橋本幸士のレビュー一覧
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物理学に興味を持って欲しい、と言う気持ちで「小説すばる」に連載されたものらしいが、物理学より、物理学者に興味が湧く一冊。
物理学者というか、要は、オタク。
自分の興味対象に異様な執着を持ち、徹底して没入し、その対象を通してしか、表現もコミュも取れず、身だしなみも含めて、その対象に関わりのないものにはなんら価値を認めない。
それが、創作の世界か物理学かっていう違いだと思う。
そうは言っても、須く全ての要素を備えているわけでもなく、一般人と価値観の一部を共有できるオタクの話は面白い。
こういうところ多分一般から見たら変だけど面白いよね、と言うことが客観的に分かって、面白く描ける人。
掲載のエピソードで、単に物理学のことを呟いているだけのとかはそうでもないが、一般の代表の奥さまが落ちに出て来るものは普通に面白いわあ。
研究室での、研究者のマウントの取り合いは、大阪のおもろいにいちゃん達が、相手のおもろいことに被せてもっとおもろいこと言うたろと頑張りながら、おもろさがハレーションおこしていく雰囲気にも似てる。
著者は、もともと数学が好きだったそうだ。
それでも大学の数学に違和感があった。
数学とは、自分たちで新しい言語を作っていく学問であって、自分がやりたかった「数学」とは違うと気がつくあたりが、一番好きかな。
高校までの「教科」と、学問の分類が、対応してないと言うのは、ものすごく分かる。 -
Posted by ブクログ
タイトルに、自ら'すごい'と形容する思考法につき、著者自身の経験を踏まえて、平易に説明していく。まず物理学者の頭の中がどうなっているのか、どんな思考をしたがるのか、次にそんな思考プロセスをもつ人間はどのように作られていくのか、最後に、出来上がった物理学者の変な生態を紹介している。身の回りの出来事に対して、モデル化して解析したい欲求が強いことがわかり、生活感から乖離しがちな行動を、奥さんのストレートな一言で現実に戻される、その雰囲気がいい。
物理学は数学により補完され、数学は物理学により具象化される、そんな両者の関係がお互いを高みへと導いていくことだろう。 -
Posted by ブクログ
物理学者の考え方の分析というものかと思いきや、別の意味で興味深いもので、日常の生活の中で、物理学者がどのようなことを考えながら過ごされているのか、著者自身の経験から具体的な事例をエッセイ風に述べられています。職業病といいますか、普段の生活でも物理学的なものの見方をしてしまう、それを面白く(大阪人的に)語られるのを読むことで、読者にこの世界の魅力を知ることができます。難しい理論などは極力省き、こんな思考の仕方をするのだということを、それにまつわる面白い話(奥様のツッコミとか)を純粋に楽しむことができました。そんな中でも、物理学者の知恵といいますか、面白い考え方を学ぶことも出来、ためにもなる一冊だと思います。
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エスカレーター
2人並ぶと沢山運べる
香港 高速で二人とも速い 片側を開ける必要がない
たこ焼きの巨大化
甲虫は巨大化するために体を扁平にした
それはたい焼きで実現されていた
数学 = 矛盾しない論理だけを頼りに新しい言葉を作る
物理 = 宇宙で起こるすべての現象を数式にして解き明かす
黒板は宇宙
どこまでも広がる新しいアイデアや考え方が「見える」
湯川秀樹のコロンビア大学時代の黒板 大阪大学理学部共用スペースで使える
教科書 = 神の視点
マンガ = 人の視点
研究論文 = 人と神が触れ合う瞬間の提供
身近な現象を司る原理を拡大して適用するのが 物理学の作業 -
Posted by ブクログ
ネタバレ理論物理学者の著者が培ってきた個人的な思考法を日常生活に適応したエッセイ、と冒頭で述べているように、サイエンスの本ではなく、理系雑学エッセイです。
花火がどーん!と上がって次のうち、どちらの感想を思い浮かべますか?
1.今のはマグネシウムがちょっと多いな。
2.音の遅れから発火点は約2キロ
3.仰角が30度だから三角関数が使いやすい。
4.1~3のいずれでもない。
このうち、2番が物理系です。
これを読んで( ゚д゚)ポカーンとする人は、本書は読めません。4番の人も面白くないかもね。因みに自分は1番だったので化学系で、紅色はストロンチウムだね、とか言ってしまうタイプ。3番は数学系。
頭の良い人とキチガイは紙一重といったりしますし、物理学者だけでなく、多くの科学者は変人的な要素を多分にもっていますが、ところどころに出てくる奥様が、理論物理学的な考察を、現実的な解(一般常識ともいう)で一刀両断するところがエスプリになっていてほほえましい。片意地張らずに読める、休憩するときの甘いカフェラテのような印象でした。 -
Posted by ブクログ
本書の読者対象は中学生以上で、日常の身近な話題が多いので取っ付き易いといえる。
だが「すごい思考法」というタイトルは本書に合っていなくて、何でも物理法則と結び付けちゃう悪癖があるというだけ。
何の役にも立たないことを悶々と考えて自己満足に浸っている著者は、身近にいれば「うっとうしい」or「めんどくさい」奴だと思う。
軽くあしらっている奥さん、エライ!
本書はあまり堅苦しく考えずに物理バカの思考回路を笑い飛ばす感じで読めばいい。
つまらない話題もあるので、そこは読み飛ばせばよい。
しょっぱなは、「エスカレータ上で歩かないようにするにはどうしたらよいか?」という問題を考えるエッセイだ。
幾つか解決案(段差を大きくするなど)を考えていた時に香港で目撃したのが、人々がエスカレータ両側にきちんと立っている情景。
そのエスカレータに乗ってみて理由が分かる。
日本のエスカレータと比べて明らかに"速い"ので歩こうという気が起きないのだった。
私は科学者ではないが大学は物理学科で、著者ほど極端ではないが(文系とは違う)同類の思考癖があるかもしれない。
花はなぜ綺麗か。葉っぱはなぜ緑なのか。緑が嫌いな理由があるから緑の光を反射するのだ。な~んて考える所は同じだ。
また、好きな画家がエッシャーというのも同じだ。
3月生まれで、小学校の時は一番背が低かったのも同じ。
筆者には物理オタクの変な奴という印象を持ったが、少しだけ親近感が湧く(同種の人間に見られたくはないが、、)。
シャーロック・ホームズは科学の素晴らしさを広く世界に伝えているらしい。
芦田愛菜もホームズのファンみたいで愛読書に挙げていたし、自分も早く読まなくてはと思った。
自分で問題を設定して自分で解く。世間はそれを研究者と呼ぶらしい。
自分は問題を設定することはできたが、自分で解くことができなかった。だから研究者にはなれなかったんだなぁ。 -
Posted by ブクログ
物理に興味があって興味本位で読んでみたのだが、難しい。
入門書のような扱いだけれども、書いてあることの半分も理解できなかったと思う。
超ひも理論自体は大学院レベルの内容と書いてあったけれども、やはり高校で物理を学んでいた理系の人の方がとっつきやすいのかもしれない。あと、数式も出てくるので高校レベルの数学の知識(方程式や微分など)はあった方がいい。
会話調になっていて、複雑な理論を例え話や簡略化して説明しようとしてくれているのだが、それでもなかなか現象がイメージできないのだ。もう少しイメージにつながる図があればよかったが、本で説明しようとするとこれが限界なのかもしれない。