頭木弘樹のレビュー一覧
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陰と陽。両極端な二人の狭間から生まれるものは。
作家界の二大巨塔ゲーテとカフカ。かたや25歳にして『若きウェルテルの悩み』が大ヒットした独を代表する文豪。かたや多数の作品を生み出しながらも死後40年あまりも評価がされることがなかった不遇のオーストリア保険局員。そんなポジティブとネガティブを象徴させる二人の名言を、テーマごとに対比させてみるという面白い試みをしたのがこの本。
「太陽が輝けば、ちりも輝く」ゲーテ
「暗闇に戻らなければなりませんでした。太陽に耐えられなかったのです」カフカ
偉大なる存在のもとにあって、その恩恵を感じるか自身の小ささを思い知るか。自分がその場に相応 -
Posted by ブクログ
面白かった。
私も相当ネガティブな思考の持ち主だと常々思っていましたが、
それを遥かに上回るネガティブぶりに、何だかホッとします。
カフカ、色々と突き抜けています。
ネガティブな言葉でホッとするって
考えてみれば変かも知れませんが、
自分よりネガティブな人を見つけると
「えっ!いやいや、そんな風に考えなくても…」と思えるし、
自分自身の考え方を客観視するきっかけにもなりそうです。
悲しい時に明るい曲を聴くよりも、まず悲しい曲を聴いてから、
明るい曲を聴いた方が良いらしいので、
言葉も同様に、落ち込んでいる時はポジティブな言葉よりも、
まずネガティブな言葉を身近におくのもアリ?
こんなにネガ -
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Posted by ブクログ
「怖くて電話が取れません」
職場の後輩から、こんな相談を受けたことがあります。
営業サポートを担当する彼女は少し前にお客様にキツく叱られたことがあり、それ以来
また失敗したらどうしよう、
叱られたらどうしよう、と
心配のあまり電話を取ることができなくなってしまったようでした。
私たちには時として、他人から見れば「何で?」と思うようなことが怖くなったり、心配でならないということがあります。
「仕事に失敗は付き物、心配しないでまずはやってみれば?」と先輩にアドバイスされても不安は消えないし、怖さも無くならない。
頭では分かっていても心配に心が潰されそうな時というのが私たちにはあります -
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カフカのエッセイや日記から、選りすぐりのネガティブ発言だけを集め紹介した名言(迷言?)集。「将来に」「世の中に」「自身の健康に」「親に」…ありとあらゆることに悲観的です。
中身は全てカフカ自身の愚痴と諦めと絶望に溢れています。気付けば私自身も彼の影響を受けネガティブになるのではと少し心配もありましたが、全くの杞憂でした。
彼のネガティブ思考は達人級なので「ここまで自分を卑下しなくても…」とやきもきし始め、気付けば会ったこともない彼を叱咤激励している自分がいます。
カフカ自身を知れる興味深い1冊です。笑っちゃうくらいネガティブな面を知った上で、彼の作品を読んでみたいと思いました。 -
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〈この本が目指すのは、痛い人と痛くない人のあいだに置いてもらって、「自分の気持ちはこれに近い」と痛い人が説明したり、「こういう痛みなの?」と痛くない人が質問したり、そんなふうに使ってもらえることだ。〉
痛みにさんざん苦しめられてきたご自身の半生を交えながら、「痛み」をいろんな角度から考察してみようという一冊。
頭木弘樹さんの著書には引用が多いけれど、そのどれもが絶妙。(おかげで今回も読みたい本がたくさん増えた。)
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』において、さまざまな痛みを経験してきたという加納クレタの台詞も、ここで改めて目にするとまるで別物のように響いた。
経験したことがない加納クレタの痛み -
Posted by ブクログ
最近お気に入りの頭木さん。
潰瘍性大腸炎という難病に罹ったことから、様々な考察を経て彼特有の視点から物事を論考している著作が好きで、よく読んでいる。
本作は、著者自身も苦しんだ「痛み」に関するものだが、その訴えるところが他者理解についてあまりに的確すぎて、唸った。
経験していないことは想像しても分かり得ないという前提に立つことが理解のスタートラインだとか、そのわからないことがあると思えることがわかることへの第一歩だとか、対人援助を生業とする私にとっても、あまりに普遍的で基本的でありつつも最重要である事柄を端的に述べてくれている。
著者の文が好きなのは、とても示唆的なことを、平易に、さも大した -
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Posted by ブクログ
むずい!変身とかはもう少し読みやすかった。短編だし、日常のひとコマを切り取ったような設定なので、状況やセリフが難解ということではなく、するする読むのだけど、だんだん自分がなにを読んでるのか分からなくなってくるという、、、急に幻想の話なのか?と思ったり。
解説を読んでからもう一度読むと、分かりかけるものもあり。一番簡単に読めた「流刑地にて」は、いちばんエグかったです。
カフカはすごく評価されている作家ですが、わたしにはまだまだ経験値が足らんのか?でも、あと数回読んだら何か変わるのかもしれないという不思議な後ろ髪引かれ感は残っているのです、、、