河崎秋子のレビュー一覧

  • 颶風の王

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    馬と人の、何代にも渡る物語。
    明治時代、東北地方でのミネの壮絶な体験とそれを知る捨造。
    昭和戦後、根室地方での捨造と孫の和子の、馬との生活。
    平成、大学生のひかりが祖母和子のために動く、そして出会った馬との交感。

    短編のように、次の時代に移る話に戸惑うものの、最後まで読んで、長い長い物語を読んだような満足感があった。

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    2021年06月20日
  • 肉弾

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    人生に自暴自棄な青年が、横暴な父に連れられ北海道のカルデラの森に。鹿狩りのはずが熊を撃つよう父に命ぜられる。そこへ異様な熊が、野犬が……。

    熊、おっかなかった!

    犬は健気だな。

    迫力ある内容で、ため息をもらしながら読んだ。

    命に、手を合わせたくなる。

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    2021年01月17日
  • 肉弾

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    『颶風の王』も『肉弾』も、生き物の体温と場所の寒さが印象に残った。

    食べる食べられる、人間とそれ以外の動物、父と息子、庇護するものとされるもの。
    いろいろなものの対比があるなかで、自分はどちらかに属さないといけない場合、その決断の難しさを感じた。
    そして、否応なしに所属させられる場合の覚悟。

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    2020年10月14日
  • 颶風の王

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    ネタバレ

    この中篇のどこに圧縮されていたのかと驚くほどに力強く、壮大。
    人の力が及ばぬ厳しい自然を前にしては何事も及ばず、ただ静かに畏怖の念を抱き、生きる。
    ひかりが見た光景は私の心にも焼きついている。

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    2018年09月18日
  • 颶風の王

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    違う本を目当てに本屋に行ったのだが、表紙に馬の絵があって、帯に”JRA賞馬事文化賞”とあれば、こちらを買わない手はない。
    明治の時代、東北の寒村から北海道に渡った男の、その母から続く6代に亘るお話。
    全編に馬が絡むが、表紙の絵には魅かれるよね。

    今年は『北海道』と命名されてから150年目にあたるということで、先日、式典も行われていたが、北海道開拓の歴史を紐解けば、『昭和時代でさえ、開拓民は縄文時代さながらの暮らしを強いられたことが分かります』との記述があり、明治の開拓民の厳しさは恐らく今の我々の想像を遥かに超えるものであっただろう。
    そうした時代の中、雪山で遭難し乗っていた馬を喰って生き延び

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    2018年08月29日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    この本の漢字一字は「生」。いきもの・じんせい・なまにく・せいとし、著者がかかわった様々な生があふれている。
    羊飼いの楽しいエッセイかと思ったら、生の力や熱量に圧倒され、押しつぶさるかと思った。

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    2026年06月19日
  • 土に贖う

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    北海道で生きてきた人たちの話。生きるとはと考えさせられる。当たり前に感じてしまう日常も何も当たり前ではないのだなと改めて感じさせられた。

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    2026年05月05日
  • 父が牛飼いになった理由

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    「私の最後の羊が死んだ」が良かった分、少し期待しすぎたかも。先祖まで遡るファミリーヒストリーにはあまり惹かれなかったが、祖父や父の北海道移住の経緯や、道東の酪農の現実には興味深いものがあった。丁寧に調べ尽くして書かれた作品だと感じた。

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    2026年04月10日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    河﨑さんが「羊飼い」として生きた日々は、確実にこの作品によって広まっていくだろう!

    読むと無性にジンギスカンが食べたくなる。

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    2026年03月20日
  • 鯨の岬

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    河崎秋子さんのお話は文章から匂いがしてくる。
    この作品だけじゃなくどれもこれも嗅覚が鋭利になるような感覚。

    北海道を舞台にした作品で、いわゆる本州の人が想像するような広くて穏やかな大地というよりは、暮らしていないとわからない暗さを孕んだ面を描くのがものすごく住んでいるものとしてもリアルに感じられる。根室や霧多布には行ったことがないので河崎さんの作品を読むたびに訪れてみたいなと思っている。

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    2026年03月16日
  • 銀色のステイヤー

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    ウマ娘から競馬に興味がでて読んでみた。G1に出る馬って限られた馬なのかとか、ただ馬好きなだけじゃやって行けない世界だとか競馬にまつわる色々が面白かった。レースの臨場感と疾走感の描写も良き。

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    2026年02月23日
  • 颶風の王

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    ノンフィクションを読んでこれ以上のモノがあるだろうかという疑問が生まれ、それからフィクションが読めなくなってしまった
    この本はとても感動できると思うのに、頭の中で「結局フィクションでしょ」て言う自分がいて、辛い

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    2026年01月18日
  • 父が牛飼いになった理由

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    時々話がそれるので混乱したのと、他人というか知らない人のファミリーヒストリーに興味が持てなかったのですが、読みやすく面白い文章で楽しく読みました。

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    2025年11月08日
  • 銀色のステイヤー

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    古いところでは宮本輝の優駿を思い出した。良き人たちとの成長物語で、サクサク読める。でもレースの場面描写では何故か力が入ってしまう。馬券も買ったことないのに。

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    2025年10月10日
  • 父が牛飼いになった理由

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    申し訳ないけど著者の方の他の本は読んだことがないのだが、作家さんのファミリーヒストリーを中心としたエッセイ本。
    金沢の武士だったご先祖までさかのぼりつつ、満州からの引き上げを経て薬剤師から農家に転身した祖父、公務員から酪農家になった父の歴史をたどる。著者が幼少期から経験した酪農家の生活についても書かれており、知らないことばかりで面白かった。
    ただ、ところどころ古いインターネットのノリがあって、それは面白いというよりはちょっと痛く感じてしまった。
    人ひとりが自分なりに考えて人生を歩み、その連続が家系であり、民族、人類と大きな集合体になっていくことを考えると途方もない気持ちになる。私自身も家系に全

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    2025年09月19日
  • 父が牛飼いになった理由

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    ネタバレ

     直木賞受賞作『ともぐい』(2023)で知った著者。重厚な筆致に圧倒されたが、次に読んだ『森田繁子と腹八分目』(2024)での軽妙な文章に、おや、こんな三浦しおん的なお仕事小説も書くのかと、ふり幅に感心していた。

     本作は新書で、自らのファミリーヒストリーを追ったエッセイ調の一冊だ。
     タイトルのとおり、父、そして祖父が北海道に入植し、何故、酪農家の道を選んだのかを調べ上げていく。
    同時に、本書を通じて、いかに作者は、北海道の自然と向き合った、あの直木賞作品を生み出せたのかが垣間見られたらと思い読んでみた。

     “牛飼い”という職業を通じ、一族で命と向き合ってこその作品たちと思ったが、意外や

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    2025年08月24日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    羊飼いになりたいと思った人の話。
    羊肉をおいしいと感動しこれを作りたいで羊飼いになる。海外に修行にいったり羊のあれこれから経営まで身をもって勉強。羊飼いになり自分の出来る範囲で少しずつ手を広げていく。自分のやりたいことに一直線で誠実。現実的なことが具体的に書いてあり読みやすい。
    そして羊飼いをやめるのだがどうして?とは思わなかった。著者の自分を信じて生きていく強さがよかった。

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    2025年08月21日
  • 父が牛飼いになった理由

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    河﨑さんのお父さんが、公務員を脱サラしてまで酪農を始めた理由はなんなのか?
    北海道へ来たことは、不思議な縁としか言えない。

    父親の記憶が失われたことをキッカケに、フィクションを創り出す小説家が、記憶と記録を頼りにたどった長い長い家族の歴史。

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    2025年06月02日
  • 父が牛飼いになった理由

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    ご自身が羊飼いになった話のあとは、公務員だったお父上が牛飼いになられた話である。にしても、話はそう単純ではない。なんと戦国時代にまで遡り、祖先の足跡を辿っていくのだ。
    河﨑さんの筆はこれまでになく軽く、ご自身がこの調査・執筆を愉しんでいる様子が伺える。一族の中には思いもしなかった経歴をもった方もおられ、こちらもびっくりした。
    作家の素顔が見え隠れするエッセイ(というかノンフィクション)もいいけど、ガツンとくる小説を早く読みたい。

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    2025年05月18日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    河崎秋子さんの小説家として立つまでの人生。羊飼いという珍しい仕事を一から始めて軌道に乗せ、小説も書きマラソンも走り父親の介護までするそのパワーに圧倒された。小説にパワーがあるのはその人間力にあるのかな。

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    2025年04月24日