河崎秋子のレビュー一覧
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「私たちは命をいただいている」とかよく言われるけど、それを実感できている人ってどれくらいいるんだろう。
そんなことを言われる時って、感謝しなければいけないってニュアンスが多分に含まれている気がするけど、このエッセイでは動物の肉を食べることが人間の性の営みの中で行われるごく自然な作業として描かれている。
感謝をしていないということでは決してなく、あらためて感謝せずとも日々の食べる行為の中に自然に感謝の思いが寄り添っているというか。
家畜や農作物を育てることと食べることの距離が近いと、生きることがシンプルになる気がした。
実際はとても大変な作業なんだろうけど。 -
Posted by ブクログ
作家河﨑秋子さんが『父が牛飼いになった理由』を知るのと同時に、自らのルーツについても調べながら、日々の暮らしや酪農農家の現状や想いを綴るノンフィクションとなっております
これね、河﨑秋子さんファンの人に是非ともおすすめしたい
小説のあの骨太な文章からは一切想像できない、軽くてユーモラスな語り口
言葉選びもおしゃれなんだわ〜
もちろん素の河﨑さんはこっちなんだろうけど、ギャップ萌え必須w
このルーツ探しが、なんていうか自分を知る旅って感じなのよね
当たり前なんだけど自分の血肉ってご先祖様たちから出来てるんだろうなぁなんてことを思ったのと
あらためて亡くなった父との共通点に思いをはせるわたくしなのでした -
Posted by ブクログ
明治18年…樺戸集治監
瀬戸内巽の牢獄での地獄が始まった
物語の大半は監獄生活の描写なのだが、外役と言う厳しい労働、僅かで粗末な食事…キツい(꒪⌓︎꒪)
そんな過酷な中で出会い共に生き抜いてそれなりに心を許し合ったと思っていた大二郎が脱獄!
何故?何も気づかなかった…
大二郎にとって自分は何だったのか?
そして後半で大二郎の行方を探すことになってからが俄然面白くなる‹‹\(´ω` )/››
看守の中田が二人の担当として登場するのだけど
すごく良い!
巽、大二郎、中田のキャラが良いから、キツくて暗い話もサラッと入り込む。
ラーゲリのニノを思い出してウルウルしたり
大二郎の軽さがゴールデンカムイの白石を思い出したりして笑
ラストで大二郎〜っと叫びましたよ!
頑張ったね大二郎。゚(゚´Д`゚)゚。
ゆーきさんオススメしてくれてありがとね!!
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Posted by ブクログ
『ともぐい』が強烈だったので、どんな方が書かれたのか興味があった。
北海道の酪農家の家で育ち、一人で羊飼いを数年やった…動物の解体・精肉をこなすことができる。なるほどそうか、そういう方が書かれたのだなぁと納得がいった。
NZに羊飼い修行に行くなどものすごいバイタリティの持ち主。父親の介護、フルマラソン、小説執筆。そして羊飼い廃業。
河崎さんは、小学生が家畜を飼い、成長させてやがて食に供する「いのちの授業」に強烈な違和感を抱くという。
p191 食育としてもクラスの団結のためにも良い取り組みのように思える。しかしだ。少なくとも、現行の日本の義務教育学校の仕組みで、その理念がゆがまずに子どもたちに行き届くとは私には思えない。
p192 押し付けられては結局歪む。子どもたちは、パック詰めの肉に慣れていて構わない。それぞれが、自分が何の肉をどういった経緯で食べているのかを知りたいと思った時、自ら向き合えばいい。それが子どもの頃であれ、大人になってからであれ。あるいは一生、血の匂いを知らないでも、生き続ける権利だってある。
p193 他の動物の命を食べねば自分の命を維持できない、というのは生物としての業だ。(略)言い換えれば、ヒトの進化は業の深化とワンセットともいえる。そして、進化したゆえに、ヒトは自分たちの業を認知し悩むのだ。耳当たりのいい言葉はあったとしても、安易な正解などありえない。だからこそ、教育の現場で、まだまだ精神成長の余地がある子どもたちに与えられる課題としては、肉と死の問題は大きすぎるのだ。
そして、形の定まらない答えの隙間を埋めるために、私は小説を書いている。なにせ、私だって、自分が育てた羊の脳を食べて『いずい』と感じる理由を、明確になど説明できやしない。
問題は容易に解決するはずもない。だからこそ、私は羊飼いの職を手放してでも、この問題を小説という武器で問い続けるのだ。
そうか、彼女が小説を書くテーマはこれなのだな。 -
Posted by ブクログ
羊飼い、兼作家であった著者の自伝的な本。この本読んだ後、北海道産の羊(サフォーク)を買って食べた。うまかった。日本で羊がマイナーな肉になっているの、もったいないなあ。
一番印象的なエピソード、としてはズレているのかもしれないが、自称羊飼いと言われて著者がキレたところが心に残っている。自分の仕事の扱われ方に関して憤れるというのはかっこいい。ともすると、自分自身でさえ、自分の仕事をどう表現すればいいのか分からなくなることもあるというのに。
荒川弘さんの「百姓貴族」と繋がるところがあって面白かった。経済動物を飼うことのシビアさとか。そもそも経済動物という言葉自体、これらの作品を読むまで知らなかった言葉だったように思う。
ところどころにやや生々しい写真があるので、苦手な人はちょっとギョッとするかもしれない。
最後の2ページがとても良かった。ここで、こう繋がるんだ、と思った。