河崎秋子のレビュー一覧

  • 私の最後の羊が死んだ

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    羊飼いという仕事がよく分かった。
    私達が食べているお肉も、たくさんの苦労のお陰で食べられているんだと思った。
    羊の写真も載っていて、可愛いくて、少し辛い気持ちになった。

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    2025年11月22日
  • 肉弾

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    命のやりとりの描写が生々しく 描写されている部位が自分にも染み込んでくる 野性味あふれる豪快な文章。 登場人物の感情描写も文章から感じることができ 気だるさや緊迫感、悲壮感を直に受け取れる。 獣視点もでてくるがこの人がもつ獣臭い文章を感じることができ 圧巻の物語であった。

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    2025年10月15日
  • 土に贖う

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    北海道でむかし栄え、廃れてしまった産業の短編集。
    養蚕、ミンク、薄荷、農耕馬、羽毛、レンガ作り、陶芸の、体力がないと厳しい産業に関わったひとびとの歴史を垣間見られる物語だった。
    桑園はよく通る場所、北見や江別、野幌は郷土資料館なども行ったことを思い出した。かつてこんなドラマが繰り広げられていたのかなと思いながら読んだ。

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    2025年08月30日
  • 銀色のステイヤー

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    ステイヤーの意味が出てくるまでにだいぶかかりました。河﨑さんの作品にはめずらしく⁇
    魅力的な登場人物がたくさんいて、いつもながら女性たちがたくましく、読後爽快感がありました。
    知らなかった競馬の馬側の話が興味深かった。
    馬は無事です。

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    2025年08月08日
  • 父が牛飼いになった理由

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    今ハマってる作家さんのエッセイ最新作。別海で酪農を営んでいるご実家のルーツがあいかわらず読みやすく面白い文章で、記されている。
    北海道に移住した人はいろいろな事情を抱えているけれど、そう表に出なさそうなので関係者による調査は大変興味深かった。みんなパワフルすぎる。
    最近は別海の牛乳が近所のスーパーで売られているのでよく買っている。
    もしかしたら河﨑牧場のも含まれているかもしれない。こころしていただこうと思った。

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    2025年07月27日
  • 鯨の岬

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    常に北海道を舞台に、歴史を含んだ物語を綴られている河崎秋子さん。
    今回手にした『 鯨の岬 』も、北海道を舞台にした中編2話の構成となる。
    第一話『 鯨の岬 』
    札幌に住む主人公の奈津子は、息子夫婦が共働きということで孫の蒼空の世話を押し付けられていた。
    小学校から帰ってきた蒼空は、二世帯住宅の自宅には戻らずに、奈津子の住まいで両親が帰宅するまで過ごしていた。
    流石に時折気苦労を感じることもあって疲労感に苛まれるのだが、夫の援助は全く期待できなかった。
    奈津子は月に一日、母親が入所している釧路の施設に出かけることにしていた。
    釧路に向かう途中、小学生の時に住んでいた霧多布へ向かうことにした。

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    2025年07月19日
  • 肉弾

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    次が気になって、ずっと読み続けてしまう。
    今まで読んだ小説の中で、1番面白かった。
    途中、面白くない部分があったりするが、この小説は、最初から最後まで面白かった。

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    2025年07月09日
  • 父が牛飼いになった理由

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    ネタバレ

    先生独特のユーモラスな文章で綴られたファミリーヒストリー。
    確かに北海道人ってルーツにあんまり興味ない人が多い気がします(笑)せいぜい頑張っても曽祖父母か高祖父母くらいまでな感じ。
    どこそこ家臣でとかルーツがはっきりしている人以外はあとは割と「先祖?さぁ」って人が自分の周りもほとんど。罰当たりな子孫ですみませんな感じです(笑)

    やはり文書が一つでも残ってるっていうのは大きいですよね。
    そこを足がかりに親戚を訪ねて思いがけない話を収集していく様子が楽しげです。
    しかしやはり一番お父さんにお話を聞きたかったことでしょうね。
    先祖をたどっていく中で出てくるお父さんの兄弟の話やお母さんの開業の話、先

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    2025年07月01日
  • 土に贖う

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    前から気になっていた作家さん。読んでみたら近年稀に見るほど衝撃的に好きなやつでした。現代と地続きになっている暴力的に厳しい大地の記憶。いつの世も人間なんてビックリするほど小さいです。

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    2025年06月10日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    河崎さんの小説は匂いがする。血の匂い、土の匂い、汗の匂い。それが物語をとてもリアルに感じさせてくれる。可愛い羊は食用。人間が消費する。経済動物。
    小学校で牛や豚を育てて食べるところまで学ぶという取り組みへの意見が良かった。あんなのやめるべき。

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    2025年06月06日
  • 愚か者の石

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    プロローグ

    カラン、コロン♪

    誰かが、入店したようだ

    2杯目の珈琲を飲み終えるのと同時に最後の頁をゆっくりと閉じた
    読後感は、とても複雑だ
    2杯目の珈琲の後味のように、何とも言えない苦味だけが、心を浸していく
    “混沌”か‥
    そんな二文字がふと浮かび、居心地の悪い席で、暫し呆然としていた‥

    本章 

    ブク友の皆様も高評価の声が多かった本書
    『愚か者の石』★激5
    ん〜、何と表現したらよいのか
    物凄くそれは複雑だ
    看守の中田、囚人の巽と大二郎
    主人公、巽にとって、看守である中田は兎も角として、少なくとも大二郎だけは、茶化す性格を差し引いても、お互いに友として成り立っていると確信していた
    それ

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    2025年05月05日
  • 父が牛飼いになった理由

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    文庫本でページ数も多くないが文章に無駄がない。酪農についての知識が得られるとともにファミリーヒストリーをわかりやすく教えてくれる。そこから得られる筆者の考えも本当に上手い表現で大変参考になった。物書きになろうという人に読んでもらいたい。さすが直木賞作家!

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    2025年04月20日
  • 絞め殺しの樹

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     木内昇さんの解説の冒頭にあるよう、この作品からは〝においが激しく立ち上″ってきた。
    まさに、登場人物の体臭がしてくるのだ。
    それ故に嫌なヤツは嫌な臭いが濃く漂い、読んでいてムカムカする。
    その世界に放り出されて、逃げたいのに逃げられない読書体験となる。
     それは何故か。
    第二部第一章無花果の、″シメゴロシノキ″のエピソードで、その訳がすとんと落ちてきた。
     そう言えば、イチジク属のイヌビワは、イヌビワコバチと言う寄生バチと共生しているという。
    相互に深く依存し、一方の破滅は他方の滅亡と言われるほどに。
     インドボダイジュも同じイチジク属。
     絡みつき、時に傷つきながらも、根室の土地と共生する

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    2025年04月04日
  • 絞め殺しの樹

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    こんな苦しい小説を久しぶりに読みました。
    読み進めるのに何度も挫けそうになりました。
    あまりにも主人公が不幸すぎて、悲しすぎて。
    それでも最後まで読んだのは圧倒的な面白さがあったからです。
    いや、面白いという表現は不適切かもしれません。
    これは面白いという物語ではありません。
    とにかく苦しくて切なくて悲しいお話です。
    それでも読んで良かったと心から思います。
    ここに生まれてしまった者は、その家から逃げられない。
    私にはその気持ちがよくわかります。

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    北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵

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    2025年03月27日
  • 父が牛飼いになった理由

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    大人になって北海道に帰ってきて、ご近所に住んでいる、開拓した人たちのことをとても知りたかったので、本を読んだが、実際にご近所の開拓二世の方から、内地のご先祖の話を聞くことはほとんどない。話してくれるのはいつも、今の北海道での暮らしのことだった。こちらからご先祖がどこから来たのかを聞くことも憚られたので、長いこと付き合ってきて、ようやく話の中でふと漏らしてくれるくらいだ。でもこれを読んだら、どこから来たことにはあまり関心がない人が多いとあって、なるほどと思った。
    河崎さんがご先祖のことを調べようとしたのは、お父さんが、もう過去を語ることができなくなってしまったからだ。それなら調べてでも知ろうとし

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    2025年03月27日
  • 土に贖う

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    蚕、ミンク、ハッカ、アホウドリ、ウマ、レンガ――

    時代の要求に呼応して変化する産業の姿を、
    変わらずある北海道の大地から眺める短編集。

    “定住”によって蓄えることを覚えた人類が、
    社会の構造化によってより蓄える側と奪われる側に分かれていく。

    今では大っぴらに使用される資源は石油くらいになったけれど、
    産業の黎明期、人類がどれだけの動植物を喰い荒らしたか。
    命に思いを馳せられる作品。

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    2025年03月22日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    エッセイは、いろんな人の人生を追体験できる素晴らしい読み物だと実感した一冊。
    羊飼いに憧れるけど、実際どうすれば羊飼いになれるのか?羊飼いは何をしているのか?それを面白く楽しみながら学べるエッセイでした。
    噛めば噛むほど肉汁が出てくるような、体験記。きっとここには書かれている以上の体験が、このエッセイに重みを持たせているんだろうな〜

    追記
    読み終わって、最初は羊面白いなぁと思ってたけど最後の方は自分には命を扱う仕事はできないなぁとちょっと重たい気持ちになった。きっと、飼育と屠畜を別の人が行っているから世の中の酪農は成り立っているんだろうなぁ…私は自分が育てた動物の最期がどうしても気になってし

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    2025年03月20日
  • 私の最後の羊が死んだ

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     直木賞作家 河﨑秋子さん初のノンフィクションです。
    しかも、ご自身の体験を綴った作品です。

     酪農家の娘さんとして生まれた河﨑さんは、一念発起、ニュージーランドで羊飼いの実習を受けます。
     そして、帰国して家畜として羊を40~50頭飼育し、羊の肉を食肉として出荷するようになります。

     河﨑さんは、その後、文章専業で生きる決意をし、羊飼い廃業をしていきます。
    これは、羊を1頭飼育し始めてから、最後の一頭を出荷して羊飼いを終えるまでの羊飼いノンフィクションなのです。

     羊飼いの日常生活から、日本の酪農事情、ジンギスカンの話など、羊にまつわる知られざる業界話が生き生きと語られます。もちろん、

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    2025年02月15日
  • 愚か者の石

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    明治時代に樺戸集治監にて囚人となり収監されていた巽と、そこで知り合った大二郎。
    大二郎が大切に隠し持つ水晶。
    そして、看守の中田。

    月形刑務所はR275をよく通っていた身としては、通り道にある場所としてくらいの認識。
    自分が北海道に住んでいるから、河崎秋子さんを興味深く読めている部分が大きいと思う。
    この本を読んで、硫黄山での兵役についても調べてみた。

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    2025年02月09日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    河崎秋子にどハマりの私としては、
    もっと前にこの本を読みたかった。
    この本には、今の時代を生きる作者がいて、もっとたくさんの苦労と「生きる」を感じていたのだと感じることができた。
    より河崎秋子の本を読みたくなった。
    まずほ、颶風の王読もうと思った。

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    2025年02月09日