頭木弘樹のレビュー一覧
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面白い。考え方が面白い。それを色んな文学などを例に理路整然と攻めてくる。心と体、白と黒どちらかではなく、間、グラデーションという捉え方。
三島由紀夫と太宰治のくだりも面白かった。
私はあなたの文章が嫌いですと、わざわざ太宰に言いに行き、きてくれるということは本当は好きなんですよ。と言われて激怒する話笑。
内臓とこころ 三木成夫しげお
ウツ婚!死にたい私が生き延びるための婚活
石田月美
隠悩録 筒井康隆
僕と彼女のペケ3つ 森永あい
山と獣と肉と皮 繁延あづさ
記憶する体 伊藤亜紗
面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋ひでひろ
弱いロボット 岡田美智男 -
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心と体について語るのに、色々な話が引用されていて、とても面白かったです。特に首から上と首から下が入れ替わるインドの伝記が印象に残りました。
頭木さんは本や漫画、映画といった幅広い作品に触れていて本当にすごいなと思いました。
あとがきに、「自分の考えを一方通行で提示するのではなく、読者にも一緒に考えてもらって良い一冊にしたい」という主旨が書いてあり、とても好感を持ちました。
「自分」というものを考える時、僕は思わず「体」ではなく「心」の方ばかりに目がいっていました。でも、体が感情を作っているという文章をみたとき、体あってこその心なんだと思えました。例えば、ある男性を目の前にして胸がドキドキしている…その後で、そうか!私は彼のことがスキなんだ!と解釈する。
体も心もとても大切なのだと改めて感じることができ、また自分とはなんなのかを考えられる素晴らしい作品でした。
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またまた体調を崩して、久しぶりにゆっくりゆっくりではあるけどなんとか読書ができました、ゆまちです。
それはさておき。
古今東西の文豪の絶望名言を紹介し、その名言について自身らの体験を踏まえて語る本書。
絶望した時には希望に溢れた言葉より絶望に満ちた言葉の方がすんなり身体に降りてくるというのには同感。本書を体調が悪い中読む事ができたのは、その点があるんだろうなあと。
ああ、だめだ。頭がうまく働かなくて全然感想になってない。
でも「明けない夜もある」など、腑に落ちる名言たちに、救われる。
「不幸はひとりではやってこない。群れをなしてやってくる。」にも同感。
私も一つの症状がやっとマシになったと思ったら新たな症状が出て苦しめられたり。
悪い事が今後必ず起こるよりも、次何が来るのかわからないことの方が恐ろしい的な言葉にも頷く。
正直次はどんな症状が来るんだ!?と楽しく過ごせる日々の中でも不安は絶えないため、そこを拾い上げて言葉にしてくれたことにはありがたさすら感じる。
将来に向かって、つまずき倒れながらいこうと思います。
うん、相変わらず意味不明な文章になってしまった。お許しを。 -
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頭木さんの本は以前読んだことがあるので、重なっている部分もあったが、面白かった。
いつもたくさんの本が(マンガ、映画なども)紹介されていて読みたくなるが、今回も三木成夫や繁延あづさ、大和ハジメなど、すごく読みたくなった。
サブタイトルが「ココロとカラダのあいだ」となっていて、心と体の関係や、そのコントロールの難しさ、境界の問題など、読書だけでなく実体験に基づいて語られている。
三木成夫によると体は内臓系(いわゆるハラワタ)と体壁系(手足、頭を含む、ハラワタ以外)に別れ、内臓系の中心が心臓で、体壁系の中心が脳である。「心」の漢字は心臓の象形文字である。「胸が熱くなる」とか「肚の底から」というように心(感情)は内臓に根差したことばである。「頭」は体壁系で、「頭が切れる」と言うように判断や思考力を示す。なんてところがとても面白かった。
心は千々に乱れるものだと皆理解しているが、体だってパーツによってそれぞれバラバラの衝動がある、という経験はなかなか普通に暮らしていると実感できない。が、赤ちゃんに歯が生えてくると噛みたがるのも、あれはむず痒いからだと思っていたが、「噛みたい」という顎の衝動が歯が生えることで芽生えたからというのもあるのではないかと思った。
イラストは『ベルリンうわの空』の香山哲。不気味かわいい絵が最高。
とても良い読書経験だった。 -
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うんこ
誰でもうんこをする
日々のことだから、たまには失敗もする
もしかすると、人前で漏らしてしまうことも…
生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それらを見事に描ききった文学作品
日本文学、海外文学、小説、エッセイ、自伝、体験談などの17のうんこの物語を思う存分楽しみました
私が特に気に入ったうんこはこの二作品
『ヒキコモリ漂流記 完全版』山田ルイ53世
漏らしたうんこをバレずにきちんと処理できたと安心していても、やつには「におい」という武器が残っていることを思い知らせれました
『野糞の醍醐味』伊沢正名
あなたは野糞をしたことがありますか…?
私は…、ノーコメント!
想像におまかせしますw
これを読むと野糞に憧れを抱くかも!
最後に、うんこを連呼して失礼いたしました -
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ネタバレ目次
・死なない蛸 萩原朔太郎
・ひきこもり名言集 フランツ・カフカ
・桃太郎 岡山県新見市 立石憲宗・編著
・凍った時間 星新一
・赤い死の仮面 エドガー・アラン・ポー
・病床生活からの一発見 萩原朔太郎
・フランケンシュタインの方程式 梶尾真治
・屋根裏の法学士 宇野浩二
・私の女の実 ハン・ガン
・静かな水のほとりで ロバート・シェクリイ
・スロー・ダウン 萩尾望都
・ひきこもらなかったせいで、ひどいめにあう話 頭木弘樹
部屋から出たくない人ではなく、出られない人のためのアンソロジー。
書かれているのは、なんらかの状況に閉じ込められて出ることができない人、または蛸。
『死なない蛸』は見開き2ページのほんの短い小説なのだけど、それを読んでいるときに、ふと子どもの頃によく歌っていた「ひとくい土人のサムサム」って歌を思い出した。
いろいろと今の時代にはアウトの曲ですが、谷川俊太郎の詩と寂しいメロディーがそうさせたのかしら。
『赤い死の仮面』は、死に至る感染症から逃れるために引きこもる話。
あら、最近の出来事みたいじゃない?
なんて思って読んでいたけれど、現実よりはるかに怖い顚末でした。
『フランケンシュタインの方程式』は、あらすじを見て、これは『冷たい方程式』の系列の話だなとすぐに分かったので、自分なりにフランケンシュタインをイメージしてストーリーを予想しました。
結論としては、私のは『フランケンシュタイン』ではなく『占星術殺人事件の方程式』でした。
あはは。
タイトルがネタバレなのに、「そうきたか」というところに落とすのは、さすがプロ。
『屋根裏の法学士』ってタイトル見て、江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』のオマージュかと思ったら、乱歩の方が宇野浩二のファンだったのね。
で、この主人公って、中二病じゃん。
大正時代にもいたのね、こういう人。
一番閉塞感が強く感じられたのが『私の女の実』。
夫は妻の身体に痣が出来ていることに気づきもしなかった。
病院に付添うこともなかった。
自由にここではないどこかへ行きたかった妻を縛り付けているという自覚もなかった。
結局どこへも行けなかった妻は、ようやく夫に優しく世話をされるようになる。
それは解放?復讐?それとも…。
家族との縁が薄かった夫が最後に感じたのは喜び?悲しみ?
いかようにも読める、懐の深い小説でした。
『スロー・ダウン』
深い孤独と現実感の喪失。
体験したことないはずなのに、すっと心になじんでいくような気がするのは、絵の力なのだろうか。
私は耐性がある方だと思うけど、実際被験したらどうなるのかなあ。
考えると、怖い。 -
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珍しい、排便にまつわるアンソロジー。
よかったのは尾辻克彦「出口」、山田風太郎「春愁糞尿潭」、筒井康隆「コレラ」、山田ルイ53世「ヒキコモリ漂流記 完全版(抄)」、阿川弘之「黒い煎餅」、伊沢正名「野糞の醍醐味」、ヤン・クィジャ「半地下生活者」。
漏らすのは人間の尊厳に関わる…そういう思い込みが自分にはある。しかし編者がTwitterで呟いていたが人間死ぬまでに5トンものうんこをするならそれを全部便器の中に落とせるかというと。便意は常に不意打ちで来る。
うんこにまつわる色々なことを思い出しながら読んだ。小学生の頃は学校でうんこをするのはタブーだった。あれ、なんだったんだろう? 学校でうんこをするとからかわれる、そのことへの恐れがいつも念頭にあった(ような気がする)。
45年生きてきて漏らしそうになったことは何度かあるが漏らしたことは幸いまだない…と思う。記憶にある中で一番やばかった経験は、真夏に、池袋で、空腹で水をたくさん飲んだあと豚骨ラーメンを食べたら帰りの電車で腹を下して、漏らさないよう脂汗浮かべながら耐え、2回途中下車して駅のトイレに駆け込んだ。ラッシュの少し前だったかしてまださほど混雑しない時間帯だったから個室が空いていてなんとか助かった。その日はうんこしながら帰ってきたようなもの。都心はトイレは多いが人も多いので不便。外で便意を覚えるたびもっと個室トイレをあちこちにたくさん設置してほしい、と思う。 -
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「うんこ」にまつわる小説やエッセイなどを集めたアンソロジー。
谷崎潤一郎は好きな作家だが恥ずかしながら「細雪」は未読で、その結末が下痢で腹を下した主人公?が長距離列車に乗って旅立つところで終わるのだとは知らなかった。
唯一収録されているマンガが「トイレット博士」でも「Drスランプ」でもなく土田よしこの「つる姫じゃ〜っ!」というのが編者の個性の表れだろうか?
収録されている作品の中では韓国のヤン・クィジャの「半地下生活者」が圧倒的に良かった。80年代末に書かれた作品だが内容は完全に葉山嘉樹や小林多喜二ら戦前のプロレタリア文学の世界だ。これは他の作品も読んでみたいと思った。
個人的には、松沢呉一の「ウンゲロ」に収録されている便秘が酷すぎて口からうんこを吐き出した話が大好きなので入れて欲しかったなぁ。(「ウンゲロ」は人にあげちゃったんで手元になくて読み返せない) -
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ゲーテのポジティブさと、カフカのネガティブさに大きなギャップがあって面白かった。
ゲーテにおいては、ここまでプラスな考え事ができて本当にすごいなと思った。身長も187センチあって、身分も高くて、色々な学問に精通していて。現代にいたとしても超モテモテだと思う。
ゲーテの生き方をみて、色々なものを手に入れられたら本当に幸せなんだろうかと考えさせられた。
ゲーテは83歳くらいまで生きたらしい。人生の過程で、兄弟や奥さん、親友を亡くすという悲しい出来事を経験している。周りの人が亡くなるのを体験すること以上に悲しくなることはないと思う。だから、人生がある程度順調にいっても、本当に辛いことは誰でも起きるんだなと思った。