橋本幸士のレビュー一覧
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自分たちのいるこの世界はどのようにしてあるのか。ヒトもモノも、すべては原子でできており、それは電子と原子核、さらには陽子と中性子でできてている。そしてそれらもまた、さらに小さないくつかの素粒子でできている。例えば、陽子なら、クオークと呼ばれる素粒子3つでできている。これが、現在分かっている世界の最小スケールである。しかし、分かっていないこともある。先のクオーク3つの重さを合わせても、実際の陽子の重さの1%にしかならない。いったい陽子の重さの99%はどこにあるのか。これの計算は非常に複雑であり、式はあってもまだ誰にも解けていない。試みに著者はここで「異次元」を導入してみせる。3次元空間で静止して
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Posted by ブクログ
本編は父と娘の会話でざっくり素粒子と異次元の話が展開されているものの、各章の末尾にあるコラムでは数式を使って割とまじめに解説していたりして、なるほど、わからん!といった感じ。それが5章ぐらいからだんだんとリンクしてきてわかったような気にさせられるから不思議。つまりクオークが異次元方向に伸びる紐の断面であり、見えない部分で振動している=エネルギーを持っているためクオーク(断面)自体に重さがなくてもクオークによって構成される陽子としては重さを持っている、と。陽子に現れるクオークが2つまたは3つということはクオークは開いた紐なのかな?(閉じているなら偶数のはずだから)
なるほど、わからん!
しか -
Posted by ブクログ
物理学者に〝共通する風変わりなすごい日常“という内容ではなく〝物理学者である著者のユニークな日常“という方が正しい気がするが、それは別に悪い意味ではない。サンプル数一つながら物理学者の生態を覗き見るのは楽しい。
ゆるーいエッセイという感じでもあるが、著者は本書を〝薬“に例え、物理学におけるアナロジー思考の大切さを説明する。原子と宇宙、音楽と素粒子、そして本と薬。
ー 車両まで、ホームから観察する。これには、ホームの端にいて、やってくる電車を観察するのが良い。スマホで動画を撮りスロー再生すれば、何号車が最も混んでいるのかがすぐにわかる。このひと手間だけで、次回から最も空いた号車にゆったり乗る -
Posted by ブクログ
物理学に興味を持って欲しい、と言う気持ちで「小説すばる」に連載されたものらしいが、物理学より、物理学者に興味が湧く一冊。
物理学者というか、要は、オタク。
自分の興味対象に異様な執着を持ち、徹底して没入し、その対象を通してしか、表現もコミュも取れず、身だしなみも含めて、その対象に関わりのないものにはなんら価値を認めない。
それが、創作の世界か物理学かっていう違いだと思う。
そうは言っても、須く全ての要素を備えているわけでもなく、一般人と価値観の一部を共有できるオタクの話は面白い。
こういうところ多分一般から見たら変だけど面白いよね、と言うことが客観的に分かって、面白く描ける人。
掲載のエ