頭木弘樹のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    “生きづらさを感じない者は、何も気づかず、何も考えずにすむ。”(p.108)


    “白と黒のあいだには、白に近いグレーから黒に近いグレーまで、たくさんのグレーがある。コーヒーと牛乳のあいだには、さまざまな割合のカフェオレがある。サンドイッチの上のパンと下のパンのあいだには、さまざまな具がはさまっている。これをまるごと無視しては、もったいないだろう。”(p.139)

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    2024年06月20日
  • 決定版カフカ短編集(新潮文庫)

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    思ったよりシリアスで一読しただけでは真意が掴みきれないけど、幾重にも思考が重なった重層的な物語のように感じた。

    『流刑地にて』『断食芸人』では時代遅れの哀れみを感じ、『万里の長城』『掟の問題』では権力を骨抜きにするようなシニカルさを感じた。

    万里の長城の建造など意外な題材を取り上げていたり、多様な観点があって掴みどころがないところも魅力ですね。
    また時間が経てば読みたいいぶし銀のような短編集でした。

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    2024年06月17日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    わからない。彼は何を伝えたいのだろう。
    そんな思いもありつつ、気づいたらどんどんと断片たちに吸い込まれていった。
    たまに、わたしもわかる、と思う瞬間がやってきて、カフカと同じ気持ちになったようで、私の気持ちを文章にしてくれたようで、嬉しくなる。
    実は今回初めてカフカに触れた。
    正直にいうと今も難しい。わからない。
    でもなぜか、彼をもっと知りたいと思ったし、
    彼の言葉にもっと共感できる瞬間が来るのが待ち遠しいとも思った。

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    2024年06月13日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    「骨の痛み」・・・
    痛みを感じるのは全て自分に原因があるから。何も変えようとしないのは、結局すべての元凶が自分だから。生きている限り、この痛みから逃れることはできない。

    「人生を呪い」・・・
    この世に生まれてこないことこそが最大の幸福である。世の中は絶望ばかりだ。幸福に生きれる人などほんのひと握り。残すは泥水すすり地べたを這いつくばる亡者のみ。この世に生まれないことこそがいちばんの幸せなのだ。

    「せめて」・・・
    どんなに願っても幸せになれない、穏やかに暮らせない。それならばいっそのこと静かに眠らせてほしい。
    諦観の情。あきらめ。

    「告白と嘘」・・・
    人の本質は言葉では捉えられない。だから

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    2024年06月09日
  • 絶望名言 文庫版

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    カフカやゲーテなどの言葉、人生を簡単に知ることができ、興味が湧いた。彼らに関する本も紹介されており、読んでみたいものもいくつかあった。対談形式で、人生が下降している時のことについて色々と考え方が記載されている。

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    2024年05月02日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    面白い。考え方が面白い。それを色んな文学などを例に理路整然と攻めてくる。心と体、白と黒どちらかではなく、間、グラデーションという捉え方。

    三島由紀夫と太宰治のくだりも面白かった。
    私はあなたの文章が嫌いですと、わざわざ太宰に言いに行き、きてくれるということは本当は好きなんですよ。と言われて激怒する話笑。

    内臓とこころ 三木成夫しげお
    ウツ婚!死にたい私が生き延びるための婚活
    石田月美
    隠悩録 筒井康隆
    僕と彼女のペケ3つ 森永あい
    山と獣と肉と皮 繁延あづさ
    記憶する体 伊藤亜紗
    面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋ひでひろ
    弱いロボット 岡田美智男

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    2024年04月29日
  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ

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    ネタバレ

    P149「創造行為自体が症状の等価物であって、発症する代わりに作品を創った」
    P178「天才は病んでいると言うよりは、常人以上にタフなレジリエンスを有しているのではないか」
    P187「当事者研究は見かけ上はサイエンスという形式で文学をやっていこうという新しいムーブメント」
    なるほど…。

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    2024年06月16日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    心と体について語るのに、色々な話が引用されていて、とても面白かったです。特に首から上と首から下が入れ替わるインドの伝記が印象に残りました。
    頭木さんは本や漫画、映画といった幅広い作品に触れていて本当にすごいなと思いました。
    あとがきに、「自分の考えを一方通行で提示するのではなく、読者にも一緒に考えてもらって良い一冊にしたい」という主旨が書いてあり、とても好感を持ちました。

    「自分」というものを考える時、僕は思わず「体」ではなく「心」の方ばかりに目がいっていました。でも、体が感情を作っているという文章をみたとき、体あってこその心なんだと思えました。例えば、ある男性を目の前にして胸がドキドキして

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    2024年04月09日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    もっと著者の主張が強いタイプの自己啓発系の本かと思ったけど、色んな本やコンテンツを引用しながら読者の思考整理を手助けしてくれるような本だった。

    ずっと自分から逃げられないならどう付き合ってく?
    心と体の関係って?
    心と脳はどう違う?みたいな問い。
    劇的な主張やエポックメイキングな言葉が散りばめられてるわけではないのだけど、そこが心地よかった。
    夏目漱石や寄生獣を読みたくなった。
    自分疲れの処方箋にはならないのだけど
    少し自分疲れの正体に近づいた気がした。

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    2024年04月08日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言2

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     少し前に本書の前作を読んだのですが、一味違った視点に感化されました。前作出版後も「NHKラジオ深夜便」の名物コーナーは継続していて、本書は、その内容を第2作目としての採録したものです。
     こちらも、なかなか私一人の頭では考えが及ばないような切り口からの解説で、とても興味深く読みました。

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    2024年01月09日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    ネタバレ

    ココロとカラダについて、文学的に説明しているユニークな一冊。
    専門用語が使われていたり、科学的データ満載で語られると全然ピンとこないようなテーマが、小説の一節を引用して説明されているとストンと腑に落ちるのが面白い。

    個人的に興味深かったのは、以下のとおり。
    ・性的指向はグラデーション
    ・昆虫は生涯で最も美しいときに死ぬ
    ・人はわからないものを分けようとする

    なんとなく『あいだ』を漂っているのは、全然悪いことじゃない。むしろ、それは自分疲れから解放される1つの方法。

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    2023年12月26日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    あいだで考えるシリーズ第1弾として、これ以上ない良書。
    自分とは何か?
    心?体?
    グラデーションだ、という答えに辿り着いた時、途端に楽になった。

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    2023年09月16日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言

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    またまた体調を崩して、久しぶりにゆっくりゆっくりではあるけどなんとか読書ができました、ゆまちです。
    それはさておき。

    古今東西の文豪の絶望名言を紹介し、その名言について自身らの体験を踏まえて語る本書。
    絶望した時には希望に溢れた言葉より絶望に満ちた言葉の方がすんなり身体に降りてくるというのには同感。本書を体調が悪い中読む事ができたのは、その点があるんだろうなあと。
    ああ、だめだ。頭がうまく働かなくて全然感想になってない。
    でも「明けない夜もある」など、腑に落ちる名言たちに、救われる。
    「不幸はひとりではやってこない。群れをなしてやってくる。」にも同感。
    私も一つの症状がやっとマシになったと思

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    2023年09月12日
  • 絶望名言 文庫版

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    絶望には絶望の流儀があるのだな、と納得。
    自分の知らない世界を知らない状態で非難する事はやめようと思った。

    太宰治、芥川龍之介はすぐにでも何か一冊読みたくなった。
    カフカ、ドストエフスキー、シェークスピアは、いつかの絶望の為に一冊ずつ、家に置いておくのも良いかもしれない。

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    2023年08月14日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    頭木さんの本は以前読んだことがあるので、重なっている部分もあったが、面白かった。
    いつもたくさんの本が(マンガ、映画なども)紹介されていて読みたくなるが、今回も三木成夫や繁延あづさ、大和ハジメなど、すごく読みたくなった。
    サブタイトルが「ココロとカラダのあいだ」となっていて、心と体の関係や、そのコントロールの難しさ、境界の問題など、読書だけでなく実体験に基づいて語られている。

    三木成夫によると体は内臓系(いわゆるハラワタ)と体壁系(手足、頭を含む、ハラワタ以外)に別れ、内臓系の中心が心臓で、体壁系の中心が脳である。「心」の漢字は心臓の象形文字である。「胸が熱くなる」とか「肚の底から」というよ

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    2023年07月29日
  • うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語

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    うんこ
    誰でもうんこをする
    日々のことだから、たまには失敗もする
    もしかすると、人前で漏らしてしまうことも…

    生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それらを見事に描ききった文学作品

    日本文学、海外文学、小説、エッセイ、自伝、体験談などの17のうんこの物語を思う存分楽しみました


    私が特に気に入ったうんこはこの二作品

    『ヒキコモリ漂流記 完全版』山田ルイ53世
    漏らしたうんこをバレずにきちんと処理できたと安心していても、やつには「におい」という武器が残っていることを思い知らせれました

    『野糞の醍醐味』伊沢正名
    あなたは野糞をしたことがありますか…?
    私は…、ノーコメント!

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    2023年07月11日
  • うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語

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    著者はラジオで知っていて、紹介されていた本を読みたいと思っていたが、先にこの本が初読みとなる。

    著者の病気に関連した編集だけれど、本にも書かれているように人間誰でも体験したり、遭遇したりと人生には切り離せない事象だ。

    物語は、帯の細雪から始まり、最後のダビンチの言葉で締められている盛りだくさんの贅沢本である。

    文豪たちが、やはり才能なのか!?上品で文学的に語るところ流石である。

    つる姫じゃ〜っ!、懐かしい。
    少女マンガだったんだー(笑)

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    2023年05月16日
  • うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語

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    著者自身が、そういう病気になっているということで、うんこを漏らすことを題材にした小説などを集めている本。
    着眼点がおもしろい。誰しもが隠したがることを、どうやって文豪と言われているような人が扱っているか、告白しているか、カミングアウトしているか。
    そういう小説を集めた、ということだけでも価値があると思う。

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    2023年04月10日
  • ひきこもり図書館

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    ネタバレ

    目次
    ・死なない蛸 萩原朔太郎
    ・ひきこもり名言集 フランツ・カフカ
    ・桃太郎 岡山県新見市 立石憲宗・編著
    ・凍った時間 星新一
    ・赤い死の仮面 エドガー・アラン・ポー
    ・病床生活からの一発見 萩原朔太郎
    ・フランケンシュタインの方程式 梶尾真治
    ・屋根裏の法学士 宇野浩二
    ・私の女の実 ハン・ガン
    ・静かな水のほとりで ロバート・シェクリイ
    ・スロー・ダウン 萩尾望都
    ・ひきこもらなかったせいで、ひどいめにあう話 頭木弘樹

    部屋から出たくない人ではなく、出られない人のためのアンソロジー。
    書かれているのは、なんらかの状況に閉じ込められて出ることができない人、または蛸。

    『死なない蛸』は

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    2023年03月13日
  • うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語

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    珍しい、排便にまつわるアンソロジー。
    よかったのは尾辻克彦「出口」、山田風太郎「春愁糞尿潭」、筒井康隆「コレラ」、山田ルイ53世「ヒキコモリ漂流記 完全版(抄)」、阿川弘之「黒い煎餅」、伊沢正名「野糞の醍醐味」、ヤン・クィジャ「半地下生活者」。

    漏らすのは人間の尊厳に関わる…そういう思い込みが自分にはある。しかし編者がTwitterで呟いていたが人間死ぬまでに5トンものうんこをするならそれを全部便器の中に落とせるかというと。便意は常に不意打ちで来る。

    うんこにまつわる色々なことを思い出しながら読んだ。小学生の頃は学校でうんこをするのはタブーだった。あれ、なんだったんだろう? 学校でうんこを

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    2023年03月01日