頭木弘樹のレビュー一覧
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「怖くて電話が取れません」
職場の後輩から、こんな相談を受けたことがあります。
営業サポートを担当する彼女は少し前にお客様にキツく叱られたことがあり、それ以来
また失敗したらどうしよう、
叱られたらどうしよう、と
心配のあまり電話を取ることができなくなってしまったようでした。
私たちには時として、他人から見れば「何で?」と思うようなことが怖くなったり、心配でならないということがあります。
「仕事に失敗は付き物、心配しないでまずはやってみれば?」と先輩にアドバイスされても不安は消えないし、怖さも無くならない。
頭では分かっていても心配に心が潰されそうな時というのが私たちにはあります -
Posted by ブクログ
カフカのエッセイや日記から、選りすぐりのネガティブ発言だけを集め紹介した名言(迷言?)集。「将来に」「世の中に」「自身の健康に」「親に」…ありとあらゆることに悲観的です。
中身は全てカフカ自身の愚痴と諦めと絶望に溢れています。気付けば私自身も彼の影響を受けネガティブになるのではと少し心配もありましたが、全くの杞憂でした。
彼のネガティブ思考は達人級なので「ここまで自分を卑下しなくても…」とやきもきし始め、気付けば会ったこともない彼を叱咤激励している自分がいます。
カフカ自身を知れる興味深い1冊です。笑っちゃうくらいネガティブな面を知った上で、彼の作品を読んでみたいと思いました。 -
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Posted by ブクログ
〈この本が目指すのは、痛い人と痛くない人のあいだに置いてもらって、「自分の気持ちはこれに近い」と痛い人が説明したり、「こういう痛みなの?」と痛くない人が質問したり、そんなふうに使ってもらえることだ。〉
痛みにさんざん苦しめられてきたご自身の半生を交えながら、「痛み」をいろんな角度から考察してみようという一冊。
頭木弘樹さんの著書には引用が多いけれど、そのどれもが絶妙。(おかげで今回も読みたい本がたくさん増えた。)
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』において、さまざまな痛みを経験してきたという加納クレタの台詞も、ここで改めて目にするとまるで別物のように響いた。
経験したことがない加納クレタの痛み -
Posted by ブクログ
最近お気に入りの頭木さん。
潰瘍性大腸炎という難病に罹ったことから、様々な考察を経て彼特有の視点から物事を論考している著作が好きで、よく読んでいる。
本作は、著者自身も苦しんだ「痛み」に関するものだが、その訴えるところが他者理解についてあまりに的確すぎて、唸った。
経験していないことは想像しても分かり得ないという前提に立つことが理解のスタートラインだとか、そのわからないことがあると思えることがわかることへの第一歩だとか、対人援助を生業とする私にとっても、あまりに普遍的で基本的でありつつも最重要である事柄を端的に述べてくれている。
著者の文が好きなのは、とても示唆的なことを、平易に、さも大した -
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Posted by ブクログ
むずい!変身とかはもう少し読みやすかった。短編だし、日常のひとコマを切り取ったような設定なので、状況やセリフが難解ということではなく、するする読むのだけど、だんだん自分がなにを読んでるのか分からなくなってくるという、、、急に幻想の話なのか?と思ったり。
解説を読んでからもう一度読むと、分かりかけるものもあり。一番簡単に読めた「流刑地にて」は、いちばんエグかったです。
カフカはすごく評価されている作家ですが、わたしにはまだまだ経験値が足らんのか?でも、あと数回読んだら何か変わるのかもしれないという不思議な後ろ髪引かれ感は残っているのです、、、 -
Posted by ブクログ
ラジオ番組の文字起こしなのでサラサラ読めます。
カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰、芥川、シェークスピア。
ゲーテ
人間は昼と同じく夜を必要としないだろうか
光の強いところでは影も濃い
芥川の地獄はルールがあるから現世よりマシってのもいいですね。
「弱いから強い」とかいうよくある安い慰めを二人の語り手は優しく否定します。弱いまま、弱いからこその気づきというか。
どうしようもない人だからこそどうしようもない人ならではの危険を察知してカバー出来たりするのかもよと。なるほどね。たまにはそういうこともあるでしょう。
日常の瑣末なことに美を見出したり出来る人は瑣末な事に傷ついたりもするっての -
Posted by ブクログ
NHKラジオ深夜便のコンテンツ。カフカやドストエフスキー、ベートーベンの言葉は、読む前から絶望名言という予想の範囲内。太宰もそうだ。ゲーテは“希望の人”だから、ある意味絶望を知っているからこそ、なのだろうと思いながら読んだ。「絶望することができないものは、生きるに値しない」「快適な暮らしの中で想像力を失った人は、無限の苦悩というものを認めようとしない」と。これらの言葉は、幸い?なとこに、絶望と言えるほどの苦悩は知らないと言える自分自身に対する警句として心に留めたい言葉たちだった。
芥川の「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。日常の瑣事に苦しまねばならぬ」という言葉は、今時 -
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「変身」すら未読なのに短編集を読むという。
それでも「判決」はカフカって感じの話なんだろうなと思った。客観的に読んでる感じでは、一人芝居乙…とも捉えられかねない、自分で事態をややこしくして自分から進んで悩みを大きくしているがいかにも小説家だなぁというのが正直な感想。
「万里の長城」「バベルの塔」のような、何が始まるかと思えば完成したほうがいいようなそうではないような的な持論を延々に展開していくというものだが、理屈らしきものをこねこねして一歩も踏み出さないところは、なんだか私に似ていて好感が持てるのだ。
話の内容もそうだが、解説も勉強になった。カフカが無名な頃に出版した新潮社の粋が伝わった -