河崎秋子のレビュー一覧

  • 銀色のステイヤー

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    静内の生産牧場で生まれたヤンチャな牡馬“シルバーファーン”。一頭の馬と共に歩む生産者、調教師、馬主、騎手それぞれの思い。
    調教助手の鉄子、調教師の二本松、問題児のアヤと登場人物のキャラがいい。
    もちろん主役であるシルバーファーンが一番だけど。

    一頭の馬をレースに送り込むまでの彼らの奮闘と、馬によって人生を輝かせ成長していく人間たちのドラマは最初から最後まで軽やかで爽やかさを失わない。

    いつも動物への愛情を感じる河﨑さんらしい作品で、今回は重さがなく読後も文句なし。

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    2024年11月12日
  • 銀色のステイヤー

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    この小説に登場する競走馬「シルバーファーン」の設定がとてもいい。2011年に三冠を達成したオルフェーヴルを彷彿させる気性難は闘争心と表裏一体であり、秘めた爆発力にものすごく魅力を感じる。競馬ファンとしては日頃知ることのできない厩舎や生産牧場での仕事が生き生きと伝わってきて良かった。そして馬を愛する気持ちは尊く大切なものであるが、それだけでは競馬社会が成立しないという厳しい現実を、登場人物の成長と重ねてきっちりと描いているところが良かった。

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    2024年11月08日
  • 愚か者の石

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    この作品を読み始め、すぐに頭に浮かんだのが、吉村昭著「赤い人」
    舞台は一緒なのだろう
    吉村作品とはスタンスが違う様な感じがした
    川﨑秋子さんが、何を描きたかったのはわからない
    昨今冤罪に無罪判決が確定した
    世の中、間違いはあると思う
    それをどう修正していくか、我々の責任かと思う

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    2024年10月17日
  • 銀色のステイヤー

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    シルバーファーンことドラ夫の誕生からそれに関わる牧場,馬主,厩舎,厩務員,調教師,騎手などみんなの思いが一つになって成長し,レースを駆け抜けていく.ワクワク感が止まらない.

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    2024年10月17日
  • 鯨の岬

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    表題作と短編一編が収録されています。読みやすいのは表題作ですが、北海道の自然を感じられるのはもう一つの方。

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    2024年10月12日
  • 銀色のステイヤー

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    『ともぐい』を読んだこともあって心に残っていた作家さん。新聞の書評に載っていてきになったので読むことに。

    全く競馬には興味ないし知識もなかったけど、そんな事は全然気にならず読み切れました。
    ドラ夫ちゃんと、女性達の成長物語ですね。
    ともぐいよりライトな感じでした。

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    2024年10月07日
  • 愚か者の石

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    明治18年、北海道月形町の「樺戸集治監」に収監された巽と大二郎。凄絶な服役生活の中にあって、大二郎の明るさだけが巽の救いだった。そんな大二郎が火事に乗じて脱獄する。残された巽は割り切れない思いと怒りを抱きながらも模範囚となって服役し、12年後恩赦により仮放免される。札幌でその日暮らしをする巽の元を訪れたのは、彼らの担当看守だった中田だった。


    北の開拓地での囚人たちの地獄のような苦役。死と隣り合わせの房生活。非人道的な扱いがこれでもかと描かれる前半。そんな中にあって、大二郎の憎めなさに救われる。
    巽と大二郎と看守の中田、この3人の間にある立場を超えた思いが物語に深みを増す。

    大二郎が隠し持

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    2024年09月30日
  • 土に贖う

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    明治あたりから現代に至るまでの北海道の産業の栄枯盛衰。それに携わった人々の喜びや悲哀が書かれてる短編集。

    中でも、羽毛や毛皮を採るために動物を殺す職業の、動物は生きてるだけではなんの価値も無い、こうやって羽をむしって売ることで価値を付けてやってるんだという考え方。人間はどこまで傲慢なんだと思う一方で、現代だって羽毛布団を使い、革の靴を履き、蚕を殺した絹を纏っているじゃないか。なんの変わりもない。

    産業の廃れによって、人知れず堕ちて行った人々。その怒りや感情や諦めた希望が、最後の「温む骨」の頭骨に宿る。
    ここに集結させるという河崎秋子の筆力に感服。

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    2024年09月18日
  • 銀色のステイヤー

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    ステイヤー(stayer)は競馬用語で長距離レースの得意な馬のことだそうです。
    北海道・静内の小さな生産牧場で誕生した葦毛(白っぽい毛並)の競走馬・シルバーファーンが持ち前の負けず嫌いでクラシックを制覇し、そのヤンチャっぷりで人気馬となり、6歳の引退レースまでを描いた作品。
    人物像が見事。男性陣も良いのだけど、特に女性たちが良い。自ら鉄子を名乗る調教助手の大橋姫菜、生産牧場の先代の奥さんで今は専務の社長の倍おっかない千恵子、馬が好きすぎて周りと摩擦ばかり起こす従業員のアヤこと綾小路雛子、馬主でやり手の広瀬夫人。それぞれに癖があって、でも根っこで良い人。
    『颶風の王』『肉弾』に代表されるような、

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    2024年09月05日
  • 颶風の王

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    生きるって大変だ。人間も馬も。気持ちが通じすぎると苦しい。通じないのも苦しい。
    時間の流れがうまく書かれている小説で、歴史を全て見せられた気になる。三浦綾子文学賞、納得。

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    2024年09月02日
  • 銀色のステイヤー

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    ネタバレ

    芦毛の馬は昔から好きで、何で好きなのか考えるとやはり目を引くからだと思う。そして、ドラ夫と同じようにヤンチャで気まぐれな乗馬クラブにいた芦毛の馬を思い出して懐かしくなった。

    大人しくて言うことをよく聞いてくれる優等生な馬ももちろん可愛いが、ヤンチャで騎乗者を無視するが負けん気は強くやたら人間らしい馬(ドラ夫)はもっと可愛い。手のかかった子ほど可愛いと言うのは、こう言うことなのだろうか。

    馬だけでなく、登場人物も良かった。ドラ夫の生産牧場のオーナーは良い馬を生産したいという飾らない気持ちを持っているのが良い。問題児のアヤはオーナーにも楯突くし、なかなか大変な性格ではあるが、間違いなく馬が好き

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    2024年08月22日
  • 銀色のステイヤー

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    競馬はやらないし特に馬好きというわけでもないが、競馬界を舞台にした小説には良作が多い気がしてつい手を出してしまう。
    本書も、北海道・静内の生産牧場で生まれた、“幻の三冠馬”を父に持つシルバーファーンと、彼に関わる多くの人々を描いた競馬小説だ。
    読みどころはもちろんファーンの成長とレースでの活躍であるが、牧場の問題児アヤと彼女の扱いに手を焼く牧場主、ファーンを預かる二本松厩舎の鉄子、ファーンに騎乗するジョッキーなど、分厚い人間ドラマが繰り広げられる。

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    2024年08月12日
  • 肉弾

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    何でも人のせいにして不貞腐れている主人公が反省して一段成長する話かと思っていたら、反省する暇もなく、十段くらい成長せざるを得ない状況に追い込まれるような話でした。

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    2024年08月04日
  • 土に贖う

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    北海道を舞台とした6編からなる短編集
    屯田兵から過酷な台地に住みその時代に合った商売をしている主人公たち
    いつの時代もどの仕事も上手くいかない時がやってくる
    心に残ったのは『頸、冷える』
    最後の章だけが現代だったけれど、結局今の時代も明治時代も仕事の根本的な部分は変わらないけれど、大きく変わったなと感じる
    川﨑さんの作品には馬がよく登場するけれど、作者自身北海道で牧場を経営する兄夫婦と生活する傍執筆活動を行っていたらしい
    腑に落ちる

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    2024年07月19日
  • 颶風の王

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    人と馬との関係を主軸に
    6世代(約120年)に渡って展開される生命の物語。

    三浦綾子賞受賞も納得出来る、大自然と生命の荘厳さを感じる内容で、全編にわたり迫力のある文章と、誠実で真摯な物語がとても好感が持てました。

    特に後半が面白い。感動的。
    一撃でファンになりました。

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    2024年07月27日
  • 颶風の王

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    ネタバレ

    捨造の毋ミネと愛馬アオの逃亡の第1章はインパクトがあり、グッと物語に引き込まれる。第2章の捨造が北海道根室で馬を育て孫の和子に引き継がれたところでの花島の悲劇。第3章は和子の孫が花島に取り残されて生き抜いた最後の馬を訪ね、納得しての別れ。一族の歴史と馬への深い愛情が程よくミックスされ読み応えのある物語でした。

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    2024年07月10日
  • 颶風の王

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    馬とある一族の繋がりの話。福島と北海道の自然の風景が、浮かんできます。北海道の離島の少し冷たい空気と、そこに立つ馬、想像するだけで震わされました。

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    2024年05月21日
  • 鯨の岬

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    ずいぶん平和な雰囲気で、「こういう河﨑さんの著作もあるのか」と思っていたら、いい意味で裏切られ、呆気に取られた。これぞ河﨑作品!

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    2024年03月25日
  • 颶風の王

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    たまたま直木賞授賞式をリアルタイムで観たので著者に興味は湧いたが、いかんせん守備範囲ではないカテゴリーの小説なのでとりあえず入門として購入

    インタビューの受け答えから感じたイメージ通り、期待通りの作品だった
    謎やトリックから離れた小説もたまには悪くないな

    6世代に渡って繋がれた馬への思いの着地点

    最も理解しやすいはずの現代パートが尻すぼみに感じたのは、それ以前の物語に引き込まれたせいか
    捨三と和子のパートは良かったねえ


    解説はただのあらすじだった
    書評家とは

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    2024年03月24日
  • 土に贖う

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    北海道の歩んで来た産業史とその産業に関わってきた人々の生活を感じる短編集。
    お蚕さんに、ハッカ、煉瓦、そして馬。ミンクの育成とアホウドリの話は衝撃を受けつつ、そんなこともあったのだろうなと、小説なのだけれどノンフィクションを読んでいるような感覚にもなる作品たちです。
    本を読むことにのめり込めます。

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    2024年03月20日