頭木弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カフカについての著書を複数手掛けておられる頭木弘樹さんの本の一つ。最近の新聞の書評でも取り上げられていた(見つけただけでニ紙も⁈)
カフカの書いたものに見られる言葉のフレーズが、まるで自由律俳句のようであるとして、まとめられた一冊。
見開きの右にカフカの言葉、左側に頭木さんのコメントなので、文章量としては多くないのだが、さっさと読んでしまうのは難しい。惜しい、もったいない。
人によっては刺さらないかもしれない。心の中に重いものを抱えている人が、その言葉とリンクした時、思いがけなく世界が広がる感じ⁇ただ
「快適だと何もせず、快適でないと何もできない」
の一節は誰にでも心当たりがあるだろう。
本当 -
Posted by ブクログ
ネタバレひとつのことで深く悩めないタイプだ。悩まないのではなく、悩めない。少女マンガの傑作(傑作です。異論は認めない)「天使なんかじゃない(矢沢あい)」のなかで、まみりんが翠に「あなた悩んで夜寝れなかったことなんてないでしょう?」と聞くシーンがあって、翠の「昨日の夜は寝れなかった」というモノローグに続くんだけど、あの明るくて、前向きに進んでいく翠ですら、寝れないことがあるのか!と当時高校生だった私には、結構な衝撃だった(詳しい話は、マンガ読んでください。傑作なので)。
そこまで深い悩みがなかった、ある意味幸せじゃないか、とも思うのだけれど、その後の人生でも結局「寝れないほど悩む」ことがないまま、今に至 -
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「変身」以来。「審判」は積読中。
『法の前に』は、カフカが感じた実際の法への失望なのかな?
絶望、混乱、孤独、喪失、迷い、息苦しさ、生き苦しさの中、訳者がつけてくれたタイトルのおかげでちょっとファニーな雰囲気もある。おかしな本でした。
〔失敗することさえできない〕 〔井戸〕
〔隣人までの距離〕 〔道に迷う〕
〔助けて!〕 〔何もわたしをとどめない〕
〔灌木かんぼく〕 〔問いかけ〕
〔道は無限〕 〔あいだの魚〕
『コメント』 〔すべて無駄だった〕
〔志願囚人〕 〔自分が生きていること〕
〔自由とは〕 「プロメテウス」 〔沈黙〕
ユーモア大賞は〔自分を建て直す〕かな。コサックダンスを踊るカフカを -
Posted by ブクログ
勇気づけられるというより、「普通」でいられることが確認できて、少しホッとしました。
頭木さんの解釈がほんとうに優しい。優しすぎる。ラジオでは聴いたことがありません。今も続いているみたいなので今度聴いてみたいと思っています。
ふさわしい人生を生きるということ自体が、なかなか難しいですよね。人はどこかで、ふさわしくない人生を生きているんだと思います。
根田さんのあとがきも良かったな。
私には小さな子どもがおり、日々、保育園や学童保育への送り迎えをしていますが、保育士さんやお母さん方、お父さん方と交わす会釈にずいぶん救われています。そして、「おはようございます」、「きょうは暑いですね」、「