河崎秋子のレビュー一覧

  • 絞め殺しの樹

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    すごく読み応えのある本でした。決して明るい内容ではないし、辛くて読む手を止めてしまったこともあります。でも、この作品には他作品にはない意味と多くのメッセージが込められてます…たくさんの人に読んでほしい。

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    2025年03月25日
  • 愚か者の石

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    本の雑誌2024年エンターテイメントベスト10で2位にランクインした作品。
    「ショーシャンクの空」を彷彿する様な監獄物ではあるものの、映画の様なキレがあるストーリーでは無く、あくまで気の遠くなる時間の経過を淡々に描いている。
    囚人2人と看守1人の心の変化を「語らない」「描かない」手法で読み手に想像させるギリギリ紙一重の表現が厳粛なものとして物語を昇華させてます。
    しかしながら北が舞台なので極寒や過酷な状況下でのイメージがつきまとい、外へ対して閉塞的な物語として私にとっては「エンターテイメント」にはなり得ませんでした。

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    2025年03月20日
  • 土に贖う

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    ネタバレ

    河崎秋子さんの著書を読んだのはともぐいに続いて2作目だったが、北海道で生きる人の生命力の強さを重苦しいほどに感じた。厳しい気候や時代の流れに翻弄されながらも、たくましく、しなやかに生き抜いた人々がいたからこそ今の北海道があるのだと思った。

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    2025年03月10日
  • 愚か者の石

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    明治時代の牢獄が舞台で、最後まで読めるか心配だったが、面白かった。「ともぐい」よりも共感しやすい

    人権意識が乏しかった時代、筆舌に尽くしがたい理不尽な人生を送るはめになっても、人としての矜持を忘れずに真面目に生きた大二郎、すごいなぁ。でも彼の人生は一体何だったのだろうか。

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    2025年03月06日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    お人柄がよくわかるエッセイだったと思います。時にクスクス、時に一緒に考えながら拝読しました。自分に対してではなく自分が作り出したモノに対してプライドを持つことが、人間としての深みを増すのだと感じました。次は小説も読んでみたいです!

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    2025年02月19日
  • 銀色のステイヤー

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    これまでに読んだ河﨑作品とは違って、爽やかな青春小説でした。競馬を楽しむうえで、こういう小説を通じてでも、馬を送りだす側の視線は忘れないでいたいものです。

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    2025年02月11日
  • 銀色のステイヤー

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    070129 #銀色のステイヤー #河﨑秋子
    河﨑秋子さんのエグさやドロドロさは影を潜め、疾走感のある爽やかな物語だ。主人公はシルバーファーンというヤンチャな芦毛馬。世話する人たちを翻弄しながら競走馬として成長していく。馬に関わる登場人物がみんな魅力的だ。競馬というギャンブルの世界を描くので男性主体に思えるが、この物語は一癖ある女性たちが活躍する。生産牧場で馬を育てたアヤ、厩舎で調教を担当した鉄子、初めて馬主になった広瀬夫人、牧場のゴッドマザー千恵子の存在も忘れてはいけない。競馬はさほど詳しくないがG1レースで勝利したシーンは感動で胸が熱くなった。

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    2025年01月29日
  • 愚か者の石

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    半分読むの辛かった。北海道の監獄で、とてつもなくしんどい労役が課されといたことは、2つの博物館で聞いていたが、
    苦しい囚人ライフ、いつまで続くのか、もしかして起承転結の転はないのでは…と辛かった。が、転機はきた。
    釈放されても、また監獄に戻るような不運があるのではないか、と心配し続けた。
    看守の中田、監獄仲間の大二郎、2人が信頼できるのかできないのか、とても魅力的で、最後は予想に反して…

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    2025年01月05日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    羊飼い、兼作家であった著者の自伝的な本。この本読んだ後、北海道産の羊(サフォーク)を買って食べた。うまかった。日本で羊がマイナーな肉になっているの、もったいないなあ。
    一番印象的なエピソード、としてはズレているのかもしれないが、自称羊飼いと言われて著者がキレたところが心に残っている。自分の仕事の扱われ方に関して憤れるというのはかっこいい。ともすると、自分自身でさえ、自分の仕事をどう表現すればいいのか分からなくなることもあるというのに。
    荒川弘さんの「百姓貴族」と繋がるところがあって面白かった。経済動物を飼うことのシビアさとか。そもそも経済動物という言葉自体、これらの作品を読むまで知らなかった言

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    2024年12月24日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    作家が北海道で羊を飼い、肉を卸していた頃の話。

    羊を飼うという仕事の面白さと大変さ。自分で育て、その肉を食べるということ。私の生きる世界では全く実感できないことを、疑似体験できた。

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    2024年12月08日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    河﨑秋子のエッセイ。この方が羊飼いだというのは小説の著者紹介で知っていたが、「羊飼い」のイメージがぼんやりしすぎていて想像できていなかった。肉用の羊の飼育、繁殖、出荷。羊飼いになるべく修行を始めてからのこと、羊飼いに加えて実家の酪農の仕事やお父さまの介護、更に小説を書いていたと知り圧倒された。文筆業一本にされるまでを書いた話。この積み重ねがこの人の小説になってるんだな。これからも注目して読んでいきたい。

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    2024年11月24日
  • 愚か者の石

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    たまたま「めざせ!ムショラン三ツ星」の次に読んだので刑務所界隈繋がりになってしまいました。
    「愚か者の石」とは?大二郎はどうなったの⁇最後の方はドキドキしながら読みました。看守の中田は「虎に翼」の松山ケンイチを勝手にイメージしていました笑

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    2024年11月24日
  • 銀色のステイヤー

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    静内の生産牧場で生まれたヤンチャな牡馬“シルバーファーン”。一頭の馬と共に歩む生産者、調教師、馬主、騎手それぞれの思い。
    調教助手の鉄子、調教師の二本松、問題児のアヤと登場人物のキャラがいい。
    もちろん主役であるシルバーファーンが一番だけど。

    一頭の馬をレースに送り込むまでの彼らの奮闘と、馬によって人生を輝かせ成長していく人間たちのドラマは最初から最後まで軽やかで爽やかさを失わない。

    いつも動物への愛情を感じる河﨑さんらしい作品で、今回は重さがなく読後も文句なし。

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    2024年11月12日
  • 私の最後の羊が死んだ

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    羊飼いと小説家の二足のわらじを履いていた河﨑さんが、羊飼いになろうと思ったきっかけから、肉体的にも精神的にも追い詰められて羊飼いを廃業する決断をするまでを振り返る回顧録。
    文章のうまさは保証付きだし、家族や先輩に支えられて無事に羊飼いになるまでの顛末も楽しい。この人の作品には動物のリアルな解体シーンが登場するが、経験に裏打ちされたものであることがよくわかった。
    骨太な作品は骨太な作者から生み出されていたのだった。

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    2024年11月09日
  • 銀色のステイヤー

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    この小説に登場する競走馬「シルバーファーン」の設定がとてもいい。2011年に三冠を達成したオルフェーヴルを彷彿させる気性難は闘争心と表裏一体であり、秘めた爆発力にものすごく魅力を感じる。競馬ファンとしては日頃知ることのできない厩舎や生産牧場での仕事が生き生きと伝わってきて良かった。そして馬を愛する気持ちは尊く大切なものであるが、それだけでは競馬社会が成立しないという厳しい現実を、登場人物の成長と重ねてきっちりと描いているところが良かった。

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    2024年11月08日
  • 愚か者の石

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    この作品を読み始め、すぐに頭に浮かんだのが、吉村昭著「赤い人」
    舞台は一緒なのだろう
    吉村作品とはスタンスが違う様な感じがした
    川﨑秋子さんが、何を描きたかったのはわからない
    昨今冤罪に無罪判決が確定した
    世の中、間違いはあると思う
    それをどう修正していくか、我々の責任かと思う

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    2024年10月17日
  • 銀色のステイヤー

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    シルバーファーンことドラ夫の誕生からそれに関わる牧場,馬主,厩舎,厩務員,調教師,騎手などみんなの思いが一つになって成長し,レースを駆け抜けていく.ワクワク感が止まらない.

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    2024年10月17日
  • 鯨の岬

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    表題作と短編一編が収録されています。読みやすいのは表題作ですが、北海道の自然を感じられるのはもう一つの方。

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    2024年10月12日
  • 銀色のステイヤー

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    『ともぐい』を読んだこともあって心に残っていた作家さん。新聞の書評に載っていてきになったので読むことに。

    全く競馬には興味ないし知識もなかったけど、そんな事は全然気にならず読み切れました。
    ドラ夫ちゃんと、女性達の成長物語ですね。
    ともぐいよりライトな感じでした。

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    2024年10月07日
  • 銀色のステイヤー

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    河崎さんの作品はいつも疾走している。
    ラスト、芦毛のファーンが観客の声援を受けて。。美しい!
    装丁にも惹かれた・・芦毛という競走馬で言われる用語の意味も初めて知った。

    ストーリー的には競場用の馬の生産牧場が舞台。
    そこに人生をかける男女~先代社長夫人、専務、調教助手、スタッフ・・そして意外な輝きを見せてくれる馬主。

    男性陣より女性陣にスポットが当たっていた気がした。
    競馬は無論、馬牧場の事はからっきし無知な私でも楽しめる構成になっており、さらっとした読後感。

    時にはあくの強い、臭味きつい河崎ものにしては爽やか系といったところかな。
    表題のステイヤー・・父馬のシダロングラン、母馬のドラちゃ

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    2024年10月02日