頭木弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
発達障害の当事者である横道さんと、潰瘍性大腸炎の当事者である頭木さん。
それぞれの生きづらさについて2人が互いにインタビューをし合ったものをまとめた一冊。
タイトルに「対決」「ケンカ」といった言葉が並ぶが、意見を戦わせるような内容ではない。
むしろ対話をするなかで、自身の生きづらさを再確認し相手の生きづらさを知っていくような内容だった。
それによってお互いの共通点や相違点が見つかっていき、個人の話から社会の話へと広がっていったように感じた。
自分自身読んでいて、共感できるところや、想像しなかった生きづらさについて知れたことがあった。
特に印象的だった話の1つは頭木さんの、ほんとうは対応できる -
Posted by ブクログ
ネタバレカフカの作品は難しいイメージがあって
手に取りづらかった。
そんなとき、俳句なら…と手に取った。
これが沼にはまった原因だ。
個人的に好きだった句は
【わずかな光が言葉を通して洩れてくる】
言葉にできるのは、わずかな事だけ。
逆も然り、言葉を通して必ず伝わる事もある。
【外にでることをゆるされぬままに
内部を焼きつくす火の不幸】
何かしたい(情熱)が何らかで実行されない時、
外に出られなかったために内部を焼き尽くし、
せっかくの情熱が自分を傷つけてしまう。
(=不幸)
【黒い水をかきわけて泳ぐ】
絶望したまま、どう生きるか。
光を求めて溺れてしまわないように。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ2024年に没後100年の記念イヤーだったカフカの自由律俳句集……?
ではもちろんなく、カフカの手紙やメモ、小説の断片から、文学紹介者の頭木弘樹さんが、“俳句的”な文章を選び、短い文章をつけた一風変わったカフカ紹介本。
繊細でナイーブなカフカは、頭木さんいわく、「炭鉱のカナリアのように」他の人の気付かない不安や恐怖に反応してしまう。
一見、ネガティブな“句”(と、この本では呼んでいる)だけれど、他者に対する攻撃性はまるでなく、自分の内面や、自分と世界の関係について、深く深く内省している姿が、ごまかしがなく、とても誠実に感じる。(もしかしたら、そう感じる言葉を選んでいるだけかもしれないけれど