頭木弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今までとは少し違った角度から痛む人の状態や気持ちが垣間見れた気がした。
もちろん、私も痛いと感じることには何度も遭遇しているけれど、追い詰められたような限界に近い痛さ・長期にわたる痛さというものは、未経験だと思う。
そういった疲弊する状態、性格が変わったかのようになってしまう状態、考えられなくなってしまう状態というものに、少し思いをはせることができて良かった。
しかし、痛む人を傍で見ているのも切ないものだろうな。
何もしてあげられない。
助けてあげられない。
痛い人の状態を少しでも察しようと努力することが最初の一歩だとしても、そこからどう歩んでいけばいいのか。その回答を見つけることができるのか -
Posted by ブクログ
まず作者がどんな痛みを経験してきたのかと言う話から始まる。
「潰瘍性大腸炎」と「腸閉塞」
この2つの話が、まず最初に非常に強烈。
私もあちらこちら痛いところがあってひどい片頭痛持ちだが、この人に比べれば、なんと幸せなことよと思わずにはいられない。
痛み仲間として共感を覚える。いや、リスペクト?
作者と一緒に、「ホントやだねえ」と呟きながら読んだ箇所たくさん。
「いろいろ大変だったんですね」とか、「ご両親もきっとつらかったですよね」「あなたももっと肩の力を抜いてできるといいでしょうね」
これらの言葉がトラウマの二次被害だったという「医学書院」の「精神介護」の雑誌に掲載された記事の紹介。
「 -
Posted by ブクログ
ネタバレ絶望なんてしない人生のほうがいい。
それはもちろんそのとおり。絶望しないに越したことはない。
しかし、人生いろいろなことがあるものだ。
その中でまったく絶望の経験がないまま天寿を全うするということは非常に稀有な例であるのは間違いない。
ここで考えてみてほしい。
絶望することそれ自体は悪いことなのだろうか?
絶望しないで生きられるのが一番ではあるが、
絶望を経験することで学ぶこともあるし、そこから立ち直ったなら、より強い心で人生を謳歌できるということもあるだろう。
また、絶望している人に対して希望あふれる言葉を投げかけ、励ますこともある。別に悪いことではない。
だけど、希望って本当に救いにな -
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三大激痛とされ病気「心筋梗塞」「尿路結石」「群発頭痛」
本を読んでいるとさまざま痛みの表現がでてきます。病気や怪我の痛みから心の痛み。そんな体感でだけでなくさまざまな痛みについて描かれています。失恋に痛みがある。痛みを快感としたり、これも痛みだったのかという気づき。
この著者の特徴としてエピグラフ(書籍や章の冒頭に置かれる、題辞や引用句)が多用されています。
「痛みを一度も感じたことのない者に、痛みという言葉は理解できるのだろうか?」(哲学者ウィトゲンシュタイン)
「オムレツの味をどう教えられたって食べなければ分からない」山田太一・誰かへの手紙のように
こんな感じ。
だからより著者だ -
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萩原朔太郎のものぐさニート具合に共感しつつあまりにもカスでは?と思い調べてみたら親が開業医の実家太し君だった。55歳で生涯を終えるまで殆ど働かずに親からの仕送りで暮らしあまつさえ子供もこさえていたという奔放さ。親からは毎月60円ほどの仕送りを受けていたそうで、現代の貨幣価値でいうと27~45万円ということ。詩の才能は別として、社会的には紛うことなきクズでは…?このことが知れただけでも面白かった。
そして何よりもハン・ガンの短編が圧倒的。根本的な動物としての命を描いているようで、とても美しかった。菜食主義者の元となる作品なんだそう。暴力からの離脱を感じる。
萩尾望都の漫画の感覚遮断実験が今でも -
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Posted by ブクログ
発達障害の当事者である横道さんと、潰瘍性大腸炎の当事者である頭木さん。
それぞれの生きづらさについて2人が互いにインタビューをし合ったものをまとめた一冊。
タイトルに「対決」「ケンカ」といった言葉が並ぶが、意見を戦わせるような内容ではない。
むしろ対話をするなかで、自身の生きづらさを再確認し相手の生きづらさを知っていくような内容だった。
それによってお互いの共通点や相違点が見つかっていき、個人の話から社会の話へと広がっていったように感じた。
自分自身読んでいて、共感できるところや、想像しなかった生きづらさについて知れたことがあった。
特に印象的だった話の1つは頭木さんの、ほんとうは対応できる -
Posted by ブクログ
ネタバレカフカの作品は難しいイメージがあって
手に取りづらかった。
そんなとき、俳句なら…と手に取った。
これが沼にはまった原因だ。
個人的に好きだった句は
【わずかな光が言葉を通して洩れてくる】
言葉にできるのは、わずかな事だけ。
逆も然り、言葉を通して必ず伝わる事もある。
【外にでることをゆるされぬままに
内部を焼きつくす火の不幸】
何かしたい(情熱)が何らかで実行されない時、
外に出られなかったために内部を焼き尽くし、
せっかくの情熱が自分を傷つけてしまう。
(=不幸)
【黒い水をかきわけて泳ぐ】
絶望したまま、どう生きるか。
光を求めて溺れてしまわないように。 -