品がおもしろいのはそこらへんのことを、キャラクター化してみせてくれること。
「エルトンさんの態度は、ある意味では、ナイトリーさんやウェストンさんより上かもしれないわ。エルトンさんの態度のほうが丁重だから、いいお手本になるわ。ウェストンさんの態度はあけっぴろげで、きびきびして、すこし無遠慮なところがあるわ。みんな彼のそういうところが好きだけど、それは彼がすごく陽気な人だからよ。でも、彼の態度は真似しないほうがいいわ。ナイトリーさんの態度は単刀直入で、断固として、人に命令するようなところがあるけど、やはり真似しないほうがいいわ。ナイトリーさんにはぴったり合っているし、あれほどの立派な容姿と、社会的地位があるから許されるけど、若い人が真似したら鼻持ちならないわ。でもエルトンさんの態度は、いいお手本として若い人にも勧められる。エルトンさんはとても明るくて、陽気で、親切で、丁重ですもの。最近とくに丁重になったような気がするわ。私かあなたに気に入られようという下心でもあるのかしら。それで急に丁重になったのかどうかわからないけど、彼の態度が前よりずっと丁重になったのは確かよ。何か目的があってそうしているのだとしたら、たぶん、あなたに気に入られたいからよ。このあいだ彼があなたのことをどう言っていたか、話したかしら?」(52-53ペ)
散策、ピクニック、ディナー、舞踏会…そういった「社交」を基調として描かれるジェントリの「優雅」な生活の合間には、農場経営にまつわる雑事や慈善訪問、地方行政に関わる職務への素っ気ない言及が登場する。
上級貴族階級と農民階級・商人階級の間にあって、牧師たちと隣り合う彼らは、土地資産の経営によって経済的な資本を、教養と「品の良い」振る舞いにより文化的な資本を、そして慈善と公共への奉仕によって社会関係資本を蓄積してきた人びと。
少なくともオースティンが描く世界において、登場人物たちの伝統や血筋への繰り返しの言及にもかかわらず、彼らの世界の境界線上での流動性の高さがそこここで仄めかされていて──まさにそうであればこそ、自分たちの正統性を主張せざるをえない人びととして呈示されているのも、読んでいて興味深い。 -
Posted by ブクログ
誤解が解けた後の話。
紆余曲折繰り返しつつ、お互いの葛藤踏まえつつ、かつ主人公の妹がまさかのあの人と結婚するという波乱の事態に。。。。
見せ方は本当にすごいなと思います。主人公そっちのけで気になった(笑)
だけどここまで引っ張ってきたら妹関連よりむしろ主人公ペアのもっとごたごたが見たかったです。。。たぶん恋愛もの重視じゃなくて「人ってこんなに面白い生き物なのよハハ」がメインなら仕方ないのかな。ダーシーの鬱陶しい叔母さんがもう少し鬱陶しさをかもし出してくれたり、二人の中をかき回してくれたらよかったのに……けどそうするとオースティンらしさが消えてしまうのかもしれないから、これはこれで満足するしかないのかな。
そしてやっぱり主人公エリザベスも人のこと棚にあげている場合ではなく、彼女も十分高慢と偏見に満ちていると思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったです。
イギリス文学と聞いて、少しとっつきにくい(独特な)文章、言葉遣いなど最初はなじめなかったのですが、ヒロインのエリザベスが相手役(?)のダーシーと出合った辺りから怒涛のようにストーリーが展開していきます。
主人公含め脇役たちの性格がものすごく人間臭くて面白かった。もちろん誇張はあるのでしょうが、「うわ、実際に職場にいそうな……」という女性たち、男性たちの態度、言葉の使いまわしがものすごい。
一応主人公エリザベスは美化されている? ようですが、むしろ彼女のほうが「偏見」に満ちていると思いました。題名から判断すると対する高慢はダーシーというところでしょうか。
(とは言っても、私としては「気難しいが、実は素直な男の人」という印象でしたが。エリザベスが文中で言うほど悪い男性には思えません……エリザベスに勘違いされている彼が非常にかわいそう(苦笑)
エリザベスは確かに頭が回り(とくに彼女の家族から考えると彼女の頭の回転の速さはほとんど奇跡に近い)
自分の意見をはっきり言う強い女性ですが、ダーシーに対する考え方を自分の好意を持っている相手からの受け入り、もしくは自分の第一印象で決め付けているところなど「?」な部分があったので、ちょっとそこはどうなのよ、と個人的に思います。むしろ主人公っぽいのは、彼女の姉のほうなのでは。。。
ダーシーも恐らく自分の素直になれない性格から、あのような言動を言ったり態度を取ったりするだけなのでは。むしろエリザベスに対してはとても紳士だと思うのですが……。
とにかく、登場人物もさることながら、展開も早いです。メイン二人以外にもそれぞれ色々事情を抱えたりしていた「この人は、あの人はどうなるの?!」とやきもきさせます(笑)
文学作品と苦手意識を持つ前に、一度読んでみるだけでも楽しいかと。ちょっと日本人用に題名も分かりやすいものに変えれば読む人が多くなるかもしれません。実際、中身は「高慢と偏見(ドーン)」というような硬いものでは決してありませんので。
恋愛ものが好きな女性にはオススメですよ? -
Posted by ブクログ
ネタバレ≪内容覚書≫
19世紀イギリスの作品。
ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
大人しく優しい、ジェイン。
お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
その友人のミスタ・ダーシー。
すれ違う4人の恋模様を
イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。
高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。
≪感想≫
あらすじをまとめようと思ったら、まさに王道な少女漫画。
第一印象は最悪!だったけど、相手を知る内に…、
というパターン。
これはもう、洋の東西を問わず、古今を問わず、
恋愛における珠玉のテーマなんだろうな、と思ってしまった。
書かれた時代が時代なので、
女性に対する扱いが多少低いな、と思わせられるし、
最終的に結婚してハッピーエンドは安易すぎる結末だけれど、
このよくあるパターンに、
イギリス特有のユーモアと皮肉の利いた表現が、
ほどよい刺激を与えてくれ、退屈することなく最後まで読める。
イギリス文学は、読んでいて、
ニヤリとさせられてしまうことが、本当に多い。
特に、この作品の女性の描き方は、
さすが女性作家、と思わせられる。
ああ、いるよね、こういう女…、と、
何度ニヤニヤしてしまったことか。
国境だけでなく、時代を越えても通じるものがあるのが、
不思議と言えば不思議。
古い文学作品は、確かに、読みにくい物もあるけれど、
これは、そういう、まさに「偏見」を捨てて、
手にとってみるといい作品だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ≪内容覚書≫
19世紀イギリスの作品。
ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
大人しく優しい、ジェイン。
お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
その友人のミスタ・ダーシー。
すれ違う4人の恋模様を
イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。
高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。
≪感想≫
さすがイギリス…!って感じの皮肉と、
少女漫画の王道のようなすれ違いの恋愛が、
見事にはまった作品だと思った。
スパイスと甘さが奏でる見事なハーモニー(笑)
新訳のおかげか、古い作品であるにも関わらず、スラスラ読めた。
昔ならではの奥ゆかしさのある訳も、それはそれで楽しいが、
現代に近づけた訳で楽しむの良いと思った。
新訳はちょっと避けていたけれど、今後も利用しようと思った。
翻訳されたものは、訳者さんによって、
微妙な違いを楽しめるので、
一度で何度もおいしい作品だと思う。
中野好夫訳、中野康司訳と名訳とされている様子なので、
そちらもぜひ読んでみたいと思う。
内容感想は下巻の方で。 -
Posted by ブクログ
最初はエマのちょっとうぬぼれたお節介ぶりにやきもきさせられるものの、読み進めていくと、彼女が「本当に」頭のいい女性なのだ、ということがわかってくる。
エマは頭の回転が速く、思いやりがあり、行動力もある女性なのだ。それでいて美人でお金持ちで、家族にも恵まれているのだから、彼女が「お節介」に義務感のような思いを抱くことも、ごくごく自然なことだと思う(本人はそれを「お節介」だとは思っていないが)。
そんな、「ちょっと行き過ぎ」なエマを、きちんとたしなめ、また導こうとしてくれるナイトリー氏は素晴らしい。
本当に愛しているからこそ、はっきりと注意し、時に厳しくたしなめる。本当に愛情を持っていないと、ぜったいに出来ないことだ。そしてそれはまた、愛情だけでも決して出来ないことだ。
私は、エマがベイツ夫人に思いがけず侮辱の言葉を言ってしまって、そのことをナイトリー氏から厳しく非難され、彼女が激しい後悔に襲われる場面が、とても好きだ。主人公が傷つき猛反省する場面を、好きだと言うのもどうかと思うが。
この場面で、エマは自分のしたことをとても反省する。こんなことは、もう二度としないと誓う。私はこのとき、彼女の純真さが輝いていると思う。本人はとても辛いし、とても後悔しているのだけれど、そのことを心から悔い改めようと決意し、エマはそれをきちんと行動に移すのである。
癖のあるヒロインだし、確かに『高慢と偏見』を読んだあとだと、ストーリーの清々しさという点をどうしても比べてしまって、あちらに軍配を上げたくなる。
しかし、このお話に描かれた「反省」は、これからふとした瞬間に私を励ましてくれるのではないかと、ちょっと期待している。