【感想・ネタバレ】絶望名言 文庫版のレビュー

あらすじ

◎NHK<ラジオ深夜便>の
人気コーナー、待望の文庫化!

◎読売新聞(2/25)でも激賞!
◎明るく前向きに生きることに疲れた人へ。

病気、事故、災害、あるいは、
失恋、挫折、そして孤独......
人生における受け入れがたい現実に
直面した時、人は絶望します。

古今東西の文豪たちも
例外ではありません。
絶望に行き当たり、絶望を見つめ、
絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。

本書では、そんな文豪・偉人たちの
「絶望に寄り添う言葉」から
生きるヒントを探します。

カフカ、太宰治、芥川龍之介・・・
絶望の淵で放った言葉は
どんな言葉よりも力強く、心に響く。

<文豪・偉人の名言を収録!>
カフカ、ドストエフスキー
ゲーテ、太宰治
芥川龍之介、シェークスピア
中島敦、ベートーヴェン
向田邦子、川端康成
ゴッホ、宮沢賢治など

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

明けない夜はない、明日はきっといい日になる、みたいな前向きな言葉が辛い時もある。善意でかけられる励ましの言葉が余計に心をえぐる時もある。自分を想ってかけてくれる、そんな言葉に傷つくあなたが弱くて悲観的で駄目なのではないのです。人にはそれぞれの事情があるのだから。
誰にも相談できない、他人には理解してもらえないだろう、そんな時だからこそ支えてくれる過去の賢人たちの名言の数々。
あなたは決して一人ではないのです。辛い時でもベートーベンや芥川がきっと側にいてくれる。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

絶望的な状況においてはネガティブな言葉の方が救いになることもあるし、寄り添ってくれる。確かにそうだと思う。前向きな言葉はむしろ負担になる。
二人の対談の中で、それぞれの病気の体験にも触れつつ、いろいろな立場の人に平等な目線を送っているのが分かって、とても優しさを感じた。

これ一冊読むだけで、次に読みたい本が何十冊と増えてしまったのが困りもの。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

名言集を読むよりも先に普通に作品を読むべきか、とも思いつつ読み始めたが、第1回のカフカの回で早速引き込まれてしまった。辛かった時の感情を思い出してあの時にこの本またはカフカに出会いたかったなと思ったり、今の気持ちを表現してくれる名言に出会えて救われた気持ちになったり、もっと作品に触れてみたい作家・作曲家と出会えたり、読んでよかった。

辛い時にはポジティブな言葉よりも絶望名言の方が沁みたり救いになることがある。若い時に13年間の闘病生活をしていた頭木さんが共感したり救われた名言とその背景、人物の紹介をしていくラジオを書籍化したもの。

カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア、中島敦、ベートーヴェン、向田邦子、川端康成、ゴッホ、どれもよかった。
彼らや頭木さんほどではないが、自分も思い描いていた人生の道から外れたときや寝たきりで過ごすしかない苦しい時期があって、だからこそ世界がそれまでとは違うように見えたり、良くも悪くも諦めを覚えたりして。10年前だったら味わいきれなかった名言たちだなと感じた。

カフカの絶望名言より
「生きることは、たえずわき道にそれていくことだ。本当はどこに向かうはずだったのか、振り返ってみることさえ許されない」

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

NHKラジオ番組『絶望名言』で放送されていた番組の内容を一冊の本に纏めた本。
息が詰まったり、イライラしたり、ストレスフルな毎日を過ごす内に気持ちもネガティブに...。そんな中にしっとりと寄り添う、“絶望名言”。カフカ、芥川龍之介、ゴッホ、ゲーテ、ベートーヴェンなどなど各分野の偉人達の書籍や脚本内の台詞などを紹介しながら、出演者のお二人が自分の病気の経験を踏まえながら進めていく斬新なスタイルに興味が引かれました。
気持ちが沈んでいるときにはポジティブな名言よりネガティブな名言の方が心に残り
人に寄り添うことが出来ると思う。前向きな言葉ばかりでは正直、味気ないとすら思える。だからこそ、絶望名言は貴重なものだと思うし読んでいきたいと思える本となりました。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

著名な方の、ネガティブな文書。みな、バラ色の人生ではなく、様々な出会うことに、考え、悩み、諦め、というルーチンが繰り広げられ、それを解説してくれる、といういい本でした。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

NHKのラジオ深夜便から。絶望の先にある別世界。有名作家のフレーズから絶望の中にある言葉を探る文学ヲタ向けの一冊。

思いのほか有用な言葉が多い。
カフカ、ドフトエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア、中島敦、ベートーヴェン、向田邦子、川端康成、ゴッホ、宮沢賢治。

太宰治と中島敦と松本清張が同い年というのが何より驚き。

絶望とドン底はまた別物。人生は奥深い。再読したい。

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2023年08月11日

Posted by ブクログ

きっと多くの人の心に響く本。

たしかに、太宰治の著書に惹かれたこともあるし、芥川竜之介のいくつかの言葉を覚えていました。弱っているときに勝手に心に染み込んだのでしょう。
カフカ、ドフトエフスキー、ゲーテの言葉が心地よいときは、自分をケアします。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

ポジティブ思考が跳梁跋扈する今の社会において、本書はその潮流に逆らって、クソみたいな「キャッキャ、うふふ」風土に風穴を開けてくれるだろう。

 落ち込む時は徹底的に落ち込む─

人生、万事上手くいくわけではない。そんなことありえない。人生には必ず「良いこと」と「悪いこと」の二つ糸が織り交ぜられ、赤黒い糸を紡いでいる。人生という無色の糸の中に幸不幸という名の赤黒い糸が混じっているのだ。その糸を解きほぐして分解し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、「絶望名言」の任務なのである。

失恋したときは失恋ソングを聴いて徹底して落ち込む。失恋している自分に酔いしれるくらい落ち込めることができれば及第点だ。

失恋に限らない。試験に落ちたとき、仕事で失敗したとき、何かアンコントローラブルな事象が起きたときには徹底して落ち込むのが良い。無理に自分を奮起させる必要はない。しなやかさのない草木が無理に強風に立ち向かえばたちまち折れてしまう。受け止めるな、受け流せ。

徹底して落ち込みこれ以上ないくらいに落ち込んだら、あとはゆっくり浮上するだけだ。大丈夫。そのときにはこれまでは見えなかった微かな灯火が、それこそ本当に消え入ってしまうような光が、見えているはずだ。その光を目指してゆっくり、ゆっくり浮き上がって行けばいい。

盲目たる楽観主義者よ。本書を読み絶望に戦慄くが良い。それはきっと諸君らの良薬となるだろう。毒を制すには毒しかないのだ。

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

以前にも頭木さんのカフカ関連の本を読んだことがあり、そちらもとてもわかりやすく共感できる内容だったが、本作もよかった。
好きな文豪や画家の話が多くそれだけでも楽しめたが、頭木さん川野さんの話にも頷けることばかりでなんだか救われるような気持ちになった。

ベートーヴェンについてはあまり知らなかったので、こんなに病気や苦労が多かった人だったと知って驚いた。
いろんな意味で本当に凄い人だったんだなぁと今更ながら知れてよかった。
そういうことを知ったうえで、改めて名曲たちを聴いてみようとおもう。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

古今東西の様々な作家の絶望名言を紹介した本。
かなりのボリュームなので心身ともに元気な時に読むのがオススメ。絶望した時に自分を掬い上げてくれるような言葉を一つでも持っておくのに本書が役立つ。
著者はもともと地頭がよいタイプの人間だが、そこに難病という経験を経たことにより感性が研ぎ澄まされたのではないか、と思うほど視点が面白く言葉の選別にセンスを感じた。

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2025年10月20日

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絶望した時に、救いとなるのは明るい言葉ではなく、絶望の言葉だったということで、著名人なソレをピックアップするもの。
明けない夜はないとよく聞くが、明けない夜もあるということことが印象的だった。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

絶望的な気持ちを、きちんと言葉で表し伝えている、そんな名言の数々が染み入りました。
自分の弱さを表現できるって、強さでもあるよね。。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

過去に読んだ本からの名言も多く、共感しながら読みました。
切りが良いので、寝る前に読むのにちょうど良かったです。
私はベートーベン、ゴッホ、宮沢賢治の絶望名言に胸を打たれました。

読む時間が待ち遠しくなるような本でした。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

新しいタイプの本。心が沈んでいるときは明るい言葉は受け付けないというのはそのとおりで、名言が必要なときはむしろ、このような絶望的な名言の方が染み入るのかもと感じた。

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2025年05月27日

Posted by ブクログ

NHKラジオの「ラジオ深夜便」で放送されたものが完全収録されている。なので、ラジオでの会話がそのまま文字起こしされており読みやすい。
カフカやドストエフスキー、太宰修等12名の古今東西の作家や芸術家が取り上げられている。解釈として必ずしも共感できないところもあったのだが、カフカやゲーテについては、うなずくことも多かった。落ち込んだときや元気でないときなど、読み返したいと思う。

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

単行本の絶望名言、絶望名言2の合本みたいなもので、ラジオでやってた番組を本にしたもの。

ちなみに単行本に載っていた絶望名言ミニがなくなり、代わりに宮沢賢治がプラスされている。

超一流の文化人たちの絶望名言が載っています。
カフカにはじまり、ドフトエフスキーや太宰治とかはまあわかるんだけど、こんな人が弱気なセリフを!的な人もいますね。
たとえばゲーテとか。

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2024年10月01日

Posted by ブクログ

NHKの深夜ラジオで放送されていたものを書籍化したもの。
題名の通り著名人の絶望に関する名言と、その名言が発せられた背景、著名人の人生を中心に解説されている。
指南役の頭木さんの闘病時の体験談がプラスされるところに、ただの名言紹介よりも魅力がある。

名言を変にポジティブに還元していないところが良いと思った。
ネガティブな経験をした分、人生に活きるとか人生が有意義になるとか
無理にネガティブな経験をポジティブに持って行かず、ただ辛いと言う気持ちに寄り添う姿勢を終始貫いているので、そこにこの番組の優しさを感じた。
ブックガイドも付いているので、気になる本は読んでみようと思う。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

カフカやゲーテなどの言葉、人生を簡単に知ることができ、興味が湧いた。彼らに関する本も紹介されており、読んでみたいものもいくつかあった。対談形式で、人生が下降している時のことについて色々と考え方が記載されている。

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

絶望には絶望の流儀があるのだな、と納得。
自分の知らない世界を知らない状態で非難する事はやめようと思った。

太宰治、芥川龍之介はすぐにでも何か一冊読みたくなった。
カフカ、ドストエフスキー、シェークスピアは、いつかの絶望の為に一冊ずつ、家に置いておくのも良いかもしれない。

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2023年08月14日

Posted by ブクログ

NHKラジオ深夜便のコンテンツ。カフカやドストエフスキー、ベートーベンの言葉は、読む前から絶望名言という予想の範囲内。太宰もそうだ。ゲーテは“希望の人”だから、ある意味絶望を知っているからこそ、なのだろうと思いながら読んだ。「絶望することができないものは、生きるに値しない」「快適な暮らしの中で想像力を失った人は、無限の苦悩というものを認めようとしない」と。これらの言葉は、幸い?なとこに、絶望と言えるほどの苦悩は知らないと言える自分自身に対する警句として心に留めたい言葉たちだった。
芥川の「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。日常の瑣事に苦しまねばならぬ」という言葉は、今時々私自身も考えている。歳を重ねたからかもしれないが、日々、平凡な毎日を過ごせる時間がとても貴重で、あれもやりたい、これもほしいと思っていた若い頃には感じなかった「小さくて」大きい幸せを感じることができていると思うから。
川端康成「忘れるにまかせるということが結局、最も美しく思い出すということ」。そうだろう、きっと。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

まあそれなりには面白かったのですが、なんか自分には高尚過ぎた気がしたのですよね。わざわざ文豪とか人選しなくても絶望を題材にした本は作れたんじゃないかとも思いました。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ひとつのことで深く悩めないタイプだ。悩まないのではなく、悩めない。少女マンガの傑作(傑作です。異論は認めない)「天使なんかじゃない(矢沢あい)」のなかで、まみりんが翠に「あなた悩んで夜寝れなかったことなんてないでしょう?」と聞くシーンがあって、翠の「昨日の夜は寝れなかった」というモノローグに続くんだけど、あの明るくて、前向きに進んでいく翠ですら、寝れないことがあるのか!と当時高校生だった私には、結構な衝撃だった(詳しい話は、マンガ読んでください。傑作なので)。
そこまで深い悩みがなかった、ある意味幸せじゃないか、とも思うのだけれど、その後の人生でも結局「寝れないほど悩む」ことがないまま、今に至る。

寝たら頭がすっきりして、ちょっと解決に進むよね、あとは行動しよう!という、ポジティブタイプ、とも言えるし、なんかこう、思考・思慮が浅いのでは、とちょっと後ろめたい気持ちにもなる、そんな人生。

なので、と続けてよいのか分からないけれども、人生のどん底、絶望の淵で、グルグルしているようなタイプの小説は苦手で、避けてきたところがある。

この本は、もっとクスっと笑えるタイプの本かと思って手に取って、確かにユーモアにあふれたものではあるのだけれど、作家それぞれの絶望を紐解き、なぜその言葉が、こちらに響いてくるのかを丁寧に解説したものだった。
そのベースにあるのは、話しているお二人の経験で、それぞれ病気で苦しんだからこその想いや実感が乗っているからこそ伝わるものがあるんだろうとは思う。

でもそれは、「病気の経験があってよかった」わけでは決してないし、その経験がなくても、なるほど確かにそういう風に響くのは分かるなと、これまでの読書で抱いていた苦手意識をふわっと軽くしてくれたように感じる。

私は、小説を読むということをもっと感覚的にやってきたところがあり、それをきちんと解説することに違和感を持ってきたのだけれど、あぁ、文学を学ぶってきっとこういうことなんだなと初めて思えた経験でもあった。

もとはラジオなので、それも聞きたいなと思ったのだけれど、なにせ耳から入った情報を処理するのが苦手なので、きっと文字で読んだ方がしっくりくるんだろう。
得るものの多い読書でした。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

絶望は自分の地面を踏み締めるうえで有効な現実把握だと考えている
この本で紹介されている名言の多くも、自身の地面を把握する様について繊細な感覚から紡がれた言葉である、と私は解釈
その中で一際印象に残ったのはシェイクスピアがリア王で書いた台詞
「どん底まで落ちたと言えるうちは、まだ本当にどん底ではない。
底と感じているうちはまだまだだと甘さを思い知った

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2023年11月16日

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