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Posted by ブクログ
超弦理論について書かれた本です。
一応、大学では物理学を専攻していましたが、量子物理学は教養程度です。
平易な文章と、娘さんを主人公にした口語の文章で基本的には説明をしていってくれるので、なんとかかんとか3カ月くらいかかりましたが、読み切ることができました。
内容については、いままで、3次元以上の次元がないとうまく説明ができない、と言われてきたその理由が少し分かったり、3次元以上の次元は、今の次元の周りに巻き付くようにあるんだ、と聞いていたその数学的な意味が少し分かったような気になる内容で、これまで、傍観者として断片的に仕入れてきていた知識が少し整理された感じがあり、途中、難しいところもありましたが(特に重力をひもで表す説明が難解)、おおむね、わかりやすく、面白い本でした。
Posted by ブクログ
天才物理学者浪速阪教授が、高校生の娘美咲に、物理学の最先端を伝授する。
3年前に読んだものだが、最近シリーズ第二弾が出たので、並行して改めて再読してみた。1日10分で7日間、合計70分の講義で素粒子論や重力理論を展開する。ちょっと変わった父と娘の会話が面白い。
専門書に進みたい方には、「おまけの異次元」ということでより詳しい解説がされている。もちろん、父と娘の物語だけでも十分楽しめる作品だった。
発端は、美咲の「異次元空間」に対する疑問から始まっているが、ぼくも高校生の時、「四次元の世界」というものをきっかけに、物理に興味を持ったことを思い出した。高校の時に、こんな話をしてくれる人がいたら楽しかったろう。
超ひも理論という、物理では究極理論になりうると考えられている理論なので、素粒子論やそれを記述する方程式なども出てくるが、ひとつひとつ丁寧に会話形式で説明されている。読んでいて楽しいこともあり、さくさく読めた。内容はかなり高度なことを扱っているが、それをある程度の枠組みをつかめるようにわかりやすく解説されているのがすごい。
シリーズ第二弾も読書中だが、こちらも面白いので、もう少しシリーズ続いてくれないかな。
Posted by ブクログ
―この世は”ひも”でできている―
このような言葉を聞いてすぐにピンと来る人はごくわずかかもしれませんが、実は最先端の物理の分野では超弦理論という考え方があます。そしてそこで議論されているのは、素粒子がイメージとしては輪ゴムのような”ひも”として存在しているのではないかということです。われわれ人間を含め、この世に存在しているものはすべて突き詰めれば素粒子からできています。そのためこの素粒子がひもであると考えると冒頭のような表現がありえてしまうのです。
また、ひも理論に欠かせないのが次元という概念です。我々が感じることができる次元は縦・横・高さの3次元までですが、ひも理論では例えば9次元といった異次元を考えないといけなかったりもします。
前置きが長くなりましたが、この本はひも理論及び異次元について物理学者のお父さんとその娘との会話を通して説明・解説している本です。
この本の良い点として図が多く、わかりやすい点が挙げられます。異次元がポイントとなるこの本ですが、例として描いてある図がわかりやすく、改めて図の強力さを感じました。また、マルダセナの予想という呪文のような内容の読んだだけではよくわからない予想が出てくるのですが、やはり図のおかげで概念はつかむことができました。このように読んでぴんと来ない部分でも図が助けになることが読んでいて何度かありました。
そして、最も目から鱗が落ちたのは次元は力の伝わり方を見ればわかるという視点です。なぜこの世は3次元だとわかるのかと問われたときに答えに窮しますが、力の伝わり方を調べれば次元がわかります。この本ではバネや水面などを例に挙げていますが、個人的には物理学で現れる逆2乗則の説明で腑に落ちました。逆2乗則の2乗はどこからくるかというと球体の表面積(4π×rの二乗)です。数式の導出の過程で出てきたこの二乗が残り、導出した数式が実験結果と一致していることから、この世は3次元であるということがわかるのです。私は現在物理を学んでいる立場ですが、この次元に関する視点はこれまで学んできた中で完全に抜けていたものだったので、これが得られただけでもこの本を読んでよかったと思いました。
まとめると、ひも理論及びそれに付随した異次元を中心とした話題をわかりやすく解説しており、イメージや概論をつかみやすい良書だと思います。おすすめです。
余談
物理学ではこの世に4つの力(重力・電磁気力・強い力・弱い力)しかないと考えられています。ひも理論は提唱された当初はあまりホットではなかったそうですが、これらの力の統一を考える際にひも理論を用いて考えるとうまくいくということから研究が盛んにおこなわれるようになったという経緯があります。もちろん最先端の分野なのでひも理論に対する反対意見を存在しますが、一見無駄に見えてしまう研究でも無駄にならないものであり、多少の遊びや余白を許容する余裕が大切だと感じました。
Posted by ブクログ
今まで単語でしか分からなかったことが、ばばばと全てが鮮やかにつながった。読み始めは、こんな女子高生がありえないと受け止め難かったが、最後はこの設定で良かったと思う。とにかく説明がうまい。共形不変性、ホログラフィーという対応理論のあたり、本当にうまい。
・平面波の方程式から質量が出てくる機構。p84
・グルーオンだらけになる=逆ゼロ乗法則。p101
・陽子が異次元の方向に回っているとするとエネルギーがあることになり、質量を持つ。p107
・それを異次元空間に拡張し、質量を持たせる計算例。p114
・光は開いたひも。あらゆる方向に振動できるから。p127
・重力はとじたひも。振動が二種類で距離が計算できるから、p129
Posted by ブクログ
物理学者である父が、娘に超ひも理論をレクチャーするという対話形式で話は進みます。
数式も多少は出てきますが、「ふんふん、そんなふうに書かれるのか」と思っていれば基本は読み進めることができます。
本半ばに超対称性の話が出てきますが、ここが特に理解しにくかったです。超対称性をわかりやすく書いている本は今までに皆無ですので、やはり数式を使わず一般人に説明するのは困難なのでしょう。
湯川秀樹、朝永振一郎、南部陽一郎という日本人になじみのある名物理学者の名前も頻繁に出てきており、日本人が素粒子やひも理論に多大なる貢献をしたこともわかります。
個人的な感覚ですが、前著である「「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた」よりも難しく、何回か読み直さないと理解しにくい箇所もありました。
Posted by ブクログ
自分たちのいるこの世界はどのようにしてあるのか。ヒトもモノも、すべては原子でできており、それは電子と原子核、さらには陽子と中性子でできてている。そしてそれらもまた、さらに小さないくつかの素粒子でできている。例えば、陽子なら、クオークと呼ばれる素粒子3つでできている。これが、現在分かっている世界の最小スケールである。しかし、分かっていないこともある。先のクオーク3つの重さを合わせても、実際の陽子の重さの1%にしかならない。いったい陽子の重さの99%はどこにあるのか。これの計算は非常に複雑であり、式はあってもまだ誰にも解けていない。試みに著者はここで「異次元」を導入してみせる。3次元空間で静止しているように見える陽子でも、異次元方向に激しく運動していれば、その分だけ重く見える(運動エネルギーと質量は等価)のではないか。「異次元」と聞くと、突飛な発想だと思われるかも知れない。しかし、理論上は、「異次元」があるとすると、先にあげた陽子の重さだけでなく、いろいろな複雑なことを、うまく説明できるようになるとされる。自分たちには「異次元」が見えないので、そんな世界はかえって複雑だと感じられるかも知れない。しかし、そんな「異次元」が見せてくれる世界は、いたってシンプルなのかも知れないのだ。つきつめれば、すべては「ひも」であるという「超ひも理論」。天才物理学者浪速阪教授の関西弁「異次元」案内。なお、続編『「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた』も、おもろい。
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