頭木弘樹のレビュー一覧
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ゲーテのポジティブさと、カフカのネガティブさに大きなギャップがあって面白かった。
ゲーテにおいては、ここまでプラスな考え事ができて本当にすごいなと思った。身長も187センチあって、身分も高くて、色々な学問に精通していて。現代にいたとしても超モテモテだと思う。
ゲーテの生き方をみて、色々なものを手に入れられたら本当に幸せなんだろうかと考えさせられた。
ゲーテは83歳くらいまで生きたらしい。人生の過程で、兄弟や奥さん、親友を亡くすという悲しい出来事を経験している。周りの人が亡くなるのを体験すること以上に悲しくなることはないと思う。だから、人生がある程度順調にいっても、本当に辛いことは誰でも起 -
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私は高校中退後に数年間ひきこもり状態でいたことがあり、その時は本当に最悪だった。
人間不信に加え、大学で何か学びたいわけでもなく、かといって、やりたい仕事もなく、ただ推理ものやファンタジー小説を読んでいただけの日々に、これも生きているということになるのだろうかと、思ったものだ。
そんな事があったもので、もしその時に本書を読んでいれば、果たしてどうなっていたのかということに興味を持ち、本書を読んでみたわけなのだが、まず惹き付けられたのは、カフカの「ひきこもり名言集」と、宇野浩二の「屋根裏の法学士」だった。
ただ、カフカは正直ざっくりし過ぎた表現が響かなかったが、宇野浩二は良かった(両者の共 -
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12編のアンソロジー。しかも、内容は、ひきこもり。
館長(編者)のいうことには、自身の引きこもり生活、コロナによる生活の変化など、そういった好む好まざるに関わらず、狭い世界に閉じこもる生活を否定も肯定もせず、その中で起きる心の変化を自分に引き寄せて読んで欲しい、とのこと。
私自身はスポットライトの当たる場に出たこともあるし、良くも悪くも目立つらしい(友人、同期曰く)。
しかし、内向的な性格で、趣味といえば、読書(漫画や雑誌含む)、美術鑑賞で、1人でいる時間が至福。
だからコロナで外に出られないことの何がそんなに苦痛なのかよくわからなかった。
なんだったら今まで、「友達多くてスポーツ大好き」 -
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引きこもり経験者の編者が引きこもりをテーマに編んだアンソロ。12編。
普段はなかなか読まないタイプの話が読めるのが楽しいよね。
おもしろかったのは「凍った時間」と「フランケンシュタインの方程式」かな。
星新一先生の「凍った時間」は星新一らしさ全開で好き。ラストの報われない感じもいい。
「フランケンシュタインの方程式」はバカミスならぬバカSF(そんなのないかな)でものすっごく軽くて読みやすい。もうね、酸素ボンベが味噌になっていた時点で笑っちゃった。笑いごとじゃないけど。
でも、印象に残ったのは「私の女の実」この話、すっごい印象に残る。読んでいるときもイライラするし、読後感もよくないんだけど、なん -
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13年間のひきこもり経験のある著者の選ぶ「部屋から出られない人のための」アンソロジー。私はひきこもるタイプではないけど、今までにない視点で物語を読むことができて、とっても満足です。
引き篭もり止めたら、こんな楽しいことがあるよ、というような物語は12のうちひとつもありません。引き篭もるとこんな新しい発見があるよ、という話がほとんどです。ひきこもり部外者には、ひきこもりたちの声にならない声の代弁を聴いた気になります。朔太郎やカフカや星新一やポーや萩尾望都が、代弁をやってくれている。
私としては、岡山在住の日本民話の会会長立石憲利さんが採取した「鬼退治に行かない桃太郎」がお気に入り。完全岡山弁 -
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失恋した時は失恋ソングが聴きたくなる。絶望した時には絶望の言葉の方が心に染みる。その通りだと思います。15年前に精神的に大変厳しくて、不謹慎ですが死んでしまいたいと思っていたことがありました。会社の同僚からは「元気出して」とか「がんばれ」とか気持ちが明るくなるような本を読んだらとか映画を観たらとか善意のアドバイスを貰いました。ますます凹みました。そんな時、お世話になっていたメンタルクリニックの先生から、ヴィクトルフランクルの「夜と霧」でした。何度も読みました。気持ちが少し救われました。それが正しかったのかなと実感させてくれる作品でした。良い本です。