橋本幸士のレビュー一覧
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タイトルに、自ら'すごい'と形容する思考法につき、著者自身の経験を踏まえて、平易に説明していく。まず物理学者の頭の中がどうなっているのか、どんな思考をしたがるのか、次にそんな思考プロセスをもつ人間はどのように作られていくのか、最後に、出来上がった物理学者の変な生態を紹介している。身の回りの出来事に対して、モデル化して解析したい欲求が強いことがわかり、生活感から乖離しがちな行動を、奥さんのストレートな一言で現実に戻される、その雰囲気がいい。
物理学は数学により補完され、数学は物理学により具象化される、そんな両者の関係がお互いを高みへと導いていくことだろう。 -
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物理学者の考え方の分析というものかと思いきや、別の意味で興味深いもので、日常の生活の中で、物理学者がどのようなことを考えながら過ごされているのか、著者自身の経験から具体的な事例をエッセイ風に述べられています。職業病といいますか、普段の生活でも物理学的なものの見方をしてしまう、それを面白く(大阪人的に)語られるのを読むことで、読者にこの世界の魅力を知ることができます。難しい理論などは極力省き、こんな思考の仕方をするのだということを、それにまつわる面白い話(奥様のツッコミとか)を純粋に楽しむことができました。そんな中でも、物理学者の知恵といいますか、面白い考え方を学ぶことも出来、ためにもなる一冊だ
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Posted by ブクログ
エスカレーター
2人並ぶと沢山運べる
香港 高速で二人とも速い 片側を開ける必要がない
たこ焼きの巨大化
甲虫は巨大化するために体を扁平にした
それはたい焼きで実現されていた
数学 = 矛盾しない論理だけを頼りに新しい言葉を作る
物理 = 宇宙で起こるすべての現象を数式にして解き明かす
黒板は宇宙
どこまでも広がる新しいアイデアや考え方が「見える」
湯川秀樹のコロンビア大学時代の黒板 大阪大学理学部共用スペースで使える
教科書 = 神の視点
マンガ = 人の視点
研究論文 = 人と神が触れ合う瞬間の提供
身近な現象を司る原理を拡大して適用するのが 物理学の作業 -
Posted by ブクログ
ネタバレ理論物理学者の著者が培ってきた個人的な思考法を日常生活に適応したエッセイ、と冒頭で述べているように、サイエンスの本ではなく、理系雑学エッセイです。
花火がどーん!と上がって次のうち、どちらの感想を思い浮かべますか?
1.今のはマグネシウムがちょっと多いな。
2.音の遅れから発火点は約2キロ
3.仰角が30度だから三角関数が使いやすい。
4.1~3のいずれでもない。
このうち、2番が物理系です。
これを読んで( ゚д゚)ポカーンとする人は、本書は読めません。4番の人も面白くないかもね。因みに自分は1番だったので化学系で、紅色はストロンチウムだね、とか言ってしまうタイプ。3番は数学系。
頭の良 -
Posted by ブクログ
本書の読者対象は中学生以上で、日常の身近な話題が多いので取っ付き易いといえる。
だが「すごい思考法」というタイトルは本書に合っていなくて、何でも物理法則と結び付けちゃう悪癖があるというだけ。
何の役にも立たないことを悶々と考えて自己満足に浸っている著者は、身近にいれば「うっとうしい」or「めんどくさい」奴だと思う。
軽くあしらっている奥さん、エライ!
本書はあまり堅苦しく考えずに物理バカの思考回路を笑い飛ばす感じで読めばいい。
つまらない話題もあるので、そこは読み飛ばせばよい。
しょっぱなは、「エスカレータ上で歩かないようにするにはどうしたらよいか?」という問題を考えるエッセイだ。
幾つか -
Posted by ブクログ
物理に興味があって興味本位で読んでみたのだが、難しい。
入門書のような扱いだけれども、書いてあることの半分も理解できなかったと思う。
超ひも理論自体は大学院レベルの内容と書いてあったけれども、やはり高校で物理を学んでいた理系の人の方がとっつきやすいのかもしれない。あと、数式も出てくるので高校レベルの数学の知識(方程式や微分など)はあった方がいい。
会話調になっていて、複雑な理論を例え話や簡略化して説明しようとしてくれているのだが、それでもなかなか現象がイメージできないのだ。もう少しイメージにつながる図があればよかったが、本で説明しようとするとこれが限界なのかもしれない。