橋本幸士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本編は父と娘の会話でざっくり素粒子と異次元の話が展開されているものの、各章の末尾にあるコラムでは数式を使って割とまじめに解説していたりして、なるほど、わからん!といった感じ。それが5章ぐらいからだんだんとリンクしてきてわかったような気にさせられるから不思議。つまりクオークが異次元方向に伸びる紐の断面であり、見えない部分で振動している=エネルギーを持っているためクオーク(断面)自体に重さがなくてもクオークによって構成される陽子としては重さを持っている、と。陽子に現れるクオークが2つまたは3つということはクオークは開いた紐なのかな?(閉じているなら偶数のはずだから)
なるほど、わからん!
しかし本書の良いところは「わからない=面白い」ととらえる物理学者の感性が色濃く反映されている点にあると思う。大人になると(?)大抵のことを知った気になって、分からないことをストレスに感じてしまうことが少なくない。一個人が知っていることなんて森羅万象のほんの僅かな部分でしか無いはずなのに、ね。このようにわからないことをワクワクに換える感覚を蘇らせてくれる意味でも本書はオススメ。
異次元、面白い! -
Posted by ブクログ
とりあえず、読みやすいのは確か。式もグラフもある本なのに、解ったような気にさせるのは、各章の冒頭に置かれた概要によるものか、図の多さによるものか。
しかし、読んでいる間は何となく解ったような気になるが、読み終えると「で、なんだったっけ?」となるのは文系人間が理系の本を読むのだから仕方がない。
ホログラフィー原理とは、相対性理論をはじめとするマクロの物理学と、素粒子や超ひも理論といったミクロの物理学をつなげるうえで問題となる「重力」の扱いを、解決できるかも知れない仮説であるらしい。重力のない2次元世界のシステムと重力のある3次元世界のシステムとが対応関係になっていて、2次元システムが3次元システムの重力現象を生み出す、ということが論理的には説明できるのだそう(あくまで仮想的なモデルのうえでの話で、この世界、この宇宙に適用できるという説明はまだ出来ていないらしい)。
イメージは出来ても文系人間には納得できないのが、2次元側を原因、3次元側を結果とする見方。159ページ「力は『影』」にもあるけれど、3次元と2次元の対応関係として文系人間にイメージできるのは、物体とその影のような3次元から1次元引いて得られる形というもの。これを逆にして、2次元から3次元を生み出すとなると、設計図から製品を組み立てる技術者の知識・経験・ノウハウや、イラストから立体フィギュアを作り出す造形作家の想像力など、さらにシステムの外にいる誰かの働きを足さないといけないような気がして仕方がない。
そんな2次元から3次元「空間」を生み出すのが…ひもかも知れないって!? -
Posted by ブクログ
最近よく聴くポッドキャストで紹介されていた本。こんどお会いすることになっている学者センセイの頭の中の深いところを探るのに役立つかと思って読んだ。
やはり興味深く読んだのは、このところどっぷり浸かっている鳥類関係のはなし。川上先生は軽妙な語り口で、キャッチーな論文を紹介してくれた。恐竜学者の小林先生の項では、鳥類の祖先が恐竜だったことが学会の主流になったのは
1998年の論文発表からだった、と知った。1985年生まれの私は、子どもの頃から始祖鳥の存在は知っていたが、それが鳥と恐竜とを繋ぐ存在だという認識は薄く、あくまで鳥の祖先だ、という理解だったのだが、それが当時はふつうの解釈だったようだと再認識。
恐竜、土、岩石、老化…。知っていたことよりも知らなかったことが多かったし、自分が生きている間に分かったことも多いな、いうのが率直な感想。世界はまだまだわからないことで溢れていて、それを知ろうとする面白い人がたくさんいる、ということが伝わる本。 -
Posted by ブクログ
AIに聞いたところ、オタクとは、アニメ、漫画、ゲーム、アイドルなど特定の趣味分野に強烈なこだわりを持ち、時間や金銭を極端に費やして深い知識や情熱を持つ人を指すらしい。趣味、ではないが特定の分野に強烈なこだわりを持つ面では研究者もオタク気質なのだろう。オタク達が自分の推しを語る際の勢いは凄まじい。5W1Hを駆使して推しの尊さを押し出してくる。多分、相手に伝えたいのではない、語りながら自分の中で推しの尊さを整理している。この本に登場する研究者達もそんなオタク達だ。自分の愛する分野での推し論文をピックし、尊さを語っている。研究分野も、文章から覗く著者の性格も、どれも多様だけど、愛する論文のために筆を走らせる事が苦ではない様子は共通している、というかみんな紙面が足りなさそうだった。
自分の愛する分野を見つけ、その分野への愛を深める事によって生活できるとは、なんとも幸せな仕事なんだろうなぁと感じました。