【感想・ネタバレ】星界の紋章 1―帝国の王女―のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年10月03日

高校生の頃SFを読み始めたきっかけがスペースオペラだったので、とにかく楽しい読書でした。
しかも30年くらい前の作品。
今っぽく尖ってなくて、ほんと好きだわ。

『星界の紋章 Ⅰ』なんていうから、一話完結のシリーズ化と思ったら、話の途中で続く。
上中下巻の上ってことでした。

惑星マーティンで穏やか...続きを読むに子ども時代を過ごしていたジントは、ある日現れたアーヴ帝国に故郷の星を侵略され、父の決断により、あろうことか帝国貴族となってしまった。
故郷を裏切った父への思い。
アーヴの見た目と大きく違うために貴族としては生きにくく、だからといって地上人として生きるわけにいかないジントの屈託。

貴族は一定期間軍隊に所属することが義務付けられるので、ジントは軍の事務官を養成する学校へ向かうために宇宙艇に乗船する。
ここでジントが出会うのが、帝国の孫娘であるラフィール。
二人はそれぞれに運命と戦っているのだが、ジントにとってラフィールは帝国貴族の教科書でありお手本。
読者にとっても、ラフィールの説明で帝国のありようがわかるシステムになっている。

ところが突然宇宙艇が襲われる。
帝国の独裁に異を唱える勢力に攻撃され、ラフィールとジントは艇を脱出し、早急にこの異常事態を帝国に知らせなければならないのに…!

50ページくらいで次々に場面転換するので、テンポよく読めるのもいい。
そして猛烈に次巻が気になる。
よい本に巡り合えました。

”けれども、彼らは誠忠と隷属の区別をちゃんとつけていたものだ。”
これ、大人として大事なことだよね。

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Posted by ブクログ 2018年09月10日

星界語(?)のルビがやや鬱陶しいが、話自体はスペースオペラ&ボーイミーツガールで惹き込まれる。数奇な運命で貴族になってしまった主人公も面白い。

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Posted by ブクログ 2015年02月21日

宇宙活動に適用するように遺伝子改良して創られた一族、アーヴの皇族である少女ラフィールと、未開惑星からいきなり貴族に取り上げられた少年ジントが宇宙を翔るお話。

同じくらい面白い小説にも今まで出会ってきているけど、僕の人生における原点(元凶?)となっている作品です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月29日

ハードなタイプのSFに属すると思うけど、非常に読みやすい。世界観は重厚だし、一つ一つの役職や用語にこだわり……つか、マニアックな趣味があふれ出していて、独特な世界観にまったりと浸ることが出来る。
なーんてことは、ほとんどどうでも良くて、ツンデレ美少女エルフのラフィールが可愛い。護ってあげたい。などと...続きを読むいう可愛さではなく、護ってもらいたい。お願い、助けてください。ハアハア。みたいな変態的なことを書いていると、ファンにぶん殴られそうだけど、それくらいに魅力があるキャラクターに思える。
勿論、主人公であるジント君も現時点ではお荷物以外の何者でもないが、運命に翻弄されながらも必死に頑張っている。その健気な姿勢にとても好感がある。

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Posted by ブクログ 2013年06月19日

 再読なのだけど、改めて上手いなと思わされる。
 ボーイミーツガール兼異文化交流の物語だけど、ジントが馴染んだゴースロス着艦から物語は風雲急を告げ、大変据わりの悪いフェブダーシュ男爵での途上で巻を閉じている。
 続巻の販売時期が確定しているだけに出来た荒行だ。この焦らし方はなかなか。

 がっちり固...続きを読むめた世界観は、なんというのかな、ハイファンタジーならぬハイSFの気配。
 しかし、あくまで物語は冒険活劇であり、ボーイミーツガール。それを表すように、文体は堅苦しすぎず、会話のやりとりはユーモアを多分に含んで軽妙である。
 硬軟バランスよく取り混ぜていて、名作として再評価したい作品だ。

 余談だが、レクシュの戦闘シーンではアニメを思い出す。この人は本当に惜しい。ゲームならどうにかなるんだけどね。

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Posted by ブクログ 2010年09月14日

SF小説です。時は近未来、宇宙進出を果たした人類のその後を舞台としています。新人類として存在するアーヴ、小説の中で語られるアーヴ語、旧人類との関わり、政治的対立、血族、様々な設定が絡み合い、読む内にその世界に引き込まれます。絶対です。そういったSFとしての面白さを押さえていながら、この作品の一番の魅...続きを読む力は会話にあります。絶妙のテンポ、ユーモラスな掛け合い、頭に残るリズム、すべてが素晴らしい。これは実際に読まないとわからないと思います。日常における幸せで穏やかな刺激を感じたいあなた、是非ご一読下さい。

(宮崎大学 学部生)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

スペースオペラの名作。ボーイミーツガール。
登場人物たちがいい!!
統治機構としての帝国や星間航法がきちんと描かれているのも魅力。
帝国のモデルはローマ帝国?

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

SF長編小説です。おもしろいんですが、単行本が出る間隔がおそろしく長いです。
演劇的な台詞の言い回しとか、細かく作りこまれた世界設定とか、ツボにはまるとたまらないはず。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

緻密で独特な世界設定を持つスペースオペラであり、登場人物たちの魅力を前面に出したライトノベルでもあり、少年と少女が旅を通じて成長していくロードムービーでもあり。一言では表現できない素晴らしさを持つ星界シリーズの第1作目はジントとラフィールの旅立ちと出会い編といったところか。あの名台詞はこの巻にあり!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

○回目の再読。やっぱり星界はよかですよー。
細かく作られた設定、キャラクター達、どれをとっても一品だと思う。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

出会いは中学生の頃です。
この本は世界観が難しく、さらに独自の言語を作者が作り出しているので中学生の僕にはわかりづらかったです。漢字は難しくても振り仮名がないので苦労しました。
ここで蹂躙を学びました。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

最初にアニメから入ってしまったのですけど、やっぱり原作のコチらの方が楽しく読めました。3巻ブっ続けで読んだので肩凝りが…(笑)主人公のジントの、なんともイマドキの子らしい性格が、見ていて興味をひきます。そしてラフィール様は可愛い!「許すがよい!」には笑わせてもらいました。アーブには素敵な人がいっぱい...続きを読むですね。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

いわゆるSFでスペースオペラ。期せずして銀河最大の帝国の貴族となった青年ジントと、帝国王女ラフィールが主人公。ジントとラフィールの触れ合いを軸に、銀河全土を巻き込む大戦争を描いています。言語までも綿密に作り込まれた世界観やひねりの利いた文体など全体的に隙がなく安心して楽しめる作品だと思います。発刊ペ...続きを読むースが遅いのが難点ですが、今後も大いに期待したいところです。

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Posted by ブクログ 2014年05月16日

SFを探して本屋にいって、このシリーズがまとめて並んでいたので購入した。アーブ語のルビが邪魔に感じられたが、ストーリーは展開が早くておもしろかった。

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Posted by ブクログ 2013年11月26日

SFが苦手な私でも読めた作品。
世界観や言語は、読んでいくうちに自然と頭に入っていくので大丈夫…どちらかというと、シリーズものなのでその知識を持続させておく方が難題です(笑)

私的には、ジントとラフィールの掛け合いが魅力の一つでもあるのですが、紋章から戦旗になるにつれて少し魅力が色褪せてしまってい...続きを読むるような気もします。

読み始めたきっかけは、アニメ化の番宣だったのですがアニメは一話も観ることなく終わってしまいました。
時間があって、何かどっぷり違う世界につかりたい気分の時に読むとよいかもしれません。
ただ、中学?高校?時代に読んでいた作品なので大人になってどんな感想を持つのか…少し不安でもある作品です。

個人的には、『紋章』シリーズの方が好きでした。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

内容(「BOOK」データベースより)

惑星マーティンの平和は突如襲来した宇宙艦隊によって破られた。侵略者の名はアーヴ、遺伝子改造によって宇宙空間に適応した人類の子孫だという。彼らの強大な軍事力の前に全面降伏の道を選んだ惑星政府主席の決断は、その幼い息子ジントの将来を大きく変えた―運命のいたずらでア...続きを読むーヴの星間帝国の貴族となった少年の冒険行を、SFマインドあふれる設定と、息もつがせぬストーリーで描いた気鋭のスペースオペラ超大作。

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祝!『星界の戦旗 V』発売!
時間が経ちすぎてアーヴ語忘れちゃったよママン、、、というわけでプロローグから読み直し。いや、けっこう覚えているものだな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年04月19日

 出版された頃に一度読んでいるが、星界の戦旗Ⅲまで読んで(続編が長いこと出なかったので)本も手放してしまった。このたび戦旗Vが出たとのことで、買いなおして読み直し中。ほとんど忘れている。

「~するがよい」
 「~であろ」

というヒロインの話し方はいいな。

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Posted by ブクログ 2011年01月16日

ある日突然、《アーヴによる人類帝国》の貴族となったジント。
だから、ジントは純粋たるアーヴではない。

ある事件を期に、ひょんな事で乗り合わせた王女ラフィールとの逃避行を開始する。
アーヴの秘密。ジントの葛藤。ふたりの冒険。

アーヴ語を始めとする、森岡浩之により構築された世界観。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

アニメにもなっている、有名なSF小説。好みは、分かれるところであろう。

世界設定・人物設定が几帳面に作りこまれており、充分現実感を感じられる。もっとも、作り込まれた世界・人物というのは、反面、受け容れにくい人には受け容れにくいということでもある。
また、文体や言い回しには癖があり、苦手と感じる人は...続きを読むいるだろう。
好みが分かれるだろうというのは、そういう意味合いである。

その点を除けば、超未来ともいうべき遥かな未来で広大すぎる宇宙を移動する物語と、登場人物たちの強い個性に引き込まれるに違いない。

好みは分かれると思われるが、SFをはじめて読む人にも、お勧めできる。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

惑星マーティンの平和は突如として破られた。

宇宙からの侵略者の名はアーヴ、遺伝子改造により宇宙空間に適応した人類の末裔であると言う。

巨大な軍事力の前に全面降伏の道を選んだ惑星政府主席の判断は、幼い彼の息子ジントの運命を大きく揺るがせた!!


運命のいたずらでアーヴ貴族となった少年の冒険行を、...続きを読む息もつかせぬ展開で描ききる著者渾身のスペースオペラ開演!!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

アニメ化向きなSF。作者の几帳面さもあって底の浅い作品にはなっていません。
なんといっても一つの言語体系作ってしまってますから。作者からすればコストパフォーマンス悪すぎでしょう。読者としてはおいしい。早く本編続けてください。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

世界観と文章が面白い。読み進むうちにどんどんと引き込まれていきます。宇宙やSFが好きな人は必見です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

筆者は森岡浩之。
遠い未来、人類が惑星移住をしてからのお話。
主人公ジントは、惑星マーティンに住んでいた。
ある日突然やってきた侵略者、アーヴの強力な軍事力の前に、惑星政府主席―ジントの父―は、アーヴとある取引をする。
その結果、ジントはアーヴ帝国の貴族となり、ジントは、アーヴとして生きていくことと...続きを読むなる…。
本格SF。
平面宇宙など、独特の設定が多いが、個々のキャラクターもそれぞれが魅力的なのは珍しい。
この手のSFは、総じて世界観を演出するために、キャラクターが薄くなりがちなのに、これはキャラクターが立っているのだ。

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

★「ラフィールと呼ぶがよい!」(p.62)
3つの魅力(1)ボーイ・ミーツ・ガール。ラフィール一六歳、ジント一七歳。生物としても文化としても異なる背景を抱く二人がどう絆を深めていくか?(2)そしていま、「四ヵ国連合」との長きにわたる戦争と二人の逃避行が始まる。(3)シンプルなスペース・オペラかと思っ...続きを読むていましたが、設定がかなり細かいです。この巻はストーリーに組み込みつつ設定を説明している巻のようです。書きながら設定を試行錯誤しはったのかもしれません。・・・あとがきによると三巻分まとめて書いてはったようです。

■簡単なメモ(アーヴ流の呼び方はめんどうなのでなるべく書かないようにします)

【一行目】よく晴れた夜空。

【アーヴ】元は宇宙をまたにかける武装商人だったが都市船「アブリアル」内ですべて自給自足できていたので武家の商法のようだった。《アーヴ、その性、傲慢にして無謀》紋章Ⅰp.140と言われる。ある時期の研究により「門」を開くことができるようになり、無用の争いを避けるためにもその技術を独占することにし、「アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリ)」略称「アーヴ帝国」を設立した。おそらく拠点となる決まった星を持たず宇宙船内で生きていると思われる。
【アーヴ人】青い髪で若々しく美しい。地球人の遺伝子をいじってそうなっているそうだ。宇宙とともに生きる民族。自分たちのことを「星たちの眷属(カルサール・グリューラク)」と呼ぶことを好む。《いまでは宇宙が故郷だ。》紋章Ⅰp.132。
【アーヴによる支配】一五〇〇ほどの有人星系と二万以上の半有人星系を支配している。政治はおおむね被支配惑星の自治に任せるが「皇帝」を立てたとしても帝国の書類上は「領民代表」となる。帝国への反抗、離脱は許されない。制限は二点のみ。(1)恒星間飛行が可能な宇宙船の建造は認めない。代官である領主が認めれば保持はできるが武装は不可能。もともと「門」の無制限な利用により戦争が起こることを避けるのがアーヴ帝国設立の理由だったようなので当然と言える。(2)帝国星界軍の募集事務所を置く。星界軍に所属したり領主の配下になったとき被支配惑星の領民ではなく帝国の国民となる。応募者の妨害は許されない。
【アブリアル】ラフィールの姓の元になった大昔の都市船。まあ、イメージ的にはマクロスかなと。当時の戦闘は戦闘機(高機動戦闘ユニット)によるもので、菱形の編隊、これもやはりマクロスのダイヤモンド・フォースな感じを組んでいた。指揮官が先頭の機体に乗り、それが前衛翔士、次席が後衛翔士、左右の機体の操縦士は列翼翔士。その編隊が二つ集まり、二部隊を指揮官機と同僚機が率い、計十機になるので指揮官は十翔長と呼ばれた。都市船アブリアルの時代、戦闘ユニットは全部合わせても一〇〇機から二〇〇機だった。その総指揮官が百翔長。それらの呼称が現在の軍の中にも残っている。
【アブリアル司令長官】マーティンに最初に現れた侵略艦隊のトップ。友好条約には応じなかった。外交官でもあり、皇太子でもある。
【遺伝子操作】アーヴでは遺伝子操作はアーヴという芸術作品を作るための技術のようなもの。美的見地からそれを行う。
【エルフ耳】『星界の紋章』第一巻の表紙カバー絵はラフィールを描いているが、エルフ耳をしている。これはアーヴ全般ではなく「アブリアルの耳」と呼ばれアブリアル家の家徴らしい。これでも家の中では耳が小さく若干の劣等感を抱いているらしい。
【階級】軍では軍の階級のみがすべてであり宮中での序列は関係ない。
【技術系四科】造兵科、造船科、造機科、光子科。
【ギュムリュア】軍匠十翔長。ゴースロスの整備・点検の総責任者。機関士長という感じか。女性。
【教育】アーヴは貴族制であり、幼少時の教育は家風を叩き込むためにも家庭内で行われる。人格が定まっていないうちに他者に教育をほどこさせる学校のような施設は問題外。
【空識覚/フロクラジュ】アーヴ特有の能力。空識覚器官を使い宇宙船の感じること、宇宙船の周囲の様子がすべてわかる。空識覚器官はふだんは頭環で隠されている。
【クー・ドゥリン】ジントのデルクトゥーでの友人。
【クランドン市】惑星マーティン唯一の都市。三つの複合機能建築からなり、オムニⅠ、オムニⅡ、オムニⅢと名付けられている。ジントが暮らすコリント家はオムニⅢにあり、首相官邸はオムニⅠにある。
【血縁】アーヴは遺伝子をいじくりまわしたり、遺伝子のやりとりをしたりするので貴族といえど血縁をまったく重視しない。重要なのは家風の継承であり遺伝子の継承ではない。
【光子科/ファズイア・ダテュークリール】技術系四科のひとつ。思考結晶を扱う。
【皇族】アーヴ皇帝は世襲だが、継承者の資質を考慮できるようアブリアルの姓を共有する八つの王家から選ばれる。①スキール王家②イリューシュ王家③ラスィース王家④ウェスコー王家⑤バルケー王家⑥バルグゼーテ王家⑦スュルグゼーデ王家⑧クリューヴ王家。ラフィールは最後のクリューヴ王家に属する。必ず軍役につかねばならない義務がある。ドゥネー星界軍大学に他の階級の者より早く入学でき十翔長までは半年で昇格できる特権があるがその後には特権がなく罰則等も普通に受ける。順調に飛翔科翔士の十二階を昇り帝国元帥に達すると帝国艦隊司令長官に親補される。平時には一兵も指揮しない職だが次期皇帝になることがほぼ約束される。それが決まれば年上の皇族や二〇歳と離れていない年下の皇族は予備役編入を願うのがならわし。一代限りの皇族になることもできるが「ボース」姓となり身分も貴族と格下げとなりアブリアル姓は名乗れなくなる。ほかあれこれややこしい。
【ゴースロス】ジントがデルクトゥーから乗り込んだアーヴの最新鋭巡察艦。練習艦隊に属している。が、訓練生が乗っているわけではなく、新鋭艦なので、こなれるまで練習艦隊に属して訓練する。戦艦として特に巨大なわけではないが、帝国その他の人類世界の中で現在最強と思われる戦闘力を持つ。
【子育て】《子の遺伝子を彫琢して育てる。それで親になるんだ》紋章Ⅰp.88
【サリューシュ】前衛翔士。ゴースロスの先任砲術士。鋭い目付き。由緒ある姓を持つ男性。操舵士でもあるようだ。戦闘隊長といったところか。
【時空泡群】細かな理屈はともかく、宇宙空間で時空泡群があったらそこには艦がいると思えばいいようだ。
【思考結晶/ダテューキル】まあ、コンピュータみたいなもんかと。
【ジムリュアの乱】かつて星界軍と地上軍に分かれていた頃、地上人主流の地上軍が大規模な反乱を起こしたが、それを首謀者の名前を取って「ジムリュアの乱」と呼ぶ。鎮圧後即座に地上軍は解体された。
【主計科】ジントがアーヴ軍で就く予定の事務方の役目。食料や備品の点検で日が暮れる。ある意味最重要部署。
【主計修技館生活諸規則】ジントが頭に刻み込むようにと渡され格闘した。古い規則は削除せず様々な補足をつけることで矛盾点を回避している。そのせいで膨大なデータとなっている。古代ローマの法律ようなタイプか。
【出生の秘密】アーヴでは「出生の秘密」がある場合が多い。成人するまでは自分の出自(遺伝子)がわからなかったりする。成人すると遺伝記録を閲覧できる。《出生の秘密があったほうが、子どもの人格は豊かになる》という考え方がある(紋章Ⅰp.90)
【翔士/ロダイル】深紅の腰帯を身につけている。
【人口】アーヴの人口は二五〇〇万人ほど。ほとんどが士族(リューク)で(スイーフ)は二〇万人程度。ジントはアーヴ人種でないにもかかわらず、閣下(ローニュ)の称号を持つ一六〇〇家ほど、家族を含め二万人もいない「諸侯(ヴォーダ)」の一人となった。なお、アーヴ人以外も含めると国民は一〇億人、領民は九〇〇〇億人ほど。
【ジント・リン★】視点役としての主人公。惑星マーティンで暮らしていた茶色い髪を少年。政府主席ロック・リンの息子。母は鉱山監督だったが事故で死亡、ジントは母の面影も覚えていない。コリント家で育てられティルの妻リナに対しては母親として愛情を抱いている。アーヴ帝国侵略艦隊来訪時に父ロック・リンがおこなったある取引によって波乱の人生が始まる。帝国貴族になった後の正式な名前は「リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵公子・ジント」。
【人類統合体】かつてスーメイ星系でアーヴが発見したのと同様、平面宇宙を利用する技術を発見し、アーヴとは異なりその技術を充分な対価を支払えば広く公開した。アーヴに言わせるといたずらに争いを広げるだけだと思われ、実際にそうなった。そうして分かれていった星間国家のひとつが「人類統合体」で人口は六〇〇〇億あまり。「ノヴァシチリア条約」の中心国。民主主義を標榜しすべての災厄はアーヴによるものと考えている。
【星界軍/ラプール】アーヴの軍。
【制御籠手/グーヘーク】アーヴは左手にはめた制御籠手と音声入力で操船する。合成皮革製と多くの金属パーツで構成されており、肘まで覆う長さがあり、小さなディスプレイがあるようだ。
【性別】アーヴの性別は外見からはわかりにくい。男女ともに同様に美しいので。
【セールナイ】フェブダーシュ男爵の家臣のひとり。
【造機科/ファズイア・セール】技術系四科のひとつ。機関を設計する。
【造船科/ファズイア・ハル】技術系四科のひとつ。船体を意匠する。
【造兵科/ファズイア・ロウボン】技術系四科のひとつ。兵器を考案する。
【地球】人類の故郷。
【ディーシュ】主計十翔長。ゴースロスの書記長。男性。人間の面倒を見る責任者。そのままだったらジントがその配下についたと思われる。
【帝国貴族/ルエ・スイーフ】ジントは父のせいで帝国貴族になった。
【ティル・コリント】ロック・リン主席の秘書官。妻はリナ。ジントはコリント家で育てられたようなもの。
【デルクトゥー】惑星。宇宙港はお祭り騒ぎ。《デルクトゥー人は時間のつぶし方を知っている。》紋章Ⅰp.34。人名は姓名の姓の方が先に来るのでマーティンなどとは異なる。
【特殊兵科】主計科、空挺科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科、軍匠科、造兵科、造船科、造機科、光子科、航路科、軍楽科がある。
【年齢】アーヴの年齢は見た目からはわからない。十五歳くらいまでは先祖と同じように成長し「成長」と呼ぶ。その後二十五年ほどかけて外見的には十歳ほど加齢し「成熟」と呼ぶ。その後は死ぬまで老けない。不老だが不死ではない。知性が破壊される前に生命活動を止めるようデザインされており、寿命はおおむね二〇〇歳から二五〇歳。
【ノヴァシチリア条約】アーヴ帝国以外に星間国家は四つある。「人類統合体」、「ハニア連邦」、「拡大アルコント共和国」、「人民主権星系連合体」。四つ合わせた人口は一兆一千億ほど。いずれも民主主義を標榜している。長期にわたり戦っていたがアーヴに対抗するため対立をやめ軍事同盟の条約を結んだ。ジントとラフィールが出会った十二年前のこと。自分たちは「民主主義諸国」を名乗ることが多く、アーヴは「四ヵ国連合」と呼んだ。
【ハイド伯爵家】《ハイド伯爵家の創設物語は英雄譚じゃなくて、犯罪劇なんだよ。マルティーニュの人たちは、みんな、ぼくと父を憎んでいる》紋章Ⅰp.41。紋章旗の図柄は緑地に赤くレズワンという、鳥のように見えるがじつはマルティーニュの海を泳ぎまわる有毛魚類の一種が縫いとられている。実物はけっこう間抜けな感じの動物だが旗にするとそれなりの威厳がある。
【平面宇宙/ファーズ】理屈はともあれ、われわれの宇宙とは完全に独立し別の物理法則が支配する一次元の時間と二次元の空間からなる宇宙で、要するに「門」を通るとそこに入り、超光速移動が可能になる。まあ原理は異なるだろうけど「ワープ」できるようになるくらいに考えておけばよいかと。この宇宙にいる限りは通常宇宙で起こっていることは何もわからないし、自分たちの位置もわからない。
【フェブダーク男爵】アーヴにも俗物はいる。辺境に小さな領地を持ち反物質燃料の製作で利益を得、自分ではアーヴだとイメージしている小さな王国を築き地上人の女性たちに君臨していた。ゴースロスを脱出したジントとラフィールが最初に到着した星系。成金趣味だからか、なんらかの保身のためか、王女であるラフィールを軍務中であるにもかかわらず強引に引き留めようとした。
【フェブダーク男爵の父】先代男爵の父は地上人だったようなので現男爵の成金趣味はうなずける。母親が成り上がり、自身も造船翔士まで昇った。なかなか老獪で楽しい人物。《おお、少年よ、負け惜しみということばをきいたことは?》紋章Ⅰp.245
【星たちの眷属/カルサール・グリューラク】アーヴはよく自分たちのことをそう呼ぶ。
【マーティン】惑星。ハイド星系の宗主惑星と思われる。恒星間移民船「レイフ・エリクスン」で移住してきた人類の末裔が暮らす。惑星改造技術に頼らなくてすむ酸素大気惑星だった。奇妙な動植物が繁殖していたが移民たちは惑星の生態系を壊さないよう慎重に人口を増やしていった。
【マルティーニュ】惑星マーティンが帝国に併呑された後の名称だと思われる。
【ミンチウ】デルクトゥーでもっとも人気のある球技。
【門/ソード】ユアノンの第二形態。簡単に言えば超光速航行のための出入り口となっている。
【ユアノン】謎の粒子。正体は不明だがエネルギーとして利用は可能。外宇宙に出ようとしてた人類にとって燃料を積載しなくてもかまわなくなるので福音となった。
【ユーンセリア】前衛翔士。ゴースロスの先任通信士。原色の青といえる髪の女性。しっとりとした落ち着きのある物腰。
【与圧兜/サブート】宇宙服のことかと。
【ラクファカール】アーヴの帝都。
【ラフィール★】主人公。惑星デルクトゥーにいたジントを迎えに来た翔士修技生。アーヴ皇帝ラマージュの孫娘。正式な名前は「アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール」。「ラフィールと呼ぶがよい!」(星界Ⅰp.63)というのは特別なことなのかも?
【ラフィールの父】ユーモアセンスはあるらしい。お気楽な言動をラフィールは回想している。そのせいでラフィールは自分が猫の遺伝子を持って生まれてきたかもと心配していた。
【ラマージュ】アーヴ皇帝。ラフィールはその孫。
【領主】アーヴ帝国が被支配惑星に差し向ける代官。交渉の窓口でもある。その惑星の産物等による貿易の権利を唯一持つ。
【レイフ・エリクスン】恒星間移民船。マーティンを発見後記念碑として惑星軌道上に係留されていたがあるとき謎の爆発をし、それが現在の「マーティン」の月となっている。
【レクシュ】百翔長。ゴースロスの艦長。女性。ラフィールの遺伝子提供者。ジントの感覚では母親。
【恋愛と結婚】アーヴは結婚しない。永遠の青春の中で生きるアーヴに結婚という制度はそぐわない。《狂おしいほどに激しく燃えさかり、跡形もなく燃えつきる》のが典型的なアーヴの恋愛。まれに長続きしたり、死ぬまでいっしょに過ごしたりすることはある。必然的に親は基本的には一人しかいないことになることが多い。「父の娘」とか「母の息子」と呼ばれる。「そなたの遺伝子が欲しい」というのはもっとも真剣な愛の告白。ラフィールは自分が「愛の娘」かどうか心配していた。いっときは父親と自宅の飼い猫の遺伝子からつくられた子どもかもしれないと考えていた(アーヴの技術では可能)。
【レリア】十翔長。ゴースロスの副館長。兼先任航法士。水色の口ひげの男性。親しみやすい感じ。
【ロック・リン】帝国艦隊が来たときの政府主席。ジント・リンの父。妻は鉱山監督だったが事故で死亡。侵略艦隊来訪時にアーヴとある取引をし、そのせいでジントの人生は難しいものになった。ロック自身は自星の利益を最大限護るためにそうしたが、全国民からは裏切り者と思われている。帝国貴族になった後の正式な名前は「リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ローシュ」。
【惑星改造技術】要するにテラフォーミング。ユアノン推進の研究は始まった頃すでにこの技術は確立されており金星や火星で実践されていた。

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Posted by ブクログ 2019年10月03日

ジント meets ラフィール。からの、スペースオペラ!生きている間に完結して欲しいわ。

半分くらい読んだけど、今はこういうファンタジーを楽しむ気分ではない。
子どもの頃は私もこの物語を楽しんだけど、兄への義理のためにこのシリーズを持ち続ける必要は無いわ。

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Posted by ブクログ 2013年06月10日

『星界の戦旗 V』発売ということで読んでみた。
王女様を助けて(王女様に助けられて?)敵中突破、というスペースオペラの王道ですね。
なんか、『火星のプリンセス』とか思い出しました。

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Posted by ブクログ 2012年02月26日

弟に勧められてから十数年。やっと手に取ってみました。ルビが多くてちょっと読みづらかったですが、とりあえず1巻は設定の説明と、戦いの序曲、そしてハプニングですね。人種間の微妙な感情の行き来が興味深いです。まあまだ序盤。おもしろいかどうかはこれから、といったところです。

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Posted by ブクログ 2011年03月29日

 SFとりわけスペースオペラは設定の作り込みも小説の評価に関わるらしい。どれだけ細部にまでこだわって彩りを加えるか。歴史やそこから派生する文化、種族的性格、勢力図。航行法則。言ってしまえばほとんどまるごと世界を作る必要がある。
 そういう意味では本当に頭が下がる。

 本書はそういったスぺオペ読者達...続きを読むを満足させるだけの作り込みがなされている(はず)。ただ、その分専門用語が散見されるのでストーリーだけ追いたい読者には癖のある一冊かもしれない。

 その性質上、一冊だけでは判断がしづらい。けれど、十分に次巻に期待できる内容です。

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Posted by ブクログ 2009年11月22日

 言わずと知れた古き良きジュブナイルなSF小説。あらすじは割愛させていただく。初版が1996年ってことはまだ僕が若くてぴちぴちのときですよ? 当時はSF絶頂期になるのかな? オビを書いてるのも今は亡き野田昌宏大先生だよ。僕が読んだのもずいぶん昔のことなので細部までは思い出せないのだが、当時ははまって...続きを読む最終巻まで一気に読んだ覚えがある。キャラクタも今の記号化されたキャラの原型ともいえるような設定がみられるし、昔のこういった作品も是非お勧めしたい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

長編読みたいなーと言うことで、すかではないモノをと思い始めて手に取りました。
面白いです。
銀河英雄伝説と比べると物足りない感じはしますが……

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