河崎秋子のレビュー一覧

  • 鯨の岬

    Posted by ブクログ

    新しく書き下ろされた表題作に、2012年北海道新聞文学賞受賞作「東陬遺事」の2篇。

    「颶風の王」以来注目している河﨑さん。鯨が腐敗して爆発…という驚くべき現象に惹かれて手にした文庫だが、表題作よりも北海道新聞文学賞選考会で別格の力を見せつけて受賞したという「東陬遺事」の方に強く惹かれた。

    道東の野付半島を舞台に、ただ生きていくことさえ難しい厳寒の地での人の営みと、動物を含めたその地に生きるものの覚悟や諦念といったものが静かに描かれた作品。
    そこには安易な共感や感傷を寄せ付けない厳しさがある。今流行りの「生きにくい世の中」とかいうぬるま湯に浸かったような感傷などはない。
    まさに生きるか死ぬか

    0
    2022年08月04日
  • 肉弾

    Posted by ブクログ

    多少無理のあるストーリーだけど生きるか死ぬかをかけた戦いには惹きつけるものがあった。
    後半にいくにつれて良くなってきた。
    前半はちょっとなんの物語か見失いそうになったときもあった。

    0
    2022年04月01日
  • 肉弾

    Posted by ブクログ

    キミヤと熊の戦い、まさに肉弾戦!ボクは現実的な話が好きだが、人間が熊と戦う非現実的な話でも没頭して読んでしまった。人間だって、捨てられた犬たちだって、熊だって、動物たちはみんな必死に生きている。必死に命を繋いでいる。キミヤは、遭難中、体力的に過去にやっていた陸上が活きているといっていた。父親が目の前で熊に殺され、絶望…。この描写はグロテスクだった。キミヤは自分で命を絶とうとすることもあったが、左脚を熊に傷つけられそうになった時、体は反射的に回避。心は死のうと思っても、体は生きようとしている。生きようと思えた発端が陸上をやっていたことだと思うと、辛い過去があっても、やっていた意味は多いにあった。

    0
    2021年12月13日
  • 颶風の王

    Posted by ブクログ

    淡々としているのに、どこか圧のある文章だったな……。東北、北海道の厳しい冬を感じる。
    こういう作家がいたんだなあという驚き。

    0
    2021年11月28日
  • 颶風の王

    Posted by ブクログ

    明治-昭和初期-平成
    福島-根室-十勝

    馬と共に生きた、ある家族(一族)の物語
    オヨバヌトコロ
    人智を超えた世界がある

    0
    2020年04月07日