森岡浩之のレビュー一覧
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第一部完結作である本著は、もっともアーヴらしさが描かれた作品でした。アーヴらしさとはつまり、アーヴの価値観や考え方についてです。
アーヴは自らの故郷を滅ぼした親殺しの原罪を持つ種族です。それ故に、彼らは誰かに覚えてもらう、覚えておくということを強く意識しているように見受けられます。
英雄芳名碑の一連の流れはその象徴的な描写でした。歴代の戦没者名をすべて記している英雄芳名碑の存在。帝都が滅ぶさなかにあってもそれを守り抜こうとするアーヴの意志。忘れじの広間管理官エーフとジントの対話。
英雄芳名碑はそれそのものも大事ですが、ただのモニュメントとして重要なのではなく、そこに記憶が付随しているか -
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惑星探査の生物部品として地球人類から遺伝子改造して作出された「アーヴ」。彼らは人間から独立し、強大な星間帝国を作った。
アーヴの皇孫女ラフィールと、地上出身者ながらアーヴの星間帝国の伯爵公子となったジントとの、出会いと冒険の物語。
設定は良く作り込まれており、独自性が高く非常に面白い。驚くべきことには作者森岡浩之氏はアーヴ語を創作したそうだ。この辺りのエピソードはトールキンの『指輪物語』を彷彿とさせる。
詳細な設定とアーヴ語に支えられ、物語も勢いがあり読者をぐいぐい引っ張っていく。
ただし物語の主題はボーイ・ミーツ・ガールものであり、ジュヴナイルの匂いが漂う。とても面白いのだが、あおり文句の -
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新書購入
SF・短編・シリーズもの
星界の紋章・戦旗の後続。
元々が、人工生命体の作った「アーヴによる人類帝国」。そこの皇帝の孫娘と、帝国に攻め込まれた結果、アーヴの貴族になった少年の軍務生活のお話……(だよね?)
アーヴの秘密に迫る短編(笑)
「併呑」苦手な人物がそばにいないと落ち着かないって……この人たちマゾですか?
「謀計」感情が重視されるのも、さることながら。教官たちは頭がとても柔らかい……。(笑)
「墨守」喧嘩しようと仲良しこよし家族ですよね、けっきょく。罵っても。けなしても。
ほとんどみんな、ギャグやコメディです。シリアスなのが「変転」です。反逆の話。アーヴに -
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とても久しぶりに森岡浩之を読んだ。「星界」とも違う短編集。中学のときに一度読んでいるもののかなり捕らえ方言うか理解は変わった小説である。いくつか方向性は神林長平に似てるのではないかなと思う。特に最後の「夜明けのテロリスト」なんかは「死して咲く花実の有る夢」に人間の意識の捕らえ方は似ている部分がある。いくつかの短編を通して共通しているのは「言葉が世界を認識する術の一つ」ということであり、この「道具」を持ち変えることによって大幅に今見ている世界は変わるのではないかということである。特にその意味では表題作なんかは正面からその論を描いているのではないか。題名もまとまっており面白い。しかし、途中の論の展
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Posted by ブクログ
アニメにもなっている、有名なSF小説。好みは、分かれるところであろう。
世界設定・人物設定が几帳面に作りこまれており、充分現実感を感じられる。もっとも、作り込まれた世界・人物というのは、反面、受け容れにくい人には受け容れにくいということでもある。
また、文体や言い回しには癖があり、苦手と感じる人はいるだろう。
好みが分かれるだろうというのは、そういう意味合いである。
その点を除けば、超未来ともいうべき遥かな未来で広大すぎる宇宙を移動する物語と、登場人物たちの強い個性に引き込まれるに違いない。
好みは分かれると思われるが、SFをはじめて読む人にも、お勧めできる。