頭木弘樹のレビュー一覧
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トーン・テヘレン著『ハリネズミの願い』を読んだ流れで再読。いや、再々再々読、くらい。暗い。
『ハリネズミの願い』で「絶望することはけっしてない。絶望はできないんだ(p.26)」と言う陰鬱なハリネズミに、カフカか、と思ったのですが、カフカは「あらゆることに、わたしは失敗する。いや、失敗することさえできない」だった。あら思い込み。でも絶望の神といえばカフカよね。
年に1度の100冊処分祭開催時、何度も何度も処分を検討しながら、結局手元に残る本。
「手軽に絶望に浸りたい」という、あまりにもしあわせな願望がやって来たときにしっくり来る一冊。絶望の最中にいるときには読むべからず。 -
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Posted by ブクログ
〈この本が目指すのは、痛い人と痛くない人のあいだに置いてもらって、「自分の気持ちはこれに近い」と痛い人が説明したり、「こういう痛みなの?」と痛くない人が質問したり、そんなふうに使ってもらえることだ。〉
痛みにさんざん苦しめられてきたご自身の半生を交えながら、「痛み」をいろんな角度から考察してみようという一冊。
頭木弘樹さんの著書には引用が多いけれど、そのどれもが絶妙。(おかげで今回も読みたい本がたくさん増えた。)
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』において、さまざまな痛みを経験してきたという加納クレタの台詞も、ここで改めて目にするとまるで別物のように響いた。
経験したことがない加納クレタの痛み -
Posted by ブクログ
最近お気に入りの頭木さん。
潰瘍性大腸炎という難病に罹ったことから、様々な考察を経て彼特有の視点から物事を論考している著作が好きで、よく読んでいる。
本作は、著者自身も苦しんだ「痛み」に関するものだが、その訴えるところが他者理解についてあまりに的確すぎて、唸った。
経験していないことは想像しても分かり得ないという前提に立つことが理解のスタートラインだとか、そのわからないことがあると思えることがわかることへの第一歩だとか、対人援助を生業とする私にとっても、あまりに普遍的で基本的でありつつも最重要である事柄を端的に述べてくれている。
著者の文が好きなのは、とても示唆的なことを、平易に、さも大した -
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むずい!変身とかはもう少し読みやすかった。短編だし、日常のひとコマを切り取ったような設定なので、状況やセリフが難解ということではなく、するする読むのだけど、だんだん自分がなにを読んでるのか分からなくなってくるという、、、急に幻想の話なのか?と思ったり。
解説を読んでからもう一度読むと、分かりかけるものもあり。一番簡単に読めた「流刑地にて」は、いちばんエグかったです。
カフカはすごく評価されている作家ですが、わたしにはまだまだ経験値が足らんのか?でも、あと数回読んだら何か変わるのかもしれないという不思議な後ろ髪引かれ感は残っているのです、、、 -
Posted by ブクログ
少し思っていたのとは違った
もう少し軽い笑い話かと思ったが
文学的な要素が強いアンソロジーでした
自分もお腹は弱く、外出先では常にトイレの場所などを確認するような生活なので
同じ様に考える人の話を読むと勇気づけられます
幸いまだ外で漏らしたことは無いですが、
漏らした話は「ロングショットで見れば喜劇、クローズアップで見れば悲劇」という言葉には凄く納得がいきました
本人からすれば人生が変わるほどの大きな悲劇だが
他人が話を聞いたらただの笑い話になってしまう
この生理現象はなんとも不思議なものだなと
改めて思い知らされます
文学的な作品に抵抗がなく
うんこに興味のある方は是非オススメです -
Posted by ブクログ
ラジオ番組の文字起こしなのでサラサラ読めます。
カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰、芥川、シェークスピア。
ゲーテ
人間は昼と同じく夜を必要としないだろうか
光の強いところでは影も濃い
芥川の地獄はルールがあるから現世よりマシってのもいいですね。
「弱いから強い」とかいうよくある安い慰めを二人の語り手は優しく否定します。弱いまま、弱いからこその気づきというか。
どうしようもない人だからこそどうしようもない人ならではの危険を察知してカバー出来たりするのかもよと。なるほどね。たまにはそういうこともあるでしょう。
日常の瑣末なことに美を見出したり出来る人は瑣末な事に傷ついたりもするっての -
Posted by ブクログ
NHKラジオ深夜便のコンテンツ。カフカやドストエフスキー、ベートーベンの言葉は、読む前から絶望名言という予想の範囲内。太宰もそうだ。ゲーテは“希望の人”だから、ある意味絶望を知っているからこそ、なのだろうと思いながら読んだ。「絶望することができないものは、生きるに値しない」「快適な暮らしの中で想像力を失った人は、無限の苦悩というものを認めようとしない」と。これらの言葉は、幸い?なとこに、絶望と言えるほどの苦悩は知らないと言える自分自身に対する警句として心に留めたい言葉たちだった。
芥川の「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。日常の瑣事に苦しまねばならぬ」という言葉は、今時 -
Posted by ブクログ
「変身」すら未読なのに短編集を読むという。
それでも「判決」はカフカって感じの話なんだろうなと思った。客観的に読んでる感じでは、一人芝居乙…とも捉えられかねない、自分で事態をややこしくして自分から進んで悩みを大きくしているがいかにも小説家だなぁというのが正直な感想。
「万里の長城」「バベルの塔」のような、何が始まるかと思えば完成したほうがいいようなそうではないような的な持論を延々に展開していくというものだが、理屈らしきものをこねこねして一歩も踏み出さないところは、なんだか私に似ていて好感が持てるのだ。
話の内容もそうだが、解説も勉強になった。カフカが無名な頃に出版した新潮社の粋が伝わった -