鈴木雅生のレビュー一覧
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❐1939年・1940年ごろ
『戦う操縦士』の現実でのある一日。思考ではサン=テグジュペリ(以下サンテックス)の半生を巡る。
❐1940年
パリ陥落のためフランスとドイツの休戦協定締結。サンテックスはアメリカに向かう。
❐1941年
『戦う操縦士』執筆で、アメリカ参戦を促す。
真珠湾攻撃・アメリカ参戦。
❐1942年
『戦う操縦士』刊行
第二次世界大戦でフランスはドイツに苦戦していた。
フランス空軍で操縦士だった大尉のサンテックスは、デュテルトル中尉、機銃員と共にアリアス隊長からアラスまでの偵察飛行に任じられた。
…すみません、画像として飛行機の希望がわからない…。縦に三人乗り? -
Posted by ブクログ
ナポレオンが愛読してた本を読めるなんてそれだけで凄い。光文社古典新訳文庫好きすぎる。作家兼植物学者っていう経歴も気になる。
ジャック=アンリ・ベルナルダン・ド・サン=ピエール Jacques-Henri Bernardin De Saint-Pierre
生年:1737年
没年:1814年
ル・アーヴルの中産階級の家庭に生まれる。国立土木学校を出て技術士官となり七年戦争などに従軍するが、同僚や上官と折り合いが悪く帰国。31歳のときにフランス島に赴任。そこからマダガスカルに渡って植民地を再建するという当初の任務を拒否してそのまま島に滞在し、島内旅行や植物学の研究に時間を費やした。1771年に帰 -
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星の王子さまで有名な著者の体験をもとにした戦記。舞台はWW2、フランス。敗色が濃厚なフランス軍の偵察機に乗り込み、敵国ナチスドイツ陣地を偵察する決死のミッション。飛行機乗りならではの俯瞰視点、空戦、地上戦などの戦闘シーン。高度を下げて危険な偵察で砲撃されるシーンは迫力もあるけど、なんともファンタジックな表現が印象的。
FPSゲームのバトルフィールド5のキャンペーンが短かかったから欲求不満だったけど、この本で臨場感ある戦場の爆音、爆風などを追体験。
実際の戦場を見た著者の死生観、戦争観なども興味深い。
いっそゲーム化してもイイぐらいのボリューム。 -
Posted by ブクログ
サンテグジュペリの最後の作品。
出された当初は戦争真只中といふこともあり、民主主義からの返答と呼ばれてゐたやうだが、本人はそうした思想やらイデオロギーやらをもつてものを書いてゐたとは到底思へぬ。
ただひたすらに空を求め、彼にできること、さうせずにはゐられぬことを粛々とこなしてゐたにすぎない。それがばかげた作戦であらうと、とち狂つた戦争であつたとしても、彼は空を飛び、作戦をこなす。最後まで、空を目指し、そして考へ続けた。
軍人である以上、命令は絶対であり、ただ従ふより他ない。そして、相手を殺すといふことは自分も殺されるといふこと。無条件に死を受けれいることだ。しかし思想とは常に行動だ。考へること -
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ネタバレ漂流した少年たちが規律をしっかり守ることで生き延びる様子が印象的だった。彼らは寄宿学校の生徒なので合理的に考え行動できる。また、生徒ではない見習い水夫の黒人のモコが調理能力があり、食事を美味しく楽しく食べることが出来たのも高揚感を覚えた。皆年齢が8〜14歳で家族が恋しかっただろうによく頑張って乗り越えた。健康や清潔にも気を遣えて偉い。それに、植物や動物の食べられるものを知っているのも賢い。食べられるかどうか分からなければ諦めるしかないが、知識のおかげで食べられるものが増えると心強いし嬉しかっただろう。エヴァンズ航海士が島の名前を少年たちに教えたときは安堵感で胸が満たされた。あの場面は希望の光が
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言わずと知れたヴェルヌの名作。
とにかく長い! でも飽きさせない! 少年たちの冒険にワクワクしながら読める本。
【ネタバレあります】
いや、正直言って私は最初の方は飽きそうになりました。だって、無人島の描写がこれでもかと続くんだもん。そして、子どもたち、物資に恵まれすぎ(お酒飲むし!)、落ち着きすぎ知識持ちすぎ(普通のローティーンは壊れた船を有効活用したりできないし、食べられる植物とか見分けられないよ)。「そんなわけあるかい」と思いながら読んでしまうところがね、多少はありましたよね、ええ。
ただ、ジャックのウジウジした感じに「も、もしかしてお前か? お前のせいなのか?」というドキドキが高 -
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1940年ドイツに侵略され敗北しつつあるフランス軍の偵察機に乗り、もたらした情報を有効に使う友軍がいない中を、帰還がほぼ絶望的な命令に従って出撃して生還した飛行を振り返るサン・テグジュベリの小説。この物語がフランスが降伏した後、亡命したアメリカで執筆されたことを差し引いたとしても、自由や平等について記された言葉は重い。「私は信じる。<人間>の優越こそが唯一意味ある<平等>を、唯一意味ある<自由>を築き上げるものだと。…<平等>とは<同一性>ではない。<自由>とは個人を<人間>よりも賞揚することではない。したがって私が戦うのは、それが誰であれ、<人間>の自由をある個人にーあるいは個人からなる群れ
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Posted by ブクログ
ネタバレ「人間の土地」や「夜間飛行」と同じスタンスで
読み進めていましたが、本作は負けると分かっている
戦争での不可能であろうと思われる任務である
偵察飛行を遂行し、帰還するまでが描かれており
その中で著者が思い巡らしたことが
書かれてるのか?と思っていたものの途中から
違和感を覚え…
「結局のところ、なぜ我々はいまだに戦って
いるのだろうか?《民主主義》のため?(中略)
ならば《民主主義陣営》のほかの連中も一緒に
戦ってくれればいいじゃないか!」(P179)と
他国を攻める姿勢になり、名指しはしないものの
アメリカを非難します。
すでにアメリカではベストセラー作家であった
著者のこの作品の目的は -