河崎秋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ともぐい』が強烈だったので、どんな方が書かれたのか興味があった。
北海道の酪農家の家で育ち、一人で羊飼いを数年やった…動物の解体・精肉をこなすことができる。なるほどそうか、そういう方が書かれたのだなぁと納得がいった。
NZに羊飼い修行に行くなどものすごいバイタリティの持ち主。父親の介護、フルマラソン、小説執筆。そして羊飼い廃業。
河崎さんは、小学生が家畜を飼い、成長させてやがて食に供する「いのちの授業」に強烈な違和感を抱くという。
p191 食育としてもクラスの団結のためにも良い取り組みのように思える。しかしだ。少なくとも、現行の日本の義務教育学校の仕組みで、その理念がゆがまずに子どもたち -
Posted by ブクログ
羊飼い、兼作家であった著者の自伝的な本。この本読んだ後、北海道産の羊(サフォーク)を買って食べた。うまかった。日本で羊がマイナーな肉になっているの、もったいないなあ。
一番印象的なエピソード、としてはズレているのかもしれないが、自称羊飼いと言われて著者がキレたところが心に残っている。自分の仕事の扱われ方に関して憤れるというのはかっこいい。ともすると、自分自身でさえ、自分の仕事をどう表現すればいいのか分からなくなることもあるというのに。
荒川弘さんの「百姓貴族」と繋がるところがあって面白かった。経済動物を飼うことのシビアさとか。そもそも経済動物という言葉自体、これらの作品を読むまで知らなかった言 -
Posted by ブクログ
明治あたりから現代に至るまでの北海道の産業の栄枯盛衰。それに携わった人々の喜びや悲哀が書かれてる短編集。
中でも、羽毛や毛皮を採るために動物を殺す職業の、動物は生きてるだけではなんの価値も無い、こうやって羽をむしって売ることで価値を付けてやってるんだという考え方。人間はどこまで傲慢なんだと思う一方で、現代だって羽毛布団を使い、革の靴を履き、蚕を殺した絹を纏っているじゃないか。なんの変わりもない。
産業の廃れによって、人知れず堕ちて行った人々。その怒りや感情や諦めた希望が、最後の「温む骨」の頭骨に宿る。
ここに集結させるという河崎秋子の筆力に感服。